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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W1416 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W1416 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W1416 |
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管理番号 | 1370202 |
審判番号 | 不服2020-4580 |
総通号数 | 254 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-04-06 |
確定日 | 2021-01-13 |
事件の表示 | 商願2018-138853拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「アイスマイル」の片仮名と「ICE MILE」の欧文字を二段に横書きしてなり,第14類,第16類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成30年11月8日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,原審における令和元年11月11日付け手続補正書及び当審における同2年4月6日付け手続補正書により,最終的に,第14類「キーホルダー,記念カップ,記念たて,身飾品,時計」及び第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙類,ボールペン,シャープペン,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5863306号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成27年12月21日に登録出願,第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,裁縫用小物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同28年7月1日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,「アイスマイル」の片仮名と「ICE MILE」の欧文字を二段に書してなるところ,その構成中,「ICE」の文字は,「氷,アイス,氷菓」等の意味を有する英語,「MILE」の文字は,「(法定)マイル:英米のヤード=ポンド法による距離の単位」を意味する英語(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であり,いずれの語も我が国において広く一般に親しまれているものの,これらを組み合わせた「ICE MILE」の文字は,辞書等に載録されている語ではなく,特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないことからすれば,当該文字は,特定の観念を生じないものである。 また,本願商標の上段に記載された「アイスマイル」の文字は,辞書等に載録されている語ではなく,特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものの,下段の「ICE MILE」の読みを表したものと無理なく認識されるものである。 そうすると,本願商標は,「アイスマイル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は,別掲のとおり,薄緑色の「iSmile」の欧文字と,黒色の「Unite the world with Smile」の欧文字を二段に横書きにし,その右側には,橙色の円を背景に,木と鳥を表したとおぼしき図形を配してなるものであるところ,その構成全体がまとまりよく一体的に表されているものである。 そして,引用商標においては,下段の欧文字が小さく記述的に表されており,当該文字部分が役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情は見いだせないことから,当該文字部分からは,役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないというのが相当である。一方,「iSmile」の文字部分は,太く大きく表され,看者に対し強く支配的な印象を与えるものであるから,「iSmile」の文字部分に着目して商標を記憶し,当該文字に相応する称呼をもって取引に資する場合があるというのが相当である。 また,引用商標の図形部分は,特定の事物を表すものとして親しまれているような事情は見いだせないものであるから,これより特定の称呼及び観念は生じないものである。 そうすると,引用商標からは,「iSmile」の文字部分に相応した「アイスマイル」の称呼が生じるものであり,「Smile」が「微笑する」等の意味で親しまれた語であるとしても,これに「i」を付加した「iSmile」の文字は,辞書等に載録されている語ではなく,特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないことからすれば,特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標との類否について検討するに,本願商標と引用商標は,それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるところ,外観においては,引用商標がまとまりよく一体的に表されていることから,構成全体が著しく相違することに加え,本願商標と引用商標の要部である「iSmile」の文字部分とを比較しても,その構成文字が明らかに異なることから,判然と区別し得るものである。 次に,称呼についてみるに,本願商標及び引用商標からは,いずれも「アイスマイル」の称呼が生じるものであるから,両者は,その称呼を共通にするものである。 さらに,本願商標と引用商標は,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念において比較することはできない。 そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較できず,称呼を共通にするとしても,外観において顕著に相違し,明確に区別し得ることから,外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 本願商標と引用商標は,上記(3)のとおり,非類似の商標であるから,本願商標の指定商品と引用商標の指定役務が類似するものであるとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標)(色彩は,原本を参照。) |
審決日 | 2020-12-23 |
出願番号 | 商願2018-138853(T2018-138853) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(W1416)
T 1 8・ 261- WY (W1416) T 1 8・ 263- WY (W1416) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 順子 |
特許庁審判長 |
冨澤 美加 |
特許庁審判官 |
茂木 祐輔 小田 昌子 |
商標の称呼 | アイスマイル、アイス、アイシイイイ、マイル |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 苫米地 正啓 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | ▲吉▼田 和彦 |