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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1312074 
異議申立番号 異議2015-900036 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-01-26 
確定日 2016-02-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5713065号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5713065号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5713065号商標(以下「本件商標」という。)は、「yoggy」の文字を標準文字で表してなり、平成26年6月26日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を始めとする第9類、第16類、第18類、第24類、第25類、第27類、第28類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月9日に登録査定され、同年10月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第695729号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)3月20日に登録出願(事後指定)、第30類「Tea,tea extracts.」のほか、第5類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成21年8月14日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 指定商品(役務)の類否
本件商標は、第35類において「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務を指定する。
一方、引用商標は、第30類において「Tea,tea extracts.」の商品を指定するものであり、当該指定商品は、第30類「茶」の範ちゅうに属する。
そして、「類似商品・役務審査基準」によれば、上記指定役務及び指定商品は互いに類似する。
イ 商標の類否の検討
(ア)称呼上の類否
本件商標「yoggy」からは、その構成に応じて「ヨギー」の称呼が生じる。
一方、引用商標は、上述のとおり、第30類「Tea,tea extracts.」を指定商品としているため、当該商品を直接的に示す「TEA」の部分に識別性がなく、「TEA」の部分は省略され得る。したがって、引用商標からは「ヨギ」の称呼が生じる。
本件商標の称呼「ヨギー」と引用商標の称呼「ヨギ」を比較すると、相違点は長音(ー)の有無のみであり、長音は末尾に位置するため比較的聴別し難く、当該差異が称呼全体に及ぼす影響は非常に小さいというべきである。このことを考慮すると、両称呼は彼此相紛れるおそれが十分にあるといわざるを得ない。
よって、本件商標と引用商標とは、称呼上類似する。
(イ)外観上の類否
本件商標は、「yoggy」の欧文字を標準文字により表した商標である。
一方、引用商標は、「YOGI TEA」の欧文字を同書同大同間隔で横書きした装飾文字で構成されているものであって、「YOGI TEA」の文字が判別し難いほどに装飾されているとはいえず、標準文字であるか否かが商標の外観上の印象に及ぼす影響はほとんどない。
引用商標においては、その指定商品との関係で「TEA」の部分に識別性がないため、「yoggy」と「YOGI」を比較すると、両者は語頭の3文字である「y」「o」「g」が共通する。「yoggy」と「YOGI」はそれぞれ5文字及び4文字から構成され、その語頭の3文字が需要者に与える印象の割合は比較的大きいといえるから、需要者は語頭の3文字を捉え、両商標を混同するおそれは十分にある。
以上より、本件商標と引用商標とは外観上も類似する。
(ウ)観念上の類否
引用商標「YOGI TEA」について、「TEA」の部分は上述のとおり指定商品との関係において識別性がなく、「YOGI」は「ヨーガ行者」を意味する。
一方、本件商標「yoggy」は、特定の意味合いを持たない造語であるが、「ヨーガ」を意味する「yoga」が日本人にとって非常に馴染みのある単語であることにより、「yoggy」を「yoga」の形容詞であると捉える需要者は少なくないと考えられる。
よって、両商標とも「ヨーガ」の観念を想起させるため、両商標は観念においても混同するおそれが十分にある。
(エ)商標の類否判断は、各商標が外観、観念、称呼等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきである。そして、上述のとおり、本件商標と引用商標とが称呼において非常に類似していること、並びに外観及び観念においても混同するおそれがあることを考慮し、外観・称呼・観念を総合的に判断すると、本件商標と引用商標とは、互いに相紛らわしい類似商標であるというのが相当である。
ウ 小括
このように、本件商標は、引用商標と類似し、かつ、本件商標の第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の指定役務が引用商標の第30類「Tea,tea extracts.」の指定商品と類似するものであって、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
引用商標「YOGI TEA」は、少なくとも本件商標の出願時には既に、申立人の製造販売に係る「Tea,tea extracts.」を表示する商標として、以下のとおり、周知性を獲得していた。
ア 「YOGI TEA」の歴史について
「YOGI TEA」は、1969年にヨガの指導者ヨギ・バジャンがヨガの講義後に生徒に提供したお茶が人気を博し、「ヨギ・ティー」と呼ばれるようになったものであり、1984年に申立人が設立され、「YOGI TEA」が製品化された。このように「YOGI TEA」は40年以上の歴史を有し、製品化後も30年以上の歴史を有するものである(甲3)。
イ 外国における引用商標の周知性について
引用商標は、日本を指定した国際登録であり、日本以外にも、ドイツ、フランス、イギリスを始めとするヨーロッパ各国、オーストラリア、中国、ロシアなどの世界23か国において登録されている(甲4)。
「YOGI TEA」の製品は世界の各国に展開されており、そのことは「YOGI TEA」のウェブサイトが、米国向け、カナダ向け、ヨーロッパ向けとそれぞれに作成されていることからも窺える(甲5?甲7)。
