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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2013650102 審決 商標
異議2019900046 審決 商標
無効2013890028 審決 商標
無効2017890071 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W093841
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W093841
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W093841
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W093841
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W093841
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W093841
管理番号 1377938 
審判番号 不服2020-7875 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-08 
確定日 2021-09-15 
事件の表示 商願2018-91601拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年7月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和元年5月22日付け:拒絶理由通知書
令和元年10月3日付け:意見書
令和2年1月31日付け:拒絶査定
令和2年6月8日付け:審判請求書
令和2年8月21日付け:手続補正書

第2 本願商標
本願商標は、「esports銀座」及び「esports GINZA」の文字を上下二段に横書きしてなり、第9類、第38類及び第41類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要点
1 本願商標は、「esports銀座」及び「esports GINZA」の文字を普通に用いられる方法で二段に横書きしてなるところ、その構成全体として一体不可分の造語として認識されるというよりは、「esports」の文字と「銀座」又は「GINZA」の文字を組み合わせてなるものと認識されるというのが相当である。
そして、昨今、esports(eスポーツ)の注目度が高まっており、esports(eスポーツ)に関するセミナー等が開催されている実情が確認することができるから、本願商標は、その構成全体より、「銀座で行われるeスポーツ」程の意味合いを表したものと認識されるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品・役務中、第9類、第38類「電気通信(「放送」を除く。),コンピュータを利用したメッセージ及び映像の伝送交換,ストリーミングによるデータの伝送交換,電子掲示板による通信,電子メールによる通信,ビデオオンデマンドによる送信,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」、第41類の商品・役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、当該商品・役務が「銀座で行われるeスポーツに関するもの」(例えば「銀座で行われるeスポーツに関するゲームプログラム」等)であることを理解し、又は認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質又は役務の提供の場所、質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品・役務以外の第9類、第38類「電気通信(「放送」を除く。),コンピュータを利用したメッセージ及び映像の伝送交換,ストリーミングによるデータの伝送交換,電子掲示板による通信,電子メールによる通信,ビデオオンデマンドによる送信,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」、第41類の各商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5026430号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「eSPORTS」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成18年4月5日
設定登録日:平成19年2月16日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第5198058号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成19年4月2日
設定登録日:平成21年1月23日
指定役務 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(3)登録第5198059号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「eSPORTS」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成19年4月2日
設定登録日:平成21年1月23日
指定役務 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(4)登録第5308023号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「e-SPORTS」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成20年2月27日
設定登録日:平成22年3月12日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
以下、引用商標1ないし引用商標4をまとめて「引用商標」という。

