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審決分類 審判 一部取消 かけ込み使用を含めた商標の使用 無効としない X09
管理番号 1297336 
審判番号 取消2013-300936 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-10-31 
確定日 2015-02-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第5363687号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5363687号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成21年11月25日に登録出願、第9類「眼鏡,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、同22年10月29日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、同25年11月25日にされている。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標について、その指定商品中、第9類「眼鏡」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その証拠方法として甲第1号証を提出した。
そして、請求人は、その理由として、本件商標が、請求人の調査によると、その指定商品中、第9類「眼鏡」について、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、上記指定商品についての登録は取り消されるべきものであると主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対しては、何ら弁駁していない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり主張し、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した(審決注;被請求人が平成26年8月13日差出の回答書において「乙第4号証-1(丸数字)」、「乙第4号証-2(丸数字)」、「乙第5号証-1(丸数字)」等のようにハイフンと丸数字を用いて表示していた乙号証については、審決においては、「乙第4号証の1」、「乙第4号証の2」、「乙第5号証の1」のように枝番を用いて表示することとする。)。
(1)答弁書における主張
2009年12月28日より、株式会社ジー・シー・アール(以下「GCR社」という。)を通して、また、2012年4月1日からは直接サブライセンシーとして、株式会社ミック(以下「ミック」という。)が、継続して本件商標を付したサングラスを製造販売している。
(2)回答書における主張
ア 代理人会社である株式会社タクトコミュニケーションズ(以下「タクト」という。)は、株式会社GSIクレオスの米国法人であるGSI Exim America,Inc.社(以下「GSI社」という。)と契約し、日本国内においてミック他に対しサブライセンス契約を締結し、商品展開している。タクトとGSI社との契約書は、以後、口頭にて更新されている。乙第4号証は、GSI社とタクトとの契約書、乙第5号証は、サングラスに関する当初からの契約書であるところ、当初のサングラスに関するGCR社との契約は、その先のミックでの販売を前提に交わされたものであり、ミックは当初より継続して「RECON」ブランドのサングラスを販売している。
イ 乙第1号証は、PDFデータで販売先にメール送信したり、その都度、プリントアウトして使用しているものであり、乙第2号証の出荷伝票の品番と照らし合わせれば、ミックが本件商標を使用していたことが明らかである。また、乙第6号証は、ミックの現在のホームページをプリントアウトしたものであり、ミックが過去から現在に渡り本件商標に係る商品を販売していることを示している。
ウ GSI社とタクトとの契約が口頭にて更新されていることや、ミックのロイヤリティがGSI社に支払われていることの証拠として、タクトからGSI社に対してのコミッションノート(支払明細表)と銀行からの送金結果通知書を提出する(乙第7号証)。コミッションノートには、本件商標名及びライセンシーであるミックの会社名が、送金結果通知書には、送金先であるGSI社の名称が記載されている。

