ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
不服20195781 | 審決 | 商標 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 W43 |
---|---|
管理番号 | 1324959 |
審判番号 | 不服2016-17528 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-11-24 |
確定日 | 2017-02-10 |
事件の表示 | 商願2016-4956拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第43類「焼肉を主とする飲食物の提供」を指定役務として,平成28年1月18日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5089176号商標(以下「引用商標」という。)は,「牛八」の漢字を標準文字で表してなり,平成19年3月14日登録出願,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,同年11月2日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,上段に「King of Yakiniku」の欧文字を筆記体で書し,その下に,中央部から左右対象に広がりながら上昇するような二本の線図形を,その両端が上段の欧文字の語頭及び語尾に結合するように描き,その下段に「USHIHACHI」の欧文字をゴシック体で書してなる。上段と下段の文字部分は,書体を異にし,その間に書された線図形もあいまって,視覚上分離して認識されるばかりでなく,本願指定役務との関係においては,「焼肉の王様」の意味合いを看取させる上段の「King of Yakiniku」の文字部分が,特定の意味合いを有しない造語よりなる「USHIHACHI」の文字部分に冠されていることで,本願商標全体としても「焼肉の王様『USHIHACHI』」程の意味合いで理解されるものである。そうすると,本願商標は,上段の文字部分は出所識別標識としての機能がそれほど強いものとはいえないのに対し,下段の文字部分は焼肉の王様とまで呼ばれる固有名称と理解され,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,下段の文字部分のみを抽出し,他人の商標と比較して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。 したがって,本願商標は,その構成全体から「キングオブヤキニク・ウシハチ」の称呼及び「焼肉の王様『USHIHACHI』」の観念が生じるほか,「USHIHACHI」の文字部分に相応して「ウシハチ」の称呼が生じるが,当該文字部分から特定の観念は生じない。 (2)引用商標について 引用商標は,「牛八」の漢字を標準文字で表してなるから,これより生じ得る称呼は「ギュウハチ」又は「ウシハチ」であると考えられる。 ところで,本願指定役務との関連も深い飲食物との関係において,「牛タン」(ギュウタン),「牛丼」(ギュウドン),「牛肉」(ギュウニク),「牛乳」(ギュウニュウ),「牛飯」(ギュウメシ)などのように(参照 広辞苑第六版,岩波書店発行),語頭にある「牛」の漢字を「ギュウ」と読む例が多く見られる。また,請求人提出の証拠によれば,引用商標権者が運営管理する岡山市及び倉敷市内の焼き肉店「和牛焼肉 牛八」においても,「牛八」の漢字を「ギュウハチ」と称していることが認められる(甲16?21)。 このような取引の実情をも勘案すれば,引用商標から「ウシハチ」の称呼が生じる可能性があることを否定できないものの,通常は主として「ギュウハチ」の称呼をもって取引されると判断するのが相当である。また,引用商標は,特定の意味合いを有しない造語とみるのが相当であるから,特定の観念は生じない。 (3)本願商標と引用商標の類否 本願商標の要部である「USHIHACHI」の文字部分と引用商標「牛八」とを対比するに,両者は,外観において明らかに相違し,観念においては共に生じないから比較することはできず,観念において相紛れるおそれはない。そして,称呼についても,上記(2)のとおり,引用商標から主に生じる称呼は「ギュウハチ」であると認められるところ,この称呼と本願商標「ウシハチ」の称呼とは,共に4音からなり,後半の「ハチ」の2音を共通にしているが,前半の「ギュウ」と「ウシ」の2音は明らかに相違するから,それぞれを一連に称呼しても明瞭に聞き分けることができる。 以上を総合的に考慮すれば,本願商標の要部と引用商標とは,引用商標の主たる称呼である「ギュウハチ」との関係では,外観,観念及び称呼のいずれにおいても相紛れるおそれはないから,引用商標から「ウシハチ」の称呼が生じる可能性があるとしても,通常,その取引において両者の出所について誤認混同を生じるおそれは認め難いというべきである。 また,本願商標と引用商標との対比においては,本願商標の「King of Yakiniku」の文字部分による相違も加わることでなおさら,外観,観念及び称呼の相違の程度は顕著なものと認められる。 したがって,本願商標と引用商標とは,外観,観念及び称呼のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であると認めることができる。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審決日 | 2017-01-31 |
出願番号 | 商願2016-4956(T2016-4956) |
審決分類 |
T
1
8・
26-
WY
(W43)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大森 友子 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
田村 正明 阿曾 裕樹 |
商標の称呼 | キングオブヤキニクウシハチ、キングオブヤキニク、キングオブ、ウシハチ |
代理人 | 土野 史隆 |
代理人 | 香原 修也 |
代理人 | 藤田 雅彦 |
代理人 | 古井 かや子 |