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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W16
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W16
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W16
管理番号 1378873 
審判番号 不服2020-17818 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-25 
確定日 2021-10-12 
事件の表示 商願2019-134614拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年10月18日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年7月28日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月3日受付の意見書が提出され、また、指定商品については、同日受付の手続補正書により、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」に補正されたが、同年10月12日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和2年12月25日受付で拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
(1)登録第433890号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和27年4月24日
設定登録日:昭和28年10月31日
最新更新登録日:平成25年8月13日
書換登録日:平成16年11月24日
指定商品:第1類「化学品(化学剤及び界面活性剤を除く。),消火剤,漂白剤(洗濯用のものを除く。),防さび剤(界面活性剤及び塗料として用いられるものを除く。),水ガラス(事務用又は家庭用のものを除く。),膠(事務用又は家庭用のものを除く。)」
第2類「マスチック,松脂」
第5類「オブラート」
第16類「事務用又は家庭用の水ガラス・膠」
(2)登録第731157号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:昭和36年9月2日
設定登録日:昭和42年1月26日
最新更新登録日:平成28年9月13日
書換登録日:平成18年10月25日
指定商品:第1類「のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」
第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」
(3)登録第4321671号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成9年9月9日
設定登録日:平成11年10月8日
最新更新登録日:令和元年5月28日
指定商品:第16類「印刷物,写真立て,文房具類(紙製文房具を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤,装飾塗工用ブラシ」
(4)登録第4380832号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成9年9月9日
設定登録日:平成12年5月12日
最新更新登録日:令和2年2月17日
指定商品:第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),陶磁器用釉薬」
(5)登録第5053354号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成12年10月23日
設定登録日:平成19年6月8日
更新登録日:平成29年1月10日
指定商品:第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」
(6)登録第5331532号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
登録出願日:平成20年11月12日
設定登録日:平成22年6月18日
更新登録日:令和2年3月2日
指定商品:第16類「事務用又は家庭用の木工用ののり及び接着剤」
(7)登録第5403807号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成22年12月17日
設定登録日:平成23年4月1日
更新登録日:令和3年2月24日
指定商品:第3類「つや出し剤,せっけん類,洗濯用でんぷん粉のり,洗濯用ふのり,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,つや出し紙,つや出し布,塗料用剥離剤」
以下、引用商標1ないし引用商標7をまとめていうときは、「引用商標」という。
なお、原査定は、本願商標の構成中、「ボンド」の文字部分を要部として分離抽出し、さらに、引用商標の構成中からも、それぞれ「ボンド」の文字部分を要部として分離抽出した上で、本願商標と引用商標は類似する商標であるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、構成中の「PiT」の欧文字は、「ボンド」の片仮名よりも太く、やや大きくデザイン化して表されており、「ボンド」の片仮名は、ゴシック体風の一般の書体で表されているものである。
また、本願商標の構成中、「ボンド」の片仮名は、「接着剤の一種」の意味を有する、英単語「bond」に通じる語であり(広辞苑第7版)、本願の指定商品を取り扱う分野においては、当該意味で使用されている実情が散見される。
さらに、本願商標の構成中、「PiT」の欧文字は、上記のとおり、デザイン化され、「ボンド」の片仮名に比べて太く、やや大きく表されていることに加え、請求人の主張及び職権調査によれば、当該欧文字は、請求人の取扱いに係る「のり及び接着剤製品」のブランド名として、1971年から継続して使用されているものであり、また、2012年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞するなど、本願の指定商品を取り扱う分野において、請求人のブランド名として、一定程度知られているといい得るものである。
そうすると、上記の本願商標の態様、並びに、本願の指定商品を取り扱う分野における、「PiT」の欧文字の周知性及び「ボンド」の片仮名の使用状況等、取引の実情を総合的に考慮すれば、本願商標の構成中、「PiT」の欧文字部分が要部となり得るとしても、本願商標に接する取引者、需要者が「ボンド」の片仮名のみに着目し、当該片仮名部分のみをもって取引に資するとはいい難い。
以上よりすれば、本願商標は、その構成中の「ボンド」の片仮名を抽出し、この部分だけを引用商標と比較して、本願商標と引用商標の類否を判断することは許されないというべきである。
さらに、本願商標全体と引用商標との比較において、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、引用商標の構成態様等について検討するまでもなく、本願商標について、その構成中の「ボンド」の片仮名を要部として取り出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


別掲4(引用商標3、引用商標4及び引用商標7)


別掲5(引用商標5。色彩は原本参照。)


別掲6(引用商標6。色彩は原本参照。)



審決日 2021-09-22 
出願番号 商願2019-134614(T2019-134614) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W16)
T 1 8・ 263- WY (W16)
T 1 8・ 261- WY (W16)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉岡 めぐみ大井手 正雄 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 馬場 秀敏
庄司 美和
商標の称呼 ピットボンド、ピット、ピイアイテイ 
代理人 特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所 

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