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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1300759 
異議申立番号 異議2013-900286 
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-08-27 
確定日 2015-04-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5590474号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5590474号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5590474号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「LEOPARD」の欧文字を横書きし、その右上部に小さく「レオパード」の片仮名を表示してなり、平成24年11月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同25年4月12日に登録査定、同年6月14日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下の1ないし6のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

1 登録第698518号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「LEONARD」の欧文字及び「レオナード」の片仮名を二段に横書きしてなる商標
指定商品 第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和39年6月3日
設定登録日 昭和41年2月10日

2 登録第1721847号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 「LEONARD」の欧文字及び「レオナール」の片仮名を二段に横書きしてなる商標
指定商品 第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和51年11月22日
設定登録日 昭和59年10月31日

3 登録第2208274号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 「LEONARD」の欧文字を横書きしてなる商標
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和57年2月1日
設定登録日 平成2年1月30日

4 登録第2287400号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲2のとおり、「LEONARD」の欧文字を横書きし、その下部中央に小さく「SPORT」の欧文字を表示してなる商標
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和63年9月26日
設定登録日 平成2年12月26日

5 登録第2382423号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲2のとおり、「LEONARD」の欧文字を横書きし、その下部中央に小さく「SPORT」の欧文字を表示してなる商標
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和63年9月26日
設定登録日 平成4年2月28日

6 登録第4212371号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 「LEONARD」の欧文字を横書きしてなる商標
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成5年5月19日
設定登録日 平成10年11月20日

