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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
審判 査定不服 商品と役務の類否 登録しない W09
管理番号 1362545 
審判番号 不服2019-4634 
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-08 
確定日 2020-05-15 
事件の表示 商願2018-15337拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成30年2月7日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,当審における同31年4月8日付け手続補正書により,第9類「電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,拒絶の理由に引用した登録第5348195号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成22年4月28日に登録出願,第39類「航空機による輸送」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として,同年8月27日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。

3 当審における審尋
当審において,請求人に対し,本願商標は,補正後の指定商品についても,依然として商標法第4条第1項第11号に該当する旨の審尋を令和元年12月26日付けで発し,相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の意見
請求人は,上記3の審尋に対して,所定の期間内に何ら応答するところがない。

5 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は,別掲1のとおり,左下からやや右上へ向いた赤色の矢印の図形(以下「本願図形部分」という。)とその左上に青色の太字で書された「SEQUENCE」の文字(以下「本願文字部分」という場合がある。)を配してなる図形と文字との結合商標である。
イ 本願文字部分は,「続いて起こること。連続。」等の意味を有する英語(「ベーシックジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店)であるところ,我が国においては,その表音を片仮名表記した「シークエンス」が「ひと続き」等の意味で国語辞書(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)等にも掲載されるほど親しまれている語であるから,「シークエンス」の称呼及び「続いて起こること。連続。」の観念を生ずるものである。
また,本願図形部分からは,特定の称呼は生じないが,「矢印」の観念が生ずるものである。
そして,本願文字部分及び本願図形部分は,色彩が異なるなど,視覚上,分離して看取し得るものであることに加え,観念的なつながりを見いだすことはできず,一連一体の称呼が生ずるともいえないことからすると,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできないから,各部分は,独立して出所識別機能を有する要部であるというべきである。
したがって,本願商標は,その構成中「SEQUENCE」の文字部分を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。
ウ 以上よりすると,本願商標は,要部の一である「SEQUENCE」の文字部分に相応して「シークエンス」の称呼及び「続いて起こること。連続。」の観念が生ずるというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,幾何学的模様の図形(以下「引用図形部分」という。)の下に「SEQUENCE CO.,LTD.」(「SEQUENCE」の文字部分のみ赤字。以下同じ。)及び「シークエンス株式会社」の文字(以下,両文字部分を「引用文字部分」という。)を上下2段に横書きしてなるところ,その構成中の引用図形部分と引用文字部分とは,視覚上,分離して看取し得るものであることに加え,観念的なつながりを見いだすこともできず,一連一体の称呼が生ずるともいえないことからすると,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできないから,各部分は,独立して出所識別機能を有する要部であるというべきである。
そして,引用文字部分中,上段の「SEQUENCE CO.,LTD.」の文字は,下段の「シークエンス株式会社」の文字を英訳したものと容易に認識されるものであり,引用文字部分中の「Co.,Ltd.」及び「株式会社」の文字部分は,会社の種類を表す文字であって,自他商品役務識別標識としての機能を果たすものではないから,引用文字部分中の「SEQUENCE」及び「シークエンス」の文字部分が自他商品役務識別標識としての機能を果たす要部として認識され,当該文字部分をもって取引に当たる場合も決して少なくないというべきである。
したがって,引用商標は,その要部の一である「SEQUENCE」及び「シークエンス」の文字部分(以下「引用要部」という場合がある。)に相応して,上記(1)イと同様に「シークエンス」の称呼及び「続いて起こること。連続。」の観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願文字部分と引用要部とを比較すると,外観において,両者は,片仮名の有無並びに書体及び色彩に差異があるものの,「SEQUENCE」の欧文字のつづり字を共通にしていることから,互いに,近似した印象を与えるものである。
そして,本願文字部分と引用要部とは,称呼及び観念において「シークエンス」の称呼及び「続いて起こること。連続。」の観念を共通にする。
以上によれば,本願文字部分と引用要部は,外観上,互いに近似した印象を与えるものであり,称呼及び観念を共通にするものであるから,取引者・需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すると,本願商標と引用商標は,商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標といえる。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務との類否について
本願商標の指定商品は,「電子計算機用プログラム」を含むものであり,一方,引用商標の指定役務中には,「電子計算機用プログラムの提供」が含まれているものである。
そして,「電子計算機用プログラム」は,ソフトウェア事業者により制作され,記録媒体に記録された電子計算機用プログラムとして店頭にて,あるいはダウンロードにより流通されている。
他方「電子計算機用プログラムの提供」は,ソフトウェア事業者により制作され,媒体に記録された電子計算機用プログラムとして貸与するか,あるいはインターネット等の通信回線を通して電子計算機用プログラムを使用させる役務である。
そうとすると,「電子計算機用プログラム」と「電子計算機用プログラムの提供」とは,商品の製造・販売と役務の提供とが同一事業者によって行われているのが一般的であり,用途を共通にするものであるから,需要者の範囲等も一致するものとみるのが相当であり,当該商品及び役務に同一又は類似の商標を使用したときには,これに接する取引者・需要者に商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
してみれば,本願商標の指定商品中の「電子計算機用プログラム」と引用商標の指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」は互いに類似するといわざるを得ない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品と引用商標の指定役務も類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)

別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)

審理終結日 2020-03-13 
結審通知日 2020-03-18 
審決日 2020-04-02 
出願番号 商願2018-15337(T2018-15337) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W09)
T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 265- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 浜岸 愛
大森 友子
商標の称呼 シークエンス、シーケンス 
代理人 矢冨 亜弥 
代理人 伊藤 克博 

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