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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20139242 審決 商標
不服20146330 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服201325037 審決 商標
不服20141568 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W36
管理番号 1293701 
審判番号 不服2014-3800 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-28 
確定日 2014-10-24 
事件の表示 商願2013-26032拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「えきちか」の文字を標準文字で表してなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、平成25年4月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『えきちか』の文字を標準文字で表記してなるところ、指定役務との関係においては、『駅から近い(建物もしくは土地)』を意味する語として普通に使用されている『駅近』の文字の読み仮名と無理なく認識し得るものであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は『駅から近い建物もしくは土地に関する役務の提供』という、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他役務を識別する標識としては機能し得ないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「えきちか」の文字を標準文字で表してなるところ、「駅」の漢字が「えき」と、「近」(い)の漢字が「ちか」(い)と読むことが広く知られている実情を踏まえるならば、その構成文字中の「えき」の文字部分が「駅」の漢字を、「ちか」の文字部分が「近」の漢字をそれぞれ認識させるものといえることから、「えきちか」と表された本願商標からは「駅に近い」の意味合い、「駅近」の漢字を容易に認識させるものといえる。
そして、「えきちか」又は「駅近(えきちか)」の文字は、別掲1のとおり、「駅に近いこと」を表示する語として普通に使用されている状況が認められるところである。
また、本願の指定役務との関係においても、原審で示した事例のほかに、別掲2のとおり、「えきちか」又は「駅近(えきちか)」の文字が、駅に近い物件であることを示すものとして普通に使用されている状況が認められるところである。
そうとすると、本願商標を、その指定役務に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、それが「駅に近い建物もしくは土地に関する役務」であると容易に理解するといえるから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、ひらがな4文字で『えきちか』と横書きしたものであり、これからは特定の意味をくみ取ることはできないこと、『駅近(えきちか)』のようにその読み方が、平仮名で表記されているものもあるが、このカッコ内の『えきちか』は、いわゆるルビと同じで、漢字の『駅近』と一体に用いられて初めて機能するもので、単に平仮名を4文字羅列した本願商標とは異なる」旨主張しているが、本願指定役務との関係において、「えきちか」の文字が「駅近」の漢字を容易に想起させ、「駅に近い」ことを認識させることは上記(1)のとおりであり、たとえ、本願商標が平仮名のみで表されたものであるとしても、これに接する取引者、需要者は、該文字から「駅近」の漢字、さらには、「駅に近い」という意味合いを理解するといえるものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「えきちか」又は「駅近(えきちか)」の文字が、「駅に近いこと」を表示するものとしての使用されていること
1 デジタル大辞泉において、「えきちか」(駅近)について、「鉄道駅の近くにあること。『-のマンション』」と掲載されている。
2 2007年8月1日付け読売新聞において、「路線価『駅近』住宅地上昇際立つ 大阪・千里中央、簿価3倍以上で売買」の見出しの下、「住宅地の中で、不動産業界が『駅近(えきちか)』と呼ぶ場所が、頭一つ抜け出した。・・・『少子高齢化で、かつて人気があった郊外の広い家より、通院や買い物に便利な駅に近い場所の需要がますます高まっている。』・・・その傾向は、新駅周辺で顕著だ。」の記載がある。
3 2009年9月4日付け朝日新聞において、「えきちか案内板すっきり 博多駅周辺、デザイン統一へ 外国語表記も近く協議」の見出しの下、「駅周辺の再開発で地下街は大幅に広がるため、これを手始めに九州の玄関口にふさわしい「えきちか」の整備に乗り出す。」の記載がある。
4 2011年8月19日付け読売新聞において、「駅から近い 東京の居酒屋紹介」の見出しの下、「東京都内の居酒屋のガイドブック『東京 駅近(えきちか) 居酒屋名店探訪』」(東京書籍)が出版された。・・・豊富な写真と共に紹介されているのは、JR山手線沿線とスカイツリー周辺の下町が中心で、駅から徒歩5分以内で気軽に行きやすい約60店。」の記載がある。
5 2014年7月2日付け神戸新聞において、「神戸市内路線価 最高価格、横ばいか上昇 『駅近』需要高まる」の見出しの下、「景況感の回復に伴い、『駅近(えきちか)』など利便性に優れたエリアで住宅、商業スペースの需要が高まっていると見られる。・・・駅から徒歩5分程度のエリアで建売住宅が好調と地元の不動産業者。」の記載がある。

別掲2 「えきちか」又は「駅近(えきちか)」の文字が、指定役務との関係において、「駅に近いこと」を表示するものとしての使用されていること1 2007年10月23日付け毎日新聞において、「杉並区:起業家ら対象、入居者を募集 JR阿佐ケ谷駅近くで /東京」の見出しの下、「杉並区で起業を目指す経営者らを対象に、区がJR阿佐ケ谷駅近くに格安で事務所を提供する『阿佐谷キック・オフ/オフィス』の入居者を募集している。駅まで徒歩2分で、光通信回線も完備し、・・・これまで19社がオフィスを借りた。区は『えきちか、格安、ネットOK』と三拍子そろっている。ぜひ利用してほしいとアピールしている。」の記載がある。
2 2014年6月21日付け神戸新聞において、「<震災20年 次代へ>変貌したまち神戸 人口からみる復興(3)再開発(上)ゴムのにおい消えた町」の見出しの下、「同地区では、マンション開発が相次ぐ。昨年11月、7棟目の分譲マンションが完成。神戸市から用地を買い取った企業が開発し、ほぼ完売した。新長田駅の南側で商業施設などが集まる『駅近(えきちか)』の人気は高い。今年3月にも、別の用地の売却が決まった。」の記載がある。


審理終結日 2014-08-21 
結審通知日 2014-08-26 
審決日 2014-09-10 
出願番号 商願2013-26032(T2013-26032) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
商標の称呼 エキチカ 
代理人 嶋 宣之 

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