第3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当する。よって、本件商標の登録は取り消すべきものである。」と申立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第321号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号該当性
(1)本件商標が引用商標1と類似することについて
ア 構成
(ア)本件商標は、上記第1のとおり、小書した片仮名「レオパード」を上段に、大書した欧文字「LEOPARD」を下段に、両者の右端を揃えて配してなるところ、「レオパード」は「LEOPARD」の読み方の振り仮名を付したものと把握されるものである。よって、本件商標において、要部は「LEOPARD」である。
(イ)引用商標1は、上記第2、1のとおり、欧文字「LEONARD」を上段に片仮名「レオナード」を下段に、左右の両端を揃えて配してなる。
引用商標1において、「LEONARD」、「レオナード」は同大であり、「LEONARD」及び「レオナード」は、引用商標1の要部である。
イ 外観類似
(ア)本件商標中の要部「LEOPARD」と引用商標1中の「LEONARD」とを対比すると、両者は、書体において似ている上、7文字からなり、僅かに4文字目の「P」と「N」とにおいて相違するのみである。よって、本件商標中の「LEOPARD」は引用商標1中の「LEONARD」と、外観において類似する。
(イ)本件商標中の「レオパード」と引用商標1中の「レオナード」とを対比すると、両者は5文字からなり、書体も同様であり、僅かに3文字目の「パ」と「ナ」とにおいて相違するのみである。よって、本件商標中の「レオパード」は、引用商標1中の「レオナード」と外観において類似する。
(ウ)よって、本件商標は、引用商標1と外観において類似する。
ウ 称呼類似
(ア)本件商標は、その構成に照らし「レオパード」の称呼を生じる。
(イ)引用商標1は、その構成に照らし「レオナード」の称呼を生じる。
(ウ)「レオパード」と「レオナード」とを対比すると、両者は、ともに5音節であり、僅かに第3音節の「パ」と「ナ」とにおける子音「P」と「N」との相違にすぎず、母音「A」は共通である。
(エ)よって、本件商標は、引用商標1と称呼において類似する。
エ 類似
よって、本件商標は、引用商標1と類似する。
(2)本件商標が引用商標3及び6と類似することについて
ア 構成
(ア)本件商標の構成は、上記第1のとおりであり、「LEOPARD」が本件商標の要部であることも、上記(1)ア(ア)のとおりである。
(イ)引用商標3及び引用商標6は、上記第2の3及び6のとおり、欧文字「LEONARD」よりなる。
イ 外観類似
(ア)本件商標中の「LEOPARD」と引用商標3及び6の「LEONARD」とを対比すると、両者は書体において似ているうえ、7文字からなり、僅かに4文字目「P」と「N」とにおいて相違するのみである。よって、本件商標中の「LEOPARD」は、引用商標3及び6の「LEONARD」と類似する。
(イ)そして、本件商標において、「レオパード」は「LEOPARD」の右上に小書して配してあり、「LEOPARD」の振り仮名をふったと認識されるものであり、「LEOPARD」が本件商標の支配的な要素である。
(ウ)よって、本件商標は、引用商標3及び6と外観において類似する。
ウ 称呼類似
(ア)本件商標からは、「レオパード」の称呼を生じる。
(イ)引用商標3及び6からは、その構成に照らし、「レオナード」の称呼を生じる。
(ウ)上記(1)ウのとおり、称呼「レオパード」は、称呼「レオナード」と類似する。
(エ)よって、本件商標は、引用商標3及び6と称呼において類似する。
エ 類似
よって、本件商標は、引用商標3及び6と類似する。
(3)本件商標が引用商標2、4及び5と類似することについて
ア 本件商標において「LEOPARD」は要部であり、引用商標2、4及び5において「LEONARD」は要部である。
イ 「LEOPARD」が「LEONARD」と外観及び称呼において類似することは、上記(1)イ及びウのとおりである。
ウ よって、本件商標は、引用商標2、4及び5と類似する。
(4)小括
ア 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する。
イ 本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する。
ウ 本件商標の出願及び登録は、引用商標の出願及び登録の後になされたものである。
エ よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号該当性
(1)「LEONARD」の著名性について
ア 「LEONARD」は、申立人の著名な略称であり、また、申立人が衣類、かばん類、袋物、傘、布地等に使用する商標として著名である。
このことは、YAHOO!JAPANにおいて「LEONARD」を日本語のページのみで検索すると、952,000件ヒットすることからも伺える(甲218)。
イ 申立人は、「世界で一番美しいプリント」(甲221)として世界中の女性から愛され続けているブランド「LEONARD」-「花のレオナール」のイメージで受けとめられている-のファッションメーカーであるが、平成24年(2012年)11月30日の本件商標の出願当時、申立人の略称である「LEONARD」及び申立人の製造、販売、ライセンスに係る衣類、かばん類、袋物、傘、布地等を含む商品に使用する、申立人の商標「LEONARD」は、日本を含め世界的に著名であり、また現に著名である。
ウ 即ち、申立人の商標「LEONARD」の衣類等の商品への展開は、日本においては、昭和44年(1969年)より、三共生興株式会社(以下「三共生興」という。)を日本における総輸入代理店及びランセンシーとして展開された。三共生興は積極的に広告、宣伝等に務め、その取扱商品である被服、かばん類、袋物、傘、布地等の三共生興による販売高は、本件商標の出願の23年前の平成元年(1989年)で、卸売価格ベースで30億円を超えており、その後も順調に以下のとおり30億円台から増加して平成13年には約70億円となり(小売価格のベースではもっと大きくなる)、平成24年度でも約40億円であり、単一ブランドとして非常に大きなものである(甲8、217)。
三共生興のみの販売先は、甲第8号証添付別紙2のとおり平成18年当時で日本全国に「LEONARD」店舗84店舗、「LEONARD sport」店舗77店舗に及んでいた。ライセンシー及びサブライセンシーの販売高は極めて大きな数字になる。
また、「LEONARD」ブランドは、世界の一流品を掲載した雑誌にも必ず取り上げられ、新聞等で広く報じられ、そして、ファッション雑誌等に紹介掲載広告されている(甲8ないし216及び甲222ないし321。なお、これらは、紹介掲載された記事広告等のごく一部である。)。
エ 申立人の衣類等の商品への展開は、その売り上げの半分を占め、もともと婦人服が中心であった。昭和44年(1969年)より三共生興は、日本における「LEONARD」婦人服の総輸入代理店として、輸入を開始し、現在も引き続き輸入販売をしている。
オ よって、本件商標の出願時である平成24年11月30日のはるか以前から今日に至るまで、「LEONARD」は、申立人の略称として我が国において著名であり、本件商標の指定商品に含まれる商品を含む被服等に使用する申立人の商標として、著名である。
カ 実際、日本が申立人にとって如何に重要な市場であるかは、申立人のホームページに、英語、フランス語と並んで日本語のホームページがあることから明らかである(甲219)。
(2)本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標であることについて
ア 本件商標は、その構成に照らし、欧文字「LEOPARD」をその要部とする。片仮名「レオパード」は、小書して「LEOPARD」の右上部に配してあり、目立たない上、「LEOPARD」の振り仮名と認識されるものであり、本件商標の要部ではない。即ち、本件商標をその指定商品に使用したときに、需要者にとって出所識別において重要な機能を果すのは、「LEOPARD」であり、「LEOPARD」の右上に小書きして配した「レオパード」ではない。
イ 実際、本件商標の商標権者は、婦人服などのブランド物を中心に業務を行っている会社であり、申立人と同業者である。
ファッション業界において、ブランド(商標)として片仮名商標や欧文宇、片仮名併記の商標を使用することはまず無い。
本件商標は、商標権者において「LEOPARD」として使用することを念頭において、出願し登録を得たものでもある。少なくとも、「LEOPARD」の様態で使用しないことはあり得ない。
なお、商標権者が申立人及び申立人の商品を熟知しており「LEONARD」が申立人の略称として、また、申立人の商標として我が国においても著名であることを熟知していることは勿論である。
本件商標は、そのような者によって出願し登録されたものである。
ウ 申立人の著名な略称及び商標「LEONARD」と本件商標の要部「LEOPARD」とを対比すると、上記1(1)イ(ア)のとおり、両者は外観において類似する。少なくとも近似する。
「LEONARD」は、我が国において申立人の略称及び商標として著名であり、取引者、需要者の間に広く認識されている。
そして、被服等のファッションの業界において、ブランドの表示は、商標の外観を示すことにより行なわれる。
このことは、「LEONARD」の商品の告知の頁に「LEONARD」とブランド表示がなされていることから明白である(甲231、234等参照)。すなわち、「LEONARD」の表示に接した需要者は、「LEONARD」が使用された商品の出所を、申立人或いは申立人と経済的に関連する者と認識する。
エ 上記1(1)イ(ア)のとおり、本件商標の要部「LEOPARD」は、外観において「LEONARD」に類似する。少なくとも近似する。
本件商標を使用した商品に接した需要者は、本件商標の顕著に目に付く要部「LEOPARD」により出所を認識する。
したがって、需要者は、本件商標を使用した商品に接したときに、その出所を申立人又は申立人と経済的に関連する者と認識する。少なくとも、かかる誤認をするおそれがある。
オ よって、本件商標は、他人(=申立人、申立人と経済的に関係のある者)の業務に係る商品であると誤認させるおそれのある商標である。
(3)小括
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 結論
本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当する。 よって、本件商標の登録は取り消すべきものである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、商標「LEONARD」(以下「申立人商標」という。)は、申立人の製造、販売又はライセンスに係る被服などのファッション関連の商品を表示する商標として、本件商標の登録出願前から現在まで継続して、需要者の間に広く認識されているものと認められる。

