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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W37
審判 査定不服 外観類似 登録しない W37
審判 査定不服 観念類似 登録しない W37
管理番号 1311972 
審判番号 不服2015-17036 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-16 
確定日 2016-02-15 
事件の表示 商願2015-19060拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第37類「建設工事,電気工事,電気通信工事,配電線工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守」を指定役務として、平成27年3月3日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3327659号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年9月28日に登録出願、第37類「食品加工用機械器具の保守・点検,動力機械器具の保守・点検,電子計算機の保守・点検,電気通信機械器具の保守・点検,機械器具設置工事,建築工事,鋼構築物工事,建築物の工事監理」を指定役務として、同9年7月4日に設定登録されたものであり、その後、同19年7月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4963645号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成17年10月31日に登録出願、「配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」を含む第37類に属する別掲4のとおりの役務を指定役務として、同18年6月23日に設定登録されたものである。
なお、これらをまとめて、以下「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、青線で描かれた楕円形の中に、さらに、もう一つ、上端と下端にいくにしたがって細くなる左が青色で右が緑色の左右対称の三日月に囲まれた楕円図形が描かれているところ、その図形中の白抜きの部分は、上中下に三等分するように、上方は青色の線を、下方は緑色の線を配してなり、その中央には、赤色の「テクノ」の片仮名を書してなるものである。
そして、図形中にあって、赤い文字で書された「テクノ」の文字は、これが、「科学技術に関する意を表す。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有する語であるとしても、本願の指定役務との関係では、役務の質を表すものとして、普通に使用されているものではないことから、識別力のある文字として理解されるものであり、図形の中央にあって、看者に強い印象を与える文字部分として看取されるものである。
そうすると、本願商標は、該「テクノ」の文字に相応して、「テクノ」の称呼が生じ、「科学技術」程の観念が生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、別掲2のとおり、赤色の「M」の欧文字を図案化した図形の下に、該「M」の文字と同じ幅で、「TECHNO」の欧文字を同色で書してなるところ、上段の図形部分と、下段の文字部分とを常に一体にみるべき事情もないから、その構成上、下段の文字部分のみで取引に資されることも少なくないものである。
そうすると、引用商標1からは、下段の「TECHNO」の文字に相応して、「テクノ」の称呼を生じ、「科学技術」程の観念を生じるものである。
引用商標2は、別掲3のとおり、「TECHNO」の欧文字を書してなり、その下に、「TRY」または「TPY」の欧文字を組み合わせたモノグラムのような図形を配してなるところ、上段の文字部分と、下段の図形部分とを常に一体にみるべき事情もないから、その構成上、上段の文字部分のみで取引に資されることも少なくないものである。
そうすると、引用商標2からは、上段の「TECHNO」の文字に相応して「テクノ」の称呼が生じ、「科学技術」程の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標の構成は、前記ア及びイのとおりであるから、外観上、明らかに相違するものである。
そして、称呼においては、本願商標から生じる「テクノ」の称呼と、引用商標から生じる、「テクノ」の称呼は、同一のものであり、両者は、その称呼を共通にするものである。
また、観念においては、本願商標から、「科学技術」の観念を生じ、引用商標からも、「科学技術」の観念が生じるから、その観念は同一のものであり、両者は、観念を共通にするものである。
そうすれば、本願商標と引用商標とは、外観において、相違するとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、類似の商標とみるのが相当である。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願の指定役務「建設工事,電気工事,電気通信工事,配電線工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守」と、引用商標1の指定役務中「機械器具設置工事,建築工事,鋼構築物工事,建築物の工事監理」及び引用商標2の指定役務中「配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」とは、同一または類似するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標と同じ構成の商標が、既に登録されていることから、本願商標だけが拒絶されることは、行政処分の原則である「公平さ」に欠けた判断である。したがって、「テクノ」と称呼される商標が数多く登録されており、所謂,特別顕著性のない「テクノ」の文字に、顕著性のある図形、色彩と結合して構成要素とした本願商標は、当然、登録されるべきである旨、主張する。
しかしながら、請求人の挙げた登録例は、いずれも、「テクノ」及び「TECHNO」の文字以外の文字を含むものであり、その構成を異にするものである。
また、本願の指定役務を取り扱う業界において、「テクノ」及び「TECHNO」の文字が、役務の質等を表すものとして、普通に使用されている証拠の提出もなく、さらに、職権において調査するも、そのように使用されている事実を発見することはできなかった。
そうすれば、本願商標の「テクノ」の文字部分が、本願商標の要部として、認識されることは、前記(1)アのとおりである。
なお、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、また、指定商品及び指定役務を考慮しつつ、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた登録商標の例があるからといって、「公平さ」に欠けた判断であるということにはならない。
してみれば、本願商標が、本願の指定役務との関係においては、その構成中の「テクノ」の文字部分をもって他人の登録商標と対比することが許されるというべきであり、そのような対比をした場合、本願商標と引用商標とが、「テクノ」と「TECHNO」の文字部分において類似する商標であることは、前記(1)ウにおいて認定、判断したとおりである。
よって、請求人の主張は採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2 引用商標1(商標登録第3327659号)

