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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05
管理番号 1345999 
審判番号 不服2017-10924 
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-05 
確定日 2018-10-10 
事件の表示 商願2016-68931拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「じゃばら」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,カプセル,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成28年6月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『じゃばら』の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、『じゃばら』を主原料とする商品が存在することが認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、本願商標に接する需要者は、『じゃばらを主原料とする商品』であることを認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、当該商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「じゃばら」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、本願の指定商品中、「サプリメント」を取り扱う業界においては、別掲に示すとおり、近年、柑橘類のじゃばらに含まれる成分(ナリルチン)に花粉症等のアレルギー症状を抑制する効果があるとして、じゃばらを原材料に用いた商品が製造、販売されている実情があり、そのような商品にあっては、原材料にじゃばらを用いていることを表すべく、包装等に「じゃばら」の文字を表示することが一般に行われている。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「サプリメント」に使用したときは、これに接する需要者は、「じゃばら」の文字から果実の「じゃばら」を想起し、その商品が「じゃばらを原材料に用いた商品」であることを表示したものと理解し、単に商品の品質、原材料を表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品中、「サプリメント」との関係においては、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、サプリメントの原材料にじゃばらを含有するものも存在するが、その数は決して多いものではなく、また、原材料としての果実を意味する際においては「ジャバラ」と片仮名で記されることが通常である旨主張する。
しかしながら、請求人は、上記について主張するのみで何ら根拠を示していない。そして、実際に、じゃばらを原材料に用いた商品が少なからず製造、販売されていること、また、そのような商品にあっては、包装や原材料名欄等に、原材料を表すものとして「じゃばら」と平仮名で表示されたものが存在すること、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、他の登録例を挙げ、これらの指定商品について商標法第3条第1項第3号に該当せず、本願商標のみ同号に該当する理由はない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の需要者の認識を基準に個別具体的に判断されるべきものであるから、他の登録例が存在することをもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり、審決する。
別掲 別掲
1 「日本じゃばら普及協会」のウェブサイトにおいて、「和歌山県北山村に自生する柑橘類の果実『じゃばら』。・・・邪気を払うことから『じゃばら』と名付けられたと言われており、地元では正月料理には欠かせないものでした。・・・最近は花粉症に効くことが解明され、注目されている果実です。」との記載がある。
(http://jabarakyoukai.com/jabara1.html)
また、上記ウェブサイトにおいて、「■ 果皮に多く含まれる『ナリルチン』」の見出しの下、「じゃばらに含まれるフラボノイド成分『ナリルチン』は、果汁より果皮に13倍も多く含まれています。ですから、花粉症等のアレルギーの症状の改善を期待するなら、じゃばらの果汁よりも果皮を加工したサプリメント等の加工食品で摂取する方がより効果的です。」との記載がある。
(http://jabarakyoukai.com/jabara2.html)
2 「株式会社ラメール」のウェブサイトにおいて、「取扱商品>>じゃばら」の見出しの下、「じゃばらとは、全国唯一の飛び地村、和歌山県北山村を原産とするかんきつ類です。・・・じゃばらには、他のかんきつ類と比べ、フラボノイド成分(ナリルチン)が圧倒的に多く含まれており、季節の変わり目のシーズンには、昔からとても活躍しています。」との記載があり、「商品紹介」の項で、「ラメールじゃばら」、「じゃばら30粒」、「じゃばら粒PREMIUM」、「高濃度じゃばら粒」及び「じゃばらタブレット」との商品名の商品が紹介されており、いずれも、「主成分」の欄に「ナリルチン」との記載があり、「じゃばら」、「じゃばら粒」又は「じゃばらTABLET」の文字が表示された商品容器の画像が掲載されている。
(http://www.lamer-avs.co.jp/%E5%8F%96%E6%89%B1%E5%95%86%E5%93%81/%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%B0%E3%82%89/)
3 「百花園 漢方薬局」のウェブサイトにおいて、「二反田薬品 ヒスタガード 60粒」の見出しの下、「商品説明文」の項に「『二反田薬品 ヒスタガード 60粒』は、じゃばら(果皮)とべにふうき(茶葉)の2種類の天然素材を配合したヨーグルト風味の健康食品です。じゃばらは、フラボノイドのナリルチンを含む和歌山県北山村産の柑橘類で、べにふうきはメチル化カテキンを含む静岡県産の茶葉です。」との記載があり、「原材料名」の項に「じゃばら果皮乾燥粉末」との記載がある。
(https://www.hyakkaen-kanpou.com/hyakkaen41/hista-guard.htm)