2 商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「LEOPARD」の欧文字を横書きし、その右上部に小さく「レオパード」の片仮名を表示してなるところ、その片仮名部分は、欧文字部分の特定した読み方を表示したものと看取され、本件商標からは、「レオパード」の称呼及び「ヒョウ(動物)」の観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、それぞれ上記第2のとおりであるから、各構成文字に相応して「レオナード」又は「レオナール」の称呼を生じ、それらの構成中の「LEONARD」の文字は、上記1のとおり、申立人の業務に係る被服などのファッション関連商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から現在まで継続して、需要者の間に広く認識されているものであるから、「(ブランドとしての)レオナール」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
まず、外観についてみると、本件商標と引用商標は、それらの欧文字部分である「LEOPARD」と「LEONARD」において、構成中の中間において、「P」と「N」に差異を有するのみであるから、両者は、近似した印象を与える場合があるものといえる。
次に、称呼についてみると、本件商標より生じる「レオパード」の称呼と引用商標より生じる「レオナード」及び「レオナール」の両称呼は、共に比較的短い音構成の第3音において調音方法が明らかに異なる「パ」と「ナ」の音の顕著な差異を有するものであり、かつ、両称呼の後半部において「パード」と「ナード」及び「ナール」の顕著な差異が認められるものであるから、称呼において相紛れるおそれはない。
そして、観念についてみると、「ヒョウ」の観念を生じる本件商標と「(ブランドとしての)レオナール」の観念を生じる引用商標は、顕著な差異が認められるものであるから、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標は、その外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、たとえ、外観において近似した印象を与える場合があるとしても、称呼及び観念において顕著な差異を有するから、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と申立人商標は、上記2と同様の理由により、外観において近似した印象を与える場合があるとしても、称呼及び観念において顕著な差異を有するから、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、申立人商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から現在まで、需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、申立人商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項11号及び同項第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標4及び5)



異議決定日 2015-04-14 
出願番号 商願2012-97176(T2012-97176) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 淳 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 大森 健司
原田 信彦
登録日 2013-06-14 
登録番号 商標登録第5590474号(T5590474) 
権利者 株式会社ジュン
商標の称呼 レオパード、レオパルド、レパード 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 古木 睦美 

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