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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 取り消して登録 W12
管理番号 1365061 
審判番号 不服2019-10695 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-09 
確定日 2020-08-17 
事件の表示 商願2018-50097拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「YG-M」の文字を横書きしてなり,第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年4月18日に登録出願されたものである。
その後,指定商品については,当審における令和2年6月15日受付の手続補正書により,第12類「カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,自動車,電動自動車,ゴルフカート,電動ゴルフカート,レーシングカート,オフロード車,二輪自動車,電動二輪車,自転車,電動自転車,電動アシスト自転車,三輪モーターサイクル,三輪スクーター,三輪モペッド,電動三輪モーターサイクル,電動三輪スクーター,電動三輪モペッド,荷車,リヤカー,三輪自動車,電動三輪車,三輪車」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由(要旨)
原査定は,「本願商標は,『YG-M』の文字を普通に用いられる態様により表してなるところ,その指定商品を取り扱う業界及び他の様々な業界においては,商品の生産,管理又は取引の便宜性等の事情から,欧文字2字と欧文字1字を,『-』(ハイフン)で結合してなる標章が,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号として一般的に使用されている実情がある。そして,本願商標は,特殊な態様で表したものとは認められず,また,全体として親しまれた熟語等を形成する語とも認められないから,欧文字2字『YG』と欧文字1字『M』とを『-』(ハイフン)で結合した構成からなる本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,これを商品の品番,型番等を表示するための記号又は符号として一般的に使用される標章の一類型を表したものと認識するにとどまる。したがって,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標であり,商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,令和2年3月24日付け証拠調べ通知書によって通知し,期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
請求人は,上記3の証拠調べ通知に対し,令和2年6月15日受付の手続補正書において,上記1のとおり,第12類の指定商品を補正した上で,同日受付の意見書において,要旨,以下のとおり主張している。
(1)本願商標の使用意図商品は,リゾート施設やアミューズメント施設等で主に使用される公道でも走行可能なランドカー本体であって,上記3で示された各種の乗物用の部品や附属品は一切含まれないものである。
(2)請求人は,本願の指定商品を陸上の乗物本体のみに補正し,各種部品や附属品が含まれないことを明示した結果,補正後の本願の指定商品の属する分野では,欧文字2字と欧文字1字とを「-」(ハイフン)をもって結合させてなる標章について,取引者,需要者は,これを単なる商品の品番や型番等を表す記号又は符号として認識することはなく,むしろ,その者の業務に係る商品であることを示す,商品取引に際して極めて重要なものと位置づけ認識して取引にあたっていると考えるのが極めて相当である。
したがって,本願商標は,一般的な社会通念上,及び,実際の商取引の実情からもその補正後の指定商品との関係で自他商品識別機能を十分に発揮する商標といえる。

