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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1291764 |
異議申立番号 | 異議2014-900016 |
総通号数 | 178 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-10-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-01-15 |
確定日 | 2014-08-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5623522号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5623522号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5623522号商標(以下「本件商標」という。)は、「エターナルフィット」の片仮名と「ETERNAL FIT」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成25年6月12日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料」を指定商品として、同年10月18日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標についての登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第635552A号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2000年(平成12年)3月14日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Soaps and the like.」を指定商品として、平成15年5月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標についての登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「エターナルフィット」の片仮名と「ETERNAL FIT」の欧文字とを横書き二段に書してなるところ、これよりは、「エターナルフィット」の称呼を生じ得る。 また、本件商標の構成中の欧文字部分は、「永遠の、不変の」といった意味を有する「ETERNAL」及び「適合」等の意味を有する「FIT」という2つの英単語からなり、同じく、片仮名部分は、これらの英単語の読みを書き下したものと認識されることから、本件商標は、その構成全体から「永遠の(不変の)適合」のような観念を生じ得る。 そして、本件商標の構成中の「ETERNAL」及び「エターナル」の各文字部分は、本件商標の指定商品中の「せっけん類」との関係において、その商品の効果等における時間的な優位性を表現した品質表示に該当すると考えられるため、本件商標の構成中、自他商品等識別力を発揮し得る要部は、「FIT」及び「フィット」の各文字部分であると考えられる。 したがって、本件商標は、その構成全体から「エターナルフィット」の称呼及び「永遠の(不変の)適合」の観念が生じるほか、その構成中の要部から「フィット」の称呼及び「適合」の観念をも生じるものである。 他方、引用商標は、図案化された「fit」の欧文字を書してなるものであるから、「フィット」の称呼を生じ、「適合」の観念を生じるものである。 そして、本件商標の指定商品中の第3類「せっけん類」と引用商標の指定商品とは、互いに類似する商品である。 そうすると、本件商標と引用商標とは、いずれも「フィット」の称呼及び「適合」の観念を生じるものであるから、両商標を指定商品「せっけん類」に使用した場合、需要者において、両商標を付した商品は、関連商品あるいは派生商品であるかのように、互いに何らかの関連ある商品であるとの誤認を生じるおそれがあると考えられるから、両商標は、称呼及び観念において相紛れるおそれのある類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の第3類「せっけん類」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1項第1号により、取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「エターナルフィット」の片仮名と「ETERNAL FIT」の欧文字とを上下二段に書してなるものであるところ、その上段及び下段に位置する各文字は、その幅を揃えて表されている上、その構成文字自体も、それぞれ同じ書体及び大きさをもって表されていることから、その構成全体が、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取され得るものであり、また、その構成全体から生じると認められる「エターナルフィット」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、その文字構成に照らし、「永遠の、不変の」等の意味を有する英語「ETERNAL」又は外来語「エターナル」と「適合する、ふさわしい」等の意味を有する英語「FIT」又は外来語「フィット」とをそれぞれ組み合わせてなるものと看取、理解され、これより、「永遠の(不変の)適合」のような意味合いを想起させる場合があるとしても、本件商標の構成中の特定の文字部分が、本件商標の指定商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える又は、出所識別標識としての称呼、観念を生じないとの特段の事情は見当たらないことから、本件商標は、その構成全体をもって取引に資されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、「エターナルフィット」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じることのない一種の造語として認識されるというべきものである。 なお、申立人は、本件商標の構成中の「ETERNAL」及び「エターナル」の各文字部分が「せっけん類」の品質表示に該当することから、本件商標の構成中、自他商品識別力を発揮し得る要部は「FIT」及び「フィット」の各文字部分となり、これより、「フィット」の称呼及び「適合」の観念をも生じる旨主張するが、申立人は、「ETERNAL」及び「エターナル」の各語が「せっけん類」の品質表示に該当することについての証左を示しておらず、また、当審が職権をもって調査するも、上記各語が「せっけん類」の品質を表示するものとして一般的に使用されている実情を認めることはできなかったから、上記申立人による主張を採用することはできない。 イ 引用商標 引用商標は、別掲のとおりの構成態様からなるところ、その構成態様に照らせば、「fit」の文字を図案化してなるものと看取、理解され得るものであり、また、「fit」の文字は、「フィット」の読み及び「適合する、ふさわしい」等の意味を有する英語として、一般に広く知られているものであるから、その構成文字に相応して、「フィット」の称呼及び「適合、ふさわしい」の観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とは、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成態様からなるものであって、視覚上、容易に区別し得る差異を有するものであるから、外観において相紛れるおそれはない。 また、本件商標から生じる「エターナルフィット」の称呼と引用商標から生じる「フィット」の称呼とは、「エターナル」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、互いに聴別し得るものである。 さらに、本件商標は、特定の意味合いを生じることのないものであるから、観念において、「適合する、ふさわしい」の観念を生じる引用商標と相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 エ 小括 上記のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標(国際登録第635552A号商標) |
異議決定日 | 2014-08-20 |
出願番号 | 商願2013-45072(T2013-45072) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W03)
T 1 652・ 262- Y (W03) T 1 652・ 263- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
手塚 義明 田中 敬規 |
登録日 | 2013-10-18 |
登録番号 | 商標登録第5623522号(T5623522) |
権利者 | 株式会社フューチャーラボ |
商標の称呼 | エターナルフィット、エターナル |
代理人 | 高岡 亮一 |
代理人 | 會田 悠介 |