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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W28
審判 全部申立て  登録を維持 W28
管理番号 1362569 
異議申立番号 異議2018-900257 
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-09-10 
確定日 2020-05-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第6051929号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6051929号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6051929号商標(以下「本件商標」という。)は、「コルドン」の片仮名と「CORDON」の欧文字を上下二段に書してなり、第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,遊園地用機械器具,業務用テレビゲーム機」を指定商品として、平成29年10月3日に登録出願、同30年5月16日に登録査定、同年6月15日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は以下の2件であり、いずれも、現に有効に存続しているものである(以下、これら2件の商標をまとめていうときは、「引用商標」という場合がある。)。
1 登録第2669107号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「LE CORDON BLEU」
指定商品:第28類「おもちゃ,人形,トランプ,運動用具」並びに第9類、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成 3年 6月12日
設定登録日:平成 6年 5月31日
更新登録日:平成15年12月16日及び同26年 3月11日
2 登録第2692658号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲のとおり
指定商品:第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具」並びに第9類、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成 3年 6月12日
設定登録日:平成 6年 8月31日
更新登録日:平成16年9月7日及び同26年9月2日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(以下、「証拠」については、「甲1」等と省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、片仮名の「コルドン」を上段、英語の「CORDON」を下段に並べてなるものであるから、「コルドン」の称呼及び「綬章」の観念を生じるものである。
これに対し、引用商標1は、仏語の「LE CORDON BLEU」を横書きにしてなり、また、引用商標2は、構成中に仏語の「Le Corden Bleu」を有するところ、「LE(Le)」は仏語の定冠詞であるから識別性に乏しい部分であり、「BLEU(Bleu)」は仏語の「青色」を意味し、色彩を示すものであるから、引用商標1及び引用商標2は、「CORDON(Cordon)」から「コルドン」の称呼及び「綬章」の観念を生じるものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、共に「コルドン」の称呼及び「綬章」の観念を共通にする類似の商標である。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人、「ル コルドン ブルー インターナショナル ビーブイ社」(以下「ルコルドンブルー社」という。)は、1895年パリに創設された料理学校を母体として現在フランス、イギリス、カナダ、アメリカ、日本、韓国、オーストラリアをはじめ世界約20か国以上に35余の料理学校を経営している。
そして、「LE CORDON BLUE」の名称と青綬章を模したロゴマークは登録商標として世界的に保護され、我が国においても、多くの商品、役務の分野において、「LE CORDON BLUE」の名称と青綬章を模したロゴマークを登録しており、広く使用し今日に至っていることから、「料理学校」に限らず、商品「おもちゃ,人形」の分野においても、これらの登録商標とまぎらわしい文字商標、図形商標がその指定商品について使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「コルドン」の片仮名と「CORDON」の欧文字を上下二段に書してなるところ、これらの構成文字は全体としてまとまりよく表されているものであり、上段の「コルドン」の片仮名は、下段の「CORDON」の読みを特定したものとして無理なく認識でき、また、本件商標の構成文字から生じる「コルドン」の称呼も格別冗長というべきものではないから、構成全体として一体のものとして看取されるものである。
さらに、本件商標の構成中の「CORDON」の文字は、「綬章」の意味を有する英語及びフランス語であるとしても、当該文字が、一般に広く知られた語であるとみるべき格別な事情はなく、これに接する需要者等が、上記意味合いを想起するとはいい難いことから、当該文字は、特定の意味合いを有しない造語と認識されるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応した「コルドン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、「LE CORDON BLEU」の欧文字を横書きにしてなるところ、構成各文字は同書、同大で表されており、視覚上、その構成全体をもって、まとまりある一体的なものとして看取、把握されるといえ、そのうちのいずれかの文字部分のみが強く印象付けられることはないとみるのが相当である。
また、引用商標1は、その構成全体から生じる「ルコルドンブルー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、引用商標1は、その構成中の「LE」がフランス語の定冠詞であって、「CORDON」の文字が「綬章」の意味を「BLEU」の文字が「青い」の意味を、これを結合した「CORDON BLEU」の文字が「料理の達人」の意味を有するフランス語(小学館ロベール仏和大辞典(株式会社小学館))であるとしても、「CORDON」、「BLEU」及び「CORDON BLEU」の語が、我が国において一般的に親しまれ知られているとはいえないことから、引用商標1は、その構成文字全体として、特定の意味合いが想起されることのない一種の造語と理解されるものである。
