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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09
管理番号 1275305 
審判番号 取消2012-300489 
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-06-12 
確定日 2013-06-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第4766333号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
登録第4766333号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZFALCON」の欧文字と「ジーファルコン」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成15年10月21日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、平成16年4月23日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁及び口頭審理における陳述において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、弁駁書に添付して提出された甲第1号証ないし同第6号証は、甲第3号証ないし同第8号証とした。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって使用された事実が存在しない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標が、本件取消審判請求の登録前3年以内に「光スイッチ」について使用された旨主張し、その証拠として乙第1号証ないし同第17号証を提出している。
しかし、提出された証拠からは、本件商標が本審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」について使用されていたということは認められない。
以下、その理由を述べる。
(1)本件商標の使用に係る商品について
被請求人は、一貫して、本件商標を商品「光スイッチ」に使用したと主張している。
しかしながら、「光スイッチ」は、光通信システムに用いられる機械器具であって、これは「光通信用機器機械器具」の範ちゅうに属する商品について使用されているというべきであり、取消請求に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」についての使用には該当しない。
ア 被請求人が使用していると主張する商品「光スイッチ」について
被請求人が主張する「光スイッチ」についてみると、乙第6号証、乙第12号証及び同第13号証は、「光スイッチ」が表された設計書、カタログ及びインターネットホームページの写しであるが、これらには、「本製品の用途は、1)光通信システムのプロテクションスイッチ」(乙第6号証)、「光通信システムに適合した性能を実現・・・」(乙第12号証)、「マイクロオプティクス技術をベースとして光通信システムに最適なメカニカルスイッチ(シリーズ名:ZFLCON(ジーファルコン))を開発・・・」(乙第13号証)という記述があり、この記述から、被請求人の使用に係る「光スイッチ」が「光通信システム」に用いられるものであると理解される。 また、前記各号証の説明中には、「光路を切り替える機能」(乙第6号証)、「本製品は1×2光スイッチのマイクロオプティクス技術をベースにプロテクションスイッチとして開発した8ポートメカニカル切替式光スイッチである」(乙第6号証)、「光スイッチ切替トリガとなる光モニタ機能」(乙第12号証)など機能についての記述があり、この記述から、被請求人が使用する商品「光スイッチ」が光の伝送路を切り替えるためのデバイスであるとみることができる。
しかして、これらの記述からすれば、被請求人が使用していると主張する商品「光スイッチ」は、光通信システムに用いられる、光の伝送路を切り替えるデバイスであることに疑いない。
イ 一般にいう「光スイッチ」について
甲第3号証ないし同第5号証の一般の辞典、事典、ハンドブックの類によれば、「光スイッチ」とは、光の伝送路を切り替えるためのデバイスであり、光信号を光のまま経路変更する波長分割多重伝送路向けの中継装置に使用される基幹部品、人力信号をオン・オフしたり、任意の人力端子からの信号を任意の出力端子に切り替える機能を持つデバイス、であることが説明されている。
