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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 |
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管理番号 | 1326108 |
異議申立番号 | 異議2012-900195 |
総通号数 | 208 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-07-12 |
確定日 | 2013-02-08 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 登録第5484880号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5484880号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5484880号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROCK ICE」の欧文字と「ロックアイス」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成23年5月20日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として、同24年3月14日に登録査定され、同年4月6日に設定登録されたものである。 2 引用商標 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5299405号商標(以下「引用商標」という。)は、「ICE-WATCH」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年8月5日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,時計の部品及び付属品,時計用箱及び時計ケース」を指定商品として、同22年2月5日に設定登録されたものである。その後、本件商標に係る商標権については、放棄による本商標権の登録の抹消が、同年6月2日に受付され、その登録の抹消がなされているものである。 3 本件登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当すものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由の要旨以下のように述べ、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ROCK ICE」・「ロックアイス」という構成から「飲み物などに入れるための砕いた氷」といった「氷」に関わる観念が生じ、「ロックアイス」との称呼を生ずる。 他方、引用商標は、「ICE」が「氷」、「WATCH」が「時計」を意味することから、指定商品「時計」との関係で、強く支配的な印象を与える部分は「ICE」であり、当該部分から「氷」の観念、そして「アイス」の称呼が生じるものである。 本件商標と引用商標とを比較すると、その外観上、欧文字「ICE」の構成部分に関してはー致しており、観念については、本件商標からは「飲み物などに入れるための砕いた氷」といった「氷」に関わる観念が生じるとともに、引用商標からは「氷」という観念が生じるものであり、称呼上も、両商標は「アイス」の部分では一致する。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観において「ICE」が共通であるから一定程度の共通性が認められ、観念は、登録商標が「飲み物などに入れるための砕いた氷」に関するものであるとしても、「氷」という意味を含む「ICE」を共通にしているから、相当程度共通しており、称呼も「ロックアイス」と「アイス」であって相当程度共通しているといえるものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標の指定商品は、第14類「時計」であり、引用商標の指定商品は第14類「時計、時計の部品及び付属品、時計用箱及び時計ケース」である。 引用商標「ICE-WATCH」は、2007年にベルギー国において誕生して以来、世界70か国以上で拡販されるに至ったファッションウォッチに使用されている商標であり、その時計は、圧倒的なカラーバリエーションとポリカーボネイトやシリコンラバーなどのユニークな素材、斬新でかつ様々なデザインを特徴とし、「価格が手ごろでありながら上質なデザイン」というコンセプトのもと、国や文化、年齢を超えて、世界で急速に周知度を高めた。我が国においても、例えば、2009年から2011年刊行の「WATCH NEXT」「Ray」「Tokyo Walker」等の48種類の雑誌、2012年にも「EUe Girl」「Gainer」等々、毎年、極めて数多くの雑誌に掲載されている(甲第3号証及び第4号証)。このように、毎年極めて数多くの雑誌に繰り返し紹介され、世界70か国のみならず、我が国においても広く知られるに至り、構成要素「ICE」が強い支配的な印象を与える状況下においては、引用商標はその構成部分「ICE」に着目して単に「ICE」とのみ簡略化されて、認識されることが多いといえる。 かかる事情にかんがみれば、引用商標の使用されている商品が現実に流通している市場において、本件商標がそれと同一又は類似する商品「時計」に付されて市場に流通した場合は、市場における具体的な事情に基づいて判断すれば、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるのは必定といわざるを得ず、その結果、申立人の商品の出所と一体関係にあると信じて商品を購入しようとする需要者の期待を裏切ることになる。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、前記1及び2のとおりの構成よりなるところ、引用商標の登録は、前記2のとおり、権利放棄による本商標権の登録の抹消が平成22年6月2日に受付され、その登録の抹消がなされているものである。 してみれば、本件商標について登録査定がなされた平成24年3月14日の時点においては、既に、引用商標の商標権は消滅していたものであるから、商標法第4条第1項第11号についての申立てについては、理由がないものといわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 甲第3号証は、ICE-WATCHのホームページにおける商品掲載刊行物抜粋と称する、2009年3月から2012年9月までの雑誌の表紙と思われるが、該表紙においては、「ICE-WATCH」の文字が確認できるのは僅か2つにすぎず、他にはどこにも見あたらないから、申立人の商品が多数の雑誌に紹介されたものであると認めることはできない。 甲第4号証は、ICE-WATCHの紹介雑誌の一例紹介とするものであり、そこには、「アイスウォッチ」や「ICE-WATCH」の記載と、例えば、「今、大ブレイク中のベルギー発ファッションウォッチ」、「世界15ヶ国で展開するベルギー初のファッションウォッチブランド」と記載され、2009年3月から2012年8月頃に申立人の商品が雑誌に紹介されたことが認められる。 しかしながら、提出された証拠によっては、我が国における商品の販売数量、売上高、雑誌の配布部数等、引用商標の周知著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていないものであるから、引用商標が時計について我が国である程度は使用されていることは認め得るとしても、これをもって、本件商標の登録出願時及び査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 そうとすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これより直ちに、引用商標を連想、想起させるものとはいえないから、需要者をして、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2013-01-31 |
出願番号 | 商願2011-34463(T2011-34463) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(X14)
T 1 651・ 271- Y (X14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄 |
特許庁審判長 |
大橋 信彦 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 渡邉 健司 |
登録日 | 2012-04-06 |
登録番号 | 商標登録第5484880号(T5484880) |
権利者 | 小久保製氷冷蔵株式会社 |
商標の称呼 | ロックアイス、ロック、アイス、アイシイイイ |
代理人 | 下山 冨士男 |
代理人 | 田中 秀樹 |
代理人 | 前田 和男 |