また、ヨーロッパのウェブサイト「ヨーロピアン・フード・ジャーナル」において、「ドイツのハンブルグにあるYOGI TEA GmbHは、ハーブティの業界において重要な役割を担う世界市場のリーダーである。」と評価されている(甲8)。
上記事実により、引用商標が外国において周知であることは明らかである。
ウ 日本における引用商標の周知性について
申立人は、日本の需要者向けに「YOGI TEA」を紹介する日本語版ウェブサイトを制作し、公開している(甲9)。「YOGI TEA」は自然派志向の製品として百貨店を初めとする自然派食品の各店舗で販売され、特にインターネットにおいての流通が盛んである。
検索エンジン「Google」において、本件商標の出願日以前に「楽天」や「Amazon」を始めとする多数の通信販売サイトにおいて「YOGI TEA」が販売されている実情が窺える(甲10)。また、「YOGI」の語のみで検索した場合においても、上位に表示されるウェブサイトは「YOGI TEA」に関するものであり、日本における引用商標「YOGI TEA」の周知性の度合いが窺い知れる(甲11)。また、いわゆる「口コミサイト」への投稿も多く、このことは「YOGI TEA」の売り上げが順調であることを示しているものであり(甲12)、一般需要者のブログにも、ハーブティの愛飲者に引用商標が広く知られていることが示されている(甲13)。さらに、サプリメントの通信販売会社のウェブサイトによると、ハーブティの人気ランキングの上位に「YOGI TEA」の製品がいくつもランキングされている(甲14)。
エ 小括
上記事実により、本件商標の出願時点である2014年6月26日において、引用商標「YOGI TEA」が申立人の製造販売に係る「Tea,tea extracts.」を表示する商標として既に日本国内において周知となっていたことは明らかである。
よって、本件商標は、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」については、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定役務中の第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」については、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「yoggy」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応し「ヨギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標は、別掲のとおり、「YOGITEA」の文字について「Y」及び「T」の文字を他の文字よりやや大きく表し、その各構成文字はいずれも縁取りされて、まとまりよく一体的に表され、該文字から生じる「ヨギティー」の称呼は4音と短く、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標は、たとえ、その構成中「TEA」の文字が、その指定商品中の「tea」と綴り字を同じにするとしても、かかる構成及び称呼においては、該文字部分が指定商品の普通名称、品質等を表示したものとして直ちに認識されることなく、むしろ、「YOGITEA」の構成文字全体を一体のものとし、特定の観念を生じない造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
さらに、引用商標は、その構成中「YOGI」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、引用商標は、その構成文字全体をもって、「ヨギティー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識されるものというのが相当である。
ウ そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者の上記の外観、称呼及び観念は、いずれも相紛れるおそれのないことが明らかである。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
エ したがって、本件商標の指定役務中に引用商標の指定商品と類似する役務が含まれるとしても、上記のとおり本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性について
(ア)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人はホームページで引用商標を表示し商品「茶」について日本語で紹介、広告していること(甲3、甲9)、「Yogi Tea(YOGI TEA)」と称される「茶」が、インターネットを通じて販売され(甲10、甲12)、ハーブティーランキングの上位に複数の商品がランキングされたことがあること(甲14)、及び遅くとも2013年(平成25年)3月24日にブログで紹介されたこと(甲13)が認められる。
しかしながら、我が国における、引用商標が使用された商品(以下「申立人商品」という。)の売上高、シェアなど販売実績を示す証左は見いだせない。
(イ)上記(ア)の事実からすれば、申立人は我が国において、商品「茶」について引用商標を使用していることが認められるものの、我が国における申立人商品の販売実績を示す証左はないから、引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、申立人商品はハーブティーランキングの上位に複数ランキングされたことがある(甲14)が、該ランキングは、一つの、しかもサプリメントの通信販売会社におけるものであるから、上記判断を覆し得ない。
イ 本号の該当性について
上記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、また、上記(1)のとおり本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)



異議決定日 2016-02-10 
出願番号 商願2014-53317(T2014-53317) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (W35)
T 1 652・ 263- Y (W35)
T 1 652・ 262- Y (W35)
T 1 652・ 261- Y (W35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
登録日 2014-10-24 
登録番号 商標登録第5713065号(T5713065) 
権利者 株式会社ロハスインターナショナル
商標の称呼 ヨギー 
代理人 竹内 耕三 
代理人 宮崎 昭夫 
代理人 深見 久郎 

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