ウ 取消請求に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」について 「配電用又は制御用の機械器具」とは、電力を輸送ないし制御する機械器具を広く含む概念であると考えられ、「類似商品・役務審査基準」の第9類「配電用又は制御用の機械器具」の項には「開閉器、継電器、遮断器、制御器、整流器、接続器、断路器、蓄電器、抵抗器、点滅器、配線函、配電盤、ヒューズ、避雷器、変圧器、誘導電圧調整器、リアクトル」などが例示されている。これらの例示に係る商品は、「商品大辞典」(甲第6号証)の配電・制御機器の項目に示される電力系統に用いられる商品であると考えることができる。
また、「商品及び役務の区分解説」(甲第7号証)によると、第9類「配電用又は制御用の機械器具」の項目には、“電気通信”に専用の特殊な機械器具(例えば、「抵抗器」「蓄電器」等)は、本類「電気通信機械器具」に属し、この概念には含まれない、と明記されている。
エ 「光スイッチ」と「配電用又は制御用の機械器具」の類似性について 以上からすれば、「光スイッチ」は、通信における光信号(情報)の伝達を切り替える目的に用いられるものであって、電力を輸送ないし制御する目的に用いられるものではないことは明らかである。
「光スイッチ」は「光通信用機械器具」の範ちゅうの機械器具であり、電気通信に専用の特殊な機械器具が「配電用又は制御用の機械器具」に含まれないことと考え合わせれば、「光通信機械器具」は「配電用又は制御用の機械器具」に含まれないというべきであり、「光スイッチ」は「配電用又は制御用の機械器具」に含まれないこととなる。
また、特許庁の電子図書館「商品・役務名リスト」において、「光通信用機械器具」ないし光スイッチと同じ商品を表示すると見られる「光通信切替器」などについては「電気通信機械器具(11B01)」の類似群コードが付されており、「配電用又は制御用の機械器具(11A01)」とは異なる類似群が付与されていることをみても、「光スイッチ」と「配電用又は制御用の機械器具」とは非類似の商品であるとみることができる(甲第8号証)。
したがって、被請求人の主張に係る商品「光スイッチ」は、本件の取消請求に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する商品ではない。
(2)被請求人が提出した証拠について
乙第1号証ないし同第17号証のうち、乙第1号証ないし同第5号証については、本件商標「ZFALCON/ジーファルコン」は一切表されていない。また乙第6号証ないし同第11号証については、本件商標の欧文字部分「ZFALCON」が表されたラベル図があるものの「ジーファルコン」の片仮名はなく、また、これらは設計書、仕様書の類であり、実際に販売された事実を示すものではない。
乙第12号証ないし同第14号証は、いずれも本件取消審判請求の登録前3年以内の使用を示すものではない。さらに、乙第15号証は、本件商標の通常使用権者とみられる者の作成によるカタログであるが、本件商標の欧文字部分「ZFALCON」が付された商品がみられるものの「ジーファルコン」の片仮名はなく、またいつどこへ配布されたという事実は立証されておらず、使用を証明する客観的資料にはなり得ない。そして、乙第16号証は、現在公開されているホームページの写しということのみであり、これにおいても「ZFALCON」の文字はあるものの「ジーファルコン」の片仮名が使用されている情報はなく、また、現在公開されているとしても、本審判請求の登録前3年以内に公開されていたという事実も見出せない。
乙第17号証は、シリーズ名称「ZFALCON」の記截があるものの、この資料は出所が不明であり、販売目的で使用されたカタログの一種ということもできない。
したがって、乙第1号証ないし同第17号証からは、本件商標が使用されたということを客観的に証明する資料とはいうことはできない。
(3)本件商標と使用に係る商標の同一性について
本件商標は、欧文字「ZFALCON」と片仮名「ジーファルコン」との二段併記の構成よりなるものである。
欧文字「ZFALCON」は、文字綴りより「ジーファルコン」の他、「ゼットファルコン」とも読み得るものであるが、本件商標に「ジーファルコン」の片仮名が併記されていることからみて、「ZFALCON」を必ず「ジーファルコン」と読ませる意図が窺える。このような場合、登録商標の使用というからには欧文字「ZFALCON」とともに片仮名「ジーファルコン」が使用されていなければ、登録商標の使用とはいえないというべきである。