そうすると、引用商標1は、その構成全体が一体不可分のものとして認識されるものであり、「ルコルドンブルー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、円輪郭と横線で構成された三角形等を組みわせた「綬章」様の図形(以下、単に「図形」という。)の当円輪郭に沿って、その内側に「Le Cordon Bleu」の欧文字を、また、その中心に「1895」の数字を配した構成からなるところ、その構成中の図形部分は、特定の事物を表したとはいえないものであって、特定の意味合いを想起させるものとして知られているとも認められないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、「1895」の数字は、商品の数量や品番等を表示するにすぎないものであるから、上記円輪郭の内側に明瞭に表示された「Le Cordon Bleu」の文字部分が看者の注意を強く惹くものといえ、当該文字部分からは、引用商標1と同様に、「ルコルドンブルー」の称呼を生じ特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
(ア)外観について
本件商標と引用商標1の外観を比較すると、両者は構成文字や構成文字数等が異なることから、これらの商標は、外観において明らかに相違するものである。
また、本件商標と引用商標2の外観を比較すると、これらは、その構成文字や構成文字数が異なることに加え、図形の有無も異なることから、これらの商標は、外観において明らかに相違するものである。
(イ)称呼について
本件商標から生じる「コルドン」の称呼と引用商標から生じる「ルコルドンブルー」の称呼とは、構成音数に明確な差異を有していることから、これらは、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
(ウ)観念について
本件商標及び引用商標は、共に、特定の観念を生じないものであるから、これらは、観念においては、比較することができない。
(エ)判断
そうすると、本件商標と引用商標とは、共に、特定の観念を生じないことから、観念において比較することができないとしても、外観において明らかに相違し、称呼においては、明瞭に聴別し得るものであることから、両商標は、商品の出所の誤認、混同を生ずるおそれのない互いに非類似の商標である。
(4)引用商標に関する申立人の主張について
申立人は、「LE(Le)」は仏語の定冠詞であるから識別性に乏しい部分であり、「BLEU(Bleu)」は仏語の「青色」を意味し、色彩を示すものであるから、引用商標は、「CORDON(Corden)」から「コルドン」の称呼及び「綬章」の観念を生じるものである旨主張する。
しかしながら、引用商標の構成中の「LE(Le)」が仏語の定冠詞であり、「BLEU(Bleu)」が「青色」を意味するフランス語であるとしても、「LE CORDON BLEU」及び「Le Cordon Bleu」の文字が一体不可分のものとして認識されるものであることは前記(2)に記載のとおりであり、殊更に「CORDON(Corden)」の文字部分のみを分離抽出すべき特段の事由は認められないから、この点に関する申立人の主張は採用することができない。
(5)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と引用商標の類似性について
上記1のとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない別異の商標である。
(2)引用商標の周知性について
申立人「ルコルドンブルー社」は、1895年パリに設立された料理学校を母体として現在フランス、イギリス、アメリカ、日本等世界約20か国以上に35余の料理学校を経営し、「LE CORDON BLEU」の名称と青綬章を模したロゴマークは登録商標として世界的に保護されており、我が国においても多くの分野において登録しており広く使用している旨主張しているところ、職権による調査によれば、申立人は、我が国において、東京及び神戸に料理学校を有し、引用商標を使用していること、及び広い分野において引用商標と同じ構成からなる登録商標を有していることは認められる。
しかしながら、申立人は、引用商標の周知性を立証するための宣伝広告や取引状況等を示す証拠を提出しておらず、提出された証拠によっては引用商標の周知性を推し量ることはできないことから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国で引用商標が申立人又は申立人の業務を表示するものとして需要者に広く認識されていたものと認めることができない。
(3)本件商標の指定商品と申立人の役務との関連性
本件商標の指定商品「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,遊園地用機械器具,業務用テレビゲーム機」と申立人の業務に係る「料理の教授」とは、商品の製造、販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的とはいえず、商品と役務の用途が一致するものでもない。
また、商品の販売場所と役務の提供場所が一致するものともいえないことからすると、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る役務とは何らの関連性を有しないか、関連性が極めて乏しいものである。
(4)混同を生ずるおそれについて
上記(1)ないし(3)によれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると認識することはなく、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当せず、その登録は同項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標2)




異議決定日 2020-04-28 
出願番号 商願2017-131512(T2017-131512) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W28)
T 1 651・ 13- Y (W28)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内田 直樹 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 中束 としえ
豊田 純一
登録日 2018-06-15 
登録番号 商標登録第6051929号(T6051929) 
権利者 株式会社タカラトミー
商標の称呼 コルドン、コードン 
代理人 柴田 茂夫 
代理人 宮川 貞二 

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