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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2425
審判 全部申立て  登録を維持 W2425
審判 全部申立て  登録を維持 W2425
審判 全部申立て  登録を維持 W2425
管理番号 1326128 
異議申立番号 異議2016-685018 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-02 
確定日 2017-01-18 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1249686号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1249686号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1249686号商標(以下「本件商標」という。)は,「MERYL THERMOLOFT」の欧文字を横書きしてなり,2015年3月11日にSpainにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2015年(平成27年)3月26日に国際商標登録出願,平成28年3月24日に登録査定,第24類「Fabric;fabric suitable for sportswear;fabric that protect from the cold.」及び第25類「Ready-made clothing.」を指定商品として,同年5月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第546096号商標(以下「引用商標」という。)は,「THERMOSOFT」の欧文字を横書きしてなり,2012年(平成24年)2月2日に国際商標登録出願(事後指定),第20類「Mattresses;pillows;cushions.」,第22類「Raw textile fibers;padding materials in natural or synthetic fibres;cotton wadding,kapok,feathers,seaweed for stuffing.」及び第25類「Dresses made from skins;sports dresses;men’s,ladies’ and children’s clothing;shirts;blouses;skirts;jackets;pants;shorts;undershirts;knitwear;pajamas;socks;jerseys;bodices;garter belts;bodysuits;slippers;shoes;hats;collar protectors;scarves;neckties;raincoats;overcoats;coats;bathing suits;sports suits;anoraks;ski pants;belts;padded clothing for cold climates.」を指定商品として,平成25年5月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「MERYL THERMOLOFT」の文字を書してなるところ,「MERYL」と「THERMOLOFT」の文字部分はスペースによって隔てられているから,本件商標は,「MERYL」と「THERMOLOFT」とに分離して認識される。
一方,引用商標は,「THERMOSOFT」の文字を書してなるものである。
本件商標と引用商標を比較するに,本件商標は,「THERMOLOFT」の文字部分より「サーモロフト」の称呼を生じるのに対し,引用商標は,「THERMOSOFT」の文字より「サーモソフト」の称呼を生じるから,両称呼は類似する。
また,本件商標の「THERMOLOFT」の文字部分と,引用商標の「THERMOSOFT」の文字は,中間よりやや後に位置する「L」と「S」において相違するところ,この相違が互いを識別させるほど主たる存在とはいえないことから,両商標は消費者にとって相紛らわしく,出所の混同を避けられないほど類似しているといえる。
加えて,申立人(引用商標の権利者)は,当該商品区分の属するマーケットにおける世界的な有名企業であり,「THERMO」の文字からなる非常に有名な商標を世界中で取得し,長年にわたり保持・使用している。申立人は,本件商標の出願時には既に,「THERMO」から始まる文字列を要部として含む第9類,第17類,第22類,第24類,第25類等の区分に関する商標を広く取得している(甲2?甲7)。そのイメージに基づけば,「THERMO」部分の文字列が非常に重要であるから,本件商標の「THERMO」に続く文字のみが「L」であって,その次に「OFT」という共通の文字列が続く構成は,引用商標と識別が容易ではない。
また,本件商標中の「MERYL」の文字部分は,ありふれた氏名が普通に使用されているものであり,独占的に使用されるべきものではない。つまり,本件商標においては「THERMOLOFT」部分が商標の要部である。
その結果,本件商標を使用して業務を行う場合,申立人の事業に係る商品及び役務と混同するおそれがあるものと認められる。よって,本件商標は,申立人の業務における需要者及び取引者の間において広く認識されている商標(周知商標),特に引用商標と出所を混同するおそれがあるといえる。
さらに,本件商標の指定商品中,第25類「Ready-made clothing.」は,引用商標の指定商品,第25類「Dresses made from skins;sports dresses;men’s,ladies’ and children’s clothing;shirts;blouses;skirts;jackets;pants;shorts;undershirts;knitwear;pajamas;socks;jerseys;bodices;garter belts;bodysuits;slippers;shoes;hats;collar protectors;scarves;neckties;raincoats;overcoats;coats;bathing suits;sports suits;anoraks;ski pants;belts;padded clothing for cold climates.」と同一又は類似の商品である。
