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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W41
管理番号 1385343 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-11-25 
確定日 2022-06-10 
事件の表示 商願2020−143393拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年11月19日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月7日付け:拒絶理由通知書
令和3年6月18日受付:意見書
令和3年9月1日付け:拒絶査定
令和3年11月25日受付:審判請求書

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第41類「運動施設の提供,運動用具の貸与,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,音響用又は映像用のスタジオの提供,楽器の貸与,技芸・スポーツ又は知識の教授,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),興行場の座席の手配,娯楽施設の提供,写真の撮影,書籍の制作,図書の貸与,図書及び記録の供覧,電子出版物の提供,放送番組の制作,放送番組の制作における演出,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),パーティの企画,フィットネスの教授,ヘルスクラブの提供(健康及びフィットネスのためのトレーニング),レクリエーション施設の提供,運動競技の計時,運動競技会の企画・運営,音楽のプロデュース(企画・制作),教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,個人指導(フィットネストレーニング),録音済み記録媒体の貸与,スポーツの興行の企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として、登録出願されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
国際登録第1336494号商標
商標の構成:別掲2のとおり
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)2月6日
優先権主張:2016年(平成28年)8月18日 Switzerland
設定登録日:平成30年3月9日
指定商品及び指定役務:第3類、第5類、第41類、第42類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

4 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、上段に、デザイン化された右向きの赤色の二等辺三角形状の図形(以下「本願図形部分」という。)、下段に、「POWERAGING」の黒文字(以下「本願文字部分」という。)を配してなる図形と文字との結合商標である。
そして、本願商標の構成中、本願図形部分と本願文字部分は、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないものであり、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものであるから、本願図形部分と本願文字部分のそれぞれを要部として抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することもできるというべきである。
イ 本願商標の要部の一である本願図形部分は、赤色からなるものであって、外側に、縦の直線を基軸(底辺)とし、右側に頂角をおいた、一部が欠けた右向きの二等辺三角形(2辺の長さが等しい三角形)の形状を太線で描き(以下「本願外側図形」という。)、その内側に、本願外側図形の辺の比率で3分の1程度の辺の長さの、色が塗りつぶされた二等辺三角形(以下「本願内側図形」という。)を配した構成からなるものである。
そして、当該図形は、右になびいている旗のような図形に見える場合があるものの、これが、特定の事物を表すものとして認識されているというような事情も見いだせないことからすれば、本願図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標は、別掲2のとおり、左側に、下向きの黒色の正三角形状の図形(以下「引用図形部分」という。)、右側に、「VIFOR」及び「PHARMA」の黒文字(以下「引用文字部分」という。)を二段に配してなる図形と文字との結合商標である。
そして、引用商標の構成中、引用図形部分と引用文字部分は、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないものであり、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものであるから、引用図形部分と引用文字部分のそれぞれを要部として抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することもできるというべきである。
イ 引用商標の要部の一である引用図形部分は、黒色からなるものであって、外側に、横の直線を基軸(底辺)とし、一部が欠けた下向きの正三角形(3辺の長さが等しい三角形)状の形状を太線で描き(以下「引用外側図形」という。)、その内側に、引用外側図形の辺の比率で6分の1程度の辺の長さの、色が塗りつぶされた下向きの正三角形状の図形(以下「引用内側図形」という。)を配した構成からなるものである。
そして、これが、特定の事物を表すものとして認識されているというような事情も見いだせないことからすれば、引用図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標のそれぞれの要部の一である本願図形部分と引用図形部分(以下「各図形部分」という場合がある。)の類否について
各図形部分の外観を比較するに、両者はいずれも三角形をモチーフとした図形から構成されているものの、本願図形部分は、縦の直線を基軸(底辺)とし、右側に頂点をおき、一部が欠けた右向きの二等辺三角形をモチーフとした図形であって、旗のよう見える場合もあるのに対し、引用図形部分は、横の直線を基軸(底辺)とし、3つの角の角度が等しい下向きの正三角形をモチーフとした図形であるから、両者は、基軸とする直線の位置(縦又は横)、モチーフとする三角形の形状(二等辺三角形又は正三角形)、その三角形の頂点の位置(右側又は下側)といった差異がある。
また、両者はいずれも、内側に三角形を配した構成であるものの、本願内側図形は、本願外側図形の辺の比率で3分の1程度の辺の長さの右向きの二等辺三角形状の図形であるのに対し、引用内側図形は、引用外側図形の辺の比率で6分の1程度の辺の長さの下向きの正三角形状の図形を配してなるものであるから、両者は、それぞれの外側図形と内側図形の配置や形状、塗色部分(赤色又は黒色)と白色部分の面積比などの構成態様におけるバランスが異なり、視覚的な印象が相違するものである。
以上からすると、本願図形部分と引用図形部分とは、それぞれの図形の形状の特徴に複数の差異を有するものであるから、構成全体からして異なる印象を与えるものであり、また、比較的簡潔な構成からなるこれらの図形においては、当該差異が看者に与える影響は、決して小さいものとはいえず、両者を、時と処を異にして離隔的に観察した場合も、外観において相紛れるおそれはないものである。
そして、本願図形部分と引用図形部分とは、いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念について比較することはできない。
そうすると、本願図形部分と引用図形部分とは、称呼及び観念において比較することはできないとしても、外観において相紛れるおそれはないものであるから、両者は類似しないというべきである。
イ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標の構成全体と引用商標の構成全体との類否について検討するに、両商標は、各構成文字及び各構成態様が異なることから、全体の構成を異にし、外観、称呼及び観念について類似しないものである。
ウ まとめ
してみれば、本願商標と引用商標とは、その要部の一である本願図形部分と引用図形部分を比較しても類似のものとは認められず、さらに、本願商標の構成全体と引用商標の構成全体をみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務が、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)




別掲2 引用商標






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審決日 2022-05-31 
出願番号 2020143393 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W41)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 馬場 秀敏
山根 まり子
商標の称呼 パワーエージング、ピイ 
代理人 特許業務法人Toreru 
代理人 小林 健一郎 
代理人 眞田 忠昌 
代理人 宮崎 超史 
代理人 土野 史隆 
代理人 辻本 依子 

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