この点において、被請求人が提出した証拠には「ジーファルコン」の文字が使用されていたという事実は窺うことができない。
唯一、乙第13号証に示される被請求人の過去のホームページ「メカニカル光スイッチ『ZFALCON(R)』」(審決注:「(R)」は、小さく表した「○内にR」記号を示す。以下同じ。)の説明に、「・マイクロオプティクス技術をベースとした、光通信システムに最適なメカニカル光スイッチ(シリーズ名:ZFALCON(R)(ジーファルコン(R))を開発しました。」の記載がみられるけれども、これは被請求人の主張によれば2005年と2006年のものであるから、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標が使用されていたという証拠に当然なり得ない。 したがって、被請求人が提出した乙第1号証ないし同第17号証においては、本件商標「ZFALCON/ジーファルコン」が本件審判請求の登録前3年以内に日本において使用されていたということはできない。

3 口頭審理(平成25年3月14日付け口頭審理陳述要領書)における陳述
(1)被請求人が主張する主張の論点は次の三点である。
ア 光の伝送路を切り替える光スイッチの製品に使用している(デバイス(A)に使用している)こと。
イ 複数の入出力端子をもち、任意の入力端子から信号を任意の出力端子に切り換える機能を持つ光スイッチに使用している(デバイス(C)に使用している)こと。
ウ 「配電用又は制御用の機械器具」の概念に「接続器」が属するところ、被請求人の商品“1×8スイッチ”(測定装置の測定対象を制御して選択的に接続する「接続器」)を使用する行為は、本件商標を「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品に使用する行為であること。
(2)請求人の反論の要点は次のとおりである。
ア 被請求人が新たに提出した乙第18号証ないし同第25号証については、新たに本件商標についての「光スイッチ」の使用実績を追加するものではない。
イ 乙第20号証及び同第21号証に示される応用例における「光スイッチ」は、いずれも特定の情報を有する(特定の波長を有する)光である光信号の伝送路を切り換えるデバイスであり、これは前記2(1)イの定義に当てはまるデバイスとみられ、当該「光スイッチ」は、「電気通信機械器具」に属する商品と解される。
ウ 被請求人は、口頭審理陳述要領書において、「光スイッチ」について、「光の伝送路を切り換えるデバイス」と、「複数の人出端子をもち、任意の入力端子から信号を任意の出力端子に切り換える機能をもつデバイス」とに分けて述べているので、以下に個別に反論する。
(ア)光の伝送路を切り替える光スイッチの製品に使用していることについて
乙第20号証に示される応用例における「光スイッチ」は、光信号の伝送路を切り換えるものであり、「電気通信機械器具」に属すると認められる光通信に係る「光スイッチ」についての使用事実に係る証明とみることができる。
また、乙第20号証の表紙のタイトルには「『配電機械又は制御機械器具』である光スイッチの応用例を2×1M光スイッチを例として用いて、ご説明します。」と書かれているが、その用例の実際は「レーザー波長の自動検査システム」であり、このシステムにおける光スイッチは、乙第20号証の2頁目、右上囲い内の説明からみれば、2種の光源の内の一方を選択し、光測定器のポートに接続制御するために用いられる光スイッチであることが明らかである。
したがって、乙第20号証の応用例に示される光スイッチは、電気通信機械器具に属する「光スイッチ」、あるいは光測定器(測定機械器具)の周辺機器としての「光スイッチ」であるとみられ、これが配電用又は制御用の機械器具に使用される光スイッチであるとの証左にはなり得ない。
(イ)複数の入出力端子をもち、任意の入力端子から信号を任意の出力端子に切り換える機能を持つ光スイッチに使用していることについて
乙第21号証の応用例1にかかる「レーザー光源製品の自動検査システム」の説明中には、「1×8光スイッチは、光ファイバで接続された光源1?8の出力を光測定器に選択的に接続することを制御する」と記述されており、この説明における「光スイッチ」は、8台のレーザー光源からの特定の波長を有するという情報をもった光信号を切り換えて光測定器に供給するものであり、光の伝送路を切り換えるためのデバイスであり、上述の「光スイッチ」の定義に当てはまるといえ、電気通信機械器具に属する「光スイッチ」、あるいは光測定器(測定機械器具)の周辺機器としての「光スイッチ」であるとみられ、これが配電用又は制御用の機械器具に使用される光スイッチであるとの証左にはなり得ない。
