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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない(当審拒絶理由) Z09
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない(当審拒絶理由) Z09
管理番号 1090271 
審判番号 不服2001-823 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-01-18 
確定日 2003-12-24 
事件の表示 平成11年商標登録願第62289号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「DIALOG」の文字を標準文字とし、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、1999年1月15日イギリス国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、平成11年7月12日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同12年8月24日及び同14年9月2日付手続補正書により、最終的に「電子化された情報の検索及び構築に関して利用される経営・財務・事業管理・宣伝広告用データを構築・利用するためのデータの送信・作成・処理・分析に使用するコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」と補正されたものである。

2 当審における拒絶の理由
当審において、請求人に対して示した本願商標の新たな拒絶の理由(平成14年11月20日付)は次のとおりである。
本願商標は、「DIALOG」の欧文字を標準文字とし、該文字(語)は、「ダイアログ」と読まれ、「会話、対話、問答、ダイアローグともいう。」等を意味する英語としてよく知られるものであり(日本語になった外国語辞典 1990年集英社発行)、ないしはその読みである片仮名表記をもって、ともに指定商品との関係においては、「コンピュータシステムにおいて、システムと利用者とのユーザインターフェースを改善するために、システムと利用者とのやりとりを対話式にする方法」等の意味合いを有する語として(英和コンピュータ用語大辞典 第2版 1990年日外アソシエーツ株式会社発行)、いわゆるパソコンユーザーをはじめ一般に知られるコンピュータ用語といえるものである。
そして、指定商品を取り扱う業界の実情をみるに、例えば、(1)日本経済新聞の生活情報紙として本紙とともに毎週発行されている、2001年10月6日付「NIKKEIプラスワン」14頁に「簡単キー操作-マウスを使わず作業速度向上(技の細道)」とのタイトルで、「……例えば、Alt、カーソルキーの「下」、Oの順で押すと、ファイルを開くダイアログが表れる。…」の記事、(2)コンピュータ関連の情報を提供していることで知られる、株式会社アスキーのホームページにおいて、「ダイアログボックスとかダイアログ画面とも呼ばれる。ある操作に対して、警告を出したり次の操作を促すようなコメントの入った画面が表示されるが、それがダイアログ。…」(アスキーデジタル用語辞典http://yougo.ascii24.com/gh/72/007259.html)等と「ダイアログ」についての説明をしている状況が認められる。
以上の書籍、記事及びインターネット上のホームページ情報による説明や、近年の世上一般におけるパソコンの普及の度合いなどからして、本願商標からは、「DIALOG(ダイアログ):(対話)方式」のごとき意味合いを容易に認識し得るものといわなければならない。
してみれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、取引者、需要者は、前記事情よりして、その機能(品質)を端的に表示したものと把握するに止まり、これをもって商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものといわなければならない。また、前記機能を有する商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 請求人の意見
請求人は、上記2の拒絶の理由に対し、平成14年9月2日付の意見書において資料1ないし35を提出して、要旨次のように意見を述べた。
(1)本願出願人は、オンライン情報検索システムサービスについての国際的リーディング・カンパニーである「The Dialog Corporation(本社、米国ノースカロライナ州)」の英国支社であり、また、本願指定商品は、米国において世界に先駆けて開発された情報検索システム「DIALOG」用のコンピュータに使用するプログラムである。
(2)本願商標「DIALOG」は、本願出願人及び米国本社その他の支社により世界各地で登録されている。
日本においても、20年以上前に本願商標の使用が開始され、1997年に株式会社ケーエムケーデジテックスが本願出願人の商品取扱社となり、販売・営業活動を始め、2000年2月には、株式会社ジー・サーチに業務が移管・統合され、現在に至っている。
(3)当該情報検索システムに利用される情報は、ビジネス、金融、医学、科学、特許、政治、法律、企業情報等様々な分野に亘る。
(4)大手通信会社のニフティ株式会社は、本願出願人の情報検索システム「DIALOG」を利用して、多種多分野に亘る情報検索サービスを提供している。株式会社ジー・サーチや株式会社ケーエムケーデジテックスの提供する種々のパンフレットやニューズレター類にみられる本願商標の使用、株式会社ニフティによる本願出願人の「DIALOG」サービスの提供により、取引者・需要者間において、本願商標「DIALOG」は、本願出願人の提供する情報検索システムについての商標であると認識され、当該システムに利用されるコンピュータプログラムである本願指定商品について既に特別顕著性を有しているといえる。
(5)上述のごとく、本願商標は、出願人が永年に亘り世界的な規模にて使用し続け、日本においても、当分野において第一線にある企業が出願人の提供する商品を扱い、当該商標として広く使用しているものであるから、本願商標は、使用された結果、取引者・需要者が何人かの業務に係る商品であるか認識することができるもの(第3条2項該当)であり、識別標識として十分に機能している。
(6)また、本願商標は、取引者・需要者間において、出願人の提供する上記商品に関する商標であることが認識されているから、商品の品質の誤認を生じさせるものでもない。
仮に、取引者・需要者が「DIALOG」をして「(対話)方式」のごとき意味合いを認識したとしても、商品の質(機能)を表すにすぎないものでもなく、商品の品質の誤認を生じさせるものでもない。
(7)よって、本願商標に対する拒絶の理由はなくなった。

