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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W4143
審判 全部申立て  登録を維持 W4143
審判 全部申立て  登録を維持 W4143
審判 全部申立て  登録を維持 W4143
審判 全部申立て  登録を維持 W4143
管理番号 1370275 
異議申立番号 異議2020-900185 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-07-31 
確定日 2021-01-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6250802号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6250802号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6250802号商標(以下「本件商標」という。)は、「MAHARAJA CLUB」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年12月18日に登録出願、別掲1のとおりの役務を指定役務として、令和2年2月18日に登録査定され、同年5月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5748282号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:MAHARAJA
指定役務:第41類「ダンスホールの提供」
登録出願日:平成26年10月6日
設定登録日:平成27年3月13日
(2)登録第5748283号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:MAHARAJA
指定役務:別掲2のとおりの役務
登録出願日:平成26年10月6日
設定登録日:平成27年3月13日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、「MAHARAJA」の呼称を共通にする類似のものである。
また、本件商標と引用商標は、その指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られている(甲4)から、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標の商標権者は、引用商標の商標権者である申立人から許諾を受けて運営された「MAHARAJA」の呼称を含むダンスホールに勤務していたにすぎない者であったのに、何らの権限や許諾もなく、まったく個人的な動機で本件商標の登録出願を行ったものである。しかも、同人は既に退職しており、現時点においては、同ダンスホールを熱心に愛する施設利用者の一人であるにすぎない立場となっている。
かような同人による本件商標の登録は、引用商標と類似の商標を登録することにつき合理的な必要性もないのに、同ダンスホールに対する個人的な思い入れに基づいて無断で断行されたものというほかない。また、現時点では同ダンスホールのスタッフ又は関係者ではないのに、そうであるかのようなコメントをフェイスブックなどのインターネットサイトで公言してあたかも自身が同ダンスホールの関係者であるかのように装って本件商標の登録を抹消せずに維持しようとしている(甲5)。
そうすると、本件商標の商標権者は、不正の利益を得る目的で、又は、元勤務先及び引用商標1の商標権者に不正に損害を加える目的をもって、本件商標を使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人の主張によっては、同人がいかなる役務について引用商標を使用しているのか明らかでないものの、申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、「MAHARAJA ROPPONGI」、「MAHARAJA 祇園」など「MAHARAJA」の文字(語)をその名称中に含むダンスホール(ディスコ)が存在することが認められる(甲4、職権調査)。
しかしながら、それらダンスホールと申立人との関係及びそれらダンスホールの売上高、来店者数など営業実績に係る主張はなく、それを確認できる証左も見いだせない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、申立人の業務に係る「ダンスホールの提供」等の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「MAHARAJA CLUB」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して「マハラジャクラブ」の称呼を生じるものである。
また、当該語は、辞書等に載録されているものでもなく、特定の意味合いを持って知られているというような事情も見いだせないことからすれば、本件商標は、特定の観念を生じないものというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は、上記2(1)及び(2)のとおり、いずれも「MAHARAJA」の欧文字を横書きしてなるところ、当該語は、「(インドの)大王」の意味を有する語(「研究社 新英和大辞典」株式会社研究社)であることから、これより「マハラジャ」の称呼及び「大王」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否について検討すると、外観においては、本件商標の構成文字「MAHARAJA CLUB」と引用商標の構成文字「MAHARAJA」とは、後半部における「CLUB」の文字の有無という差異を有し、この差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、判然と区別できるものである。
次に、本件商標から生じる「マハラジャクラブ」の称呼と引用商標から生じる「マハラジャ」の称呼とを比較すると、両者は語尾における「クラブ」の音の有無という差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「大王」の観念を生じるものであるから、両者は相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
エ なお、申立人は、本件商標と引用商標は「MAHARAJA」の呼称(決定注:「『マハラジャ』の称呼」の誤記と思われる。)を共通にする類似のものである旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成文字は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これより生ずる「マハラジャクラブ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものであって、かつ、本件商標の構成中「MAHARAJA」の文字部分が取引者、需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体が一体不可分のものであって、「マハラジャクラブ」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきであるから、上記のとおり判断するのが相当である。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
