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審決分類 審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 042
管理番号 1076784 
審判番号 審判1998-35365 
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-06-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-08-07 
確定日 2003-04-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第4017645号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成13年4月19日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成13年(行ケ)第253号、平成14年5月29日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第4017645号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4017645号商標(以下「本件商標」という。)は、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則(以下「改正法附則」という。)第5条第1項の規定による使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月30日に登録出願、別掲(1)に示すとおり「天一」の漢字及び「Tenichi」の欧文字よりなり、第42類「日本料理を主とする飲食物の提供、アルコール飲料を主とする飲食物の提供、コーヒー・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成9年6月27日に登録されたものである。
なお、本件商標は、改正法附則第5条第3項の規定により読み替えられた商標法第8条第2項の規定を適用して、その商標及び指定役務において競合(同一又は類似)する別掲(2)ないし(5)に示すとおりの構成よりなる請求人の登録第4028534号商標、登録第4028535号商標、登録第4028536号商標及び登録第4028538号商標(以下、これらを併せて「請求人商標」という。)と相互に重複する登録商標(重複商標)として、登録されているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、また、被請求人の答弁に対し弁駁をし、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第108号証を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。
すなわち、本件商標は、「自己の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であってその役務について使用をするもの」になっていないものであり、改正法附則第5条第2項の適用がされるものではない。
本件商標は、需要者の間に広く認識されている請求人商標と類似し、同一もしくは類似する役務について使用がされるものである。
請求人の商標「天一」は、著名な商標となっているから、本件商標は、本件請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標である。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、また、請求人の弁駁に対し再度答弁をし、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証(被請求人提出の平成11年3月30日付け上申書に添付の平成3年12月23日付け上毛新聞写しを「乙第2号証」とした。)を提出した。
被請求人の本件商標「天一」は、周知性は勿論著名性を有するものであり、また、請求人の「天一」との間に出所の混同を生ずるおそれはない。
よって、請求人の主張は全て理由がない。

4 当審の判断
本件審判事件についてされた平成13年4月19日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成13年(行ケ)第253号、平成14年5月29日判決言渡)があり、同判決は確定しているものである。
上記判決によれば、被請求人が本件商標を使用している店舗は、太田市内に1店舗を有するのみであり、広告、宣伝も、適宜新聞折り込み広告を行っていたことはうかがえるが、頒布地域、部数等は明らかでなく、他に特段のものは見当たらないのであるから、これらの事情に照らすと、本件商標は、登録出願時(平成4年9月30日)において、たかだか太田市及びその近隣地域において被告の役務を表示するものとして需要者の間に認識されていたものと認めるのが相当であり、その後、登録審決時(平成9年4月21日)までの間に、格別の事情の変更があったことをうかがわせる証拠はないものであり、また、本件商標は、その登録出願時及び登録審決時のいずれの時点においても、請求人商標と周知性の程度において著しい隔たりがあるものと認められる。
また、本件商標と請求人商標とは、いずれも「テンイチ」と称呼されると認められるその漢字部分又は欧文字部分が実質的に同一といえるものであって、類似する商標というべきである。
そして、請求人商標は、「天ぷら料理の提供」の役務に使用して、本件商標の登録出願時及び登録審決時に、既に需要者の間に広く認識されていたものといえるところ、「天ぷら料理の提供」の役務と本件商標の指定役務は、同一又は類似する役務と認めることができる。
そうすると、本件商標は、改正法附則第5条第2項の規定により読み替えて適用する商標法第4条第1項第10号に該当し、商標登録を受けることができないところ、商標登録がされたものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、改正法附則第7条第2項の規定により読み替えて適用する商標法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (1)本件商標

(2)登録第4028534号商標

(3)登録第4028535号商標

(4)登録第4028536号商標

(5)登録第4028538号商標

(色彩については原本を参照されたい。)
審理終結日 2001-03-14 
結審通知日 2001-03-27 
審決日 2001-04-19 
出願番号 商願平4-249021 
審決分類 T 1 11・ 25- Z (042)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山内 周二渡邉 健司 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 小池 隆
鈴木 新五
登録日 1997-06-27 
登録番号 商標登録第4017645号(T4017645) 
商標の称呼 テンイチ 
代理人 本多 一郎 
代理人 梅村 莞爾 

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