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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900248 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3742
審判 全部申立て  登録を維持 W3742
審判 全部申立て  登録を維持 W3742
審判 全部申立て  登録を維持 W3742
審判 全部申立て  登録を維持 W3742
管理番号 1299577 
異議申立番号 異議2014-900305 
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-10-24 
確定日 2015-04-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5688579号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5688579号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5688579号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「Sky-3」の文字と「スカイスリー」の文字を上下二段に書してなり、平成26年3月11日に登録出願、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」、第42類「建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究」を指定役務として、平成26年7月3日登録査定、同年7月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5143175号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:東京スカイツリー(標準文字)
登録出願日:平成19年10月24日
設定登録日:平成20年6月20日
指定商品・指定役務:第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,鉄道車両の修理又は整備,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き」、第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」、
その他、第3類、第4類、第6類、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第30類、第32類ないし第34類、第36類、第38類、第39類、第41類及び第43類ないし第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(2)登録第5192390号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成20年6月9日
設定登録日:平成20年12月26日
指定商品・指定役務:第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,鉄道車両の修理又は整備,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き」、第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」、
その他、第3類、第4類、第6類、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第30類、第32類ないし第34類、第36類、第38類、第39類、第41類及び第43類ないし第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(3)登録第5194397号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成20年6月19日
設定登録日:平成21年1月9日
指定商品・指定役務:第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,鉄道車両の修理又は整備,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き」、第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」、
その他、第3類、第4類、第6類、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第30類、第32類ないし第34類、第36類、第38類、第39類、第41類及び第43類ないし第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
なお、これらを総称して以下「引用商標」という場合がある。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない第三者によって出願、登録されたものである。そして、本件商標と、著名な電波塔の名称「東京スカイツリー」を想起させる(引用商標の識別力のある部分である)「スカイツリー」とが類似することはいうまでもない。
また、本件商標の要部「スカイスリー」をGoogle、Yahoo!、Bingといった我が国で使用されている主たる検索エンジンで検索すると、著名な電波塔「東京スカイツリー」に関する情報が多数表示され、本件商標の「スカイスリー」部分が「東京スカイツリー」に関連するものとして認識されている。
本件商標の登録時において、電波塔の名称(商標)「東京スカイツリー」や、その識別力のある部分「スカイツリー」は「著名である」と特許庁で認定されている。本件商標は、「東京スカイツリー」が著名となった後に出願、登録されたものであり、「東京スカイツリー」の開業後もその著名性、公共性は高まっている。
つまり、「東京スカイツリー」という著名な名称がなければ、本件商標は、選択されなかったというべきである。
そして、本件商標の、特に「スカイスリー」部分から公共性を有する「東京スカイツリー」が容易に想起、看取されることから、公共性の高い「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない第三者が商標として採択使用することは、社会信義則に反するばかりか、「東京スカイツリー」の電波塔としての公共性の観点から社会秩序を乱すおそれがあるものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の称呼は、その構成態様からも明らかなように「スカイスリー」である。一方、「東京スカイツリー」の事業主体が所有する引用商標から「スカイツリー」の称呼が生じる。本件商標の称呼「スカイスリー」、引用商標の称呼「スカイツリー」は、6音(長音含む。)中5音が共通し、無声摩擦音「S」を有する「ス(su)」、無声破裂音「ts」を有する「ツ(tsu)」が異なるが、「ス(su)」「ツ(tsu)」は6音中4音目に位置し、母音(u)をともにした響きの弱い音であり、聴感において強く印象に残るといい難い中間音である。
本件商標の「スカイスリー」、引用商標の「スカイツリー」等の部分において、外観が共通する。ともに全体として造語であり、特定の観念は生じない。