オ 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められないものである。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、類似性の程度が高いものではない。
ウ 引用商標の独創性について
引用商標は、「(インドの)大王」の意味を有する語(「研究社 新英和大辞典」株式会社研究社)である「MAHARAJA」の文字よりなるものであり、申立人が創作した語ではないから、独創性は高くない。
エ 役務の関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定役務中には、「娯楽施設の提供,ディスコの提供,ナイトクラブの提供」等、引用商標に係る指定役務と同一又は類似のものが含まれているから、これらの役務間の関連性は高く、需要者の範囲も共通するものといえる。
オ 小括
上記アないしエのとおり、本件商標の指定役務中「娯楽施設の提供,ディスコの提供,ナイトクラブの提供」等の役務が、引用商標に係る指定役務の一部と関連性が高く、その需要者の範囲を共通にするものであるとしても、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、本件商標と引用商標の類似性の程度及び引用商標の独創性も高くないものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者が、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
不正の目的について
(ア)申立人は、本件商標の商標権者について、申立人から許諾を受けて運営された「MAHARAJA」の呼称を含むダンスホールに勤務していた、何らの権限や許諾もなく本件商標の登録出願を行った、本件商標を登録することにつき合理的な必要性もない、同ダンスホールのスタッフ又は関係者ではないのに、そうであるかのように装って本件商標の登録を抹消せずに維持しようとしているなどとして、本件商標の商標権者は、不正の利益を得る目的で、又は、元勤務先及び引用商標の商標権者に不正に損害を加える目的をもって、本件商標を使用するものである旨主張している。
(イ)しかしながら、申立人提出の証拠によっては、本件商標の商標権者が本件商標を登録出願することについて、何らかの特段の権限や許諾が必要というべき事情及び同商標権者が「MAHARAJA」というダンスホールの関係者等のように装って本件商標の登録を抹消せずに維持しようとしているというべき事情は、いずれも見いだせず、かつ、他に本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
イ 本号の該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標である。
さらに、本件商標は、上記アのとおり、不正の目的をもって使用するものとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
【別掲1】
本件商標の指定役務
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,セミナー・シンポジウム・研修会の手配及び運営,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),ドローンの競技会の企画・開催又は運営,スポーツキャンプの企画・運営又は開催,ビューティーコンテストの手配,ファッションショーの企画・運営(娯楽のためのもの),舞踏会の企画・運営,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,ディスコの提供,ナイトクラブの提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行の座席の手配,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録音又は録画済み録音・録画ディスクの貸与,書画の貸与,ディスコの企画・運営又は開催,ディスコイベントの企画・運営又は開催,パーティーの企画及び運営,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営又は開催,学園祭の企画及び運営,オーディオ装置の貸与」
第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,ケータリング(飲食物),動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用電気式ホットプレートの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」

【別掲2】
引用商標2の指定役務
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営・又は開催,セミナー・シンポジウム・研修会の手配及び運営,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),ビューティーコンテストの手配,キャンプの企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,ディスコ・ナイトクラブその他の娯楽施設の提供,ディスコの企画・運営又は開催,ディスコイベントの企画・運営又は開催,娯楽の提供,娯楽情報の提供,レクリエーション情報の提供,パーティーの企画及び運営,教育又は娯楽に関する競技会の運営,学園祭の企画及び運営,オーディオ装置の貸与,舞台装置又はテレビスタジオ用照明装置の貸与」


異議決定日 2020-12-23 
出願番号 商願2018-165170(T2018-165170) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W4143)
T 1 651・ 222- Y (W4143)
T 1 651・ 262- Y (W4143)
T 1 651・ 263- Y (W4143)
T 1 651・ 261- Y (W4143)
最終処分 維持  
前審関与審査官 宮崎 愛鈴木 斎 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2020-05-12 
登録番号 商標登録第6250802号(T6250802) 
権利者 長澤 征治
商標の称呼 マハラジャクラブ、マハラジャ 
代理人 小山 義之 

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