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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない W05
審判 全部無効 外観類似 無効としない W05
審判 全部無効 観念類似 無効としない W05
審判 全部無効 称呼類似 無効としない W05
審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない W05
管理番号 1297266 
審判番号 無効2014-890013 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-03-10 
確定日 2015-01-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第5598686号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5598686号商標(以下「本件商標」という。)は、「コルソゲン60」の文字を標準文字で表してなり、平成25年2月22日に登録出願され、第5類「消化酵素剤,サプリメント」を指定商品として、同年6月7日に登録査定、同年7月12日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人の引用する登録第2402674商標(以下「引用商標」という。)は、「コルゲン」の片仮名を横書きしてなり、平成元年3月2日に登録出願され、商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同4年4月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、同14年12月4日に、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類(土壌改良剤を除く。)」 、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」及び第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第56号証を提出した。
2 請求の理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、全体称呼以外に、「コルソゲン」の称呼をも生じる。引用商標は、「コルゲン」の称呼を生じる。両者は、本件商標の第3音「ソ」の有無の微差を有するにすぎない。当該「ソ」の音は、無声子音(S)を帯同し、しかも本件商標の称呼「コルソゲン」において、強く発音聴取される語頭音部「コル」と、同じく強く発音聴取される濁音「ゲ」の間に位置する中間音にすぎないため、明確には発音聴取され難い弱音である。
したがって、本件商標と引用商標とは称呼上類似の商標である。
また、本件商標と引用商標とは、何れも片仮名からなり、第3文字目の「ソ」の有無が認められるにすぎない。当該「ソ」の文字は極めて単純な構成であり、しかも5文字中の中間に配置されているため、「コル」と「ゲン」の間に埋没し、一見した場合、明確には認識され難い文字である。してみれば、本件商標は、迅速を旨とする実際の商取引の場においては、外観的に「コルゲン」として看取され、引用商標の外観「コルゲン」と誤認混同を生じることは必至である。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観上類似の商標たるを免れない。
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の使用実績
請求人は、昭和24年(1949年)12月の「コルゲン」かぜ薬発売以来、商標「コルゲン」を商品「かぜ薬」に現在に至るまで約65年という長期間にわたり継続して使用している(甲3?甲35)。
イ 売上高と販売シェア
商標「コルゲン」を使用した「かぜ薬」の売上高は、1981年度(昭和56年度)から2012年度(平成24年度)までの一部期間においてですら総額約1,401億円に達している(甲37)。
「コルゲン」かぜ薬の1980年度(昭和55年度)ないし2012年度(平成24年度)における販売シェアは、総合感冒剤の分野で第6位ないし第11位、鼻炎治療剤の分野で第1位ないし第3位、トローチ剤の分野で第1位ないし第7位、うがい薬の分野で第1位ないし第4位にランク付けされている(甲38)。
ウ 宣伝広告
商標「コルゲン」を使用した「かぜ薬」の2003年度(平成15年度)ないし2012年度(平成24年度)の期間における新聞広告量は、総計11,689.03段、雑誌広告量は総計1.87頁、テレビコマーシャル量は、東京計90,936.1GRP、大阪計80,090.3GRP、名古屋計74,716.8GRPに達している(甲39)。因みに、テレビコマーシャルの画像例は甲第40号証に示されているとおりである。
また、商標「コルゲン」を使用した「かぜ薬」の2006年ないし2013年までの間に作成・配布したミニボード、POPシート、吊り下げDP、スイングPOP、大箱、POPシール、コーナーボード、提灯POP等の広告宣伝資料の総計は、1,402,900枚に達している(甲41)。また、商標「コルゲン」を使用した「かぜ薬」の看板は、昭和45年以降、岡山市、名古屋市東区、東京都中央区、平塚市、高崎市、名古屋市中区及び千葉市に存在する請求人ないし請求人の子会社(興和新薬株式会社)の各事業所ビルの屋上に設置されている(甲42)。
