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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W09 |
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管理番号 | 1379961 |
審判番号 | 取消2020-300527 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-07-30 |
確定日 | 2021-10-18 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5704631号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5704631号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成26年4月16日に登録出願、第9類「コンタクトレンズ,眼鏡,サングラス,サングラス用又は眼鏡用のストラップ」を指定商品として、同年9月26日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年8月13日である。 なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年8月13日ないし令和2年8月12日である(以下「要証期間」という場合がある。)。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標は、その指定商品について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 令和2年11月13日付け審判事件弁駁書の要旨 被請求人は、令和2年9月18日付提出の審判事件答弁書において、本件商標を、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がある旨主張するとともに、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。 しかしながら、このような主張と書証をもってしても、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による、指定商品についての本件商標の使用は何ら具体的ではなく、立証されていない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した(以下、証拠は「乙1」のように表記する場合がある。)。 1 令和2年9月18日付け審判事件答弁書の要旨 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、要証期間に我が国において、その指定商品に、本件商標を使用した事実がある。 2 令和3年2月18日付け及び同年6月11日付け証拠説明書の要旨 合議体は、被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第3号証に記載された商品が、指定商品のいずれかであることを確認することができず、被請求人が提出した証拠から、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれが、要証期間に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、指定商品のいずれかに使用していたことを認めることができない旨の審尋を行ったところ、被請求人は以下のとおり回答した。 (1)本件商標権者は、インターネット上で商品を販売するウェブサイトを通じて、色付きのコンタクトレンズ(以下「カラーコンタクトレンズ」という。)を、一般消費者とコンタクトレンズ販売業者に販売している。 (2)本件商標権者が取り扱う商品の中に、本件商標を付したカラーコンタクトレンズがあるところ、乙第4号証は、本件商標を、その指定商品中、「コンタクトレンズ」の包装に使用していたことの証拠であり、この行為は、商標法第2条第3項第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する行為」に該当する。 また、乙第4号証の2葉目の包装箱の裏面に記載されたバーコードの下の「4 589968 160019」という数字は、この商品の品番であり、乙第1号証の請求書に記載された品番と一致している。 コンタクトレンズの未開封時の消費期限は5年であるところ、乙第4号証の3葉目の包装箱の下部にある「EXP2020-03」の記載のうち、「EXP」は、商品の消費期限のことであって、2015年(平成27年)に仕入れた商品を2020年(令和2年)2月まで販売していた。 (3)乙第1号証は、本件商標権者の顧客(コンタクトレンズ販売業者)への請求書の写しであって、その発行日は、要証期間の2019年(令和元年)6月7日である。 顧客(コンタクトレンズ販売業者)が、本件商標権者が運営する専用ウェブサイトにログインして、商品を選択して昼の12時までに注文すると、その注文情報を、本件商標権者がBカートという販売管理システムで管理し、契約先のジーエフ(株)という倉庫会社に送る。その後、岐阜県にあるジーエフ(株)の倉庫から、ヤマト運輸を利用して各顧客にその日のうちに商品が発送され、翌日に到着する。これらについて、月初に前月の1ヶ月分の注文をBカートで集計して、10日までに顧客宛に、前月分の請求書を発行している。 (4)乙第9号証は、顧客である有限会社ファルコンからの代金の支払いがなされたことを示す取引明細書である。有限会社ファルコン宛の2019年5月の請求書(乙10)の金額と、取引明細書(乙9)の金額が一致している。 第4 当審の判断 1 本件商標の使用について、被請求人の主張及びその提出に係る乙各号証によれば、以下の事実のとおりである。 (1)乙第6号証は、本件商標権者(株式会社buyLab)の履歴事項全部証明書であって、本件商標権者の商号は、2011年(平成23年)9月26日時点において、「株式会社FREEDOM」であったが、2016年(平成28年)1月4日に、現在の「株式会社buyLab」に変更となった。 (2)乙第4号証は、商品の包装箱であって、該包装箱の裏面には、「販売元:株式会社FREEDOM/東京都渋谷区神宮前6-23-7-4F」、「再生使用可能な視力補正用色付きコンタクトレンズ」、JANバーコードの下の品番には「4 589968 160019」等の記載がある。 また、該包装箱の下面には、消費期限を表す「EXP 2020-03」の記載がある。 さらに、該包装箱の表面に、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。 (3)乙第1号証及び乙第10号証は、本件商標権者から有限会社ファルコン(以下「ファルコン社」という。)宛ての請求書である。 乙第1号証の1葉目には、「発行日 2019年06月07日」、「金額168,987円」、2葉目の4行目には、「注文日時」の欄に「2019-05-21」、「商品名/セット名」の欄に「値下げ!!【度なし(1箱2枚入】anessa(アネッサ)ブラウン」等の記載、「内訳」の欄に「品番:4589968160019」、「入数」の欄に「1」の記載がある。 また、乙第10号証は、「発行日 2019年6月7日」、「下記の通りご請求申し上げます。」の下の「注文期間」欄の一行目に「2019年5月1日?2019年5月31日」及び「金額」欄の一行目に「¥168,987」、「注文期間」欄の二行目に「【返品】Dorb(1day)4箱」及び「金額」欄の二行目に「¥-4,276」の記載がある。さらに、それらの下の三行目にある「合計」欄に「¥164,711」等の記載がある。 (4)乙第9号証は、「PayPay銀行」が発行した取引明細照会(普通預金)であり、「株式会社buyLab様」、「取引日」欄に「2019/6/14」、「お預け入れ金額(円)」欄に「164,711」、「摘要」欄に「振込 ユ)フアルコン」等の記載がある。 2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用者について 商品の包装箱(乙4)には、「株式会社FREEDOM」の記載があり、また、請求書(乙1、乙10)及び取引明細書(乙9)には「株式会社buyLab」の記載があるところ、「株式会社FREEDOM」の記載は、本件商標権者の旧商号であることからすれば、使用者は、本件商標権者であるとみて差し支えない。 (2)使用商標について 本件商標は、別掲1のとおり、丸みを帯びた書体にてデザイン化された「anessa」の欧文字を橙色で横書きしてなるものである。 これに対し、使用商標は、別掲2のとおり、丸みを帯びた書体にてデザイン化された「anessa」の欧文字を茶色で横書きしてなるものである。 そこで、本件商標と使用商標とを対比すると、両者は、丸みを帯びた書体にてデザイン化された「anessa」の欧文字を横書きしてなるものであって、文字の色彩については、橙色か茶色かの差があるものの、文字の書体は同一といえるものであるから、外観において同視されるものである。 また、いずれの商標も「anessa」の欧文字からなるものであり、同一の称呼「アネッサ」を生じるものであって、観念においても異なるものではない。 そうすると、使用商標は、本件商標との比較において、外観において同視され、称呼において同一であって、観念において異なるものではない文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 (3)使用商品について 使用商品は、上記1(2)のとおり、商品の包装箱に「再使用可能な視力補正用色付きコンタクトレンズ」(品番:4 589968 160019)の記載があることからすれば、本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「コンタクトレンズ」と認められるものである。 そして、上記1(2)のとおり、使用商品の包装箱には、使用商標が表示されている。 してみると、使用商品の包装には使用商標が付されていたといえる。 (4)使用時期について 上記1(3)及び(4)のとおり、本件商標権者は、ファルコン社へ、令和元年6月7日に、使用商品の代金を請求し、同月14日に、ファルコン社は、本件商標権者へ、その代金を銀行振り込みにより支払ったことから、本件商標権者は、令和元年6月14日頃に、使用商品を納品したとみて差し支えない。 そして、上記1(2)のとおり、使用商品の包装には、使用商標が付されているから、令和元年6月14日頃に、本件商標権者は、ファルコン社に対し、使用商品の包装に使用商標を付したものを譲渡したということができる。 そして、令和元年6月14日頃は、要証期間である。 (5)小括 以上によれば、本件商標権者は、要証期間に、本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「コンタクトレンズ」と認められる使用商品の包装に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものを、譲渡したと認めることができる。この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡・・・する行為」に該当する。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。 したがって、本件商標の請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標(色彩は原本参照) 別掲2 使用商標(色彩は原本参照) |
審理終結日 | 2021-08-19 |
結審通知日 | 2021-08-23 |
審決日 | 2021-09-09 |
出願番号 | 商願2014-29761(T2014-29761) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(W09)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
山根 まり子 小俣 克巳 |
登録日 | 2014-09-26 |
登録番号 | 商標登録第5704631号(T5704631) |
商標の称呼 | アネッサ |
代理人 | 田中 尚文 |