さらに、乙第21号証の応用例2に示される「自動歪検出システム」は全体として、歪みセンサから出力される光の波長を測定することで、歪みを測定する歪検出システムであり、歪測定器(測定機械器具)に該当する。
したがって、この応用例2の説明における光スイッチについても、電気通信機械器具に属する「光スイッチ」、あるいは歪測定器(測定機械器具)の周辺機器としての「光スイッチ」であるとみられ、これが配電用又は制御用の機械器具に使用される光スイッチであるとの証左にはなり得ない。
(ウ)「配電用又は制御用の機械器具」の概念に「接続器」が属するところ、被請求人の商品“1×8スイッチ”(測定装置の測定対象を制御して選択的に接続する「接続器」)に使用する行為は、本件商標を「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品に使用する行為であることについて
「配電」とは「電力を需要場所に供給すること」であり、「配電・制御器」の概念に属する商品は、専ら、電力を需要場所に供給するために使用される機械器具と考えられる。
この点について、甲第6号証「商品大辞典」の配電・制御器の項目には、「配電・制御器における『接続器』とは、『配線、配電器具』における『ローゼット(天井からコードを引き出す部分に用いる器具)、ソケット(電球受口)、プラグ(電気コード先端の差し込み)、コンセント(プラグの差し込み口)などの類であるとの例示がされており、この記述からは「配電用又は制御用の機械器具」に属する「接続器」とは、電力を需要供給場所に供給する経路において配置され使用される機械器具類と解され、測定対象に光を切り換えて供給する「光スイッチ」や、測定対象である光源からの光を切り換えて測定対象に供給する「光スイッチ」が、「配電用又は制御用の機械器具」に属する「接続器」には含まれないことは明らかである。
したがって、被請求人が使用する“1×8光スイッチ”(測定装置の測定対象を選択的に接続する接続器)は、取消請求に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品に使用する行為であるとはいえない。 (3)その他の被請求人の主張に対する請求人の反論
乙第23号証ないし同第25号証中には、本件商標「ZFALCON/ジーファルコン」の使用は見当たらず、また、これらの証拠が本件商標の使用を示す取引書類の類ということもできない。さらにいえば、これらの証拠に示される「光チャンネルセレクタ」はいずれも共通のラインから入力した光信号を任意のラインに出力する光路の切換器であり、その用途は通信ないしは測定用途と考えられる。
したがって、これらの証拠にかかる光チャンネルセレクタは、乙第21号証の応用例2における光スイッチと同様に、歪センサや光波長計(測定機械器具)の周辺機器としての「光スイッチ」、あるいは電気通信機械器具に属する「光スイッチ」であるとみられ、配電用又は制御用の機械器具に使用される光チャンネルセレクタであるとの証左にはなり得ない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁及び口頭審理における陳述において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第25号証を提出した。
1 答弁の理由
沖電線株式会社(以下「沖電線」という。)は、2004年4月に登録された商標「ZFALCON」を商品名とした光スイッチ製品(FASシリーズ)を2004年から2009年3月31日に株式会社オプトハブ(以下「オプトハブ」という。)ヘ事業譲渡するまでの5年間、毎年販売実績を有している。
オプトハブは、沖電線から2009年3月31日に光スイッチ製品の事業を譲渡されてから現時点(2012年7月)までの3年間、毎年販売実績を有している。
沖電線は、2009年3月31日に光スイッチ製品の事業をオプトハブヘ譲渡し、開発技術、製造技術、顧客情報、特許、商標など全ての通常使用権をオプトハブに認めている。
全ての光スイッチ製品(FASシリーズ)の製品名表示ラべルには、商標「ZFALCON」が記載されている。
光スイッチ製品の仕様を定める設計書ならびに客先へ提出した納入仕様書には、製品名表示として、商標名「ZFALCON」を表示するよう定められており、沖電線ならびにオプトハブはこの定めを遵守している。
