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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W33
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W33
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W33
審判 査定不服 観念類似 登録しない W33
管理番号 1376012 
審判番号 不服2020-3526 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-15 
確定日 2021-07-01 
事件の表示 商願2017- 78697拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,「BUCANERO」の欧文字を装飾文字で横書きしてなり,第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),アルコール入りカクテル,メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒,ラム」を指定商品として,平成29年6月14日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下「引用商標」という。)は,以下に掲げるとおりであり,現に有効に存続しているものである。
登録第4740867号商標
商標の構成:(別掲2のとおり)
指定商品:第32類「ビール」
登録出願日:平成15年9月12日
設定登録日:平成16年1月16日

3 当審の判断
(1) 本願商標について
本願商標は,上記1で述べたとおり,「BUCANERO」の欧文字からなるものであるところ,「BUCANERO」の欧文字は,「17?18世紀のカリブ海の海賊であるバッカニア」を指称するスペイン語(現代スペイン語辞典(改訂版),株式会社白水社)であり,我が国において,直ちにその意味を理解し得るほど知られているとはいえないことからすれば,本願商標は,特定の観念は生じないというべきものである。また,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,本願商標は,その構成文字に相応して「ブカネロ」の称呼を生じるものである。
(2) 引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,縦長の楕円形の中に,上から順に海賊と思しき男性の上半身の図,黒い縁取りをした白の籠文字で「Bucanero.」の欧文字及び白抜きで「FUERTE」の欧文字を配した構成からなるものである。
そして,引用商標の構成中の図形的要素と文字部分は,その関連性を見いだすことができないことから,各々独立して識別標識としての機能を発揮するものである。
一方で,その構成中の「Bucanero」及び「FUERTE」の各文字部分は,異なる書体と大きさで表されていること,また,「Bucanero」の文字部分は,全体が赤色で縁取られていることに加え,黒い縁取りをした白くはっきりとした籠文字を用いて目立つように表されていることから,これらの文字部分が不可分一体に認識されるものとはいい難く,視覚上,分離して看取されるものである。
そして,これら文字部分のうち「Bucanero」の欧文字は,上記(1)で述べたとおり,我が国において直ちにその意味を理解し得るほど知られているとはいえず,「FUERTE」の欧文字も「(味などが)強い,きつい」の意味を有するスペイン語(同)であり,我が国において直ちにその意味を理解し得るほど知られているとはいえないものである。
そうすると,引用商標は,その構成中,中央に大きくはっきりと目立つように表された「Bucanero」の文字部分が,強く看者の注意を引くものといえるから,当該文字部分が要部として,独立して自他商品の識別標識として機能すると認められる。
してみれば,引用商標は,「Bucanero」の欧文字に相応して,上記(1)と同様に,特定の観念は生じないものであって,「ブカネロ」の称呼を生じるものといえる。
(3) 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否を検討するに,本願商標と引用商標の要部である「Bucanero」の文字部分とは,外観においては,大文字と小文字の違いはあるものの,つづりを共通にするものであるから,外観上,似通った印象を与えるものである。
次に,称呼においては,本願商標と引用商標とは,共に「ブカネロ」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者は同一である。
さらに,観念においては,本願商標と引用商標とは,ともに特定の観念を有しないものであるから,比較することができないものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観は似通った印象を与えるものであり,また,称呼において共通するものであるから,それぞれの外観,称呼及び観念を総合的に考察すれば,両者は,商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標ということができるといえる。
(4) 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品である「アルコール飲料(ビールを除く。),アルコール入りカクテル,メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒,ラム」と引用商標の指定商品である「ビール」とは,ともに,酒類とされる商品であって,その生産部門,販売部門,主たる需要者層等を共通にすることも少なくないものであるから,類似の商品といえるものである。
(5) 請求人の主張について
なお,請求人は,審判請求書及び令和2年9月19日受付の回答書において,引用商標の商標権者(セルベセリア・ブカネロ・ソシエダッド・アノニマ)と譲渡交渉中であるから本件の審理を猶予して欲しい旨るる主張している。
この点に関し,相当の期間が経過するも,当該交渉の状況について何ら確認することができないため,審判長は,同年10月19日付けで2回目となる審尋において,譲渡交渉が継続している事実が確認できる証拠(例えば,譲渡交渉に関する引用商標の商標権者とのメールの写し等)の提出を求めた。
しかしながら,この審尋に対して請求人からは何ら応答がないから,これ以上,本件について,審理を遅延させる合理的な理由はないものと判断し,審理を終結することとした。
(6) まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれがある類似の商標であり,しかも,その指定商品も類似のものであるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。


別掲1 本願商標


別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)



別掲
審理終結日 2021-01-19 
結審通知日 2021-01-20 
審決日 2021-02-16 
出願番号 商願2017-78697(T2017-78697) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W33)
T 1 8・ 264- Z (W33)
T 1 8・ 262- Z (W33)
T 1 8・ 261- Z (W33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 上山 達也馬場 秀敏守屋 友宏 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 須田 亮一
須藤 康洋
商標の称呼 ブカネロ、ブキャネロ 
代理人 村橋 史雄 

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