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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない X03
審判 全部無効 外観類似 無効としない X03
審判 全部無効 商8条先願 無効としない X03
審判 全部無効 観念類似 無効としない X03
管理番号 1289643 
審判番号 無効2013-890068 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-09-30 
確定日 2014-06-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5465285号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5465285号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成23年7月21日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品として、同年12月28日に登録査定、同24年1月20日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5398926号商標
登録第5398926号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成22年5月7日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同23年3月1日に登録査定、同月18日に設定登録されたものである。
2 登録第5405750号商標
登録第5405750号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、平成21年3月18に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同23年2月28日に登録審決、同年4月15日に設定登録されたものである。
3 登録第5433952号商標
登録第5433952号商標(以下「引用商標3」という。)は、「OFF」の文字と「オフ」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成23年3月15日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同年7月22日に登録査定、同年8月26日に設定登録されたものである。
(以下、上記3件の引用商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 無効事由
本件商標は、引用商標1ないし引用商標3のいずれとも類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
2 無効の原因
(1)本件商標
ア 外観
本件商標の外観は、「オフ ハダ」なる片仮名を上段に、「OFF肌」なる欧文字と漢字を下段に配した構成となっている。そして、上段の「オフ」、「ハダ」は、下段の「OFF」、「肌」の文字の上にそれぞれ配置されている。
したがって、上段の「オフ ハダ」は、「オフ」と「ハダ」とが明らかに分離した状態で書されている。また、下段の「OFF肌」は、「OFF」が欧文字、「肌」が漢字という異なる文字種で書されている。
イ 称呼
本件商標から生じ得る称呼としては、「オフハダ」、「オフ」、「ハダ」が挙げられる。ここで、「オフ」なる称呼が生じる点について説明する。
上述したとおり、上段の「オフ ハダ」は、「オフ」と「ハダ」とが明らかに分離した状態で書されている。また、下段の「OFF肌」であるが、「OFF」は、我が国においては馴染みの深い英単語であり、例えば、電気のスイッチの「ON/OFF」等の表示のように、日常生活において頻繁に使用されている。そうすると、下段の「OFF肌」は、同一間隔に書されてはいるが、「OFF」と「肌」とに分離して認識され、また、「肌」の文字部分は、本件商標の指定商品との関係においては、自他商品識別機能が極めて弱い部分である。
以上によれば、本件商標からは、「オフ」なる称呼が当然に生じる。
ウ 観念
本件商標は、造語であるから、固有の観念は生じない。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1の外観は、「OFF」の文字をゴシック体風の太字で書し、「O」の文字の上部に木の葉を模した形状の点を飾りとして付したものからなる。
そして、引用商標1から生ずる称呼は、「オフ」であり、また、「OFF」なる英単語は、我が国においては、一般に「スイッチを切る」といった意味や、休暇を「本日オフ」といった表現で表したりするのに使用されている。
イ 引用商標2
引用商標1(審決注:引用商標2の誤記と判断する。)の外観は、「OFF」の文字をゴシック体風の太字で書し、「O」の文字部分をオレンジ色にした上で、その上部に黒色の木の葉を模した形状の点を飾りとして付したものからなる。
そして、引用商標2から生ずる称呼は、「オフ」であり、また、「OFF」なる英単語は、我が国においては、一般に「スイッチを切る」といった意味や、休暇を「本日オフ」といった表現で表したりするのに使用されている。
ウ 引用商標3
引用商標3の外観は、上段の「OFF」の欧文字をゴシック体で書したものと、下段の「オフ」の片仮名をゴシック体で書したものとで構成される。
そして、引用商標3から生ずる称呼は、「オフ」であり、また、引用商標3は、上記のとおり、「OFF」の英単語とその称呼である「オフ」とからなるものであるが、我が国においては、一般に「スイッチを切る」といった意味や、休暇を「本日オフ」といった表現で表したりするのに使用されている。
(3)商標の類否
本件商標と引用商標とは、外観については、特に論じるまでもなく非類似の関係にあることは明らかであり、また、観念については、本件商標に比較すべき観念が存在していない。
そこで、以下、称呼の類否について論ずることとする。
本件商標から生じ得る称呼としては、上述したとおり、「オフハダ」、「オフ」、「ハダ」が挙げられる。そして、本件商標から「オフ」なる称呼が生じる点についても、既に述べたとおりである。