第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「esports銀座」及び「esports GINZA」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、本願商標の構成中、前半の「esports」の文字が、「コンピューターゲームを用いた競技。エレクトロニックスポーツ。」の意味を有する「e-sports」(大辞林 第四版 三省堂 eスポーツ【e-sports】の項)の語の、他の表記の一例として使用されているものであって、後半の「銀座」又は「GINZA」が「東京都中央区にある地名」(前掲書)の意味を有する語であるとしても、これらを結合してなる「esports銀座」又は「esports GINZA」の文字が、本願の指定商品及び指定役務との関係で、直ちに原審説示の意味合いを需要者に認識させるものとはいい難い。
また、当審において職権をもって調査したところ、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「esports銀座」、「esports GINZA」、又は、「esports」と地名とを結合した文字が、商品の品質又は役務の提供の場所、質を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を、商品の品質又は役務の提供の場所、質を直接的に表示するものとして認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質又は役務の提供の場所、質を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
2 本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「esports銀座」及び「esports GINZA」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、各段の文字部分の構成は、同じ書体、同じ大きさで、等間隔(下段の「esports」と「GINZA」の欧文字部分の間には、半文字程度の僅かな空白がある。)に配置されており、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、これらの構成文字より生じる「イースポーツギンザ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼できるものである。
そうすると、本願商標のかかる構成及び称呼においては、これに接する取引者、需要者は、本願商標を一体のものと理解、認識するというのが相当である。
また、本願商標の構成中、「銀座」及び「GINZA」の各文字が地名を表示する語であるとしても、かかる構成においては、役務の提供場所を表すものとは直ちに理解できないものであり、「esports」の文字部分のみが取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、「銀座」及び「GINZA」の文字部分を捨象して取引に資されるというよりは、むしろその構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握されるとみるのが自然である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「イースポーツギンザ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1及び引用商標3について
引用商標1及び引用商標3は、「eSPORTS」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、上記1と同様に「コンピューターゲームを用いた競技。エレクトロニックスポーツ。」の意味を有する「e-sports」(前掲書)の語の、他の表記の一例として使用されているものであるから、その構成文字に照応して、「イースポーツ」の称呼及び「eスポーツ」の観念が生じる。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、上段に、「e」の赤文字と「SPORTS」の青文字とを組み合わせ、デザイン化した「eSPORTS」の文字を大きく表し(以下「文字部分」という。)、その下段に、上段の文字に沿わせた薄灰色の下線を配してなる(以下「図形部分」という。)、文字と図形との結合商標である。
そして、引用商標2の文字部分は、その図形部分に比して、顕著に表されていることから、その構成中、「eSPORTS」の文字部分が、視覚上、最も強く看者の注意を引くものである。
また、引用商標2の図形部分は、「eSPORTS」の文字部分を強調する装飾的な図形として理解されるものであるから、それ自体に、出所識別標識としての特定の称呼及び観念が生じるものとはいえない。
そうすると、引用商標2の構成中、上段の「eSPORTS」の文字部分が、取引者、需要者において強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって、かつ、下段の図形部分からは、出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものとはいえないものであるから、引用商標2に接する取引者、需要者は、その構成中、「eSPORTS」の文字部分を記憶にとどめ、取引にあたる場合も決して少なくないというのが相当である。
してみれば、引用商標2から「eSPORTS」の文字部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、その要部である「eSPORTS」の文字部分に相応して「イースポーツ」の称呼が生じ、上記アと同様に「eスポーツ」の観念が生じる。
ウ 引用商標4について
引用商標4は、「e-SPORTS」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「コンピューターゲームを用いた競技。エレクトロニックスポーツ。」(前掲書)の意味を有するものであるから、その構成文字に照応して、「イースポーツ」の称呼及び「eスポーツ」の観念が生じる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標との類否について検討すると、両者は、外観において、それぞれ上記(1)及び(2)アないしウのとおりの構成からなるものであって、それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから、視覚的な印象が相違し、両者は外観上、判然と区別し得るものである。
イ 本願商標から生じる「イースポーツギンザ」の称呼と引用商標から生じる「イースポーツ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ9音又は6音で構成されるものであって構成音数が相違し、かつ、語尾の「ギンザ」の音の有無に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれのないものである。
ウ 本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「eスポーツ」の観念を生じるものであるから、観念上、両者は、相紛れるおそれはない。
エ 以上よりすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品又は指定役務と、同一又は類似の商品又は役務を含むものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務が、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務を含むものであるとしても、本願商標と引用商標は非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同法第4条第1項第11号のいずれにも該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲
別掲1 本願の指定商品及び指定役務
第9類「業務用テレビゲーム機用プログラム,業務用ビデオゲーム機用プログラム,ゲームプログラム,ゲームソフトウェア,バーチャルリアリティ用ヘッドセット,記録済みの記憶媒体,運動技能訓練用シミュレーター,測定機械器具,電気通信機械器具,携帯電話機用ストラップ,その他の電気通信機械器具の部品及び附属品,スマートフォン・携帯情報端末用のカバー・ケース・ストラップ・アームバンド及びリストバンド,スマートフォン・携帯情報端末用の部品及び附属品,電子応用機械器具及びその部品,コンピュータ用のケース,コンピュータ用の部品及び附属品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア,携帯電話機・スマートフォン又は携帯情報端末用プログラム,携帯電話機・スマートフォン・携帯情報端末又はコンピュータ用ゲームソフトウェア,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・CD-ROM・その他の記憶媒体,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽・音声ファイル,録音済みのコンパクトディスク・その他の記憶媒体,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像・映像ファイル,録画済みビデオディスク・ビデオテープ・DVD・光ディスク・その他の記憶媒体,電子出版物,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電気又は電子楽器用フェイザー,計算尺」
第38類「電気通信(「放送」を除く。),コンピュータを利用したメッセージ及び映像の伝送交換,ストリーミングによるデータの伝送交換,電子掲示板による通信,電子メールによる通信,ビデオオンデマンドによる送信,放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,娯楽の提供,娯楽情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる画像・映像の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる音楽・音声の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,eスポーツ大会の興行の企画・運営又は開催,ゲーム大会の企画・運営又は開催,ゲームに関するイベントの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,娯楽施設の提供,オンラインによるゲームの提供及びこれに関する情報の提供,ゲームのユーザーの成績に関する情報の提供,ぱちんこ器具・スロットマシンで遊技した遊技客の遊技結果・遊技履歴に関する情報の提供,電子ゲーム・カードゲームの解説又は攻略方法の提供,ぱちんこ器具・スロットマシンの攻略方法又は遊技方法の提供,運動施設の提供,運動用具の貸与,おもちゃの貸与,業務用ビデオゲーム機の貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,ゲーム用具の貸与,オンラインによる映像の提供,オンラインによる動画の提供」

別掲2 引用商標2(色彩は原本参照。)





審決日 2021-08-26 
出願番号 商願2018-91601(T2018-91601) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (W093841)
T 1 8・ 263- WY (W093841)
T 1 8・ 261- WY (W093841)
T 1 8・ 264- WY (W093841)
T 1 8・ 262- WY (W093841)
T 1 8・ 13- WY (W093841)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 純也杉本 克治 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 小田 昌子
山根 まり子
商標の称呼 イイスポーツギンザ、エスポーツギンザ、イイスポーツ、エスポーツ、スポーツ 
代理人 恩田 俊郎 
代理人 西澤 和純 
代理人 久我 貴洋 

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