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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0532
審判 全部申立て  登録を維持 W0532
審判 全部申立て  登録を維持 W0532
管理番号 1312085 
異議申立番号 異議2015-685011 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-03-30 
確定日 2015-12-24 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1145576号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1145576号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1145576号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,2013年(平成25年)7月9日に国際商標登録出願(事後指定),第5類「Pharmaceutical,veterinary and sanitary preparations;nutritional supplements (not for medical purposes),namely made from plants and weed extracts for physiological purposes;nutritional additives and dietary foods for medical purposes including based on active components and extracts of marine animals,plants,marine plants,herbs,fruits and vegetables;nutritional supplements (not for medical purposes),mainly consisting of extracts and active components from fruits,vegetables,marine plants,marine animals,fish,shellfish and dried herbs.」及び第32類「Sports drinks and beverages.」を指定商品として,同27年1月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録第4371813号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成10年9月22日に登録出願,第5類「食餌療法用食品,食餌療法用飲料,食餌療法用栄養補助剤,カプセル状・タブレット状・パウダー状・顆粒状の医療用ハーブエキス,漢方薬,医療用栄養補助剤,薬用製剤,食欲制御及びウエイト管理のための医療用薬剤,医療用浴用泥,獣医科用栄養補給剤及び動物用薬剤,ビタミン剤,ミネラル剤,パウダー状栄養剤,外皮用ローション剤,その他の外皮用薬剤,口中清潔剤,酵素製剤,医療用及び医薬用化学剤,医薬用消化剤,医療用内服液,医療用バルサム,鎮痛剤,鎮静剤,日焼け軟膏,医薬用日焼け剤,歯科用薬剤,防臭剤(身体用のものを除く。),その他の薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として,同12年3月31日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,商標法第43条の2第1号により,その登録は,取り消されるべきものである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第10号証及び欧州共同体商標意匠庁による国際登録第1145576号商標に対する異議決定書(写し)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 称呼について
引用商標は,別掲2のとおり,図形及び「PuraPharm」の文字を組み合わせてなり,当該「PuraPharm」の文字より「ピュラファーム」の称呼が生ずる。
本件商標は,別掲1のとおり,図形及び「PURE」,「PHARMA」の文字を組み合わせてなり,その文字部分より「ピュアファーマ」の称呼が生ずる。
引用商標から生じる称呼「ピュラファーム」と本件商標から生じる称呼「ピュアファーマ」を比較すると,共に5音より構成され,共に4音目が長音であるため,同じ調子(リズム)で称呼される。
また,称呼の違いに大きな影響を有する語頭において「ピュ」の音が共通し,また3番,4番目の音「ファー」も共通している。
差異を有する第2番目の音「ア」と「ラ」は,聴別しづらい中間音であり,母音を共通としている。また,第5番目の音が「マ」と「ム」と異なっているが,両唇を開き呼気を鼻にぬいて出す鼻子音「m」を共通にし,帯有母音が「a」か「u」の差にすぎず,これらの音は,特に語尾に位置する場合,明瞭に聴取され難いものである。
このように,引用商標と本件商標は,称呼において大部分が共通する一方,差異点も聴別し難いものであるから,両商標は,称呼において類似している。
