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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W25
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W25
管理番号 1377975 
審判番号 不服2020-15243 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-04 
確定日 2021-09-29 
事件の表示 商願2018-141109拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「NUPTSE」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類「被服,ジャケット,ベスト,手袋,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成30年11月14日に登録出願されたものである。
本願は、令和元年9月25日付けで拒絶理由の通知がされ、同2年2月4日付け意見書、同月14日付け手続補正書、同月27日付け上申書及び同月28日付け手続補足書が提出されたが、同年7月31日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和2年11月4日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年11月18日付け手続補正書及び手続補足書が提出されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ネパール東部、ヒマラヤ山脈、エベレスト山群中の高峰。」を意味する「NUPTSE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、ヌプツェ(Nuptse)を含む地域一帯は、ネパールの国立公園とされ、世界自然遺産にも登録されており、世界中から、本願商標の指定商品の需要者である登山客のほか観光客も訪れている実情をうかがい知ることができる。そして、一般に、世界遺産は観光地となっており、観光地では、各種の土産物や特産品が生産、販売されているところ、その際、商品の種類にかかわらず、当地又は近隣の観光名所の名称を付して商品を生産、販売することは、一般的に行われているものである。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ネパール東部のヒマラヤ山脈にあるヌプツェで生産又は販売される商品」であることを理解するにすぎないものであるから、単に、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。よって、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に「ネパール東部のヒマラヤ山脈にあるヌプツェで生産又は販売される商品」であることを理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示したものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する産地、販売地の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
本願商標は、「NUPTSE」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
そして、「ヌプツェ(Nuptse)」の語は、「ネパール東部、ヒマラヤ山脈、エベレスト山群中の高峰。(略)エベレストの西南に位置。」(「コンサイス外国地名事典<第三版>」株式会社三省堂)を意味する山岳名であって、当該山岳を含む地域一帯がネパールの国立公園とされ、世界自然遺産に登録されているものであるが、当審において職権をもって調査するも、当該山岳名「ヌプツェ(Nuptse)」については、新聞記事やインターネット上の旅行関連の記事情報や写真情報等における、エベレスト山群一帯の景観を説明する記載中に山岳の一を表す語として「ヌプツェ」の片仮名の記載が散見されるにとどまるものである。
また、「NUPTSE」の欧文字が、本願の指定商品との関係において、その商品の産地、販売地、品質を具体的に表すものとして、取引上、一般に使用されている事実は発見できなかった。
そうすると、本願商標の構成文字は、直ちに山岳名である「ヌプツェ(Nuptse)」に通じるものとして理解、認識されるとは認め難いものである。
以上よりすれば、本願商標は、本願の指定商品との関係において、商品の産地、販売地、品質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当であるから、これをその指定商品について使用しても、商品の産地、販売地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2021-09-14 
出願番号 商願2018-141109(T2018-141109) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (W25)
T 1 8・ 13- WY (W25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 馬場 秀敏
庄司 美和
商標の称呼 ヌプシ、ヌプツェ 
代理人 和田 信博 
代理人 秋山 朋子 

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