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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない(当審拒絶理由) W41
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない(当審拒絶理由) W41
管理番号 1329218 
審判番号 不服2016-7952 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-31 
確定日 2017-05-15 
事件の表示 商願2015- 93577拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなり、第41類「音楽の演奏,音楽の演奏・映画・演芸又は演劇の興行の企画又は運営,興行場の座席の手配,音楽演奏の教授,セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として、平成27年9月10日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由
審判長は、請求人に対し、平成28年11月2日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「四季」の文字は、「春、夏、秋、冬の四つの季節。」等の意味を、「コンサート」の文字は「公開演奏会、音楽会」の意味をそれぞれ有する語(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であり、「四季」の文字と「コンサート」の文字が、格助詞「の」で結合された構成からなるものである。そして、本願商標を構成する「四季の」及び「四季のコンサート」の文字並びに「季節を表す文字」と「コンサート」の組合せが、それぞれ別掲に示す例のように使用されている実情がある。
そうすると、別掲中(1)のとおり、「四季の」の文字が、「季節ごとに開催される」という開催時期を表す語として一般に使用され、また、(2)のとおり、「四季のコンサート」の文字が、指定役務中の「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」の分野において、「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会であること」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会であること」を表す文字として使用されている事実があり、更に、(3)のとおり、同分野において「季節を表す語」+「のコンサート」の文字が、その季節に開催される演奏会を意味する語として使用されている実情を踏まえると、「四季のコンサート」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」に使用するときは、これに接する需要者は「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会であること」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会であること」程の意味合いを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 拒絶理由通知に対する請求人の意見
請求人は、前記2の拒絶理由通知に対して、平成28年12月19日付けの意見書を提出し、要旨以下の主張をしている。
本願商標の構成中の「四季」の文字は、「春、夏、秋、冬の四つの季節。」の意味以外に、「ヴィヴァルディの『四季』」、「劇団名の『四季』」をも意味するものである。そうすると、本願商標である「四季のコンサート」の文字のみからは、本願指定役務との関係において、役務の質等を具体的に認識できず、演奏会の内容を特定できない一種の造語と認識されるものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号の規定に該当しないものである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「四季のコンサート」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2の当審における拒絶理由通知に示したとおり、本願商標をその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」に使用するときは、これに接する需要者は「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会」程の意味合いを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
ところで、請求人は、前記3の意見書において「『四季のコンサート』の文字のみからは、本願指定役務との関係において、役務の質等を具体的に認識できず、演奏会の内容を特定できない一種の造語と認識されるものである。」旨を主張している。
しかしながら、前記2のとおり、「四季の」の文字がイベントなどの開催時期を表す語として一般に使用され、また、「四季のコンサート」の文字及び「季節を表す語」+「のコンサート」の文字は、四季それぞれの季節毎に開催される演奏会又はいずれかの季節に開催される演奏会の名称として普通に採択、使用されている実情があることからすれば、本願商標は、これをその指定役務中「音楽の演奏,音楽の演奏の興行の企画又は運営」について使用しても、これに接する需要者をして、「春、夏、秋、冬の季節ごとに開かれる演奏会」又は「春、夏、秋、冬のいずれかの季節に開催される演奏会」であることを理解させるにとどまるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定役務中、上記役務に使用しても、これに接する需要者は、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、上記請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、審判請求書において、「本願商標は、出願人が代表者である静岡音楽友の会によって、継続的に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとなったから、商標法第3条第2項に該当する。」旨を主張し、証拠方法として、甲第3号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出している。