3 当審の判断
(1)被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第3号証は、「COOL TRANS」という雑誌の写しとされるものであるところ、その1枚目の表紙と思しき頁には、その右上部に、「730YEN」、「www.cool-trans.net」、「平成23年8月号」、「第17巻8号(毎月24日発売)」及び「6月24日発売」の記載があり、さらに、その2枚目の雑誌広告と思しき頁には、別掲2のとおりの商標(以下「使用商標」という。)が表示され、その下には、4件のサングラス又は眼鏡の写真が、左の写真から順に「RC-2001-1 〈参考商品〉」の記載、「RC-2002-1 PRICE ¥2,000(tax excluded)」の記載、「RC-2003-3 PRICE ¥2,000(tax excluded)」の記載及び「RC-2004-3 PRICE ¥2,000(tax excluded)」の記載とともに表示され、その最下欄には、「総発売元」として「株式会社ミック 連絡先 横浜市都筑区佐江戸町269-1」と電話番号、さらに、その下に「Presented by TACT COMMUNICATIONS,INC.」の記載がある。
そして、上記「RC-2001-1」に係る写真は、2011年(平成23年)のミックの商品カタログとされる乙第1号証の1枚目の「RC-2001 col.1」に係る写真と、「RC-2002-1」に係る写真は、同じくカタログ中の「RC-2002 col.1」に係る写真と、「RC-2003-3」に係る写真は、同じくカタログ中の「RC-2003 col.3」に係る写真と、「RC-2004-3」に係る写真は、同じくカタログ中の「RC-2004 col.3」に係る写真と同一のものである。
イ 乙第2号証は、株式会社ジーンズメイトの仕入伝票の写しとされているところ、その2枚目には、「社名」として「(カブ)ジーンズメイト」、「仕入先」として「(株)ミック」、「仕入先品番」として「RC-2002」、「品名」として「RC-2002サングラス」の記載が、また、3枚目には、「社名」として「(カブ)ジーンズメイト」、「仕入先」として「(株)ミック」、「仕入先品番」として「RC-2008」、「品名」として「RC-2008サングラス」の記載がある。
ウ 乙第4号証の1は、GSI社を甲、タクトを乙として平成21年6月17日に交わされた、本件商標の商標権者であるジョシュア フランクリンが所有する商標を付する商品の取引に関する「ライセンス商品に関する取引契約書」の写しであるところ、その「第3条(ライセンスの許諾)」の第1項には「乙は、本件商標のブランド・イメージに適合するデザインを提案し、本件商品を製造ならびにサブライセンスする。」と、「第4条(商標使用料)」の第1項には、「乙は、本件商品の全量を小売店に対する販売価額(消費税含まず。)の6%相当額を商標使用料(Royalty)として甲に支払う。」と、「第6条(製造業者)」の第1項には、「本件商品の製造のために第三者を使用する場合、乙は、当該製造業者に、本件商品の製造および本件商標の使用に関して本契約の各規定を遵守させるものとする。」と記載されている。
また、乙第4号証の2は、GSI社を甲、タクトを乙として平成21年12月28日に交わされた「ライセンス商品に関する取引契約書(補遺)」の写しであるところ、乙第4号証の1に係る契約に関し、条項を追加し、合わせてその契約の一部をなすとされ、「第1条(本件商品の追加)」として「本件対象商品に『サングラス』を追加する。」と記載されている。
エ 乙第5号証の1及び2は、GCR社を甲、タクトを乙、GSI社を丙として、タクトがGCR社との間で締結した契約書の写しであり、乙第5号証の1が平成21年12月28日に、乙第5号証の2が平成23年3月29日にそれぞれ締結したものである。そして、いずれの契約も、その前文には、甲と乙とは、乙が丙との間の平成21年6月17日付契約及び平成21年12月28日付覚書に基づき使用を許諾された別紙(1)記載のジョシュア・フランクリンが申請中の商標の使用に関し契約を締結する旨が記載されるとともに、その「第1条(契約の目的)」には、「乙は、甲に対し、甲が製造・販売する別紙(2)の1記載の商品につき、本件商標を、本契約に定める条件で使用することを許諾する。」と記載され、合わせて、別紙(1)には本件商標の出願番号等が、別紙(2)には指定商品として「サングラス/ゴーグル」の記載がある。
また、乙第5号証の3は、ミックを甲、タクトを乙、GSI社を丙として、タクトがミックとの間で平成24年4月1日に締結した契約書の写しであり、その前文、第1条、別紙(1)と(2)には、タクトがGCR社との間で締結した乙第5号証の1及び2と同様の記載がある。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、以下のことが認められる。
ア タクトは、遅くとも、GSI社との契約(乙第5号証の1)を締結した平成21年(2009年)12月28日には、本件商標について、サングラスを含む商品について、その使用が許諾されるとともに、サブライセンスすることが認められており、その状態は、ミックとの契約(乙第5号証の3)を締結した平成24年4月1日にも続いていたものと推認される。
イ 要証期間内である平成23年6月24日に発売の雑誌「COOL TRANS」(乙第3号証)に、サングラスの写真とともに、使用商標が表示された広告が掲載された。
そして、その広告には、タクトを指しているものと推認される「Presented by TACT COMMUNICATIONS,INC.」の記載とともに、「総発売元」としてミックの名称、連絡先、電話番号が表示されており、上記アをも踏まえると、その頃には、既に、タクトは、ミックによるサングラスについての本件商標の使用を黙示のうちに許諾していたものと推認される。
ウ 使用商標と本件商標とは、本件商標が図形の右側に文字部分が表示されるのに対し、使用商標が図形の下側に文字部分が表示される点では異なるとしても、図形と文字の各構成及び態様は同一といえるものであるから、両商標は、社会通念上、同一の商標とみて差し支えないものといえる。
(3)使用商標が使用されている「サングラス」は、商標法施行規則第6条の別表によって、第9類の「眼鏡」の範ちゅうの商品として規定されているものであるから、本件審判の請求に係る商品である第9類「眼鏡」に含まれる商品といえる。
(4)以上によれば、本件商標ついては、通常使用権者によって、要証期間内に、請求に係る指定商品中、「サングラス」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、商標法第2条第3項第8号に規定する「使用」をしていたものと認めることができる。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(5)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その請求に係る指定商品についての登録を取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(使用商標)




審理終結日 2014-09-09 
結審通知日 2014-09-11 
審決日 2014-09-25 
出願番号 商願2009-92461(T2009-92461) 
審決分類 T 1 32・ 12- Y (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 橋本 浩子冨澤 美加 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
守屋 友宏
登録日 2010-10-29 
登録番号 商標登録第5363687号(T5363687) 
商標の称呼 レコン、リコン 
代理人 株式会社 タクトコミュニケーションズ 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 

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