光スイッチ製品の販売実績以外に、沖電線ならびにオプトハブが商標名「ZFALCON」を使用し、かつ、広く一般に知らしめていた事実と実績を示す証拠として、カタログ類、ホームページでの広告、一般展示会への出展、大手企業に提出した納入仕様書などがあり、本件商標を2004年登録時から現時点まで毎年継続使用していたことは明白で、この事実を一般第三者が知ることは容易である。

2 口頭審理(平成25年2月28日付け口頭審理陳述要領書)における陳述
(1)「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる「光スイッチ(光開閉器)」とは、電気通信に専用の特殊な機械器具ではなく、(A)光の伝送路を切り替えるデバイス、(B)光クロスコネクトで利用する基幹部品又は技術、入力してきた光信号を鏡などで反射して別の経路に出力するデバイス、(C)光スイッチは複数の入出力端子をもち、入力信号をオン・オフしたり、任意の入力端子から信号を任意の出力端子に切り替える機能をもつデバイス、などを意味するものである。
本件商標は、以下に示すように、前記デバイス(A)及びデバイス(C)が使用されており、「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる「光スイッチ」に使用されていることが明らかである。
(2)本件商標が、光の伝送路を切り替える光スイッチ(デバイス(A))に使用されていること
ア 被請求人は、平成19年7月から平成20年4月頃迄に使用したホームページ(乙第13号証)において、被請求人商品の販売のために本件商標を広告に使用している。
イ 乙第19号証の「広辞苑」によれば、通信とは、「1.人がその意思を他人に知らせること。音信を通ずること。たより。2.郵便・電信・電話などによって意思を通ずること。」と定義されており、電気通信に専用の特殊な機械器具の意味を考えると、人などの意思を電気的に通じさせる専用の特殊な機械器具を意味するものとなる。
ウ 上記ホームページ(乙第13号証)において、メカニカル光スイッチ「ZFALCON(R)」製品ラインアップの一例として「ZFALCON(R)2×1M 光スイッチ マイクロオプティクス技術をベースとしたメカニカル光スイッチにより光通信システムに適合した性能を実現・・・」との記載がある。
乙第18号証及び同第13号証には、上記“2×1M 光スイッチ”の内部構造が図示されている。この図から明らかなように、“2×1M 光スイッチ”は、光入力-1のTapカプラが接続された伝送路と光入力-2のTapカプラが接続された伝送路と間で接続を切り替えて、光入力-1または光入力-2を光出力するデバイスである。
乙第20号証に示すように、“2×1M 光スイッチ”は、光部品の量産現場におけるレーザー波長の自動検査システムにおいても用いられており、人などの意思を電気的に通じさせる専用の特殊な機械器具ではない。
このような自動検査システムにおいて“2×1M 光スイッチ”は、光源1と光源2の2種類の光を被測定対象光部品に出力するための装置として用いられており、人などの意思を電気的に通じさせるための装置として用いられていない。
したがって、“2×1M 光スイッチ”は、電気通信に専用の特殊な機械器具ではないことが明らかである。
エ さらに、被請求人の“2×1M 光スイッチ”は、証明を要する期間内に、以下の証拠に示すように、実際に使用している。
乙第15号証のカタログの上部には、「Rev.3:[Dec.2011]モニタ機能付き2×1光スイッチ FAS0201MS02 FAS020 1MS02:98:2」と記載されている。
乙第6号証に図示された“2×1M 光スイッチ”の胴部に「Optical Switch ZFALCON 2×1M FAS0201MS01-SCS-10」と記載されている。
また、乙第7号証の「1.2 品名記号」の項には、FASから始まる始めの7文字をシリーズ名とすることも記載されている。
これらの記載を踏まえると、型名を「FAS0201」とする記載は、“2×1M 光スイッチ”の製品を示すことが明らかである。
乙第11号証に示すように、証明を要する期間内にオプトハブは、顧客に対して“2×1M 光スイッチ”の型名とする“FAS0201”に関する納入仕様書を提出している。
故に、オプトハブが、証明を要する期間内に“2×1M 光スイッチ”を実際に販売していることが明らかである。
オ したがって、被請求人及びオプトハブは、遅くとも平成19年7月から継続して本件商標「ZFALCON/ジーファルコン」を、電気通信に専用の特殊な機械器具ではない、配電用又は制御用の機械器具のひとつである、光の伝送路を切り替える光スイッチに対して使用していることが明らかである。
