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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y3642
管理番号 1317145 
審判番号 取消2015-300660 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-09-11 
確定日 2016-06-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第4974812号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4974812号商標の指定商品及び指定役務中,第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,企業の信用に関する調査」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4974812号商標(以下「本件商標」という。)は,「RENOVA」の欧文字と「レノバ」の片仮名とを上下2段に横書きしてなり,平成17年12月6日に登録出願,第9類,「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,企業の信用に関する調査」を含む第36類,及び,「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究」を含む第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同18年8月4日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成27年10月5日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書において,その理由を要旨次のように述べ,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求の理由
本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,企業の信用に関する調査」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究」(以下,これらを「取消請求役務」という。)について,継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
答弁の理由
本件商標は,取消請求役務のうち,例えば「第36類 有価証券の売買,有価証券の売買の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い」(以下,単に「有価証券の売買等」という。)につき,登録されて以来,現在も使用している。
すなわち,本件商標は,本件商標権者がソフトウェア商品として開発し,金融機関に提供(使用許諾)している電子証券総合システムの名称であり,提供された金融機関ではその窓口において顧客のために行う電子処理化された金融業務を遂行するにあたり,例えばそのパーソナルコンピュータであるディスプレー機における処理画面中に「RENOVA」として表示されていることで使用されている(商標法第2条第3項第7号)。
また,これは,上記ソフトウェア商品が開発提供された2007年(平成19年)7月以降,平成24年10月2日から平成27年10月1日までを含み,現在においても使用されている。
1 商標を使用している者
本件商標権者は,自身の会社案内(乙1)にあるように「電子証券総合システム RENOVA」として,電子証券にかかわる金融機関向け証券決済制度対応サービスに対応する,電子証券システム,電子CPシステム,一般債システム,登録機関システム,決済照合システム,日銀RTGSシステム,NCDシステムを開発し,金融機関が必要とするこれらの内の所定のシステム毎にソフトウェア使用許諾契約を締結することで個別に提供し,提供された金融機関ではこのソフトウェアを使用して有価証券の売買等の日常の業務を遂行している。
この電子証券総合システムの一つである上記一般債システムの使用が許諾された金融機関の一つは,例えばそのソフトウェア使用許諾契約書(乙2)に示される契約者甲(契約の相手方)である。ただ,この乙第2号証の契約書に表示されたソフトウェア名称である「一般債クラウドサービス」は,上記の一般債システムに相当し,また,平成24年8月31日付けにて締結され,この「一般債クラウドサービス」は平成25年11月30日までに納入され,現在も当該銀行において引き続き使用されており,本件商標権者は契約者甲とはオンラインサービス契約書(乙3)を締結することでその保守を請け負っている。
2 本件商標の使用時期
本件商標が表示されている乙第1号証には,その裏表紙の右下部に表示されている「2015.07.2000M」は,2015年7月に2000部が印刷作成されたことを示しており,また配布もされている。
また,乙第2号証におけるソフトウェア使用許諾契約書,乙第3号証におけるオンラインサービス契約書にもあるように,現在においても契約者甲において使用されているから,少なくとも平成24年10月2日から平成27年10月1日までの本件審判請求登録前の3年以内(以下「要証期間」という。)に日本国内において継続して使用されていたことは明らかである。
3 本件商標が使用されている役務
乙第2号証に示されるソフトウェア商品の「一般債クラウドサービス」は,乙第1号証に表示されている「一般債システム」であり,一般債振替制度における振替債の発行・支払代理人業務,口座管理機関に対応している。
この一般債システムの概要は,これの「一般債システム操作説明書ver.14/11 § 発行支払代埋人(IPA)」(乙4)に示されている。 この操作説明書における更新履歴にあるとおり,2005年(平成17年)8月以来,直近では2014年(平成26年)11月にも更新していて,このソフトウェア商品による有価証券の売買等の役務に関する銀行業務は使用許諾者において最新の更新態様のもとで現在も引き続き使用されている。