しかしながら、提出された証拠は、コンサートの開催案内のパンフレット(甲3及び甲5)、会員向けの会報誌(甲4)、インターネット上での紹介記事等(甲6)、新聞記事の抜粋(甲7)であり、これらの証拠からは、請求人が、静岡音楽友の会の代表者であって、1984年頃から「四季のコンサート」の文字を使用していることはうかがい知ることができるとしても、これらのパンフレット及び会報誌について、その頒布された部数、頒布地域及び頒布の方法が不明であり、広告宣伝の地域、規模も明らかにされていないから、どのくらいの範囲の需要者の目にふれたのか不明であって、開催されたコンサートについての規模、入場者数等についても明らかではない。
また、インターネット上における紹介記事も、該ウェブサイトへのアクセス数に関する資料の提出もなく、さらに、新聞記事の抜粋において掲載された回数も、決して多いとはいえないものである。
そうすると、本願商標は、取引者、需要者の間に広く認識されているとはいい難いものであり、その指定役務について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものでもないことから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)「四季の」の文字の使用について
ア 「気仙沼商工会議所」のホームページにおいて、「四季のイベント情報」の見出しの下、「催し物の紹介」の項に、「春のイベント(3月?5月)/夏のイベント(6月?8月)/秋のイベント(9月?11月)/冬のイベント(12月?2月)」の記載がある。
(http://www.kesennuma.or.jp/seazon/kcci0300.html)
イ 「一般社団法人 千歳観光連盟」のホームページにおいて、「平成28年度支笏湖四季のイベント開催日決定!」の見出しの下、「【四季のイベントスケジュール】」として、「《第40回支笏湖湖水開き》平成28年4月17日(日)/《第66回支笏湖湖水まつり》平成28年6月25日(土)・6月26日(日)/《第40回支笏湖紅葉まつり》平成28年10月9日(日)※雨天時は翌日順延/《2017千歳・支笏湖氷濤まつり》平成29年1月27日(金)?2月19日(日)24日間」の記載がある。
(http://www.1000sai-chitose.or.jp/article-3278.html)
ウ 「小諸市観光協会」のホームページにおいて、「四季のイベント」の見出しの下、春、夏、秋、冬に分けて、それぞれに「春のイベント」、「夏のイベント」、「秋のイベント」、「冬のイベント」として、各季節ごとに開催されるイベントの紹介が記載されている。
(http://www.kanko.komoro.org/event/index.html)
エ 「株式会社スタジオアリス」のホームページにおいて、「四季の行事」の見出しの下、「春」の項に、「お正月 人日の節句・七草 節分 ひな祭り」の記載、「夏」の項に、「端午の節句 八十八夜 七夕の節句 お盆」の記載、「秋」の項に、「重陽の節句 仲秋の名月 七五三」の記載、「冬」の項に、「事八日 冬至 大晦日・年越し」の記載がそれぞれある。
(http://www.studio-alice.co.jp/company/enjoy/season/index.html)
オ 「学校法人 桜ヶ丘幼稚園」のホームページにおいて、「四季の行事・イベント」の見出しの下、「春の行事」、「夏の行事」、「秋の行事」、「冬の行事」として、各季節ごとの行事が記載されている。
(http://www.sakuragaoka-kasugai.jp/event/)
カ 「東京都」のホームページにおいて、「報道発表資料[2016年7月掲載]」には、「小金井公園 四季の花まつり 夏の小金井公園を楽しもう!!」の見出しの下、「小金井公園では、園内の樹木や花の魅力を活かしたイベントを季節ごとに開催いたします。」の記載がある。
(http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2016/07/21q7r100.htm)
キ 「箕面FMまちそだて株式会社」のホームページにおいて、「四季のまつり」の見出しの下、「みのお・瀧道 四季のまつりとは 箕面の四季の魅力を自然ばかりでなく、歴史や文化の視点からも多くの方に知ってもらい楽しんでいただくことを願って、地元商店会が連携して始めました。『春』『夏』『秋』『冬』の年4回のイベントを開催し、今年で10年目となります。」の記載がある。
(http://machi.minoh.net/shiki_event/shikimatsuri.htm)
(2)「四季のコンサート」の文字の使用について
ア 多治見市の四季のコンサートについて
多治見市のホームページにおいて、「四季のコンサート」の見出しの下、「多治見市では、来庁者にとって市役所がより身近で親しみを持っていただける場所となるよう、職員有志からなる実行委員会が、季節ごとに(年に4回)市役所ロビーでコンサートを開催しております。」の記載がある。
(http://www.city.tajimi.lg.jp/kosodate/bunka/season.html)
イ 浜松音楽友の会の四季のコンサートについて
浜松音楽友の会のホームページにおいて、「2016年四季のコンサート・スケジュール」の見出しの下、「『四季のコンサート』は、発足して実に33年。会員の皆様には、本年度も、ご満足いただけるようなプログラムを提供致します。」の記載があり、続いて「春」、「夏」、「秋」、「冬」の項に、それぞれの季節で開催されるリサイタルや演奏会が紹介されている。
(http://www6.plala.or.jp/hamatomo/sch201600.html)
ウ 静岡県御殿場市の秩父宮記念公園の四季のコンサートについて
(ア)「御殿場総合サービス株式会社」のホームページにおいて、「月刊GSKニュース7月号発行!!」の見出しの下、掲載されている「2012年7月号 vol.003 月刊 御殿場市公共施設情報誌 GSK NEWS」の表紙に、「秩父宮記念公園 四季のコンサート・夏 雅楽の夕べ ?静寂の庭園で三管を奏でる?」の記載がある。
