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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1357041 
異議申立番号 異議2019-900104 
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-12-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-28 
確定日 2019-11-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6111618号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6111618号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6111618号商標(以下「本件商標」という。)は、「リーナル K+」の文字を表してなり、平成30年4月6日に登録出願、第5類「ネコ科の動物用の腎不全その他の腎疾患に用いられる栄養補助食品,ネコ科の動物用の栄養補助食品,動物用の栄養補助食品,食餌療法用飼料,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),動物用サプリメント,栄養補助食品,食餌療法用食品・飲料,サプリメント,正常な筋機能の補助用及び神経系維持用の医療用及び獣医科用の薬剤,獣医科用の飼料用栄養添加剤,その他の動物用薬剤,その他の薬剤,乳幼児用粉乳,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」を指定商品として、同年12月13日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(なお、甲各号証の表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)並びに参考資料1及び同2を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 「リーナル」の語について
「リーナル」の語は「腎臓の」を意味する英単語「renal」の片仮名表記であり(甲2)、ペット用の食餌療法用飼料の分野において「腎臓疾患用」であることを表す言葉として多数使用されてきた(甲3ないし甲8)。
イ 「K+」の語について
「K」は元素記号で「カリウム」を意味し(甲9及び甲10)、多くのペットフード製造業者及び販売業者のウェブサイトの原材料・成分表示において「カリウム」(「クエン酸カリウム」を含む。以下同様。)を「K」と表している(甲5及び甲6)。
また、「+」は加号を指し、「プラス」と称され(甲13及び甲14)、ペットフードの分野においても、健康に良い成分や原材料を加えた旨を表すために「○○プラス」や「○○+」といった表示(○○の部分には成分や原材料が入る。)が使用されている(甲15及び甲16)から、「K+」という表示に接する需要者等は、これを「カリウム・プラス」として、すなわち当該商品が「カリウムを加えた」商品である旨の表示として認識する。
ウ ペット用の「食餌療法用飼料」は、ペットフードの形態をとるものが多く(甲3ないし甲8)、最終需要者は、獣医師からのみではなく、直接インターネットを通じても商品を購入できる。また、「食餌療法用飼料」は、通常のペット用飼料に薬剤成分や特定の栄養を付加することによってペットの疾患を治療するものであるため、本件商標のその他の指定商品とも目的、用途、取引者及び需要者等の点で共通する。
したがって、「食餌療法用飼料」について品質表示として認識され得るものは、本件商標のその他の指定商品との関係でも品質表示として認識され得る。
上記のとおり、本件商標を構成する「リーナル」及び「K+」の両語とも上記の意味合いを有する語として需要者等に一般に認識されていることから、本件商標に接する需要者等は、本件商標全体をもって、本件指定商品が「腎臓疾患用であり、カリウムを加えた商品」である旨の表示、すなわち商品の品質表示であると一般に認識し得る。
また、このような表示は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人による独占使用を認めるべきではない。
以上より、本件商標は、その指定商品中「腎臓疾患用であり、カリウムを加えた商品」との関係では、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標が、その指定商品中「腎臓疾患用であり、カリウムを加えた商品」との関係では、商品の品質を表す以上、それ以外の商品との関係では品質誤認のおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「リーナル K+」の文字(記号を含む。)からなるものである。
申立人の提出に係る証拠によれば、「renal」の語は「腎臓(部)の」を意味する語であること(甲2)、また、当該語を片仮名表記したものと認められる「リーナル」の語が、ペット用の食餌療法用飼料の分野において「腎臓疾患用」であることを表す語として使用されていること(甲3ないし甲8)が認められる。
また、カリウムの元素記号が「K」であり(甲9及び甲10)、ペット用の食餌療法用飼料の分野において、原材料又は成分としてのカリウムを「K」と表示していること(甲5、甲6及び甲12)が認められる。
さらに、「+」の記号が「加えること。」を意味し(甲13及び甲14)、何らかを加えていることを表すために「+」の記号を包装袋に表示したドックフードが販売されていること(甲15及び甲16)が認められる。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によっては、たとえ「リーナル」、「K」及び「+」の各文字(語)について上記のような事情があるとしても、これらを一連に表した「リーナル K+」の文字(語)が、本件商標の指定商品の分野において、商品の品質を表示するものとして使用されている事実は見いだせず、また、本件商標に接する取引者、需要者が当該文字(語)を商品の品質を表示したものと認識するというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質を表示するものということはできず、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同法第3条第1項及び同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の登録が、商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-10-30 
出願番号 商願2018-43821(T2018-43821) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W05)
T 1 651・ 272- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 緋呂子 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 山田 啓之
小出 浩子
登録日 2018-12-28 
登録番号 商標登録第6111618号(T6111618) 
権利者 ヴェトキノール エス.アー.
商標の称呼 リーナルケイプラス、リーナルケイ、リーナル 
代理人 青島 恵美 
代理人 特許業務法人平木国際特許事務所 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 

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