(3)本件商標が、複数の入出力端子をもち、入力端子から信号を任意の出力端子に切り替える機能をもつ光スイッチ(デバイス(C))に使用されていること
ア 乙第13号証のホームページにおいて、メカニカル光スイッチ「ZFALCON(R)」製品ラインアップの一例として「ZFALCON(R)8+1/1×8光スイッチ マイクロオプティクス技術をベースとしたメカニカル光スイッチにより光通信システムに適合した性能を実現・・・」との記載がある。 乙第7号証に記載されている、“1×8光スイッチ”は、共通ポート(入力端子)と1Aないし8Aポート(複数の出力端子)のいずれかと接続して、共通ポートから入った光の出力を、共通ポートに接続したポートへ出力するデバイスであり、例えば、使用者が、共通ポートから入力された光の出力先を1Aポートから2Aポートに切り替えたい場合には、“1×8光スイッチ”を操作して、共通ポートと1Aポートが接続されていた状態から、共通ポートと2Aポートとを接続する状態に切り替えて、共通ポートから入力された光を2Aポートへ出力させる。
このように、“1×8光スイッチ”は、入力端子から信号を任意の出力端子に切り替える機能を持ったデバイス(C)であることが明らかである。
イ “1×8光スイッチ”は、生産工程におけるレーザー光源製品の自動検査システムに用いられる他、歪を検出する自動歪検出システムにも用いられるものであり、例えば、乙第21号証で示すレーザー光源製品の自動検査システムにおいては、“1×8光スイッチ”を用いて、複数のレーザー光源製品から選択して光測定器に接続することで、光測定器から出力した光に対するレーザー光源製品の出力値を測定して、レーザー光源製品を検査する。すなわち、この自動検査システムにおいては、“1×8光スイッチ”を、光測定器からの光を複数のレーザー光源製品から選択して出力するための装置として用いられており、人などの意思を電気的に通じさせるための装置として用いられていないことは明らかである。
したがって、“1×8光スイッチは、電気通信に専用の特殊な機械器具ではないことが明らかである。
ウ さらに、“1×8光スイッチ”は、証明を要する期間内に、以下の証拠に示すように、実際に使用している。
乙第7号証の“1×8光スイッチ”の胴部には、「ZFALCON 1×8 FAS0108AS105-SCU100」と記載されている。 また、乙第7号証の「1.2 品名記号」の項には、FASから始まる始めの7文字をシリーズ名とすることが記載されている。
これらの記載を考慮すると、“1×8光スイッチ”の型名が、“FAS0108”であることが明らかである。
乙第11号証に示すように、証明を要する期間内にオプトハブは、『2009年8月3日 (株)アドバンテスト、2010年6月1日 住電オプコム(株)、2010年7月12日 (株)アドバンテスト』の記載のとおり、顧客に対しで1×8 光スイッチの型名を示す「FAS0108」に関する納入仕様書を提出している。故に、オプトハブが、証明を要する期間内に“1×8 光スイッチ”を実際に販売していることが明らかである。
乙第2号証には、オプトハブの2009年(平成21年)から2012年(平成24年)までの販売実績が記載されている。
エ したがって、被請求人及びオプトハブは、平成19年7月から本件商標「ZFALCON/ジーファルコン」を、電気通信に専用の特殊な機械器具ではなく、複数の入出力端子をもち、任意の入力端子から信号を任意の出力端子に切り替える機能をもつ光スイッチに対して使用していることが明らかである。
(4)被請求人商品“1×8光スイッチ”は、測定装置の測定対象を制御して、選択的に接続する接続器としても使用されていること
被請求人は、“1×8光スイッチ”を、光測定器の測定対象である複数の光源製品及び光波長計の測定対象である複数の歪検出光ファイバに対して、制御して選択的に接続する接続器として使用している。
乙第22号証に示すように、配電用又は制御用の機械器具の概念には、「開閉器、継電器、遮断機、制御器、整流器、接続器・・・」が属すると記載されている。
したがって、被請求人が、本件商標を“1×8光スイッチ”(測定装置の測定対象を選択的に接続する接続器)に使用する行為は、本件商標を配電用又は制御用の機械器具に使用する行為であることが明らかである。
なお、乙第23号証ないし同第25号証から明らかなように、地盤や建物などの歪を測定するために、光ファイバー(歪センサを取り付けたもの)を用いて、光ファイバーと測定装置を選択的に接続する接続器(チャンネルセレクター)を用いることは一般的な測定方法である。

