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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W3543
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W3543
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W3543
管理番号 1376867 
審判番号 不服2020-17330 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-18 
確定日 2021-08-11 
事件の表示 商願2020-31259拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「グローム」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第43類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務とし、平成31年2月20日に登録出願された商願2019-27324に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年3月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
なお、以下(1)及び(2)をまとめて「引用商標」という場合がある。
(1)登録第5320597号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「GROM」(標準文字)
登録出願日:平成19年8月14日
設定登録日:平成22年4月30日
指定商品及び指定役務:第35類「アイスクリームショップ・食料品店・レストランの開店及び運営に関する技術的な援助及び助言,フランチャイズ方式による飲食店の事業の管理・経営の診断及び助言」及び第43類「レストランにおける飲食物の提供,カフェテリア及びコーヒーショップにおける飲食物の提供,レストランにおけるアイスクリーム及び乳製品を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を含む第30類、第35類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(2)国際登録第1149531号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)9月19日
設定登録日:平成25年10月11日
指定役務 :第43類「Restaurant services; cafe and coffee house services; restaurant services featuring the preparation and serving ice cream and dairy products; providing other foods and drinks.」

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「グローム」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「グローム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、上記2のとおり、「GROM」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。
したがって、引用商標1は、ローマ字又は英語の読みに倣い、その構成文字に相応して、「グロム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、大きく横書きした「GROM」の文字と、その下に、ごく小さく横書きした「IL GELATO COME UNA VOLTA」の文字を2段に書してなるところ、上段の「GROM」の文字と下段の「IL GELATO COME UNA VOLTA」の文字(以下「下段文字部分」という。)とは、上下の間隔を相当程度広く設けて配置してなり、それぞれの高さや横幅も不ぞろいであり、書体や態様についてもセリフを有する書体とサンセリフの書体とで相違するものであることから、視覚的に分離して看取されるものといえる。
また、上段の「GROM」の文字は、上記アのとおり、「グロム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
さらに、下段文字部分の構成文字は、イタリア語として辞書に掲載されているものの、我が国においてその読みや意味が親しまれたものとは認められないことから、直ちに特定の称呼及び観念を生じないものというのが相当である。
そうすると、上段の「GROM」の文字と下段文字部分は、観念上のつながりもないものである。
そして、上段の「GROM」の文字は、引用商標2の構成全体において大きな面積を占めることから、上段の「GROM」の文字は、引用商標2に接する需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
してみれば、引用商標2は、その構成中の「GROM」の文字を要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されると判断するのが相当である。
したがって、引用商標2は、要部である「GROM」の文字部分に相応して、「グロム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本願商標と引用商標とは、これら構成文字が明らかに相違するものであり、また、本願商標と引用商標1及び引用商標2の要部である「GROM」の文字とは、それぞれ文字種が相違するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。
イ 称呼について
本願商標から生じる「グローム」の称呼と引用商標1及び引用商標2の要部から生じる「グロム」の称呼とは、長音以外の音を共通にするものの、構成音が4音と3音とで異なるものであって、第2音目において長音の有無という差異を有するものであるところ、「グローム」は、第2音目の「ロ」の音が、長音を伴うために最も明瞭に聴取されるのに対し、「グロム」は、平坦に一気に称呼され、第一音目の「グ」の濁音が最も明瞭に聴取されるものであることから、これらの差異が、わずか4音と3音からなる称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、語調、語感を異にし、称呼上、互いに聴別し得るものである。
ウ 観念について
本願商標と引用商標とは、いずれも観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
エ 小括
上記アないしウによれば、本願商標と引用商標とは、観念上、比較できないとしても、外観において、判然と区別し得るものであり、称呼においても、互いに聴別し得るものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、役務の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について判断するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願の指定役務
第35類「医療機関・福祉施設・薬局及びそれらに関連する機関の経営に関する助言,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,一時的な事業の管理,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,事業に関する情報の提供,事業の評価,事業の調査,人事管理に関する指導及び助言,第三者のための商取引の交渉及び締結の代理及び代行,競業者の事業に関する情報収集,経済予測,会社のための管理業務の代行,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,商業に関する情報の提供,介護用品の販売に関する情報の提供,商取引の媒介・取次ぎ又は代理,市場に関する情報収集,市場分析,職業のあっせん,派遣労働者の紹介,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,求人情報の提供,広告業,マーケティング,コンピュータによるファイルの管理,インボイスの作成に関する事務の代行,財務書類の作成,経理事務の代行,診療報酬請求事務・医療事務・病院一般事務,輸出入に関する事務の代理又は代行,コンピュータデータベースへの情報編集,文書情報及びデータの構築,ニュースクリッピングサービス,事務用機器の貸与,匿名組合契約の締結の媒介・取次ぎ又は代理」
第43類「飲食物の提供,老人・病人・身体の不自由な人に対しての飲食物の提供(ケータリングを含む。),老人養護施設における飲食物の提供,高齢者又は要介護者への飲食物の提供,給食の提供,患者及び客のための飲食物の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,介護用布団・マットレスの貸与,老人介護用マットレスの貸与,介護用の食器の貸与,家具の貸与,介護用テーブルの貸与,老人介護用ベッドの貸与,介護用ベッドの貸与に関する契約の取り次ぎ,おしぼりの貸与,タオルの貸与,おむつの貸与,おむつカバーの貸与,布製身の回り品の貸与,宿泊施設の提供,宿泊施設の予約の取次ぎ,宿泊の予約の取次ぎ」

別掲2 引用商標2



審決日 2021-07-21 
出願番号 商願2020-31259(T2020-31259) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W3543)
T 1 8・ 261- WY (W3543)
T 1 8・ 263- WY (W3543)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 渡邉 あおい
豊田 純一
商標の称呼 グローム 
代理人 熊谷 美和子 
代理人 山崎 行造 

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