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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W44
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W44
審判 査定不服 外観類似 登録しない W44
管理番号 1349745 
審判番号 不服2018-10325 
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-27 
確定日 2019-02-14 
事件の表示 商願2017- 66063拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スマイル介護」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園樹の植樹,庭園又は花壇の手入れ,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業に関する情報の提供,医療情報の提供,健康診断,歯科医業に関する情報の提供,調剤に関する情報の提供,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,介護に関する情報の提供,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として、平成29年5月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5055723号商標(以下「引用商標1」という。)は、「スマイル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年9月14日に登録出願、第43類「老人の養護,介護に関する情報の提供,産褥期の母子の介護,身体障害者・知的障害者の養護及びこれに関する情報の提供,養老施設(老人ホームを含む)の提供及びこれに関する情報の提供,老人の養護に関する相談,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として、同19年6月22日に設定登録され、その後、商標権一部取消し審判により、指定役務中「飲食物の提供」及び「布団の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」について取り消すべき旨の審決がされ、同25年10月11日及び同年11月14日に審判の確定登録がされ、さらに、同29年5月23日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第5683455号商標(以下「引用商標2」という。)は、「スマイル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成26年2月3日に登録出願、第39類「車いすの貸与」及び第44類「介護用床ずれ防止マットの貸与,介護用歩行器の貸与,介護用おむつの貸与,介護用医療器具の貸与,介護用リフトの貸与,介護用体位変換器の貸与,介護用便器の貸与,介護用歩行補助つえの貸与」を指定役務として、同年7月4日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」ということがある。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり「スマイル介護」の文字からなるところ、その構成中の「スマイル」の文字部分と「介護」の文字部分とは、片仮名と漢字という差異があることから、「スマイル」と「介護」の文字を組み合わせてなるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中「介護」の文字部分は、本願の指定役務に含まれている「介護,介護に関する情報の提供」との関係において、本願商標に接する需要者をして、該役務の内容、すなわち、質を認識させ、また、「医療用機械器具の貸与」との関係において、該役務により貸与される物が介護用のものであること、すなわち、用途を表したものと認識させるにとどまることから、該文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標の構成中「介護」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであるから、本願商標は、その構成中「スマイル」の文字部分が、自他役務の識別標識としての機能を発揮する部分であるとみるのが相当であって、取引者、需要者に対し強く印象付けられる要部であるといえ、本願商標は、その構成中「スマイル」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体から「スマイルカイゴ」の称呼を生じるほか、その構成中の「スマイル」の文字に相応して「スマイル」の称呼を生じ、また、該文字は、「微笑。ほほえみ。笑顔。」(岩波書店「広辞苑第7版」)の意味を有する語として一般に親しまれているといえるから、「微笑。ほほえみ。笑顔。」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2(1)及び(2)のとおり、それぞれ「スマイル」の文字からなるところ、該文字に相応して、「スマイル」の称呼及び「微笑。ほほえみ。笑顔。」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、両者は、「介護」の文字の有無に差異を有するものの、本願商標と引用商標とは、共に標準文字で表されているものであるから、本願商標の要部である「スマイル」の文字部分と引用商標とは、外観を同一にするものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる称呼は「スマイルカイゴ」及び「スマイル」であり、引用商標から生じる称呼は「スマイル」であるから、両者は、「スマイル」の称呼を同一にするものである。
また、観念においては、「微笑。ほほえみ。笑顔。」の観念を同一にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有するとしても、本願商標の要部との比較において、引用商標とは、外観、称呼及び観念を同一にするものであるから、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務と引用商標の指定役務は、それぞれ上記1及び2のとおりであり、本願の指定役務中「介護,介護に関する情報の提供,医療機械器具の貸与」と引用商標1の指定役務中「老人の養護,介護に関する情報の提供,産褥期の母子の介護,身体障害者・知的障害者の養護及びこれに関する情報の提供,養老施設(老人ホームを含む)の提供及びこれに関する情報の提供,老人の養護に関する相談」及び引用商標2の指定役務中「介護用床ずれ防止マットの貸与,介護用歩行器の貸与,介護用おむつの貸与,介護用医療器具の貸与,介護用リフトの貸与,介護用体位変換器の貸与,介護用便器の貸与,介護用歩行補助つえの貸与」とは、提供の手段・目的、提供に関連する物品、提供する事業者、需要者等が一致し、同一又は類似の役務であると認められる。
オ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成文字は同書同大で軽重の差がなく一体に表現され、全体をもって称呼してもよどみなく一気一連に称呼し得るから「スマイルカイゴ」の称呼のみが生じ、「微笑の介護」の意味合いが生じ、本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標は、「スマイル」と「介護」の文字を組み合わせたものと容易に認識され、かつ、その構成中「介護」の文字は、指定役務中「介護,介護に関する情報の提供,医療用機械器具の貸与」との関係において、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、その構成中「介護」の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められ、「スマイル」の文字部分を要部として他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものというべきである。
また、本願商標は、その構成文字である「スマイル」と「介護」の文字がそれぞれ知られているとしても、全体の文字が親しまれた一体的な特定の観念が生じるとはいい難い。
してみれば、本願商標は、その構成中の「スマイル」の文字部分から「スマイル」の称呼及び「微笑。ほほえみ。笑顔。」の観念をも生じるものというのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願も同様に判断して商標登録されるべき旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例は、商標の具体的構成、指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、該登録例をもってその判断が左右されることはない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-12-04 
結審通知日 2018-12-10 
審決日 2018-12-27 
出願番号 商願2017-66063(T2017-66063) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W44)
T 1 8・ 261- Z (W44)
T 1 8・ 263- Z (W44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小岩井 陽介小林 智晴中尾 真由美 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 木住野 勝也
小俣 克巳
商標の称呼 スマイルカイゴ、スマイル 
代理人 佐藤 富徳 

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