イ 外観について
引用商標は,「PuraPharm」の欧文字と図形からなり,本件商標は,「PURE」,「PHARMA」の欧文字と図形からなるから,本件商標の10文字中8文字は,引用商標と共通している。
両商標は,それぞれ異なる図形要素を含むものであるが,商標の現実における使用の場面においては,図形部分を省略し,文字部分のみが使用されることもごく一般的に起こり得るものである。実際,本件商標も,出願人のウェブサイトにおいては,図形要素なしに使用されている例がある(甲3,甲4)。
よって,図形要素が異なるからといって,文字部分の類似性を否定することは穏当ではない。
以上より,引用商標と本件商標は,外観においても類似する。
ウ 観念について
引用商標の文字部分中,「PURA」の欧文字は,特定の観念を想起させるものではないが,「PHARM」の欧文字は,「pharmaceutical」や「pharmacy」の略語として使用されているため,「薬剤」,「薬局」といった意味を想起させる。また,引用商標の図形要素は,特定の観念を想起させるものではない。
一方,本件商標中の「PURE」の欧文字は,「純粋な」といった意味合いを有する英語であり,「PHARMA」の欧文字は,「pharmaceutical」や「pharmacy」の略語として使用されている。
よって,本件商標からは,「純粋な薬剤」,「純粋な薬局」といった意味合いを想起させるから,引用商標と本件商標は,観念において一部共通するものであり類似といえる。
エ まとめ
以上のとおり,本件商標と引用商標は,称呼・外観・観念のいずれにおいても類似しており,互いに相紛らわしい類似した商標である。
(2)指定商品について
引用商標の指定商品は,第5類に属する前記2に記載のとおりのものであり,一方,本件商標の指定商品は,第5類及び第32類に属する前記1に記載のとおりのものである。
審査基準においては,商品「food supplements(サプリメント,栄養補助食品)」や「Sports drinks and beverages(スポーツ飲料)」は商品「薬剤」とは非類似であるとされている。
しかしながら,製薬会社がサプリメントやスポーツ飲料を製造したり(甲5ないし甲8),薬局・ドラッグストアにおいてサプリメントやスポーツ飲料を販売したりすること(甲9及び甲10)は,一般的に行われている。
つまり,引用商標と本件商標の指定商品は,いずれも薬局,薬店,あるいはスーパーなどの医薬品コーナーにおいて取り扱われるものであり,販売経路や対象顧客を共通としているから,同一又は類似である。
(3)本件商標は,欧州共同体商標意匠庁における異議申立手続きにおいて,ピュラファーム・インターナショナル・ホン・コン・リミテッドがベネルクス,ドイツ,スペイン,フランス,英国,アイルランド,イタリアにおいて所有する登録商標「PURAPHARM」と類似であると判断され,保護が拒絶された。その証拠として,欧州共同体商標意匠庁による決定書(写し)とその抄訳(11頁 LIKERIHOOD OF CONFUSION-ARTICLE 8(1)(b)CTMR以降)を提出する。
当該決定は,欧文字が一般的に使用されている欧州各国においてすら商標「PURE(図)PHARMA」と「PuraPharm」が混同を生じる可能性が高いことを認めるものである。近年,日本においても欧文字が一般的に使用されているとはいえ,需要者における理解や認識の程度は欧州各国には及ばないものであることは明らかであるから,日本においては,より需要者に混同を生じさせる可能性が高いものである。
(4)むすび
引用商標と本件商標とは,称呼において彼此相紛らわしい類似の商標であり,また,その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,「PURE」及び「PHARMA」の欧文字並びに図形という異なる標章の要素からなるところ,その構成中の図形部分は,直ちに何を表したものであるかを理解させることができないものであり,特定の称呼及び観念が生じるとはいえないことから,その構成全体をもって,常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとみるべき事情は見あたらない。
そうとすれば,本件商標は,図形部分と「PURE PHARMA」の欧文字部分とが,それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして,本件商標の構成中の図形部分は,上述のとおり,直ちに何を表したものであるかを理解させることができないものであるから,特定の称呼及び観念を生じないものである。
他方,本件商標の構成中の欧文字部分は,「PURE」の欧文字部分が「PHARMA」の欧文字に比べ太字で表されているものの,外観上,図形をはさんでいるとはいえ,まとまりよく表されており,「PURE PHARMA」の欧文字から生ずる「ピュアファーマ」の称呼も無理なく一連に称呼できるものであるから,一体のものとして把握されるものといえる。
そして,「PURE」の欧文字は,「純粋な,まじり気のない,清い」等の意味を有する英語であるが,「PHARMA」の文字は,辞書類に載録された成語ではなく,また,特定の意味合いを有する語として一般に知られたものともいえないことから,本件商標の欧文字部分は,特定の観念を生じることのないものである。