4 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「DIALOG」の欧文字を標準文字とするところ、該文字(語)は、「対話,問答,会話,掛け合い」等を意味する英語であることが認められ(リーダース英和辞典 1991年株式会社研究社発行)、「ダイアログ」と読まれ、「会話、対話、問答、ダイアローグともいう。」等を意味する外来語としてよく知られるものである(日本語になった外国語辞典 1990年集英社発行)。
そして、該「DIALOG」の語ないしはその読みである「ダイアログ」の片仮名表記をもって、ともに指定商品との関係においては、「コンピュータシステムにおいて、システムと利用者とのユーザインターフェースを改善するために、システムと利用者とのやりとりを対話式にする方法」等の意味合いを有する語として(英和コンピュータ用語大辞典第2版 1990年日外アソシエーツ株式会社発行)、いわゆるコンピュータを取り扱う業界を始め、コンピュータに感心を持つ者の間では、良く知られているコンピュータ用語といえるものである。
さらに、指定商品を取り扱う業界の実情をみるに、前記2のとおり、書籍、新聞記事及びインターネット上のホームページ情報による説明や、近年の世上一般におけるパソコンの普及の度合いなどからして、本願商標からは、「DIALOG(ダイアログ):対話(方式)」のごとき意味合いを容易に認識し得るものといわなければならない。
してみれば、本願商標は、その商標を本願の指定商品について使用した場合、取引者・需要者は、前記事情よりして、その機能(品質)を端的に表示しているものと把握するに止まり、これをもって商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものとみるのが相当である。また、前記機能を有する商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
なお、請求人は、本願商標は、使用された結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であるか認識することができるものであり、識別標識として十分に機能し、商標法第3条第2項の要件に該当する旨主張しているが、請求人の提出にかかる資料には、例えば、資料15ないし19にあるような、本願商標と標章の態様を異にするものが含まれ、また、本人の宣伝、広告と認められるもののみからなるものであって、第三者や公的機関等により、客観的に請求人の業務に係る商品であることを認識することのできるものと認定できるほどの資料ともいえない。よって、この点についての請求人の主張は採用できないから、商標法第3条第2項の所定の要件に該当するものとは認めることができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-07-11 
結審通知日 2003-07-18 
審決日 2003-08-01 
出願番号 商願平11-62289 
審決分類 T 1 8・ 13- WZ (Z09)
T 1 8・ 272- WZ (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 宮川 久成
平山 啓子
商標の称呼 ダイアログ、ディアログ 
代理人 小島 高城郎 

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