ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W3035 審判 一部申立て 登録を維持 W3035 審判 一部申立て 登録を維持 W3035 |
---|---|
管理番号 | 1372954 |
異議申立番号 | 異議2020-900244 |
総通号数 | 257 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-05-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-09-25 |
確定日 | 2021-04-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6268036号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6268036号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6268036商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和元年7月8日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、令和2年6月18日に登録査定、同年7月9日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録第6245289号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成29年4月26日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」を指定商品として、令和2年4月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、左方向に向かって飛翔している鳥を簡略化して描いた図形であるところ、全体を太線で表し、目の部分は黒丸、胴体部分の下部には円弧状(三日月形状)の線を描き、足の部分には黒塗りされた略四角形を胴体部分と接着して2か所描いてなるものであり、これよりは、特定の称呼及び観念は生じない。 引用商標は、左下方向に向って飛翔している鳥を簡略化して描いた図形であるところ、全体を太線で表し、胴体部分の下部には三日月形状の線を描き、目の部分は黒丸、足の部分には白抜きされた略台形を胴体部分と接着して2か所描いてなるものであり、これよりは、特定の称呼及び観念は生じない。 本件商標と引用商標とを比較すると、両商標ともに全体を太線で描いている点、目の部分は黒丸を描き、足の部分には略台形を胴体部分と接着して描いている点がそれぞれ一致する。 異なる点は、引用商標は、全体を左下向きに描き、足の台形が白塗りであり、本件商標は、全体を左向きに描き、足の台形が黒塗りである点だけである。全体の向きは、いずれか一方又は両者を若干回転することで一致するので相違点にはならない。 したがって、両商標の相違点は、足の台形が白塗りか黒塗りかだけである。 また、両商標ともに特定の称呼及び観念も生じない。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較することができないものであり、外観においては、相紛れるおそれのある類似の商標というべきであって、本件商標の指定商品及び指定役務中、第30類及び第35類の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品と、同一又は類似するものである。 (2)むすび よって、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標であって、また、その指定商品及び指定役務も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、三角様の輪郭図形を太い波線で表し、その中に中心より左に黒丸、右寄りに曲線を配置してなり、当該輪郭図形の右側に、黒塗りされた略四角形を2つ接着した構成からなるところ、直ちに特定の事物を表したもの、又は特定の意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は見いだせないものであって、これよりは、特定の称呼及び観念は生じないものと判断するのが相当である。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、左下方向に向かって飛翔している鳥を簡略化して描いた図形であるところ、全体を太線で表し、目の部分は黒丸、胴体部分の下部には三日月形状を描き、足の部分は略台形を胴体部分と接着して2つ描いてなるものであって、これよりは、特定の称呼及び観念は生じないものと判断するのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とを比較するに、両者とも、輪郭を太線で表し、その中に黒丸を有する点において共通するとしても、黒丸の位置、大きさが異なり、かつ、本件商標は、特定の事物を表したと認識されないものであるのに対して、引用商標は、鳥を簡略化して描いた図形からなるものであるから、両商標の印象は大きく異なるものである。 また、本件商標を少し左下方向に回転させたとしても、両者は、商標全体の構成態様において明らかに相違し、それぞれから受ける印象が大きく異なるから、両商標を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれはないというべきであって、本件商標と引用商標とは、外観上、明らかに区別できるものである。 そして、本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおり、いずれも特定の称呼及び観念は生じないものである。 以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において比較することができないものであるとしても、外観において見誤るおそれのない明らかに区別できるものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標) |
異議決定日 | 2021-03-29 |
出願番号 | 商願2019-93933(T2019-93933) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W3035)
T 1 652・ 262- Y (W3035) T 1 652・ 263- Y (W3035) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 蛭川 一治 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
杉本 克治 黒磯 裕子 |
登録日 | 2020-07-09 |
登録番号 | 商標登録第6268036号(T6268036) |
権利者 | 株式会社千鳥饅頭総本舗 |
代理人 | 堀田 明希 |
代理人 | 遠藤 聡子 |
代理人 | 筒井 宣圭 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 高橋 浩三 |
代理人 | 山腰 健一 |
代理人 | 森田 靖之 |
代理人 | 田中 雅敏 |