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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
審判199831328 審決 商標
取消200530788 審決 商標
審判199830905 審決 商標
取消2008300167 審決 商標
審判199830904 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商53条の2正当な権利者以外の代理人又は代表者による登録の取消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y15
管理番号 1180947 
審判番号 取消2006-31249 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-10-05 
確定日 2008-06-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4892411号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4892411号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4892411号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRAMBERGER」の欧文字を横書きしてなり、平成17年1月19日に登録出願、第15類「ピアノ,ギター,オルガン,ハーモニカ,その他の楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品として、同17年9月2日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第53条の2の規定により、本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。と申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(請求の理由)
(1)請求人サミック ミュージック コーポレーションは、アメリカ合衆国に所在する会社であり、アメリカ合衆国においては、国際分類第15類「ピアノ」について商標「PRAMBERGER」(2,535,286号)を有し、大韓民国においては、第15類「ピアノ」について商標「PRAMBERGER」(480334号)を有し、欧州共同体商標として、第15類「ピアノを含む楽器及びこれらの部品及び備品」について商標「PRAMBERGER」(CTM002163996号)を有し、カナダにおいては、第15類「ピアノ」について商標「PRAMBERGER」(TMA575848号)を有する者である。
これらの事実を示す証拠として、米国特許商標庁における電子登録情報の写し、大韓民国の商標登録原簿の写し、欧州共同体意匠商標庁における電子登録情報の写し、カナダにおける電子登録情報の写しを提出する(甲第1号証?4号証)。
なお、上記全ての商標権は、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏の権利であったが、2004年12月12日付けで、請求人へ全て譲渡され、現在では上記全ての商標権について移転登録が完了している。
(2)一方、被請求人であるヨン チャン アッキ カンパニー リミテッドは、2000年1月10日から2004年12月31日までの間、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏との間で、「PRAMBERGER」商標についての独占的ライセンス契約を締結していた者で、大韓民国に所在する会社である。
この事実を示す証拠として、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏側から請求人への資産譲渡の際の2004年12月12日付資産引受合意書を提出する(甲第5号証)。
(3)本件商標に係る出願は、請求人所有の上記外国商標「PRAMBERGER」と同一の標章で、かつ、同一又は類似の指定商品について、2005年1月19日になされたものである。独占的ライセンス契約のライセンシーは、商標法第53条の2における「代理人」に当たり、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏と被請求人との間の独占的ライセンス契約が、甲第5号証にも示されるように2004年12月31日付で満了していることからすれば、本件商標は、出願前1年以内に代理人であった者によって、外国商標権者の承諾を得ることなく、また正当な理由もなく、出願され、登録されたものである。
被請求人が外国商標権者に無断で、また正当な理由なく本件商標を出願したことを裏付けるものとして、ライセンサーであった故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏の遺産譲受人であり単独遺言執行人である、夫人のジョイス・プラムバーガー氏が被請求人に宛てた2005年1月1日付書信を提出する(甲第6号証)。
同書信によれば、「PRAMBERGER」商標に係る全ての資産が2005年1月1日付で請求人に売却されたこと、被請求人への独占的ライセンス契約は2004年12月31日をもって満了し、以後、被請求人にはライセンスされたいかなる商標をも使用する権利がないこと、が通知されている。それにも拘わらず、当該通知の後に、被請求人は、本件商標に係る出願をしているのである。
また、被請求人による本件商標の出願に何ら正当な理由がないことは、次の事実によっても推認される。被請求人は、香港において、商標「PRAMBERGER」を、国際分類第15類「楽器(ヴァイオリン,チェロ,ギター,ハープ,電子オルガン,電子ギター,ピアノ,フルート,ハーモニカ,ドラム)」について出願していたところ、請求人の韓国法人であるサミック ミュージカル インストゥルメンツ カンパニーリミテッドによる異議申立の結果、2006年5月3日付で当該出願を取り下げるに至っている。
この事実を示す証拠として、香港知識産権署によって発行された書面(Reference No.300395965)及び出願取下に関する公報(公報番号162)を提出する(甲第7号証及び甲第8号証)。
