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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X09222324
審判 一部申立て  登録を維持 X09222324
管理番号 1259911 
異議申立番号 異議2011-900424 
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-11-24 
確定日 2012-07-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5434221号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5434221号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5434221号商標(以下「本件商標」という。)は、「VISTRON」及び「ビストロン」の文字を二段に横書きしてなり、平成22年11月15日に登録出願、第9類、第22類、第23類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年8月2日に登録査定、同年8月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第48号証を提出した。
なお、申立てに係る商品については、申立人の主張の全趣旨から上記のとおり「電子応用機械器具及びその部品」と判断した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する登録第4579525号商標(以下「引用商標」という。)は、「Wistron」及び「ウィストロン」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年5月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同14年6月21日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)具体的な理由
ア 商標法第4条第1項第11号該当
本件商標は、引用商標と外観及び称呼において類似するものであり、また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
本件商標は、申立人が「ノート型パソコン等の情報通信機器」に使用する商標として周知著名となっている引用商標又は著名な申立人の略称である「WISTRON」と外観上及び称呼上酷似し、本件商標から引用商標又は著名な略称「WISTRON」を容易に連想できるものである。また、本件商標は、引用商標又は著名な略称「WISTRON」が著名性を獲得している商品等と同一又は類似の指定商品に使用するものであり、その取引者・需要者を同じくするものである。
よって、本件商標がその指定商品中「第9類 電子応用機械器具及びその部品」に使用された場合には、これに接する取引者・需要者は、あたかも申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務にかかる商品であるかのごとく認識し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、申立人は、2001年台湾において設立された「ノート型パソコン等の情報通信機器」などの受注生産企業であること(甲第3号証)、2008年ころからノート型パソコンや液晶テレビの受注生産企業として台湾のトップクラスであること(甲第5号証ないし甲第8号証)、複数の外国雑誌(その発行日は本件商標の出願日の前後を含む。)に掲載されたこと(甲第9号証ないし甲第17号証)及び日本企業からの発注を受けたこと(甲第8号証)をうかがい知ることができ、申立人は、我が国において前記製品の製造業者の間で該製品の受注生産企業としてある程度知られているといって差し支えない。
しかしながら、一般に、受注生産される製品は、受注生産企業の商標は付されず、その発注企業の商標が付されて市場に流通するものであり、かつ、申立人提出の証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品に使用されている事実を確認することができなかった。
そうすると、引用商標は、我が国のノート型パソコンや液晶テレビ製造業者の間である程度知られているとしても、該商品の一般の需要者の間においては、出願時はもとより査定時において、申立人の業務に係る商品又は申立人の著名な略称を表示するものとして広く認識されていたということは到底できない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり「VISTRON」及び「ビストロン」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ビストロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
イ 他方、引用商標は、上記2(1)のとおり「Wistron」及び「ウィストロン」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ウィストロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
ウ そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、外観においては、いずれも欧文字7文字と片仮名5文字という比較的少ない文字構成にあって語頭部分の「V」と「W」及び「ビ」と「ウィ」の差異を有するから、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ビストロン」の称呼と引用商標から生じる「ウィストロン」の称呼を比較すると、両者は、称呼の識別上最も重要な要素を占める語頭部において「ビ」と「ウィ」の音の差異を有するものであり、この差異が共に5音という短い音構成にあって称呼全体の音感に与える影響は少なくなく、これらをそれぞれ一連に称呼しても語調・語感が異なり相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、かつ、他に両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていた商標とも、申立人の著名な略称とも認めることはできない。
また、前記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標(標章)であって、別異の商標(標章)というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその申立てに係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用しても、これに接する需要者をして引用商標又は申立人を想起、連想することはなく、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-06-28 
出願番号 商願2010-88618(T2010-88618) 
審決分類 T 1 652・ 26- Y (X09222324)
T 1 652・ 271- Y (X09222324)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 梶原 良子
堀内 仁子
登録日 2011-08-26 
登録番号 商標登録第5434221号(T5434221) 
権利者 ユニチカ株式会社
商標の称呼 ビストロン 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 景子 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 

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