この操作説明書におけるシステム概要編の「1.1.1.システム概要」の第4?5行目において「Project.RENOVA」,RENOVAプロジェクトとして表示,使用されている。また,基本操作編における画面例,例えば2.2.1.メニュー構成とログアウト画面,2.3.1.パスワードの変更(個人設定)の画面,2.4.1.基本操作手順の画面の基本構成画面,2.5.1.検索サブウィンドウの検索操作画面等のいずれにも,その画面の左上部に「RENOVA」が表示されている。
また,有価証券の売買等に関連する一連の業務処理は,同じくこの操作説明書における「3.業務編:発行代理人」の操作説明にあるように,これの遂行には電子計算機によって所定のディスプレー機に業務メニューを表示しており,その映像面における左上部に「RENOVA」が表示されている。
このような電子処理化された有価証券の売買等の役務の関連業務を遂行するに際し,操作説明書における目次の「4.業務編:支払代理人」,「5.業務編:社債管理」,「6.業務編:機構連携」,「7.業務編:承認」,「8.業務編:運用」,「9.業務編:マスク管理」,「10.システム管理編」においても同様に構成されたそれぞれの関連業務処理に対応した画面例中にも「RENOVA」が表示されている。
以上のように,ディスプレー機に表示される処理画面中の「RENOVA」の表示は,「電磁的方法(電子的方法,磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第7号)に相当する使用に該当することは明らかである。
4 本件商標の使用態様
本件商標は,英文字の「RENOVA」と片仮名の「レノバ」との上下2段の併記態様であるも,実際の使用に係る英文字のみの「RENOVA」であっても,これは,本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるのは明らかである。
5 その他
また,本件商標に係るソフトウェア商品は,その開発から現在に至るまで継続的に使用されているのであり,これらは,乙第5号証ないし乙第9号証において明らかである。
さらに,乙第1号証に示される電子証券総合システムの一つである「日銀RTGSシステム」は,「JIP-RTGSシステム(新日銀ネット対応版)」として,乙第10号証に示されるソフトウェア使用許諾契約書にあるように金融機関に,平成26年7月2日付けにて使用許諾している。なお,システム名称中の「JIP」は被請求人である日本電子計算株式会社の英文略称である。
同様に,登録機関システムは,プログラム言語の変更に伴って新名称である統一された「B-Manager WEB板」として,乙第11号証に示されるソフトウェア使用許諾契約書にあるように金融機関に,平成27年1月27日付けにて使用許諾している。
6 むすび
以上説明したように,本件商標は,本件商標権者の使用許諾を受けて使用している所定の金融機関において,有価証券の売買等の役務に関連して遂行される業務処理における電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して使用されており,またその使用は,少なくとも平成25年11月30日以来,現在も引き続き使用されているのは明らかである。

第4 審尋
当審において送付した,平成28年3月15日付けの審尋した内容は,要旨以下のとおりである。
1 被請求人が提出した証拠について
(1)本件商標権者の会社案内(乙1)によれば,その6頁に「電子証券総合システム RENOVA」の表示の下,「電子証券にかかわる金融機関向け証券決済制度対応サービス」の記載があり,その右には,「電子証券総合システム/RENOVA」の文字を中心として,例えば,「電子株券システム」,「一般債システム」のようにそれぞれ対応するシステムの内容が表示されている。
これらの記載内容からすれば,本件商標権者は,本件商標を,本件取消請求に係る指定役務というよりも,むしろ,金融機関向けに開発した「電子証券総合システム」のためのコンピュータソフトウェアを表示するものとして使用をしているというべきものと認められる。
そして,該コンピュータソフトウェア及びこれに関連する役務は,本件取消請求に係る指定役務に含まれるものということができない。
(2)契約先を甲とし,本件商標権者を乙とする「ソフトウェア使用許諾契約書」(乙2,乙10,乙11),同じく「オンラインサービス契約書」(乙3)によれば,例えば,「ソフトウェア名称」を「一般債クラウドサービス」とする乙の取扱うソフトウェアについて,「契約金額」を「ソフトウェア使用料(一括払)一式 52,600,000円(別途消費税等)」,「有効期間」を「本契約締結日から5年間とする。・・・」(乙2)と記載された内容からすれば,該使用許諾契約は,ソフトウェアの使用に関するものということができ,また,「オンラインサービス契約書」(乙3)の「サービス名称」の欄の「標準保守サービス」,「標準日次バックアップ復旧方式」の記載からすれば,ソフトウェアの保守に関するものといえるので,これらの役務は,本件取消請求に係る役務に含まれるものということができない。
(3)被請求人が提出した乙各号証を総合してみても,要証期間に,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,その取消請求に係る指定役務のいずれかについて,本件商標を使用していることを,被請求人が証明したものということができない。
2 本件商標の使用について
(1)被請求人は,本件商標を,その取消請求に係る指定役務中のいずれについて使用をしているのかを明確されたい。
(2)被請求人は,「提供された金融機関ではこのソフトウェアを使用して有価証券の売買等の日常の業務を遂行している」旨を主張しているが,仮に,金融機関が,本件商標を使用して役務の提供を行っているのであれば,本件商標の通常使用権であることを証する書面,及び要証期間に本件商標の使用の許諾を受けた金融機関が,取消請求役務のいずれかについて,本件商標を使用している事実(例えば,被請求人が主張する,商標法第2条第3項第7号に相当する使用の行為)を証する書面を提出されたい。
(3)被請求人は,本件商標の使用をしていることについて,上記(1)を参考に,既に提出している乙各号証のほかに,補足の証拠及び新たな証拠があれば提出されたい。

