ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 |
---|---|
管理番号 | 1348944 |
異議申立番号 | 異議2018-900267 |
総通号数 | 231 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-03-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-09-16 |
確定日 | 2019-01-31 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6054949号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6054949号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6054949号商標(以下「本件商標」という。)は,「凌雲」の漢字をゴシック体で横書きしてなり,平成29年5月22日に登録出願,同30年6月7日に登録査定,第16類「印刷物」を指定商品として,同月22日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5147709号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 「凌雲」の漢字を毛筆体で横書きしてなるもの 指定商品 第16類「紙類(和紙・洋紙・板紙・油紙・しぶ紙・画仙紙・加工紙・セロハン紙・合成紙・巻紙・書道用紙・その他の紙類),絵画,軸,書,版画,文房具類,写真」 登録出願日 平成19年10月25日 設定登録日 平成20年7月4日 (2)登録第5412413号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 「凌雲」の漢字を明朝体で横書きしてなるもの 指定役務 第35類「筆耕,広告,インターネットによる広告に関する情報の提供,書類の複製,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 登録出願日 平成22年9月29日 設定登録日 平成23年5月20日 (3)登録第5160685号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲のとおり 指定商品及び指定役務 第16類「紙類,印刷物,絵画,軸,書,版画,文房具類」 第19類「金属製でない建築材料,建具(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻,墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),道路標識及び航路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。)」 第20類「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),びょうぶ,木製又はプラスチック製の立て看板,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,葬祭用具」 第41類「教育・訓練・娯楽及び文化活動に関するセミナーの企画・運営又は開催,技芸又は知識の教授,図書及び記録の供覧,美術品の展示,電子出版物の提供,写真の撮影」 登録出願日 平成19年10月5日 設定登録日 平成20年8月22日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として資料1ないし資料35を提出した。 本件商標は,申立人が保有し既に商標登録されている引用商標と類似する商標である。 また,本件商標の指定商品第16類「印刷物」は,引用商標3の指定商品及び指定役務中,第16類「印刷物」と同一又は類似するものである。 さらに,書家三野島凌雲は,凌心会主宰,現在読売書法会幹事,謙慎書道会理事,中日書道会評議員,中日書道会濃飛支部次長,日本書道教育学会師範,日本書道教育学会高山支部長,轟友会会員,牛刀会会員。生涯学習1級インストラクター(生涯学習・書道)として,書道練磨(雲を凌いで天に昇)と精神向上(耕心)を目指し,生涯学習(生涯書道)の推進を図っていくため精進を重ねている中,「凌雲」を指定商品又は指定役務の第16類,第19類,第20類,第35類及び第41類の区分で多岐に使用していることから,本件商標は類似する商標として商標登録されるべきでない。(なお,「三野島凌雲」は美術年鑑・美術名典等に掲載が有る。) したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標と引用商標1及び2について ア 本件商標と引用商標1及び2との類否 本件商標と引用商標1及び2とは,上記1,2(1)及び(2)のとおり,いずれも「凌雲」の漢字からなり,書体のみが相違するものであるから,両者は類似の商標であること明らかである。 イ 指定商品の類否 本件商標の指定商品は,上記1のとおり,第16類「印刷物」である。 また,引用商標1の指定商品は,上記2(1)のとおり,第16類「紙類(和紙・洋紙・板紙・油紙・しぶ紙・画仙紙・加工紙・セロハン紙・合成紙・巻紙・書道用紙・その他の紙類),絵画,軸,書,版画,文房具類,写真」であり,引用商標2の指定役務は,上記2(2)のとおり,第35類「筆耕,広告,インターネットによる広告に関する情報の提供,書類の複製,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。 そこで,本件商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品及び指定役務との類否を検討すると,両者の一般的,恒常的な取引の実情において,それらの生産部門,販売部門,原材料及び品質,用途,事業者,販売場所と提供場所及び需要者の範囲を共通にするというべき事情はいずれも見いだせず,また,両者が完成品と部品との関係にないことも明らかである。 そうすると,両者は,それらに同一又は類似の商標を使用しても,それら商品及び役務が同一営業主の製造,販売及び提供に係るものと誤認混同するおそれのない非類似のものといわざるを得ない。 ウ 小括 上記アのとおり,本件商標と引用商標1及び2とは類似の商標であるが,上記イのとおり,両者の指定商品及び指定役務は互いに非類似のものであるから,本件商標は,引用商標1及び2との関係において,商標法第4条第1項第11号には該当しない。 (2)本件商標と引用商標3について ア 本件商標 本件商標は,上記1のとおり,「凌雲」の漢字からなり,該文字に相応し「リョウウン」の称呼を生じるものである。 そして,「凌雲」は,「雲をしのぐように高いこと」などの意味を有する成語(広辞苑第7版)であるが,一般に親しまれた語とはいえないから,本件商標からは,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 イ 引用商標3 引用商標3は,別掲のとおり,上段に横長楕円輪郭内に漢数字「三」と思われる三本の横線を描いた図形(以下「図形部分」という。)を配し,中段に「三野島凌雲」の漢字,下段に「MINOSHIMA RYOUN」の欧文字を配してなるものであって,その構成中の「三野島凌雲」及び「MINOSHIMA RYOUN」の文字に相応し「ミノシマリョウウン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。また,上段の図形部分は特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。 そして,引用商標3は,その構成態様等から,その構成中「凌雲」及び「RYOUN」の文字部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情,又は,該文字以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないものと認めるに足りる事情は,いずれも見いだせないから,該文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されないものといわなければならない。 そうすると,引用商標3は,「ミノシマリョウウン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものというべきである。 ウ 本件商標と引用商標3との類否 (ア)外観 本件商標は,上記1のとおり,「凌雲」の漢字からなるものであり,引用商標3は,別掲のとおりの構成からなるところ,両者は,図形の有無,「三野島」,「MINOSHIMA RYOUN」の文字の有無において,明らかな差異を有するものであるから,外観において相紛れるおそれはない。 (イ)称呼 本件商標より生じる「リョウウン」の称呼と引用商標3より生じる「ミノシマリョウウン」の称呼とは,前半部における「ミノシマ」の音の有無に差異を有し,全体の構成音数,構成音を異にするものであるから,明瞭に聴別し得るものである。 (ウ)観念 観念においては,本件商標と引用商標3とは,いずれも特定の観念を生じないものであるから,比較できない。 (エ)小括 本件商標と引用商標3とは,観念において比較できないものであるとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,両商標が需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,非類似の商標というのが相当である。 そうすると,本件商標は,引用商標3の指定商品及び指定役務中,第16類「印刷物」と同一の商品に使用するものであるとしても,引用商標3とは非類似の商標であるから,引用商標3との関係においても商標法第4条第1項第11号には該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり,本件商標は,引用商標との関係において商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。 したがって,本件商標の登録は,同号に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標3) |
異議決定日 | 2019-01-23 |
出願番号 | 商願2017-68876(T2017-68876) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W16)
T 1 651・ 262- Y (W16) T 1 651・ 264- Y (W16) T 1 651・ 263- Y (W16) T 1 651・ 265- Y (W16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 泉田 智宏 |
特許庁審判長 |
小出 浩子 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 田村 正明 |
登録日 | 2018-06-22 |
登録番号 | 商標登録第6054949号(T6054949) |
権利者 | 有限会社凌雲書芸研究会 |
商標の称呼 | リョーウン |
代理人 | 木下 恵理子 |
代理人 | 高見 香織 |
代理人 | 岡部 讓 |