(本願商標及び引用商標1の色彩については原本を参照。)

3 引用商標2(商標登録第4963645号)


4 引用商標2の指定役務
第37類「建築設備の運転・点検・整備,船舶の建造,船舶の修理又は整備,航空機の修理又は整備,自転車の修理,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,映画機械器具の修理又は保守,光学機械器具の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,荷役機械器具の修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,銃砲の修理又は保守,印刷用又は製本用の機械器具の修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,漁業用機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,靴製造機械の修理又は保守,工業用炉の修理又は保守,鉱山機械器具の修理又は保守,ゴム製品製造機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,繊維機械器具の修理又は保守,たばこ製造機械の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。)の修理又は保守,栽培機械器具の修理又は保守,収穫機械器具の修理又は保守,植物粗製繊維加工機械器具の修理又は保守,飼料圧搾機の修理又は保守,飼料裁断機の修理又は保守,飼料配合機の修理又は保守,飼料粉砕機の修理又は保守,牛乳ろ過器の修理又は保守,搾乳機の修理又は保守,育雛器の修理又は保守,ふ卵器の修理又は保守,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,包装用機械器具の修理又は保守,ミシンの修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,ガソリンステーション用装置の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用加熱調理機械器具の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,動力付床洗浄機の修理又は保守,遊園地用機械器具の修理又は保守,美容院用又は理髪店用の機械器具の修理又は保守,水質汚濁防止装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,潜水用機械器具の修理又は保守,原子力発電プラントの修理又は保守,化学プラントの修理又は保守,家具の修理,傘の修理,楽器の修理又は保守,金庫の修理又は保守,靴の修理,時計の修理又は保守,はさみ研ぎ及びほうちょう研ぎ,錠前の取付け又は修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,看板の修理又は保守,かばん類又は袋物の修理,身飾品の修理,おもちゃ又は人形の修理,運動用具の修理,ビリヤード用具の修理,遊戯用器具の修理,浴槽類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理,釣り具の修理,眼鏡の修理,毛皮製品の手入れ又は修理,洗濯,被服のプレス,被服の修理,布団綿の打直し,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),医療用機械器具の殺菌・滅菌,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与,洗車機の貸与,電気洗濯機の貸与,衣類乾燥機の貸与,衣類脱水機の貸与,家庭用ルームクーラーの貸与,鉱山機械器具の貸与,暖冷房装置の貸与」


審理終結日 2015-11-27 
結審通知日 2015-12-04 
審決日 2015-12-15 
出願番号 商願2015-19060(T2015-19060) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W37)
T 1 8・ 263- Z (W37)
T 1 8・ 261- Z (W37)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸加藤 桜子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
大井手 正雄
商標の称呼 テクノ 
代理人 三原 靖雄 

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