第4 当審の判断
1 請求人及び被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。(1)甲第3号証は、理工学事典の写しであり、「光スイッチ」の項に、「光の伝送路を切り替えるためのデバイス。」の記載がある。
(2)乙第4号証は、オプトハブからスミデンアイネット株式会社宛の平成21年12月25日付「納品書(控)」の写しであり、品番・品名欄に「光スイッチ FAS0201MS02-SCA10」、数量「50個」の記載があり、また、オプトハブからスミデンアイネット株式会社宛の平成22年9月29日付「納品書(控)」の写しには、品名欄に「光スイッチ FAS0201MS02-SCA10」、数量「5個」の記載がある。
さらに、オプトハブから大倉インダストリー株式会社宛の平成23年11月25日付「納品書(控)」の写しには、品名欄に「2×1光スイッチ FAS0201MS02-SCA10」、数量「20台」の記載がある。
(3)乙第5号証は、2009年3月31日付け「事業譲渡契約書」の写しであり、同年4月1日を譲渡日として、被請求人の光スイッチ事業について、オプトハブに譲渡する旨の契約が締結され、その契約条項第2条の別紙2で、事業譲渡の対象の製品種別として、「2×1光スイッチ FAS0201Mシリーズ」などが挙げられている。
(4)乙第7号証は、「光スイッチの納入仕様書」(2006年7月21日改訂)の写しであり、2枚目には、製品「FAS0201MS02」に係る仕様が表示されており、仕様中の「3.2.1 製品外形・寸法・製品ラベルおよび端子番号」の説明として、「製品の上面に製品ラベルを貼ります。」と記載され、製品ラベルには、「ZFALCON」の記載がある。なお、前記の品番以外の光スイッチ製品の製品ラベルにも、同様に標章「ZFALCON」が表示され、同様の説明がされている(乙第6号証、乙第9号証及び同第10号証)。
(5)乙第13号証は、被請求人のホームページの写しであり、「メカニカル光スイッチ『ZFALCON(R)』の特徴」の項には、「各種用途に柔軟に対応できる機種構成(1×2、1×8、8+1など)」との記載があり、その下に、製品ラインアップとして、各光スイッチの写真と共に、「ZFALCON(R)2×1M光スイッチ マイクロオプティクス技術をベースとしたメカニカル光スイッチにより光通信システムに適合した性能を実現」、「ZFALCON(R)4×1プラス1光セレクタ 光通信、光学実験/光部品製造などの光路切換に最適。」などの記載がある。そして、3枚目には、「・・・光スイッチ(FASシリーズ)につきまして、2009年3月31日までの注文をもちまして、当社からの販売を中止させていただきます。同年4月1日以降の本製品販売につきましては、営業権を譲渡させていただきました株式会社オプトハブで引き続き販売を継続させていただきます。」の記載がある。
(6)乙第15号証は、オプトハブに係るカタログの写しであり、右上部に「FAS0201MS02シリーズ Rev.3:[Dec.2011]」と記載され、その左下に製品「FAS0201MS02」の写真が掲載されており、当該製品には標章「ZFALCON」が表示されていることが認められる。そして、「概要」には、「FAS0201MS02シリーズは、マイクロオプティックス技術を用いたシングルモードファイバ用メカニカル光スイッチです。適用範囲はメトロアクセスネットワーク、CATVネットワークなどです。」と記載されている。さらに、最下部中央には「株式会社オプトハブ」と記載されている。
(7)乙第20号証及び同第21号証は、いずれも被請求人の社員による、2013年2月27日付けの「光スイッチの応用例とご説明」と題する書面であり、「光部品の量産生産現場において異なるレーザー波長の自動検査システム」、「量産生産現場における8台のレーザー光源製品の自動検査システム」及び「光ファイバにおけるレーザー光の波長のずれを応用した8方向16点自動歪検出システム」の見出しのもと、2×1M光スイッチ及び1×8光スイッチを例として用いた光源の切替スイッチとしての光スイッチの応用例が記載されている。

2 前記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
(1)通常使用権者について
前記1(3)によれば、被請求人は、オプトハブに、2009年4月1日に被請求人の光スイッチ事業を譲渡したことが認められる。そうすると、本件商標の使用についても許諾したものと推認できるものであるから、オプトハブは本件商標に係る通常使用権者と認められる。