(4)以上のとおり、本件商標は、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国において、商標に関する権利を有する請求人の、当該権利に係る商標であって、当該権利に係る商品又はこれらの類似する商品を指定商品として出願されたものであり、かつ、当該出願は、請求人の承諾を得ないで、また正当な理由も無く、出願前1年以内に代理人であった者によってなされたものである。
よって、本件商標は、商標法第53条の2に規定する商標に該当し、その登録を取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、何ら答弁していない。

4 当審の判断
商標法第53条の2の規定は、パリ条約第6条の7の規定(リスボン条約で新設)を実施するため、昭和四〇年の一部改正で新設されたものであり、他の同盟国で商標に関する権利を有する者の保護を強化することを目的とする規定であると解されるところ、商標法第53条の2の規定に基づき商標登録を取り消すための要件の1は、「登録商標がパリ条約の同盟国において商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするもの」であり、要件の2は、「その商標登録出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者によつてされたもの」である。
これを本件審判請求についてみるに、先ず要件の1について、すなわち、請求人が「当該商標に関する権利を有する者」であるかどうかについて検討する。請求人より提出された甲号各証によれば、以下のことが認められる。 請求人の提出に係る甲第1号証(米国特許商標庁の電子登録情報の写し)によれば、本件商標と類似するものといい得る「PRAMBERGER」の文字からなる商標が国際分類第15類「ピアノ」を指定商品とするアメリカ合衆国登録2535286号商標を請求人(最新権利者)サミック ミュージック コーポレーションは、(権利者)ヨセフ・ゼイ・プレンバーガーより譲受け、2002年2月5日にその旨、米国特許商標庁に登録されていることが認められる。
してみれば、「PRAMBERGER」の文字からなり、第15類「ピアノ,ギター,オルガン,ハーモニカ,その他の楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品とする本件商標は、商標法第53条の2に規定する「登録商標がパリ条約の同盟国において商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするもの」に該当すると認め得るものである。
次に、前記要件の2について、検討する。請求人の提出に係る甲第5号証(故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏側から請求人への資産譲渡の際の2004年12月12日付資産引受合意書)によれば、被請求人であるヨン チャン アッキ カンパニー リミテッドは、大韓民国に所在する会社であり、2000年1月10日から2004年12月31日までの間、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏側との間で、「PRAMBERGER」商標についての独占的ライセンス契約を締結していた者であることが認められる。
また、同じく甲第6号証(故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏の遺産譲受人であり単独遺言執行人である、夫人のジョイス・プラムバーガー氏が被請求人に宛てた「独占的ライセンス契約の譲渡に関する通知」と題する2005年1月1日付書信)によれば、「『PRAMBERGER』商標に係る全ての資産が2005年1月1日付で請求人に売却されたこと、したがって、被請求人への独占的ライセンス契約は2004年12月31日をもって満了し、以後、被請求人にはライセンスされたいかなる商標をも使用する権利がないこと」を内容とする通知がなされていることが認められる。
してみると、被請求人は、当該通知後であって、独占的ライセンス契約の満了の日後に本件商標の登録出願(2005年1月19日)をしたこととなるから、その商標登録出願は、正当な理由がないのに、当該商標権者(請求人)の承諾を得ないで、されたものといわざるを得ない。
しかして、独占的ライセンス契約のライセンシーである被請求人は、商標所有者から前記契約に基づく代理権を授与されたものといえるから、これは商標法第53条の2で規定する「代理人」と認め得るものである。
そして、故ヨセフ・ゼイ・プレンバーガー氏側と被請求人との間の独占的ライセンス契約が、甲第5号証にも示されるように2004年12月31日付で満了していることからすれば、本件商標は、登録出願の日前1年以内に代理人であった者によって、当該商標所有者の承諾を得ることなく、また正当な理由がないのに、出願され、登録されたものといわなければならない。
以上のとおり、本件商標は、パリ条約の同盟国において、商標に関する権利を有する者の、当該権利に係る商標であって、当該権利に係る商品又はこれらに類似する商品を指定商品として出願されたものであり、かつ、当該商標登録出願が、正当な理由がないのに、当該権利を有する者(請求人)の承諾を得ないで、当該商標登録出願の日前1年以内に代理人であった者によってなされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第53条の2に規定する商標に該当し、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-01-15 
結審通知日 2008-01-18 
審決日 2008-01-29 
出願番号 商願2005-3256(T2005-3256) 
審決分類 T 1 31・ 6- Z (Y15)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小畑 恵一
津金 純子
登録日 2005-09-02 
登録番号 商標登録第4892411号(T4892411) 
商標の称呼 プラムバーガー、プラムベルーガー、プランバーガー 
代理人 西脇 民雄 
代理人 福田 賢三 

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