そうすると、本件商標の称呼「オフ」と引用商標の称呼「オフ」とは、同一となる。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼同一であるから、全体として類似する商標となる。
(4)指定商品の同一・類否
本件商標の指定商品「化粧品,せっけん類,香料類」は、引用商標の指定商品にそれぞれ含まれており、同一である。
したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一である。
(5)先登録商標・先出願商標
本件商標は、引用商標1及び引用商標2のいずれの登録日よりも後に出願されている。また、本件商標は、引用商標3の出願日よりも後に登録出願されている。
(6)利害関係人
請求人は、引用商標の商標権者であるから、利害関係人であり、請求人適格を有する。
(7)結論
以上によれば、本件商標と引用商標とは、類似の商標であって、指定商品も同一又は類似である。また、本件商標は、引用商標1及び引用商標2の登録日並びに引用商標3の出願日よりも後に登録出願されている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するものであるにもかかわらず登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とすべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、標準的な書体で「OFF肌」と一連一体に横書きで表し、同様の書体で、欧文字「OFF」の上に片仮名の「オフ」を、漢字「肌」の上に片仮名の「ハダ」を、それぞれ振り仮名のように付記的に表して、「OFF肌」の読みが「オフハダ」であると積極的に表記してなるものであり、本商標権者が創作した造語である。
このことから、本件商標は、「オフハダ」の称呼が生じるものであり、特定の観念が生じるものではない。
2 引用商標について
(1)引用商標1について
引用商標1は、「OFF」の文字をゴシック体風の太字で書し、「O」の文字の上部に木の葉を模した図形が付されてなるものであり、「オフ」及び「オオエフエフ」の称呼が生じるものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、「OFF」の文字をゴシック体風の太字で書し、「O」の文字部分をオレンジ色にした上で、その上部に黒色の木の葉を模した図形が付されてなるものであり、「オフ」及び「オオエフエフ」の称呼が生じるものである。
(3)引用商標3について
引用商標3は、上段に「OFF」の欧文字をゴシック体で書し、下段に「オフ」の片仮名をゴシック体で書してなるものであり、「オフ」の称呼が生じるものである。
(4)英単語「OFF」の意味について
請求人は、英単語「OFF」の意味として、「我が国においては、一般に『スイッチを切る』といった意味や、休暇を『本日オフ』といった表現で表したりするのに使用されている。」と主張している。
しかし、英単語「OFF」の意味は、基本的には「分離」の意であり、「(間隔が)離れて[た]」、「(衣服が)体から取れて、脱いで」、「(仕事から)離れて、休んで、休みで」、「(スイッチが)切って、切れて」、「割引きして」である。
3 本件商標と引用商標との対比
(1)本件商標は、標準的な書体で「OFF肌」と一連一体に横書きで表し、同様の書体で、欧文字「OFF」の上に片仮名の「オフ」を、漢字「肌」の上に片仮名の「ハダ」を、それぞれ振り仮名のように付記的に表して、「OFF肌」の読みが「オフハダ」であると積極的に表記してなる造語であることから、「オフハダ」と称呼されるものである。
よって、本件商標は、請求人が主張するところの、「『OFF肌』と同一間隔に書されてはいるが、『OFF』、『肌』と分離して認識される」ものではなく、「また、『肌』の文字部分は、本件商標の指定商品との関係においては、自他商品識別機能が極めて弱い部分である」ものでもなく、「OFF肌」と一連一体に認識されるものであり、「本件商標からは、『オフ』なる称呼が当然に生じる」ものではない。
すなわち、本件商標の「OFF肌」のうち、「OFF」と「肌」とを分離すべき合理的理由は、存在しない。
(2)本件商標の指定商品と同様の指定商品(「化粧品,せっけん類,香料類」)において、本件商標の「OFF肌」のような「漢字以外の文字」と漢字「肌」とからなる商標が一連一体の商標と認定され、その一連一体と認定された商標と引用商標の「OFF」のような当該「漢字以外の文字」の商標との間で(逆に、「漢字以外の文字」の商標と「漢字以外の文字」及び漢字「肌」とが一連一体と認定された商標との間で)類否の判断がなされ、非類似と判断されて、それぞれが異なる商標権者の登録商標として登録されている例として、乙第1号証から乙第5号証を提示する。
ア 乙第1号証
登録第5199669号商標 「ゼロ肌」
登録第3194477号商標 「ゼロ\ZERO」
イ 乙第2号証
登録第5056878号商標 「マダム肌」
登録第1607388号商標 「マダム」
ウ 乙第3号証
登録第4858323号商標 「うるるん肌」
登録第5141560号商標 「うるるん\URURUN」
エ 乙第4号証
登録第4834431号商標 「幸せ肌」
登録第5130598号商標 「幸せ」
オ 乙第5号証
登録第5103462号商標 「オーラ肌」
登録第4258841号商標 「オーラ\Ora」
上記アないしオに示すように、「漢字以外の文字」及び漢字「肌」が一連一体の商標と「漢字以外の文字」の商標との類否の判断において、「漢字以外の文字」及び漢字「肌」が一連一体の商標から漢字「肌」を分離する解釈がなされておらず、「漢字以外の文字」及び漢字「肌」が一連一体の商標と「漢字以外の文字」の商標とは類似する関係にないとして、それぞれが異なる商標権者の登録商標として登録されている。
このことからも、本件商標の「OFF肌」のうち、「OFF」と「肌」とを分離すべき合理的理由は、存在しないといえる。
また、「『肌』部分は、本件商標の指定商品との関係においては自他商品識別機能が極めて弱い部分」ではない。「肌」の文字は、ほかの文字と同等に認識され、ほかの文字と一連一体に認識されて自他商品識別機能を発揮するものである。