以上より,本件商標は,引用商標と類似の商標であって,かつ,本件商標の指定商品中,第25類「Ready-made clothing.」は引用商標の指定商品と同一又は類似であるから,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標の権利者である申立人は,第9類,第17類,第22類,第24類,第25類等の区分について,「THERMO」の文字からなる非常に有名な商標を世界中で取得し,長年にわたり保持・使用しており(甲2?甲7),当該商品区分の属するマーケットにおける世界的な有名企業である。なお,甲第3号証ないし甲第7号証は日本を指定国に含む商標である。
本件商標と引用商標は,前記(1)で述べたとおり,類似の商標である。
以上のとおり,引用商標は申立人の業務に係わる商品・役務を表すものとして周知・著名であり,本件商標と引用商標は消費者にとって相紛らわしく,出所の混同を避けられないほど類似しているといえる。また,本件商標の指定商品のうち,第24類の指定商品「Fabric;fabric suitable for sportswear;fabric that protect from the cold」は被服とも関連し,特に「fabric suitable for sportswear」は引用商標の第25類「sports dresses;bathing suits;sports suits;anoraks;ski pants」と,「fabric that protect from the cold」は引用商標の第25類「padded clothing for cold climates」と非常に関わりの深い商品である。
よって,本件商標がその指定商品に使用された場合,商標権者が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者であると誤認を生じるおそれがあることから,当該商品の需要者が商品の出所について混同するおそれは極めて大きいといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,前記1のとおり,「MERYL THERMOLOFT」の欧文字を横書きしてなるところ,これらの欧文字は,同じ大きさ,同じ書体でまとまりよく一体的に表されており,構成文字全体から生じる「メリルサーモロフト」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,前半の「MERYL」の欧文字は,女子名を表す語(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典 第二版)として辞書に掲載されているものの,我が国において広く一般に知られている語であるとはいい難いこと,また,後半の「THERMOLOFT」の欧文字は,辞書類に掲載が見当たらないことから,いずれも特定の観念を有しない造語として認識されるものである。
そうすると,本件商標は,その構成全体をもって一体不可分の商標を表したものとみるべきであり,他に,構成中の「THERMOLOFT」の文字部分を分離して把握・認識しなければならない特別の事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,全体の構成文字に相応して「メリルサーモロフト」の一連の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は,前記2のとおり,「THERMOSOFT」の欧文字を横書きしてなるところ,これより「サーモソフト」の称呼を生じ,該文字は辞書類に掲載が見当たらないことから,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較するに,両者の文字数及び文字構成は明らかに異なるものであるから,外観において相紛れるおそれはない。
また,本件商標から生じる「メリルサーモロフト」の称呼と,引用商標から生じる「サーモソフト」の称呼とは,その音構成及び音数が著しく異なるものであるから,称呼において相紛れるおそれはない。
さらに,観念については,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから,観念において相紛れるおそれもない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから,非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号には該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は,第9類,第17類,第22類,第24類,第25類等の区分において,「THERMO」の文字からなる商標を世界中で取得し,長年にわたり保持・使用しており,申立人が当該商品区分の属するマーケットにおける世界的な有名企業であると主張するとともに,甲第2号証ないし甲第8号証を提出している。
しかし,上記各号証は,いずれも申立人の所有する商標の公報類の写しにすぎないものであって,他に,引用商標又は申立人の所有に係る商標が,需要者の間に広く知られていることを定量的に把握できる証拠は,何ら提出されていない。
そして,当審において職権をもって調査しても,引用商標又は申立人の所有に係る商標が,我が国において周知,著名であるとすべき事情は見いだすことができなかった。
してみれば,本件商標をその指定商品に使用しても,取引者,需要者をして,引用商標又は申立人を連想,想起させるものとまでは認めることができないから,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-01-13 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W2425)
T 1 651・ 271- Y (W2425)
T 1 651・ 261- Y (W2425)
T 1 651・ 263- Y (W2425)
最終処分 維持  
前審関与審査官 西田 芳子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小林 裕子
田村 正明
登録日 2015-03-26 
権利者 NYLSTAR, S.A.U.
商標の称呼 メリルサーモロフト、メリルテルモロフト、メリル、サーモロフト、テルモロフト 
代理人 吉川 俊雄 
代理人 特許業務法人栄光特許事務所 

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