(2)本件商標の使用について
前記1(4)によれば、光スイッチ「FAS0201MS02」(以下「使用商品」という」。)には、「ZFALCON」の商標(以下「使用商標」という」。)が表示されており、前記1(2)によれば、通常使用権者であるオプトハブはスミデンアイネット株式会社に、上記光スイッチを、平成21年12月25日及び同22年9月29日に、また、大倉インダストリー株式会社に、平成23年11月25日に販売(譲渡)したと認めることができる。
ア 使用時期について
通常使用権者が使用商品「光スイッチ」を譲渡した日付けは、いずれも本件審判請求の登録の日(平成24年7月2日)前3年以内である。
イ 使用商標について
本件商標は、「ZFALCON」の欧文字と「ジーファルコン」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の欧文字は、使用商標とその文字綴りを同一にし、その構成文字に相応して、「ジーファルコン」の称呼を生ずるものである。そして、本件商標の片仮名部分は、本件商標の欧文字部分に照応し、その自然な称呼を表したものというべきであるから、使用商標が片仮名を欠く構成であるとしても、本件商標と称呼及び観念において違いはないものであり、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
ウ 使用商品について
「光スイッチ」とは、「光の伝送路を切り替えるためのデバイス。」であるところ、本件使用商品については、「各種用途に柔軟に対応できる機種構成」及び「光通信、光学実験/光部品製造などの光路切替えに最適」(乙第13号証)との記載や、「適用範囲はメトロアクセスネットワーク、CATVネットワークなどです。」(乙第15号証)との用途がネットワーク以外にもあることを認識させる記載があり、また、光源の切替スイッチとしての光スイッチの応用例(乙第20号証)は、光スイッチが、「レーザー波長の自動検査システム」の専用部品として使用されている例ではなく、自動検査システムに、2×1光スイッチを用いた一例であることなどからすれば、当該「光スイッチ」は、光通信用機械器具(電気通信機械器具)及び光測定器・歪測定器(測定機械器具)に使用する専用部品に限定されるものではなく、光の伝送路を切り替えるためのデバイスとして使用される汎用性のある商品と認められる。
そうとすれば、使用商品は、第9類「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに含まれる「光スイッチ」ということができる。
(3)請求人の主張について
請求人は、「光スイッチは、『光通信システムに用いられる、光の伝送路を切り替えるデバイス』(甲第3号証ないし同第5号証)であり、『光通信用機械器具』の範ちゅうの機械器具又は歪センサや光波長計(測定機械器具)の周辺機器であり、『配電用又は制御用の機械器具』に含まれない。」旨主張しているが、使用商品は、前記2(2)ウで述べたとおり、光通信用機械器具(電気通信機械器具)及び光測定器・歪測定器(測定機械器具)などの専用部品ではなく、「光スイッチ」単品で取引される汎用性のある商品であり、第9類「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する商品というべきである。
そうとすれば、請求人の前記主張は、採用することができない。

3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品中の第9類「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する「光スイッチ」について、本件商標を使用していることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-04-25 
出願番号 商願2003-92526(T2003-92526) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 清川 恵子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2004-04-23 
登録番号 商標登録第4766333号(T4766333) 
商標の称呼 ジーファルコン、ゼットファルコン 
代理人 中里 浩一 
代理人 三嶋 景治 
代理人 川崎 仁 
代理人 特許業務法人YKI国際特許事務所 
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