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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W19
審判 全部申立て  登録を維持 W19
審判 全部申立て  登録を維持 W19
管理番号 1318245 
異議申立番号 異議2015-685019 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-11 
確定日 2016-05-24 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1194569号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1194569号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1194569号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第19類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2013年(平成25年)12月15日にIsraelにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同月17日に国際商標登録出願され、第19類「Wall and floor tiles made of composite stones or quartz;wall cladding of stones or quartz;flooring tiles and ceiling panels made of stones or quartz;floor boards of quartz or composite stone for tile floors;expansion joints for floors and walls made of stones or quartz;profiles for floors and windows and floor skirting boards,made of stones or quartz;slabs and tiles formed of composite stone for building panels,counter tops,vanity tops,floors,stairs,and walls;building materials,namely,counter tops,vanity tops,table tops,bar tops,tops and facing surfaces for furniture,reception desks,backsplash and surroundings,all the above goods made of stones and quartz.」を指定商品として、平成27年2月24日に登録査定、同年4月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第618349号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2005年(平成17年)12月20日に国際商標登録出願(事後指定)、第19類「Building materials of ceramics,floor and wall tiles of ceramics,floor covering of ceramics.」を指定商品として、平成20年2月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号によって、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。
(1)本件商標
本件商標は、渦巻き図形を頭書に記し、欧文字「caesarstone」をありふれた書体で一連に横書きした構成で、本件商標からは、その構成文字に相応して「シーザーストーン」及び「カエサルストーン」の称呼が生ずる。
さらに、本件商標の語尾を占める欧文字「stone」は、本件商標の指定商品が、「the above goods made of stones and quartz」(前述の全ての商品は、石材及び石英からなるもの)であることから、商品の材料を示すものとして、取引者及び需要者に容易に理解されるので、本件商標の語尾にある欧文字「stone」は、省略され、本件商標の要部である「caesar」に基づいて、「シーザー」又は「カエサル」の称呼と、紀元前における共和政ローマ期の著名な政治家・軍人であったシーザーの観念とが生ずる。
(2)引用商標
引用商標は、欧文字「CAESAR」の2番目の文字「A」と3番目「E」とを括り文字にして、ありふれた書体で一連に横書きし、欧文字の前後に図形を配した構成であるから、その構成文字に従い「シーザー」又は「カエサル」の称呼を生ずるとともに、紀元前における共和政ローマ期の著名な政治家・軍人であったシーザーの観念を生ずる。
(3)本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標を比較すると、両商標は、共に、「シーザー」又は「カエサル」の称呼を生ずるだけでなく、紀元前における共和政ローマ期の著名な政治家・軍人であったシーザー又はカエサルの観念が生ずる。
また、本件商標の指定商品の類似群は、07D01であり、一方、引用商標の類似群は、07A02であるが、両商品は、日本にあるホームセンターでは、向かい合わせの棚又は背中合わせの棚に販売展示されているものであり(甲3?甲6)、共に、床又は壁に施工するタイルであって、その取引者は、建材業者であり、需要者は、タイル施工業者又は日曜大工を趣味とする一般消費者であるから、その販売部門、用途及び需要者の範囲は、一致する。
さらに、引用商標の指定商品の中には、外観が、石材であるかの印象を与えるものも存在するものであり、とりわけ、申立人は、我が国の複数の業者に、多量のタイル製品を納入しており(甲11、甲12)、引用商標は、その指定商品に現実に使用されている。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似し、かつ、観念上も共通するところがあると認められ、各々の指定商品も類似すると認められることから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標は、別掲1のとおり、渦巻き図形及び「caesarstone」の欧文字からなるものであるところ、当該文字部分は、同一のデザイン文字により、同じ大きさで表されていて、いずれかの文字が顕著に表されているものではなく、視覚上、一体のものとして、看者に認識されるというのが自然である。さらに、その構成文字全体から生ずる「シーザーストーン」の称呼は長音を含めても8音という、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標のかかる構成態様及び称呼にあっては、構成中の「caesar」の文字部分のみが独立して強い印象を与えるものではないから、本件商標は、全体が不可分一体のものとして、取引者、需要者に認識されるとみるのが相当である。
そして、申立人提出に係る甲各号証により、引用商標が、その指定商品に使用されていることは認められるものの、その需要者等に広く知られているものとは認められず、その他に、本件商標が、その構成中「caesar」の文字から生ずる称呼、観念をもって商品の取引に当たるというべき事情はないというべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字全体が一体不可分のものであり、「シーザーストーン」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない一種の造語からなるものとして認識し把握されるというのが相当である。
一方、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるものであり、前後に菱形図形を配した「CAESAR」の文字からなるものと看取し得るものであって、その構成文字中の「A」と「E」の欧文字を一体に結合したデザインにおいて特徴を有するものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「シーザー」の称呼及び「ローマ皇帝」の観念を生じるものと認められる。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討すると、本件商標と引用商標とは、別掲1及び別掲2のとおり、その構成中の図形及び構成文字のデザインが顕著に相違するから、明らかに異なる印象を与えるものであり、外観上、見誤るおそれはない。
また、本件商標から生ずる「シーザーストーン」の称呼と引用商標から生ずる「シーザー」の称呼を比較しても、その構成音数及び「ストーン」の音の有無という明らかな差異を有することから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、互いに聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、「ローマ皇帝」の観念を生じる引用商標と、観念において相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
なお、申立人は、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、ホームセンターで近接した場所に置かれ、一般の消費者を需要者とするものであって、引用商標に係る商品は、その外観が石材であるかのような印象を与えるものも存在するから、両商品の出所について混同を引き起こすと主張するが、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に、ホームセンターのような量販店において販売される場合があり、また、当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないところ、むしろ、両商品は、原材料の相違により、商品の品質・使用場所・施工法が顕著に異なるものであり、また、製造過程及び生産者も異なるものであって、通常、建築材料を専門に取り扱う業者により販売される場合の多い商品であるというべきであるから、これらを総合的に考慮すると、請求人の主張のみにより、類似する商品と判断すべきでなく、かつ、上記のとおり、本件商標と引用商標とは、商標自体、非類似であると認められる。
よって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨の申立人の主張は採用することができない。
(2)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


異議決定日 2016-05-19 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W19)
T 1 651・ 263- Y (W19)
T 1 651・ 261- Y (W19)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浜岸 愛 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 堀内 仁子
豊泉 弘貴
登録日 2013-12-17 
権利者 CaesarStone Sdot-Yam Ltd.
商標の称呼 シーザーストーン、カエサルストーン、シーザー、カエサル 
代理人 小川 利春 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 泉名 謙治 
代理人 青島 恵美 
代理人 柳生 征男 

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