また、近年では、「東京スカイツリー」や識別力のある部分「スカイツリー」の著名性により、本件商標が著名な「東京スカイツリー」等に類似するとして、本件商標に接する取引者、需要者が取引に資する場合も少なくない。
したがって、商標全体として、本件商標と引用商標は類似する。
そして、本件商標の指定役務「建設工事」等(第37類)、「建築物の設計」等(第42類)は、引用商標に係る指定役務と同一である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
「東京スカイツリー」「東京ソラマチ」を含めた「東京スカイツリータウン」へは驚異的なペースで来場者が押し寄せており、開業849日目の2014年9月17日には、「東京スカイツリー」を含めた東京スカイツリータウン全体の来場者数が1億人を突破している。
そして、「東京スカイツリー」やその足元に広がる「東京スカイツリータウン」は一大名所の地位を確保しつつあるとともに、電波塔の名称「東京スカイツリー」という名称のみならず、その識別力のある部分(略称)「スカイツリー」も著名となっている。
「東京スカイツリー」の事業主体である東武鉄道株式会社は、「東武グループ」の中核企業であり、鉄道による一般運輸事業を中心とするほか、住宅産業として建設工事などの総合建築業、鉄道電気関係の技術開発及び調査研究の受託等を行っている。
してみれば、「東京スカイツリー」の事業主体の許諾していない本件商標がその指定役務に使用されれば、「東京スカイツリー」の事業主体が行っている建設工事等の役務と出所の混同を生じ、「東京スカイツリー」の事業主体、またはその事業主体と組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る役務であるかの如く一般需要者に認識されて出所の混同を生じるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、「Sky-3」の文字と「スカイスリー」の文字とを上下二段に書してなるところ、これらの文字自体は、特定の意味合いを有するものとは認められず、本件商標は、全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、上記した両構成文字に相応して、「スカイスリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標1は、「東京スカイツリー」の文字を標準文字で表してなり、引用商標2は、別掲2のとおり「スカイツリー」の片仮名とややデザイン化された「SKYTREE」の文字を上下二段に書してなり、引用商標3は、別掲3のとおり「東京・スカイツリー」の文字を書してなるところ、これらの文字は、東京都墨田区にある電波塔の著名な名称である「東京スカイツリー」を表すものとして理解されるものであるから、引用商標は、上記したそれぞれの構成文字に相応して、「トウキョウスカイツリー」及び「スカイツリー」の称呼を生じ、「(電波塔の名称としての)東京スカイツリー」の観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、その構成態様において明らかに相違するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである
称呼においては、本件商標から生じる「スカイスリー」の称呼と引用商標から生じる「トウキョウスカイツリー」の称呼を比較すると、両称呼は、その音構成及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音調、音感が相違し、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、本件商標から生じる「スカイスリー」の称呼と引用商標から生じる「スカイツリー」の称呼を比較すると、両称呼は第4音における「ス」と「ツ」の音の差異を有するところ、本件商標の「ス」の音は澄んだ音として軽く発音し聴取される音であるのに対し、引用商標の「ツ」の音は、響く音として明瞭に聴取される音であるから、その音質に明らかな差異を有するばかりでなく、その差異音は,それぞれ二音節風に称呼される後半の音節の冒頭部分に位置することから、その差異が更に明瞭なものとなり、母音「u」を伴うものであるとしても、いずれも5音(長音を含む)と比較的短い音節からなる両称呼全体に与える影響は大きいものといえるから、称呼上、それぞれを一連に称呼しても音調、音感が異なり、互いに聴別し得るものというのが相当である。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものであるが、本件商標の「スカイスリー」と引用商標の「スカイツリー」の片仮名部分とを比較しても、「ス」と「ツ」との字形の差異により外観上紛れるおそれはなく、別異のものとして認識し把握され得るものである。
観念においては、本件商標からは特定の観念が生じないものであり、一方、引用商標は、「(電波塔の名称としての)東京スカイツリー」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、互いに類似するところがないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、申立人が電波塔の名称について使用する商標として、取引者、需要者間に広く認識されているといえるものであるが、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、互いに相紛れることのない非類似の商標であって、むしろ引用商標とは全く別異のものとして認識し把握されるものであるから、たとえ、引用商標の著名性を考慮したとしても、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、上記のとおり、引用商標とは類似しない別異のものであって、引用商標を看者に直感させることもなく、引用商標の名声にただ乗りしたものともいい難いのみならず、本件商標の登録及び使用が社会公共の利益や社会の一般的道徳観念(信義則)に反するものともいえない。
また、本件商標の構成自体は、きょう激、卑わい、差別的もしくは他人に不快な印象を与えるようなものではなく、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 引用商標2


別掲3 引用商標3



異議決定日 2015-03-27 
出願番号 商願2014-18335(T2014-18335) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W3742)
T 1 651・ 22- Y (W3742)
T 1 651・ 271- Y (W3742)
T 1 651・ 262- Y (W3742)
T 1 651・ 261- Y (W3742)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡邉 あおい 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2014-07-25 
登録番号 商標登録第5688579号(T5688579) 
権利者 旭化成ホームズ株式会社
商標の称呼 スカイスリー、スカイサン、スカイ、エスケイワイ 
代理人 藁科 孝雄 
代理人 藁科 孝雄 
代理人 藁科 えりか 
代理人 藁科 えりか 

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