そして、上述した各種の宣伝広告に要した費用の総額は、2010年以降分のみでも約13億7,129万円に達している(甲43)。
エ「コルゲン」かぜ薬の評価
商標「コルゲン」を使用した「かぜ薬」は、株式会社ドラッグマガジン社(東京都中央区日本橋本町2-3-15)により、平成7年12月、平成11年2月及び平成16年2月にそれぞれヒット商品賞に入賞している(甲44?甲46)。
また、当該「コルゲン」かぜ薬は、インターネットサイトにおいて、甲第47号証ないし甲第56号証のように評価され、取り上げられている。
オ 周知著名
以上の事実に徴すれば、商標「コルゲン」が、請求人の業務に係る商品「かぜ薬」を表示するものとして、遅くとも本件商標が出願された平成25年2月22日までには、既に取引者・需要者の間に広く認識されていた。
カ 誤認混同
してみれば、当該周知著名商標「コルゲン」を含む本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者が請求人の業務に係る上記「かぜ薬」のシリーズ商品の一つと誤認したり、あるいは請求人又はその関連会社の業務に係る医薬品やサプリメントであるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれのあることは免れない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第16号該当性について
商標「コルゲン」は、「かぜ薬」の商標として周知著名であるから、著名商標「コルゲン」を含む本件商標が「かぜ薬」でないその指定商品に使用された場合、取引者・需要者が「かぜ薬」ではないにも拘わらず、「かぜ薬」であるとその品質を誤認するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号に違反して登録されたものであるから、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
3 答弁に対する弁駁(要旨)
(1)被請求人は、「コル」と「ゲン」の音は、格別の独創性を持つわけではないから、引用商標には格別需要者・取引者の注意を強く惹く要素はない、旨主張する。
しかしながら、引用商標は「コル」や「ゲン」ではなく、「コルゲン」である。すなわち引用商標は、従来存在しなかった文字列「コルゲン」として明らかに独創性を有しており、自ずと「コ」「ル」「ゲ」「ン」の4文字は、商取引上、取引者・需要者の注意を特に強く惹くものである。
してみれば、本件商標が、当該取引者・需要者の注意を特に強く惹く「コ」「ル」「ゲ」「ン」の4文字を含む以上、「ソ」の有無の微差しか存しない引用商標と称呼において相紛らわしいものとなる。
(2)被請求人は、請求人が提出した証拠は、社内で作成された「証明書」を除いては、本件商標の出願時及び登録時に関するものではない、旨主張する。
しかしながら、甲第3号証ないし甲第56号証は何れも本件商標の登録前の事実に関する証拠であり、被請求人の上記主張は明らかに事実に反する。
(3)被請求人は、請求人の商標は、仮に「コルゲンコーワ」として周知であるとしても、「コルゲン」自体が周知であることは、まったく立証されていない、旨主張する。
しかしながら、甲第36号証のロゴ図から明らかなように、「コルゲン」の文字が「コーワ」等他の文字より明らかに大きく目立つ態様で表示されている事実に徴すれば、商取引上、「コルゲン」の文字が独立して自他商品識別標識として認識されるものであり、社会通念上、当該「コルゲン」の文字が引用商標「コルゲン」の使用に外ならないことは極めて明らかである。
してみれば、「コルゲン」自体が長年使用されている事実を否定することはできず、自ずと「コルゲン」自体も周知著名であることは挿疑の余地がないものである。
(4)被請求人は、「かぜ薬」と「消化酵素剤、サプリメント」とは需要者を共通にするが、その用途・効能は全く異なる、旨主張する。
しかしながら、「かぜ」を引いたときに、胃腸の消化能力が減退するため、消化剤を服用したり、栄養補給の目的でサプリメントを服用することは日常経験するところであることに徴すれば、「かぜ薬」と「消化酵素剤、サプリメント」は相互に密接な関係にある薬といわざるを得ず、自ずと需要者が共通である以上、同一人あるいは何らかの関係にある者によって販売されたシリーズ商品の一つであるかのように、出所混同を生じるおそれを免れない。
他方、「かぜ薬」でないにも拘わらず、本件商標が使用された場合には、請求人あるいは請求人と何らかの関係にある者によって販売された「かぜ薬」のシリーズ商品の一つであるかのように、品質誤認を生じるおそれを免れない。

第4 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第52号証を提出している。
2 答弁の理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「コルソゲンロクジュウ」又は「コルソゲン」の称呼を生じる。
そして、その指定商品である「消化酵素剤,サプリメント」に使用することを計画している。被請求人が販売を計画している商品は、消化酵素と、健胃効果や利胆作用のある「ウルソデオキシコール酸」が配合された、消化促進効果のある製剤であり、本件商標は、「酵素」の称呼である「コウソ」と、前記「ウルソデオキシコール酸」の一部「ウルソ」にヒントを得、第3音に共通し、かつ鋭く強く発音される「ソ」を残したうえで、「コウソ」から第1音の「コ」を、また「ウルソ」から第2音の「ル」を選択し、「コルソ」という語を創り出し、そこに、そのような成分の「源」(みなもと)や「元」(もと)などの意味合いを想起させ、薬剤等の名称の語尾に一般的に使用される「ゲン」を付加し、「コルソゲン」として採択したものである。そして、当該商品に、消化酵素のうち1成分が「60mg」配合されることから「60」の文字を付加している。