5 当審の判断
本願商標は,上記1のとおり,「YG-M」の文字からなるところ,証拠調べ通知書において示した事実(別掲)によれば,例えば,燃料サブタンク,乗物用のタイヤ,マフラー,ホイール等の分野において,欧文字2字と欧文字1字とを「-」(ハイフン)で連結し,商品の品番,型式又は規格等を表示するための記号又は符号として使用されている例が見受けられる。
しかしながら,当審において職権をもって調査するも,補正後の指定商品を取り扱う業界において,「YG-M」の文字及び欧文字2字と欧文字1字とを「-」(ハイフン)で連結してなる文字が,商品の品番,型式又は規格等を表示するものとして,取引上一般に使用されている事実を発見することはできず,さらに,当該指定商品の取引者,需要者が,当該文字を商品の品番,型式又は規格等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
してみれば,本願商標は,これをその補正後の指定商品について使用しても,商品の品番,型式又は規格等を表示する極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標とはいえず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
別掲 証拠調べ通知書において示した事実
本願の指定商品の分野において,欧文字2字と欧文字1字とを「-」(ハイフン)で結合してなる文字が,商品の品番,型式又は規格等を表示するための記号又は符号として使用されている事例
(1)「YSタンク株式会社」の製品カタログ(PDF)「YS燃料サブタンク」において,「オプションパーツ」の見出しの下(7ページ)「ユニットゲージと適用車種」の「型式」として「YG-A型」,「YG-N型」,「YG-B型」,「YG-M型」等の記載がある。
(http://www.ystank.co.jp/product/ystank-Catalog.pdf)
(2)「株式会社ブリヂストン」のウェブサイトにおいて,「Playz PX2」(数字はローマ数字。以下同じ。)の見出しの下「Playz PX2は全サイズ『低燃費タイヤ』です。」の記載があり,また,「サイズ表」の項に「Playz PX-C」及び「Playz PZ-X」の記載がある。
(https://tire.bridgestone.co.jp/playz/px2/size.html)
(3)「株式会社タジマモーターコーポレーション」のウェブサイトにおいて,「モンスタースポーツ」の「エキゾーストマフラー」の見出しの下「TYPE JB-Rマフラー」の記載がある。
(https://www.monster-sport.com/product/parts/muff/index.html)
(4)雑誌「OPTIONチューニングパーツカタログ2003」(平成15年1月31日発行。発行所:株式会社三栄書房)において,「WHEEL」の見出しの下(135ページ)「RacingHart CP-F Tune R」及び「ROZZA FR-S」の記載がある。
また,上記雑誌の「INTERIOR」の見出しの下(171ページ),自動車用シートの画像とともに「RACER SP-G」,「SR-V」及び「PRO RACER SP-G」の記載がある。
(5)「株式会社共豊コーポレーション」のウェブサイト(KYOHOオフィシャルサイト)において,「オリジナルホイール」の項の「STEINER シュタイナー」の見出しの下「SF-C」,「SF-V」等の記載がある。
(http://www.kyoho-corp.jp/products_a/)
(6)「BBSジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて,「PRODUCT」の見出しの下,ホイールの画像とともに「RI-D」,「FR-D」,「RE-X」等の記載がある。
(https://bbs-japan.co.jp/products/)
(7)「株式会社トレジャーワン・カンパニー」のウェブサイトにおいて「ALLOY WHEELS」の項に「RT-M」の記載がある。
(http://treasure-one.co.jp/wheels.html)
(8)「ウェビックショッピング」のウェブサイト(運営:株式会社リバークレイン)において,「YOSHIMURA ヨシムラ:ST-R カムシャフトセット」の見出しの下「商品情報を見る」の項に「タイプ:ST-R」の記載がある。
(https://www.webike.net/sd/20466763/)
(9)「BRIG Brake Pad」のウェブサイト(運営:株式会社ブロンコ・バスター)において,「VSシリーズ」の「セミメタリック材」の見出しの下「VS-R」及び「ライトユーザーからヘビーユーザーまで。走行会メインのユーザー向け低価格高性能パッド」の記載がある。
また,「ノンアスベスト材」の見出しの下「VS-Z」及び「街乗りからサーキットまで,気兼ねなく使えるハイコストパフォーマンスパッド」の記載がある。
さらに,「セミオーダーメイド(セミメタリック材・ノンアスベスト材)」の見出しの下「VS-X」の記載がある。
(https://brig-bb.co.jp/products/vs)
(10)「DIA-COMPE」のウェブサイト(運営:株式会社ヨシガイ)において,「V・カンチ・その他ブレーキ」の項に,カンチブレーキの画像とともに「CR-X」の記載がある。
(https://www.diacompe.co.jp/parts#a04)
(11)「自転車ペダルの三ヶ島製作所」のウェブサイト(運営:株式会社三ヶ島製作所)において,「製品情報」の「RACING&SPORTS」の項に,自転車ペダルの画像とともに「MT-E」,「US?S」,「US-L」等の記載がある。
(https://www.mkspedal.com/?q=ja/product/term/6)
また,上記の「製品情報」の「Ezy」の項に,自転車ペダルの画像とともに「UX-D Ezy」,「US-S Ezy」,「MT-E Ezy」等の記載がある。
(https://www.mkspedal.com/?q=ja/product/term/4)

審決日 2020-07-28 
出願番号 商願2018-50097(T2018-50097) 
審決分類 T 1 8・ 15- WY (W12)
最終処分 成立  
前審関与審査官 浦崎 直之赤澤 聡美飯田 悠太 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 小松 里美
浜岸 愛
商標の称呼 ワイジイエム 
代理人 田中 尚文 

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