そうとすれば,本件商標は,称呼については,その構成中の「PURE PHARMA」の欧文字部分から「ピュアファーマ」の称呼を生じ,観念については,欧文字部分からも,また,図形部分からも特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,図形と,その下に「PuraPharm」の欧文字を表してなるところ,該図形部分と「PuraPharm」の欧文字部分とは,視覚上,分離して観察されるものであり,その構成全体をもって,特定の称呼及び観念が生じるとはいえないことから,常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとみるべき事情は見あたらないものである。
そして,その構成中の図形部分は,直ちに何を表したものであるかを理解させることができないものであるから,特定の称呼及び観念を生じないものである。
また,引用商標は,その構成中,「PuraPharm」(「Pura」の文字部分に比べ,「Pharm」の文字部分は太く表されている。)の欧文字部分から,「プラファーム」又は「ピュラファーム」の称呼を生ずるものであり,「Pura」及び「Pharm」の文字は,辞書類に載録された成語ではなく,また,特定の意味合いを有する語として一般に知られたものともいえないことから,特定の観念を生じることのないものである。
そうとすれば,引用商標は,称呼については,「PuraPharm」の欧文字部分から,「プラファーム」又は「ピュラファーム」の称呼を生じるものであり,観念については,欧文字部分からも,また,図形部分からも特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は,別掲1のとおりの構成からなり,引用商標は,別掲2のとおりの構成からなるものであるところ,それぞれの構成全体,さらに、図形部分を比較してみるに,両商標の図形の構成態様,さらに,図形と構成文字とを表した位置の相違等により,両商標は,外観上,相紛れるおそれはないものである。
そして,本件商標の「PURE PHARMA」の欧文字部分と引用商標の「PuraPharm」の欧文字部分を比較してみても,本件商標の「PURE PHARMA」が全て大文字で表されているのに対し,引用商標の「PuraPharm」が大文字と小文字との組合せにより表されているものであって,かつ,4文字目の「E」と「a」及び語尾における「A」の欧文字の有無という差があることから,両者は,外観上,十分に区別することができるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「ピュアファーマ」の称呼と,引用商標から生じる「プラファーム」の称呼とは,その構成音に明らかな差異を有するものであるから,十分に聴別できるものである。
また,本件商標から生じる「ピュアファーマ」の称呼と,引用商標から生じる「ピュラファーム」の称呼とは,2音目における「ア」の音と「ラ」の音の差異に加え,語尾における「ム」の音と「マ」の音という明確な差異を有するものであるから,両称呼が,共に5音節という短い音数であることを勘案すると,これら2音の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,互いに相紛れるおそれはないものである。
さらに,観念においては,両商標は,特定の観念を生じないものであるから,比較することができず,観念上,相紛れるおそれはないものである。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても,相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)申立人の主張について
申立人は,本件商標について,「欧州共同体商標意匠庁における異議申立手続きにおいて,ピュラファーム・インターナショナル・ホン・コン・リミテッドが・・・所有する登録商標『PURAPHARM』と類似であると判断され,保護が拒絶された。」とし,日本においても,需要者に混同を生じさせる旨を主張している。
しかしながら,申立人が示す欧州共同体商標意匠庁における異議申立についての事例があるとしても,我が国における判断がそれに拘束されなければならない特段の事情はない。
そして,商標の類否は,個別具体的に判断されるべきものであるところ,本件商標と引用商標の類否は,上記(3)のとおりであるから,申立人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


異議決定日 2015-12-17 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W0532)
T 1 651・ 261- Y (W0532)
T 1 651・ 263- Y (W0532)
最終処分 維持  
前審関与審査官 阿曾 裕樹 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 亨子
平澤 芳行
登録日 2012-10-30 
権利者 Purepharma ApS
商標の称呼 ピュアファーマ、ピュアファルマ、ファーマ、ファルマ 
代理人 特許業務法人栄光特許事務所 

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