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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0942
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0942
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0942
管理番号 1378945 
審判番号 不服2021-3476 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-03-16 
確定日 2021-11-01 
事件の表示 商願2019-47459拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成31年4月3日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における令和2年3月23日受付の手続補正書により、別掲6のとおり補正されたものである。
本願は、令和2年2月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月23日に手続補正書及び意見書が提出されたが、同年12月21日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和3年3月16日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1689840号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「CSC」
登録出願日:昭和44年5月28日
設定登録日:昭和59年6月21日
書換登録日:平成17年4月13日
最新更新登録日:平成26年6月3日
指定商品:第9類「コンピュータ,コンピュータ用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」
(2)登録第4273146号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成10年1月20日
設定登録日:平成11年5月14日
最新更新登録日:令和元年5月14日
指定役務:第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機による情報処理の助言,電子計算機のデータ入力,電子計算機用プリンタによる出力サービス,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」
(3)登録第4273147号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成10年1月20日
設定登録日:平成11年5月14日
最新更新登録日:令和元年5月14日
指定役務:第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機による情報処理の助言,電子計算機のデータ入力,電子計算機用プリンタによる出力サービス,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」
(4)登録第5494189号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成23年6月15日
設定登録日:平成24年5月18日
指定商品:第6類「金属粉(塗装用・装飾用・印刷用・美術用の金属粉及び貴金属粉を除く。),クラッド鋼板,非鉄金属を接合してなるクラッド金属板,鉄及び鋼,鉄合金,非鉄金属及びその合金,未加工又は半加工の金属(貴金属を除く。)」及び第9類「圧粉磁心,その他の磁心,抵抗線,電極,導電性ペースト,電気通信機械器具用電磁波吸収材,電気通信機械器具用電磁波吸収フェライトコア,電磁波及び熱吸収機能を備えた電気通信機械器具用熱伝導シート,その他の電気通信機械器具,配電盤,変圧器,電圧調整器,制御盤(電気用のもの),その他の配電用又は制御用の機械器具,蓄電池,その他の電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル」
(5)登録第5970200号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成28年2月10日
設定登録日:平成29年8月4日
指定商品及び指定役務:第9類「コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア,生体認証による本人識別装置,その他の電子応用機械器具及びその部品」、第35類「事業の管理に関する指導及び助言,事業の管理及び運営に関する調査,事業に関する助言,法律業務費用に関する会計監査,法律業務提供者の業務効率の改善に関する助言,サプライチェーンの管理の分野における事業に関する助言,災害復旧に関連する事業の継続に関する企画・立案,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第38類「電気通信(「放送」を除く。),音声・データ・映像及び情報の電子通信,電子メール・電子メール用メールボックス・ファクシミリ・ショートメッセージ及び連絡先仲介による通信,インターネットへの接続の提供,複数の異なる手段(ファックス・電子メール・ボイスメール・ショートメッセージ・テキストメッセージ等)でやりとりされるメッセージを統括的に管理するシステムによる通信,複数の異なる手段(ファックス・電子メール・ボイスメール・ショートメッセージ・テキストメッセージ・インスタントメッセージ・テレプレゼンス・音声伝送・データ通信・音声通話・ビデオ通話・電子会議・ビデオチャット等)でやりとりされるメッセージを統括的に管理するシステムによる通信,電子メール・電子カレンダー及び連絡先情報などの電子データの伝送交換」
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、青色のグラデーションで彩色された大きさが異なる帯状の弧を4つ湾曲して連ねた図形を上部に配し、その下に、濃い青色で大きくやや図案化した「CSC」の欧文字を横書きし、さらにその下に小さく「CYBER SECURITY CLOUD」の欧文字を配した構成からなるところ、その構成中の図形部分と文字部分は、間隔を空けて配置され、異なる色彩で表されていることから、視覚上分離して看取されるものであり、文字部分を図形部分から分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものといえないものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そして、上段の「CSC」及び下段の「CYBER SECURITY CLOUD」の文字部分は、いずれも全体的に濃い青色で表されていること、両文字部分の横幅がすべて同一となるように配置され、上下の間隔もさほど離れていないこと、上段の「CSC」の文字は、そのつづりから、下段の「CYBER SECURITY CLOUD」の各単語の頭文字を連想させるものとみるのが相当であることに照らせば、本願商標は、その構成中の上段と下段の文字部分とが関連性を有する、まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。
また、上段の「CSC」は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているものとはいえず、上記のとおり、下段の「CYBER SECURITY CLOUD」の頭文字を連想させるものとみるのが相当であるから、それ自体から特定の観念が生じるものではない。
さらに、下段の「CYBER SECURITY CLOUD」は、その構成中「CYBER SECURITY」は「サイバー攻撃に対する防御行為」、「CLOUD」は「雲。クラウドコンピューティングの略。」の意味を有する英語であるものの、これらを組み合わせた「CYBER SECURITY CLOUD」の文字部分全体より、特定の意味合いを想起、理解させるとはいい難いことから、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の文字部分に相応して、「シーエスシーサイバーセキュリティークラウド」、「シーエスシー」及び「サイバーセキュリティークラウド」といった複数の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「CSC」の欧文字からなるところ、該文字は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているとはいえないから、一種の造語として看取されるものである。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「シーエスシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、「CSC」の欧文字をデザイン化してなるものであるところ、該文字は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているとはいえないから、一種の造語として看取されるものである。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「シーエスシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は、別掲3のとおり、「シイ エス シイ」の片仮名からなるところ、該文字は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているとはいえないから、一種の造語として看取されるものである。
そうすると、引用商標3は、その構成文字に相応して「シーエスシー」又は「シイエスシイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標4について
引用商標4は、別掲4のとおり、左側に円とコの字状図形を組み合わせた図形、中央に三段で「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の欧文字及び右側に「CSC」の欧文字を配してなるものであるところ、その構成中の図形部分と文字部分は、間隔を空けて配置され、異なる色彩で表されていることから、視覚上分離して看取されるものであり、文字部分を図形部分から分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものといえないものである。
そうすると、引用商標4は、その構成中の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そして、右側の「CSC」の文字部分と中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字部分は、いずれも全体的に黒色で表され、両文字部分とも同じ高さで配置されていること、中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字は、その各単語の頭文字の位置を揃えていること、右側の「CSC」の文字は、そのつづりから、中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字の頭文字を連想させるものとみるのが相当であることに照らせば、引用商標4は、右側の「CSC」の文字部分と中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字部分とが関連性を有する、まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。
また、中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字部分は、そのうちの「Corporation」の文字が、「法人」を表す英語であることから、その全体をもって会社名を英語表記したものと理解されるものである。
一方、右側の「CSC」の文字は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているものとはいえず、上記のとおり、中央の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の頭文字を連想させるものとみるのが相当であるから、それ自体から特定の観念が生じるものではない。
そうすると、引用商標4は、その構成中の文字部分に相応して、「チャンスンコーポレーションシーエスシー」、「チャンスンコーポレーション」及び「シーエスシー」といった複数の称呼が生じ得るものである。
また、引用商標4は、その構成中の「Chang」、「Sung」及び「Corporation」の文字部分に相応して、「チャンスンコーポレーションという会社」を理解させるとしても、文字部分全体からは特定の観念を生じないものである。
オ 引用商標5について
引用商標5は、別掲5のとおり、黒色の多角形内に白抜きで「CSC」の文字を表してなるところ、該文字は、特定の意味を有する既成の語として一般に親しまれているとはいえないから、一種の造語として看取されるものである。
そうすると、引用商標5は、その構成文字に相応して「シーエスシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、本願商標と引用商標とは、その全体の構成態様、図形の有無、色彩の相違、構成文字等において、明らかな差異があるから、両商標は、外観上、著しく相違する。
次に、称呼においては、両商標は、「シーエスシー」の称呼において共通する場合がある。
また、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「シーエスシー」の称呼を共通にする場合があり、観念において比較することができないとしても、外観において著しく相違することから、これらを総合して全体的に考察すると、両商標は、商品及び役務の出所の誤認、混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1号第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲


別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)



別掲2 引用商標2




別掲3 引用商標3



別掲4 引用商標4(色彩は原本参照。)




別掲5 引用商標5



別掲6 本願の補正後の指定商品及び指定役務
第9類「電子計算機用プログラム,電子計算機,タブレット型コンピュータ,電子計算機及びその周辺機器,電子計算機用ディスプレイ装置,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),セキュリティートークン(暗号化装置),ダウンロード可能なコンピュータ用セキュリティソフトウェア,電子メールセキュリティ用ソフトウェア,ダウンロード可能なクラウドコンピューティング用ソフトウェア,携帯用通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,タブレット型モニター,携帯電話機,携帯電話機用ストラップ,スマートフォン,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),雑誌の性質を帯びたダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」
第42類「電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータウィルスの侵入防止用プログラムの設計・作成・保守又はそのプログラムの提供,コンピュータシステムの遠隔監視,コンテンツプロバイダーがマルチメディアコンテンツを追跡できるようにするダウンロードできないソフトウエアの一時的な使用の提供,インターネットを介したクレジットカードの不正利用検出のための電子的な監視,インターネット経由での個人情報の盗難を検出するための個人識別情報の電子的な監視,不正アクセス又はデータ漏洩を検出するためのコンピュータシステムの遠隔監視,故障を検出するためのコンピュータシステムの監視,コンピュータソフトウエア及びコンピュータプログラムの貸与,インターネットセキュリティ用プログラムの貸与,書類及び保存された電子メールの電子データの保存用記憶領域の貸与,クラウドコンピューティング,クラウドコンピューティングネットワークのアクセス及び使用に用いるオペレーティングソフトウエアの設計・作成又は保守,クラウドコンピューティングネットワークのアクセス及び使用に用いるオペレーティング用ソフトウェアの貸与,クラウドコンピューティングネットワークのアクセス及び使用のためのダウンロードできないオペレーティングソフトウエアのオンラインでの一時的な使用の提供,ウェブサーバーの貸与,サーバーのホスティング,電子計算機の貸与,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子データセキュリティのための電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する助言,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,ウェブサイトの作成又は保守,コンピュータソフトウエアの環境設定・インストール・故障診断・修理・改良及び保守,インターネットセキュリティに関する指導及び助言,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,機械器具に関する試験又は研究,デザインの考案(広告に関するものを除く。),ウェブサイトのデザインの考案及びこれに関する情報の提供,ウェブサイトに関するデザインの考案及びその助言,インターネットを利用したデザインの考案(広告に関するものを除く。)に関する情報の提供」


審決日 2021-10-13 
出願番号 商願2019-47459(T2019-47459) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W0942)
T 1 8・ 261- WY (W0942)
T 1 8・ 263- WY (W0942)
最終処分 成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 小俣 克巳
青野 紀子
商標の称呼 シイエスシイ、サイバーセキュリティクラウド、サイバーセキュリティークラウド 
代理人 小野尾 勝 
代理人 山中 一郎 

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