4 「二反田薬品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「アレルキュア」の見出しの下、「商品説明」の項に「アレルキュアは、和歌山県北山村の特産柑橘類の『じゃばらの果皮』と・・・を配合したサプリメントです。邪気を払うといわれる“じゃばら” の果皮にはフラボノイドのナリルチンが他の柑橘類に比べて高濃度に含有されています。・・・いずれもつらい季節を快適に過ごしたい方におすすめの素材です。」との記載があり、「原材料名」の項に「じゃばら果皮乾燥粉末」との記載がある。
(http://www.nitandayakuhin.co.jp/sub_allercure.html)
5 「PRICEPT」のウェブサイトにおいて、「ムズムズが気になる花粉シーズンの切り札 じゃばら丸」の見出しの下、「和歌山県北山村じゃばら使用」、「●注目のフラボノイド『ナリルチン』が約190倍!」、「●・・・じゃばら果皮粉末を使用」及び「ナリルチン30mg(じゃばら果皮粉末500mg)」との記載とともに、「和歌山県北山村産じゃばら使用」の文字が表示された商品パッケージの画像が掲載されている。
(http://www.pricept.co.jp/syohin/jab.html)
6 「株式会社ジャバララボラトリー」のウェブサイトにおいて、「サプリメント『スーパーじゃばら』 8200円(消費税込み)」の見出しの下、「ナリルチン含有量の豊富なじゃばらの果皮を特殊製法で、まるごと粉末顆粒状に仕上げたサプリメントです!」との記載がある。
(http://www.jabaralaboratory.com/Jabaralaboratory/shang_pin_an_nei.html)
7 2013年2月20日付け「毎日新聞」地方版25ページにおいて、「サプリメント:特産で『花粉症抑制』 ジャバラ成分で錠剤、発売前に効果調査 モニター500人募集--北山 /和歌山」の見出しの下、「北山村は、花粉症に効くとされる村特産のかんきつ類『ジャバラ』の成分『ナリルチン』を錠剤にしたサプリメントを開発した。」との記載がある。
8 2011年12月16日付け「日本食糧新聞」3ページにおいて、「中野BC、花粉症の症状緩和のサプリ『アトピタン みかんとじゃばらの力』発売」の見出しの下、「和歌山の酒造大手で機能性食品の研究・開発を手掛ける中野BCは、花粉症の症状を和らげる効果が臨床実験で確認され話題となっている柑橘系の果実『ジャバラ』を使ったサプリメントを開発、12年1月11日から販売する。同品は、花粉症やアレルギーに効果があると研究発表されている、ジャバラの果皮に多く含まれる成分『ナリルチン』と、青ミカンの果皮の『ヘスペリジン』の特性を生かし、特許出願中の独自技術で開発した機能性食品。・・・●商品概要 ▽商品名=アトピタン みかんとじゃばらの力▽原料=ジャバラ(和歌山県産)、・・・」との記載がある。
9 2011年5月8日付け「大阪読売新聞」朝刊9ページにおいて、「[@らんだむ]5月8日」の見出しの下、「◆サプリメント『JOINじゃばらサプリ』(JA和歌山県農=和歌山市、1箱30包入り2940円)和歌山県北山村原産のかんきつ果実・ジャバラを使った健康補助食品。ジャバラには、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状の抑制効果があるとされるナリルチンが豊富に含まれている。ジャバラの皮を乾燥させて粉末にし、顆粒(かりゅう)状にした。1日1、2包の摂取が目安。」との記載がある。
10 2016年12月28日発行の「健康 2月号」(株式会社主婦の友インフォス)の152ページに掲載された「和歌山県幻の果実 じゃばら」と題する記事において、「花粉症のつらい症状、くしゃみ・鼻水を止める成分を豊富に含む『じゃばら』は副作用のない天然特効薬」及び「調味料として使われることの多かったじゃばらですが、花粉症に大きな効果があることが研究によって判明したのです。その正体は『ナリルチン』という成分。抗アレルギー作用に優れ、ヒスタミンというかゆみ物質が細胞から放出されるのを抑制してくれます。それにより、・・・花粉症のつらい症状が改善されるのです。」との記載がある。
11 2015年12月28日発行の「健康 2月号」(株式会社主婦の友インフォス情報社)の120ページに掲載された「じゃばらが効いた!」と題する記事において、「抗アレルギー成分のナリルチンが温州みかんの19.1個分!じゃばらで花粉症によるくしゃみ・鼻水が止まった」及び「花粉症の諸症状に即効性があるといわれるのが和歌山県特産の柑橘果実【じゃばら】です。」との記載がある。
12 2007年2月1日発行の「日経ヘルス2月号」(日経BP社)の110ページに掲載された「冬のミカン類」と題する記事において、「ユズは冷えに、ジャバラは花粉症に・・・この季節にうれしい効用がいっぱいです。」との記載がある。
13 「太陽堂製薬」のウェブサイトにおいて、「花粉じゃばらサプリ|北山村産じゃばらを使用 270粒/1ヶ月分」の見出しの下、商品説明として、「和歌山県北山村特産 幻の柑橘じゃばら!天然素材のじゃばらを飲みやすく粒錠へしました。」及び「原材料・成分 じゃばら果皮末」との記載があり、「じゃばらサプリ」の文字が表示された商品容器の画像が掲載されている。
(http://www.taiyoudoshop.com/?pid=94061121)
14 「薬日本堂オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、「スッキリ爽快 じゃばらサプリメント」の見出しの下、「フラボノイドの一種、ナリルチンが含まれている香酸柑橘(酸味が強い柑橘)『じゃばら』と3つの和漢素材を、特許を取得した製法で顆粒状に仕上げたサプリメントです。」との記載があり、「商品詳細」の項に、「名称 じゃばら果皮含有加工食品」及び「原材料 ・・・じゃばら果皮末」の記載があり、「じゃばら」の文字が表示された商品包装の画像が掲載されている。
(http://www.nihondo-shop.com/SHOP/496149020536.html)


審理終結日 2018-07-18 
結審通知日 2018-07-27 
審決日 2018-08-20 
出願番号 商願2016-68931(T2016-68931) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白鳥 幹周小田 昌子小林 稜 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 松浦 裕紀子
中束 としえ
商標の称呼 ジャバラ 
代理人 久保原 和也 
代理人 伊藤 洋実 
代理人 高橋 優介 

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