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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
管理番号 1379955 
審判番号 不服2021-1255 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-01-28 
確定日 2021-10-13 
事件の表示 商願2019-56172拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり「LAMP」の文字を横書きしてなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成31年4月22日に登録出願、その後、指定商品については、原審における令和2年6月3日受付の手続補正書により、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電気プラグ,電気ソケット,電気接続具,電気のコンセント用カバー,電線及びケーブル,コネクター(電気用のもの),電気スイッチ,調光器(光調整器)(電気式のもの),携帯電話機,コンセント用並びにUSB・LANコネクタ用の化粧プレート,家具天板埋込式の電気コンセント,家具天板埋込式のUSB・LANコネクタ,電気通信機械器具用支持具,カメラ用マウント及び支持具,電話送受器回転支持台,配線保護具,照明器具用の電源装置」と補正されたものである。
本願は、令和2年3月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月3日受付の意見書及び上記手続補正書が提出されたが、同年10月26日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対し、令和3年1月28日に、拒絶査定を不服とする審判の請求がなされたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5022974号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成16年4月8日に登録出願、第9類「照明用発光ダイオード,炭化ケイ素半導体ウェーハ,その他の光電子工学機器,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」を指定商品として、同18年12月19日に登録審決され、同19年2月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「LAMP」の文字を極太のゴシック体で横書きしてなるところ、当該文字は、「(ガス・電気・灯油などによる)照明装置、ランプ」の意味を有する平易な英語であり(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)、「ランプ」の称呼を生じ、「(ガス・電気・灯油などによる)照明装置、ランプ」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、グラデーションを有する薄い青・白・緑・赤等で着色した複数の四角形又は三角形を組合せて「×」状にした図形(以下「引用図形」という。)と、濃い青色のゴシック体で横書きした「Lamp」の文字からなる結合商標であるところ、その構成中、「Lamp」の文字は、「L」の文字の一部が引用図形と重なるように配置されているものの、引用商標全体の横幅の半分以上を占める大きさで、濃い青色の読み取りやすい書体で明瞭に記載されており、引用図形とは縦の幅も不ぞろいであって、色彩も異なることから、外観上、引用図形と一見して明確に区別して認識されるものである。
そして、「Lamp」の文字は、「(ガス・電気・灯油などによる)照明装置、ランプ」の意味を有する平易な英語であって、その読みもわずか3音と称呼しやすい語であることを考え合わせると、「Lamp」の文字は、看者に強い印象を与えるとともに、その注意を強くひくものであるというのが相当である。
また、引用商標の構成中の引用図形と「Lamp」の文字とは、常に一体として把握しなければならない程に観念的に密接な関連性を有しているとはいい難い。
加えて、引用商標の構成中の引用図形及び「Lamp」の文字は、引用商標の指定商品との関係で、商品の品質等を直接的に表すものともいえない上に、各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる的確な証拠も見当たらない。
そうすると、引用商標の構成中の引用図形と「Lamp」の文字とが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから、引用図形と「Lamp」の文字は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部であるというべきであって、引用商標について、「Lamp」の文字部分を抽出し、本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
してみれば、引用商標は、「Lamp」の文字に相当して「ランプ」の称呼を生じ、「(ガス・電気・灯油などによる)照明装置、ランプ」程の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観において、本願商標と引用商標の構成全体は、相違するとしても、本願商標と引用商標の要部である「Lamp」の文字とは、書体、字形及び色彩の有無の点が相違するものの、その文字のつづりを共通にすることから、両者は、外観上、類似するものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標の要部である「Lamp」の文字とは、いずれも「ランプ」の称呼を生じるから、両者は、称呼上、同一である。
さらに、観念においては、本願商標と引用商標の要部である「Lamp」の文字とは、いずれも「(ガス・電気・灯油などによる)照明装置、ランプ」程の観念を生じるから、両者は、観念上、同一である。
以上によれば、本願商標と引用商標の要部である「Lamp」の文字は、外観が類似するものであって、称呼及び観念を同一とするものであるから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 商品の類否について
本願商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電線及びケーブル,携帯電話機,家具天板埋込式のUSB・LANコネクタ,電気通信機械器具用支持具,カメラ用マウント及び支持具,電話送受器回転支持台,配線保護具」と、引用商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」とは、同一又は類似の商品である。
(4)小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とが類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張
請求人は、引用商標の構成中の「Lamp」の文字は、「照明器具、あかり」等の意味合いを有する一般的、普遍的な語であって、その指定商品中の「照明用発光ダイオード」等との関係では単独で識別機能を有さないこと、また、引用商標からは、「未知の光源、謎めいた光源」の意味合いが生じること、さらに、引用商標の商標権者が「XLAMP」の文字からなる登録商標を有しており、LED製品に「Xlamp」の文字を表示していること等から、引用商標について、「Lamp」の文字を抽出し、本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することが相当でなく、本願商標は引用商標とは非類似である旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、引用商標の構成中の「Lamp」の文字は、引用商標の指定商品との関係において、商品の品質等を直接的に表すものともいえない上に、単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる的確な証拠も見当たらない。
また、仮に、引用図形を「X」の文字と捉えて、引用商標全体を観察したとしても、引用図形と「Lamp」の文字とが、常に一体として把握しなければならないほどに観念的に強固に結びついたものとはいい難いことから、請求人が主張する「未知のランプ、謎めいたランプ」の観念が生じるとは考え難いものである。
加えて、商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は、当該商標が現に、当該指定商品に使用されている特殊的、限定的な実情に限定して理解されるべきではなく、当該指定商品についてのより一般的、恒常的な実情、例えば、取引方法、流通経路、需要者層、商標の使用状況等を総合した取引の実情を含めて理解されるべきであるところ(最高裁昭和47年(行ツ)33号 昭和49年4月25日判決、及び知財高裁平成20年(行ケ)10285号 平成20年12月25日判決参照。)、請求人が主張する、引用商標の商標権者による「XLAMP」の文字からなる登録商標の所有の事実や、LED製品に「Xlamp」の文字を表示しているとの事実は、いずれも、現在の取引の実情の一側面を今後も変化する余地のないものとして挙げているにとどまるものであって、本願商標と引用商標の類否の判断に当たり考慮すべき一般的・恒常的な取引の実情とはいい難い。
したがって、請求人の上記主張は採用することはできない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標



別掲2 引用商標(色彩については、原本を参照。)


審理終結日 2021-08-04 
結審通知日 2021-08-13 
審決日 2021-08-25 
出願番号 商願2019-56172(T2019-56172) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
T 1 8・ 262- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 文華小林 裕子 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 渡邉 あおい
豊田 純一
商標の称呼 ランプ 

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