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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない X43
管理番号 1236589 
審判番号 不服2010-11559 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-31 
確定日 2011-04-21 
事件の表示 商願2009- 3393拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務とし、平成19年9月18日に登録出願された商願2007-98296に係る商標法第10条第1項の規定(分割出願)による商標登録出願として、同21年1月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第5164186号商標(以下『引用商標』という。)と『ヤキヤキヤ』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年5月21日登録出願、第43類「焼肉料理を主とする飲食物の提供,韓国料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同20年9月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1に示すとおり、朱色で塗られた長方形内に、語頭と末尾の文字の一部を図案化し、茶色で着色した「やきやきや」の文字を白色で縁取りし(3文字目の黄色で着色した「や」は、上下逆向きに書してなる)、その横に小さく白抜きの「焼」の漢字からなる落款を配してなるものである。
さらに、前記「やきやきや」の文字の下段には、手書き風の四角形枠内に、縦書き及び横書きからなる「やきやきや」の文字を各々3文字目に位置する上下逆向きの「や」の文字を中心として、十字に交差させた文字を配してなるものである。
してみれば、本願商標の上段とその下段の文字部分は、やや図案化され、また、文字の一部を上下逆向きに表されてなるものの、それぞれ「やきやきや」の文字を表したものと容易に認識し得るものであって、これより無理なく「ヤキヤキヤ」の称呼が生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、別掲2に示すとおり、2本の赤唐辛子及びニンニクと思しき図形を配し、該図形の下部に、小さく「やきやきや」の文字及び該文字に比して大きく「羅羅亭」の文字とを上下二段に書してなり、さらに、「羅羅亭」の文字の右横に小さく「炭火」の漢字からなる落款を配してなるものである。
しかして、引用商標構成中の図形部分と「やきやきや」、「羅羅亭」及び「炭火」の文字部分とは、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとする特段の事情は認められないうえ、「やきやきや」及び「羅羅亭」の各文字は、上下二段に分離した記載からなり、また、文字の種類及び文字の大きさの相違から、視覚上、分離して認識し得るものであり、該文字全体から生ずる称呼も9音とやや冗長と認められるものである。
また、それぞれの語が結合されて一般に親しまれた熟語を形成する等、これらを常に不可分一体のものとして観察されなければならないとすべき特段の事情も認められないものである。
さらに、「やきやきや」及び「羅羅亭」の各文字は、その指定役務との関係において、役務の提供の質(内容)等を表示するものとして、普通に使用されているものとは認められず、ありふれた店名、或いは、ありふれた名称ともいえないことから、それぞれが独立して自他役務としての識別機能を果たすものといわなければならない。
そうすると、引用商標は、その構成中「やきやきや」及び「羅羅亭」の各文字全体に相応して、「ヤキヤキヤララテイ」の一連の称呼のほか、当該文字部分に相応して、「ヤキヤキヤ」及び「ララテイ」の称呼をも生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標を比較するに、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上区別し得るものであり、また、共に特定の意味合いを看取させないものであるから、観念において比較することはできないとしても、「ヤキヤキヤ」の称呼を共通にするものであり、かつ、その指定役務も同一又は類似のものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念において比較できないまでも、両商標は、「ヤキヤキヤ」の称呼を共通にする類似の商標であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものと認める。

(2)請求人の主張について
ア 本願商標構成中の「やきやきや」について
請求人は、「本願商標は、その上段部を構成する『やきやきや』の文字が全体として図形化されたことで、普通に用いられる方法とはいえない表示形態からなるものであり、その全体として、文字と図形が一体となって、自他役務の出所識別の機能を発揮するものであり、『やきやきや』の文字のみを要部として抽出した上で類否判断をなすことは、取引の実際にそぐわない」旨主張する。
しかしながら、近年では、広告宣伝のために、需要者の注意を惹き、視覚的効果を担う手法として、文字で構成される商標の一部分を図案化したり、あるいは各種レタリングを施したりすることが広く行われているというのが実情である。
そして、かかる実情に照らして本願商標を見るに、本願商標中、上段部の「やきやきや」の文字は、その語頭と末尾の文字「や」の一部を図案化し、3文字目の「や」を上下逆さまにしてなるものの、この程度の図案化及び表現方法は、通常行われているデザイン手法の範疇と認められるものであって、普通に用いられる方法の域を脱しない程度の表示形態といわざるを得ないものであるから、容易に「やきやきや」の文字を認識し得るものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、比較的大きく表された上段の「やきやきや」並びに下段の「やきやきや」の文字部分から生ずる「ヤキヤキヤ」の称呼をもって取引にあたることも決して少なくないものといわなければならない。
よって、本願商標から特定の称呼は生じないとする前記請求人の主張は採用することができない。

イ 「やきやきや」の文字の識別性について
請求人は、「『やきやきや』は成語として辞書に掲載されているわけではないが、一般に『焼き物料理』について『○○焼き』と略されている種々の料理の提供役務が存在し、この種の料理もしくは、その店を指称する際に『やきやきや』もしくは『ヤキヤキヤ』『やきやき屋』の名称が店舗案内等において広く使用されている。これらの事例をもって『やきやきや』の文字の使用がありふれていないとの原査定の認定は社会通念には合致しない」旨主張する。
しかしながら、該文字を、「Yahoo!電話帳」(http://phonebook.yahoo.co.jp/)を利用し、全国を対象として検索した結果、30件検索ヒットし、うち完全一致或いは実質的に同一とみられるものは、18件のみであった。
全国に無数に存在し、一般に、電話帳登録することの多い飲食店業界にあって、上記件数は、決して多いとはいえないものであるから、該「やきやきや」の文字は、ありふれた店名、もしくはありふれた名称とは認めることはできない。
よって、請求人の前記主張も採用することができない。

(3)結論
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)
(色彩については原本を参照されたい。)


別掲2(引用商標)
(色彩については原本を参照されたい。)


審理終結日 2011-02-15 
結審通知日 2011-02-22 
審決日 2011-03-09 
出願番号 商願2009-3393(T2009-3393) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (X43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山根 まり子箕輪 秀人長澤 祥子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
大橋 良成
商標の称呼 ヤキヤキヤヤキ、ヤキヤキヤ 
代理人 細井 貞行 
代理人 堀内 香菜子 
代理人 小橋 立昌 

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