イ 引用商標について
引用商標は、「コルゲン」の称呼を生じる。アクセントは語頭「コ」に置かれる。
引用商標は、その構成自体何ら独創性を看取させるものではない。
ウ 本件商標と引用商標の対比
(ア)称呼について
本件商標は5音からなるのに対して、引用商標は僅か4音からなり、いずれも音数の少ない構成であり、全体として称呼したときに、その音数の差異は歴然で、音調の違いは明瞭に認識される。
また、本件商標においては、アクセントが語頭「コ」よりもむしろ、「ソ」音におかれることが多いと考えられる。そして、本件商標の称呼と、引用商標より生じる「コルゲン」の称呼とを比較するに、前者は5音構成で、中間音として明瞭に発音される「ソ」音が置かれていることから、少なくとも「コルソ」「ゲン」の2音節風に発音され、聴取されるともいえるのに対して、後者は4音構成で一気に称呼されるものであるから、それぞれを一連に称呼しても語感音調が相違し、両称呼は明確に識別し得るものである。 さらに、「コル」と「ゲン」の音は、いずれも格別の独創性を持つわけではないから、引用商標には格別需要者・取引者の注意を強く惹く要素はなく、むしろ本件商標において第3音に「ソ」の音が含まれ、5音の構成となっていることに独自性が見いだされるから、称呼において紛らわしいとはいえない。
(イ)外観について
本件商標は、片仮名と数字を組み合せたもので、引用商標と容易に識別できる。片仮名部分を対比しても、短い4文字に対して5文字と相違し、紛らわしいとはいえない。片仮名の文字構成の中にあって「ソ」だけが単純なわけでなく、片仮名は、我が国においては小学生段階ですでに習熟し、日常生活において使用している文字であることから、むしろ明確に認識される。
(ウ)観念について
いずれの商標も観念を持たないので、観念において紛らわしいとはいえない。
(エ)取引の実情
引用商標は、「コルゲン」として使用されているわけではなく、販売名「コルゲンコーワ」として使用されているのが実情である。
エ 小括
以上から、本件商標は、引用商標に類似しないものであり、指定商品の類否を検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 取引の実情1-請求人提出の甲号証
請求人は、商標「コルゲン」がその業務に係る「かぜ薬」を表示するものとして、広く認識されていたことは否定し得ない事実であるとしている。しかし、請求人は、本件商標の出願時及び登録時における周知性を立証すべきところ、請求人が提出した証拠について、社内で作成された「証明書」を除いては、同時期に関するものではなく、その点、立証できていない。
また、請求人の主張には次のような重大な誤りもある。提出された証拠は、「コーワ」の文字が小さい態様も見られるが、ほとんどの場合、「コルゲンコーワ」の文字が使用され、中には請求人自らが同書同大で表示したものさえ多数みられるのである。このように、請求人は、これまで「コルゲン」単独を選択せず、「コーワ」を結合した「コルゲンコーワ」を自ら選択し、使用してきている。これらの使用態様は、「コルゲン」自体の周知性獲得に寄与しているとはいい難い。請求人の商標は、仮に「コルゲンコーワ」として周知であるとしても、「コルゲン」自体が周知であることは、まったく立証されていないといわざるを得ない。
イ 取引の実情2-一般需要者の認識
インターネットのブログ等において、一般消費者の制作・執筆記事(乙22?乙52)においても「コルゲン」ではなく「コルゲンコーワ」と呼びならわすことになった。
以上によれば、商標「コルゲン」が請求人の業務に係る「かぜ薬」を表示するものとして広く知られているかどうかは、甲号証によっては立証されていないといわざるを得ない。
ウ 本件商標の指定商品と請求人商品との関係
(ア)請求人の業務に係るかぜ薬と、本件商標に係る指定商品「消化酵素剤,サプリメント」とは、需要者を共通にするが、その用途・効能は全く異なる。
(イ)かぜ薬は、従来から多くの同業他社によって競合商品が販売されており、請求人商品が市場において際立った存在であったともいえない。本件商標の指定商品とは、代替性はなく、先発・後発の関係になく、競争関係もない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号には該当しない。
(3)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標をその指定商品について使用しても、取引者・需要者が請求人又はその関連会社の業務に係るかぜ薬のシリーズ商品の一つであるかのように混同を生ずるおそれはないから、その品質について誤認を生ずるおそれがない。
(4)むすび
以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号のいずれにも該当しない。
よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「コルソゲン60」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「コルソゲン」の文字部分は、特定の意味を有しない造語と認められるものであり、また、その構成中の「60」の数字部分は、一般に2桁程度の数字が商品の数量又は商品の記号・符号等として類型的に使用されていることから、その一類型として認識されるものであって、自他商品の識別力はないか、極めて弱いものと解されるから、その構成全体から「コルソゲンロクジュウ」の称呼を生じるほか、「コルソゲン」の文字に相応して「コルソゲン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「コルゲン」の片仮名を横書きしてなるところ、該文字は、特定の意味を有しない造語と認められるものであるから、該文字に相応して「コルゲン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との対比について
本件商標の外観と引用商標の外観とを対比すると、両者は、「コル」及び「ゲン」の文字を共通にするが、「ソ」及び「60」の文字が相違するので、外観において十分区別することができ、相紛れるおそれはない。また、本件商標の要部となる「コルソゲン」の外観と引用商標の外観とを対比しても、両者は、「コル」及び「ゲン」の文字を共通にするものの、本件商標の要部が5文字、引用商標が4文字でいずれも比較的少ない構成文字数からなり、その中間において「ソ」の文字の有無の差異を有するので、外観において十分区別することができ、相紛れるおそれはない。
次に、本件商標から生じる称呼「コルソゲンロクジュウ」と引用商標から生じる称呼「コルゲン」とを対比すると、両者は、「ソ」及び「ロクジュウ」の音の有無において顕著な差異を有するので、称呼において十分聴別することができ、相紛れるおそれはない。また、本件商標から生じる称呼「コルソゲン」と引用商標から生じる称呼「コルゲン」とを対比すると、両者は、語頭の「コル」と語尾の「ゲン」の各音を共通にするものの、本件商標が5音構成、引用商標が4音構成といずれも比較的短い構成音数からなり、その中間において「ソ」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、これらを一連に称呼するときは十分聴別することができ、称呼において相紛れるおそれはない。
そして、本件商標と引用商標とは、いずれも観念を生じないものであるから、観念上、比較することができず、観念において類似するということはできない。
そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するものではないから、非類似の商標というべきものである。
(4)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
請求人が提出した証拠によれば、請求人がかぜ薬に使用している商標は、「コルゲン」の文字の後ろに「コーワ」の文字を小さく表した態様で使用されていることが多いものの、「コーワ」の文字に比べ、「コルゲン」の文字が顕著に表示されていることから、「コルゲン」の文字が「コーワ」の文字部分から独立して認識されること、使用期間が長いこと、広告宣伝も長期にわたり行われていること及び一定の売上高も認められることからすると、引用商標は、本件商標の登録出願及び登録査定時において、「かぜ薬」について請求人の使用する商標として周知性を有するといって差し支えのないものである。
しかしながら、本件商標は、引用商標とは、上記1のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するものではなく、別異の商標というべきものであるから、引用商標が周知であるとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起することはなく、その商品が請求人又は請求人と経済的又は組織的になんらかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記1(1)のとおり、特定の意味を有さない造語というべきものであるから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
4 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-11-04 
結審通知日 2014-11-06 
審決日 2014-12-12 
出願番号 商願2013-12052(T2013-12052) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (W05)
T 1 11・ 261- Y (W05)
T 1 11・ 272- Y (W05)
T 1 11・ 271- Y (W05)
T 1 11・ 263- Y (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 裕子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
土井 敬子
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5598686号(T5598686) 
商標の称呼 コルソゲンロクジュー、コルソゲンロクゼロ、コルソゲン 
代理人 高野 登志雄 
代理人 青木 博通 
代理人 中嶋 俊夫 
代理人 山本 博人 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 
代理人 村田 正樹 

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