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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W43 審判 一部申立て 登録を維持 W43 |
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管理番号 | 1348959 |
異議申立番号 | 異議2018-900147 |
総通号数 | 231 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-03-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-06-08 |
確定日 | 2019-02-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6027834号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6027834号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6027834号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年11月16日に登録出願、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」、第35類「アルコール飲料の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第42類「アルコール飲料の鑑定」及び第43類「バーにおける飲食物の提供,飲食物の提供,アルコール飲料の提供」を指定商品及び指定役務として、同30年2月1日に登録査定され、同年3月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5352694号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年8月25日に登録出願、第30類「アイスクリーム,フローズンヨーグルト,フローズンヨーグルトパイ及びケーキ,フローズンコンフェクション」及び第43類「レストランにおける飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同22年9月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第43類「全指定役務」(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、引用商標と類似の商標であり、指定役務についても同一又は類似というべきであって、かつ、引用商標の出願日より後に出願されたものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 仮に、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、アルファベットの「ui」の小文字を横書きし、「u」の文字の上部に2個の小さな黒丸を配した構成よりなるものである。 そして、本件商標構成中の「u」の文字の上部にある2個の小さな黒丸がウムラウト(変母音を表す綴字記号)と看取される可能性があるとしても、本件商標全体として、辞書等に掲載されているものではなく、その他に特定の称呼及び観念をもって親しまれたものというべき事情も見いだせない。 また、申立人の主張するような、本件商標の構成中「u」の文字とその上部の2個の黒丸よりなる部分のみが強く注意を引くというべき事情も何ら見いだせないものである。 してみれば、本件商標は、その構成全体をもって認識され、把握されるものというべきであって、本件商標からは、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、アルファベットの「U」字状の図形を、桃色で細めに縦長で表し、同じ色彩の2個の小さな円図形を「U」字状の図形の左右両端の間の空間部分の中央上部に横に並べて、「U」字状の図形から少し離して配した構成よりなるものである。 また、申立人は、引用商標の周知・著名性を主張しているが、周知・著名性について客観的に把握することができる証拠は見いだせず、その他に、引用商標から、特定の称呼及び観念が生じるというような事情も見いだせない。 ウ 本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標の類否について検討すると、本件商標は、アルファベットの「u」の小文字の上部に2個の黒丸を配し、「i」の小文字と並記した構成よりなるものであるのに対し、引用商標は、桃色で表されたアルファベットの「U」字状の図形と2個の小さな円図形を組み合わせたものというべきであるから、本件商標と引用商標とは、視覚的に与える印象が大きく異なり、判然と区別し得るというのが相当である。 さらに、両商標からは、共に特定の称呼及び観念は生じないものであるから、称呼及び観念について比較することはできない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較することができないとしても、外観において、明らかに異なるものであり、これらを総合して判断すれば、両者は、非類似の商標というのが相当である。 エ 小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であり、他に、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件申立役務と引用商標の指定役務との類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知・著名性について 申立人は、引用商標は、申立人の商標として、広く一般に知られている旨主張している。 しかしながら、申立人の提出した店舗写真(甲5?甲12)は、撮影時期や撮影場所(撮影店舗)も不明であり、また、全世界の売上高や店舗数に関する主張についてもこれを客観的に裏付ける証拠は提出されておらず、その他に引用商標の周知・著名性を客観的に把握することができる証拠も見いだせない。 してみれば、引用商標が、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。 イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について 本件商標と引用商標は、前記(1)のとおり、非類似の商標というのが相当であって、類似性の程度は極めて低いといわざるを得ない。 ウ 本件申立役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について 本件申立役務である「バーにおける飲食物の提供,飲食物の提供,アルコール飲料の提供」と申立人の取扱いに係る「レストランにおける飲食物の提供」は、同一又は類似の役務であり、需要者も共通する。 エ 出所の混同のおそれについて 上記アないしウのとおり、引用商標については、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであって、かつ、本件商標は、引用商標と類似性の程度が低いものであることからすれば、本件申立役務と申立人の取扱いに係る役務が同一又は類似するものであり、その需要者の範囲を共通にするものであったとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれを本件申立役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 オ 小括 したがって、本件商標は、商標権者がこれを本件申立役務について使用しても、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の指定商品・指定役務中、登録異議の申立てに係る指定役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 【別掲1】 本件商標 【別掲2】 引用商標(色彩については原本参照。) |
異議決定日 | 2019-02-04 |
出願番号 | 商願2016-128653(T2016-128653) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Y
(W43)
T 1 652・ 261- Y (W43) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 石塚 文子 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 鈴木 雅也 |
登録日 | 2018-03-16 |
登録番号 | 商標登録第6027834号(T6027834) |
権利者 | ペルノ リカール |
商標の称呼 | ウイ、ユウアイ |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 中田 和博 |