第5 審尋に対する被請求人からの回答
前記審尋に対し,被請求人からの回答はなかった。

第6 当審の判断
1 本件商標の使用について,被請求人が提出した証拠によれば,以下のとおりである。
(1)乙第1号証は,本件商標権者の会社案内であり,その6頁には,「電子証券総合システム RENOVA」の表示があり,「電子証券にかかわる金融機関向け証券決済制度対応サービス」の記載の下,「充実したラインナップのソリューションをオープンプラットフォームにより提供します。」の記載があり,その右には,「電子証券総合システム」,「RENOVA」の文字を中心として,例えば,「電子株券システム」,「一般債システム」,「決済照合システム」等のようにそれぞれ対応するシステムの内容が表示され,その先には「情報系」,「保振機構」等の表示がある。
そして,該会社案内の最終ページには,「2015.07.2000M」の記載がある。
しかしながら,本件商標権者の会社案内が,要証期間である2015年7月に2000部印刷されたものであるとしても,これを頒布した事実を証する書面の提出はない。
また,上記の記載内容からすれば,本件商標権者は,「RENOVA」の欧文字を,金融機関向けに開発した「電子証券総合システム」のためのコンピュータソフトウェアの広告に使用をしているものと認められる。
そして,該「コンピュータソフトウェア」及びこれに関連する役務は,本件取消請求に係る指定役務に含まれるものということができない。
(2)乙第2号証は,契約先を甲とし,本件商標権者を乙とする平成24年8月31日付けの「ソフトウェア使用許諾契約書」(写し)であり,その内容は,「甲と乙は,乙の取扱いソフトウェアの甲への使用許諾に関し,次の要綱および後記契約条項のとおり契約を締結する。」とするものであり,「要綱」の「ソフトウェア名称」には「一般債クラウドサービス(1)IPAシステム(振替債 発行支払代理人システム)(2)B-Manager(現登債 受託/登録システム)」,「契約金額」には「ソフトウェア使用料(一括払)一式 52,600,000円(別途消費税等)」,「有効期間」には「本契約締結日から5年間とする。・・・」の記載がある。
上記の記載内容からすれば,該使用許諾契約は,本件商標権者が取り扱う「一般債クラウドサービス」との名称のコンピュータソフトウェアの使用に関するものであるから,該役務は,取消請求役務に含まれるものということができない。
(3)乙第3号証は,契約先を甲とし,本件商標権者を乙とする平成25年7月11日付けの「オンラインサービス契約書」(写し)であり,その内容は,「甲と乙は,乙が甲に提供する一般債クラウドサービスのオンラインサービスに関し,次の要綱および後記契約条項に基づき契約を締結する。」とするものであり,「要綱」の「サービス名称」には「一般債クラウドサービス(1)オンラインサービス(標準保守サービス)(2)BCPサービス(標準日次バックアップ復旧方式)」,「サービス料金」には「(1)オンラインサービス基本料金 月額 3,400,000円(2)BCPサービス料金 月額 600,000円」の記載がある。
上記の記載内容からすれば,該契約書は,本件商標権者が提供する「一般債クラウドサービス」との名称のコンピュータソフトウェアの保守に関するものであるから,該役務は,取消請求役務に含まれるものということができない。
(4)乙第10号証は,契約先を甲とし,本件商標権者を乙とする平成26年7月2日付けの「ソフトウェア使用許諾契約書」(写し)であり,その内容は,「甲と乙は,乙が作成した・・・本ソフトウェアを甲にその使用を許諾するにあたり,・・・契約を締結する。」とするものであり,乙第11号証は,同様の内容の平成27年1月27日付けの「ソフトウェア使用許諾契約書」(写し)であり,それらの契約の内容からすれば,該契約書は,本件商標権者が提供するコンピュータソフトウェアの使用に関するものであるから,該役務は,取消請求役務に含まれるものということができない。
(5)その他,被請求人提出に係る「一般債システム 操作説明書」(一部,乙4),「事例バンク」の記載(乙5),「JIPソリューションフェア2007in大阪」(乙6),「シンクイット」の記事(乙7),「ネクサウェブ」の記事(乙8),及び「Cosminexus」の記事(乙9)を勘案しても,本件商標が,本件商標権者等によって,取消請求役務について,商標法第2条第3項にいう使用をされた事実を示す証拠はない。
(6)以上からすれば,被請求人が提出した証拠からは,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者,通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが,取消請求役務のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。
また,被請求人は,取消請求役務について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
2 むすび
したがって,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中,取消請求役務について,商標法第50条第1項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-04-27 
結審通知日 2016-05-06 
審決日 2016-05-18 
出願番号 商願2005-114180(T2005-114180) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y3642)
最終処分 成立  
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 平澤 芳行
田中 亨子
登録日 2006-08-04 
登録番号 商標登録第4974812号(T4974812) 
商標の称呼 レノバ、リノバ 
代理人 原田 寛 
代理人 中村 政美 

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