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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1366322 
異議申立番号 異議2019-900129 
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-24 
確定日 2020-07-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第6118828号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6118828号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6118828号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示したとおりの構成からなり,平成30年5月8日に登録出願され,第12類「電動式乗物,オートバイ,自動車,オートバイ用車輪,二輪自動車用ハブ,電動自転車,ショッピングカート,航空機・自動車・二輪自動車・自転車用タイヤ,ボート,自動車用・航空機用シャシー」を指定商品として,同年12月25日に登録査定,同31年2月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の3件の登録商標であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第680950号商標(以下「引用商標1」という。)は,「MONROE」の欧文字を横書きした構成からなり,昭和38年9月3日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同40年7月14日に設定登録されたものである。
そして,指定商品については,平成17年12月21日に,第12類「車輌用緩衝器」とする指定商品の書換登録がされたものである。
2 登録第1867657号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2に示すとおりの構成からなり,昭和57年5月12日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同61年6月27日に設定登録されたものである。
そして,指定商品については,平成18年5月10日に,第6類「金属製ばね(機械要素に当たるものを除く。)」,第7類「緩衝器及びばね(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第2029327号商標(以下「引用商標3」という。)は,「モンロー」の片仮名を横書きした構成からなり,昭和57年3月12日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同63年3月30日に設定登録されたものである。
そして,指定商品については,平成20年7月9日に,第6類「金属製ばね(機械要素に当たるものを除く。)」,第7類「緩衝器及びばね(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
上記の引用商標1ないし引用商標3について,まとめていうときは,以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は,上記第2の1ないし第2の3の構成からなる商標であり,互いの称呼が相紛らわしく,観念上も共通点を有する。
また,本件商標と引用商標1及び引用商標2は構成されるつづりに共通点が多いため,外観的にも相紛らわしいものと認められる。両商標が与える印象・記憶・連想等を総合して全体的に観察すれば,本件商標は,引用商標との間で出所の混同のおそれがある類似の商標である。
さらに,本件商標の指定商品「電動式乗物,オートバイ,自動車,オートバイ用車輪,二輪自動車用ハブ,電動自転車,自動車・二輪自動車・自転車用タイヤ,自動車用シャシー」と引用商標1の指定商品第12類「車輛用緩衝器」,引用商標2及び3の指定商品第12類「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」は,同一又は類似の商標が使用される場合に,同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にあり,互いに類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の知名度について
引用商標(特に,引用商標2)は,創業100年を迎える申立人のブランドを示すものであり(甲11),また,引用商標が付されたショックアブソーバ(緩衝器)は日本国内のみならず海外の様々な自動車メーカーが取り扱う車種に適合するものであることから(甲12),引用商標は商品「車輛用緩衝器」及び「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」の分野において,相当な知名度を獲得しており,周知・著名性を有するものと考えられる。
(2)混同が生じるおそれについて
上記1のとおり,本件商標と引用商標は出所混同のおそれがある類似の商標であり,本件商標の指定商品「ショッピングカード,航空機用タイヤ,ボート,航空機用シャシー」については,商品「緩衝器」が様々な商品分野で使用される汎用品であるため,相互に関連性を有する商品であるといえる。
また,上記のとおり,本件商標と引用商標が互いに類似する商標であることからすれば,引用商標の周知・著名性により,本件商標を指定商品に使用する場合には,申立人のシリーズ商品であるかのごとき印象を与え,出所の混同を生じさせるおそれが小さいとはいえない。
さらに,申立人の商品(ショックアブソーバ)の品質は極めてよいものであるため(甲11),引用商標に化体している信用や顧客吸引力を毀損又は希釈化しているおそれがあるとみるべきである。
(3)小括
以上のとおり,本件商標がその指定商品に使用される場合,狭義又は広義の出所の混同を生じさせるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,「Munro」の欧文字を筆記体風に横書きした構成からなるところ,当該構成は,同一の書体をもって,横一連に一体的に表されているものであり,これより生ずる「マンロー」の称呼も,格別冗長というものではなく,無理なく称呼し得るものである。
そして,「Munro」の文字が人名を表す語として,英語の辞書に掲載されているとしても,当該語は,我が国において一般になじみがある語とはいえないから,人名を表すものとは容易に認識し得ないものである。
そうすると,本件商標は,特定の意味合いを生じない一種の造語を表したものとして認識,把握されるとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,「マンロー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標1は,「MONROE」の欧文字を横書きしてなり,引用商標2は別掲2のとおり,「MONROE」の欧文字を構成中に含むものであり,引用商標3は「モンロー」の片仮名からなるところ,引用商標の当該構成文字は,いずれも同書,同大,等間隔をもって,横一連に一体的に表されているものであり,これらより生ずる「モンロー」の称呼も,格別冗長というものではなく,無理なく称呼し得るものである。