(http://g-sougou.co.jp/modules/info/archives/1260.html)
(イ)御殿場市ホームページにおいて、「広報ごてんば2011 11月7日号」の「情報ひろば 市民伝言版」に、「秩父宮記念公園 四季のコンサート 冬」、「『2011上原淳子 クリスマスコンサート?人生は美しい?』開催」の記載がある。
(http://city.gotemba.shizuoka.jp/citizen/pdf/231107/P1415.pdf)
(ウ)2011年9月29日付け朝日新聞 朝刊28ページには、「週・遊ガイド/静岡県」の見出しの下、「秩父宮記念公園・四季のコンサート・秋(御殿場市)10月4日午後7時・・・ポルトガルギターとマンドリンのアコースティックユニット『マリオネット』による演奏。全席自由2千円。」の記載がある。
(エ)2010年4月1日朝日新聞 朝刊34ページには、「週・遊ガイド /静岡県」の見出しの下、「音楽 四季のコンサート・春『フルートとソプラノの夕べ』(御殿場市)17日午後5時45分、東田中の秩父宮記念公園管理棟休憩所。『さくら変奏曲』『春の歌』など季節に合った曲目を披露。」の記載がある。
(3)「季節を表す語」+「のコンサート」の文字の使用について
ア 春のコンサート
(ア)「しなかん 品川区民管弦楽団」のホームページにおいて、「コンサートのご案内」の見出しの下、「2017品川区民春のコンサート/(第55回品川区民管弦楽団定期演奏会)/2017年5月20日(土)開場:18時/開演:18時30分」の記載がある。
(http://www.shinakan.org/contents/concert.htm)
(イ)「めぐろパーシモンホール」のホームページにおいて、「公演情報」の項に、「公演日2016年3月12日(土)/フレッシュ名曲コンサート めぐろパーシモンホール 春のコンサート」の記載がある。
(http://www.persimmon.or.jp/performance/hosting/20150706104701.html)
(ウ)「よみうり大手町ホール」のホームページにおいて、「イベント情報」の項に、「女声合唱団しおん 春のコンサート/2016年04月17日(日)14時00分」の記載がある。
(http://yomi.otemachi-hall.com/event/event_2823.html)
イ 夏のコンサート
(ア)「国立音楽大学」のホームページにおいて、「演奏会・イベント」の項に、「夏のコンサート2016」、「2016年度演奏会/日時:2016年8月1日(月)15:00/会場:国立音楽大学講堂大ホール/料金:無料」の記載がある。
(http://www.kunitachi.ac.jp/event/concert/college/20160801_01.html)
(イ)「せたおん 公益財団法人せたがや文化財団 音楽事業部」のホームページにおいて、「イベント詳細」の項に、「せたがやジュニアオーケストラ 夏のコンサート/2016年8月6日(土)14:00開演/世田谷区民会館」の記載がある。
(http://setagayamusic-pd.com/ )
ウ 秋のコンサート
(ア)「しなかん 品川区民管弦楽団」のホームページにおいて、「コンサートのご案内」の見出しの下、「2016品川区民秋のコンサート/2016年11月12日(土)/開場:18時/開演:18時30分」の記載がある。
(http://www.shinakan.org/contents/concert.htm)
(イ)「東京国立博物館」のホームページにおいて、「催し物」の「過去のコンサート」の項に、「東京国立博物館 秋のコンサート?クロアチアからなみはずれたカリスマ性と繊細な音楽を創り出すリストコンクール優勝者?」、「日程 2016年9月22日(木)/時間 15:00(開場14:30)/会場 平成館-ラウンジ」の記載がある。
(http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl=11=8539)
(ウ)「上野学園大学短期大学部」のホームページにおいて、「お知らせ」の「演奏会・イベント」の項に、「9月10(土)ウインド・アンサンブル『秋のコンサート』のお知らせ」「【日時】平成28年9月10日(土)開演17:00(16:30開場)/【会場】上野学園石橋メモリアルホール」の記載がある。
(http://www.uenogakuen.ac.jp/junior_college/news/2016/post_168.html)
エ 冬のコンサート
(ア)「東京両国 シアターXカイ」のホームページにおいて、「GARMOSHKA/『GARMOSHKA 冬のコンサート?ロシアの宝箱?』/2016年1月9日(土)/ロシア民族音楽&舞踊アンサンブル」の記載がある。
(http://www.theaterx.jp/16/160109-160109t.php)
(イ)「Largo 中央区交響楽団」のホームページにおいて、「演奏会のご案内」の見出しの下、「2016冬のコンサート」、「日時:2016年11月27日(日) 開場13:30 開演14:00/場所:ミューザ川崎シンフォニーホール」の記載がある。
(http://www.cso-arts.net/)
(ウ)「りぶらサポータークラブ」のホームページにおいて、「ニュース」の項に、「冬のコンサート2015/日時:12月19日(土)/場所:お堀通り1階」の記載がある。
(http://www.libra-sc.jp/news/2015111714510970.html)


審理終結日 2017-03-06 
結審通知日 2017-03-10 
審決日 2017-03-24 
出願番号 商願2015-93577(T2015-93577) 
審決分類 T 1 8・ 17- WZ (W41)
T 1 8・ 16- WZ (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 中束 としえ
木住野 勝也
商標の称呼 シキノコンサート、シキノ、シキ 
代理人 入江 一郎 

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