そして,「MONROE」及び「モンロー」の文字が人名を表す語として,英語の辞書及びインターネット辞書に掲載されているとしても,特定の人物や観念を想起させるものとして親しまれているとまではいえないものである。
そうすると,引用商標は,特定の意味合いを生じない一種の造語を表したものとして認識,把握されるとみるのが相当である。
したがって,引用商標は,「モンロー」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討すると,本件商標は,上記(1)のとおりの構成からなり,引用商標は,上記(2)のとおりの構成からなるところ,両商標は,外観において,第2文字目の「u」と「O」,末尾の「E」の文字の有無,欧文字と片仮名の文字種,文字の太さや書体などの差異を有するものであるから,外観上,明確に区別することができる。
次に,本件商標から生じる「マンロー」の称呼と引用商標から生じる「モンロー」の称呼とを比較すると,両者は,語頭において,「マ」と「モ」の音に差異を有するところ,当該差異音は同行音であるものの,識別上重要な要素を占める語頭に位置し,かつ,全体で3音(長音を含めても4音)という比較的短い音構成からなる称呼においては,その差異が称呼全体に及ぼす影響は少なくなく,両者をそれぞれ一連に称呼しても,称呼上,互いに聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに,本件商標と引用商標とは,観念において,いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものであるから,観念上,比較することができない。
したがって,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において,明らかに異なるものであるから,その出所について混同を生ずるおそれはなく,両者は,互いに紛れるおそれのない非類似の商標であると判断するのが相当である。
(4)本件商標及び引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品中,第12類「電動式乗物,オートバイ,自動車,電動自転車」と引用商標1の指定商品第12類「車輌用緩衝器」,引用商標2及び3の指定商品中,第12類「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」とは,完成品と部品の関係にあるとしても,それらは,生産部門,販売部門,需要者層等が異なる場合が多いと認められ,これらを総合すれば,両者は類似しないものとみるのが相当である。
(5)小活
以上によれば,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であり,また,それらの指定商品も互いに非類似のものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次のとおりである。
ア 引用商標は,創業100年を迎える申立人のブランドを示すものである(甲11,申立人の主張)。
イ 引用商標が付されたショックアブソーバ(緩衝器)は日本国内のみならず海外の様々な自動車メーカーが取り扱う車種に適合するものであり(甲12),引用商標は商品「車輛用緩衝器」及び「緩衝器及びばね(陸上の乗物用の機械要素)」の分野において,相当な知名度を獲得しており,周知・著名性を有する(申立人の主張)。
ウ 上記ア及びイのことを踏まえれば,申立人は,商品「ショックアブソーバ(緩衝器)」に引用商標を使用していることが認められる。
しかし,申立人提出の証拠からは,引用商標に係る宣伝広告の回数や期間,広告費など,引用商標の使用の事実を量的に把握することができる証拠の提出はなされておらず,本件商標の登録出願時(平成30年5月8日)及び登録査定時(平成30年12月25日)における申立人商品の売上高,シェア,宣伝広告状況も明らかではない。
してみると,引用商標は,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして,我が国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
(2)引用商標の独創性について
引用商標は,辞書に掲載されている既成語であるから,独創性の程度は高いとまではいえない。
(3)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の関連性について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,完成品と部品との関係にあることは否定できないものの,それらの商品の生産又は販売部門,用途及び流通経路はいずれも相違するものと認められ,商品自体の関連性の程度は高いとはいえない。
(4)本件商標と引用商標の類似性の程度について
上記1のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であって,別異の商標というべきものであるから,両者の類似性の程度は低いものである。
(5)出所の混同のおそれについて
以上によれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人等)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当しないものであるから,その登録は,同法第4条第1項の規定に違反されたものとはいえず,ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
別掲1 本件商標


別掲2 引用商標2


異議決定日 2020-06-24 
出願番号 商願2018-59576(T2018-59576) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W12)
T 1 651・ 263- Y (W12)
T 1 651・ 271- Y (W12)
T 1 651・ 261- Y (W12)
T 1 651・ 264- Y (W12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 梨理子小林 裕子 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 小俣 克巳
榎本 政実
登録日 2019-02-01 
登録番号 商標登録第6118828号(T6118828) 
権利者 北京▲門▼▲羅▼▲電▼▲動▼▲車▼有限公司
商標の称呼 マンロー、マンロ、マンロウ 
代理人 一色国際特許業務法人 

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