(3)指定商品「サプリメント」において、欧文字「OFF」及び漢字「習慣」が一連一体の商標と欧文字「OFF」の商標とがそれぞれ異なる商標権者の登録商標として登録されている例、片仮名「オフ」及び漢字「会」が一連一体の商標と片仮名「オフ」の商標とがそれぞれ異なる商標権者の登録商標として登録されている例として、乙第6号証及び乙第7号証を提示する。
ア 乙第6号証
登録第5059080号商標 「OFF習慣」
登録第5497873号商標 「OFF」
イ 乙第7号証
登録第5618734号商標 「オフ会」
登録第5497872号商標 「オフ」
(4)以上のことから、本件商標は、「オフハダ」の称呼のみが生じるものである。
また、本件商標は、欧文字「OFF」の上と漢字「肌」の上とにそれぞれ振り仮名のように付記的に表された「オフ ハダ」から「オフ」のみを抜き出して認識される事情も有していないことから、「オフ」の称呼が生じるとの解釈をすることは、不自然であり、あり得ないことである。
したがって、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、称呼上、「オフハダ」と「オフ」及び「オオエフエフ」とで識別し得る差異が顕著であり、また、本件商標と引用商標3とは、称呼上、「オフハダ」と「オフ」とで識別し得る差異が顕著であることから、いずれの場合においても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、外観上、識別し得る差異が顕著であることから、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはない。
加えて、本件商標は特定の観念を有するものではないのに対し、引用商標は英単語「OFF」の意味するところの観念を有するものであって、両商標は、観念上、識別し得る差異が顕著であることから、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはない。
(5)商標の類否の判断は、商標の有する称呼、外観及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察すべきものであるところ、本件商標と引用商標とは、上述のとおり、称呼及び外観において著しく異なり、観念において共通性がないことから、商標全体から受ける印象が全く異なり、互いに紛れることはないので、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがないものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からも相違するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

第5 当審の判断
1 本件審判の請求の利益について
請求人は、同人は引用商標の商標権者であるから、利害関係人であり、本件審判を請求することについて利益がある旨主張しているところ、この点について、被請求人は、何ら反論していない。そして、当合議体も、請求人は、本件審判の請求人適格を有すると判断できるので、以下、本案に入って審理する。
2 本件商標と引用商標との類否について
請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、本件商標と引用商標との類否について検討する。
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、ゴシック体で表してなる「OFF肌」の文字と、その上方に、該文字よりもやや小さくゴシック体で表してなる「オフ」及び「ハダ」の各文字を1文字程度の間隔を空けて配してなるところ、上記各文字の構成及び配置に照らせば、「オフ」及び「ハダ」の各文字は、その下方に位置する「OFF肌」の文字に振り仮名を付したものとして看取、理解されるとみるのが相当である。
また、本件商標の構成中の「OFF肌」の文字は、欧文字と漢字とを組み合せて表されているものの、これを構成する文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔にまとまりよく表されており、視覚上も一体的に把握し得るものである。
さらに、本件商標の構成中、上段に位置する「オフ」及び「ハダ」の各文字並びに下段に位置する「OFF肌」の文字についてみるに、これらが、看者をして、特定の意味合いを想起するものと認めるに足る事実は見いだせない。
してみれば、本件商標は、上段に位置する「オフ」及び「ハダ」の各文字が下段に位置する「OFF肌」の文字の振り仮名表示と看取、理解され、その構成全体をもって、一体的にまとまりあるものとして認識されるものであり、特定の意味合いを想起させることのないものであるから、これよりは、「オフハダ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生ずることのないものというべきである。
なお、請求人は、本件商標の構成中、上段に位置する「オフ」の文字と「ハダ」の文字とは明らかに分離した状態で表されていること、同じく、下段に位置する「OFF肌」の文字は同一間隔に表されているものの、その「OFF」の文字が、我が国において馴染みのある英単語であって、日常生活において頻繁に使用されるものであることから、「OFF」の文字と「肌」の文字とは分離して認識されることに加え、「肌」の文字は、本件商標の指定商品との関係においては自他商品の識別機能が極めて弱いものであることからすれば、本件商標からは「オフ」の称呼が当然に生じる旨主張するが、上記のとおり、本件商標は、その構成全体をもって、一体的にまとまりあるものとして認識されるものであり、かかる構成においては、その構成中の「オフ」の文字部分及び「OFF」の文字部分のみが、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められないから、上記請求人の主張を採用することはできない。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、別掲2のとおり、「OFF」の文字をゴシック体風の太字で表し、かつ、その「O」の文字の上部に木の葉状の図形をシルエットで描いてなるものである。
してみれば、引用商標1は、その構成中の「OFF」の文字部分に相応して、「オフ」及び「オオエフエフ」の称呼が生じるものであり、また、「OFF」の文字は、副詞としての「離れて、向こうへ」等の意味、前置詞としての「・・・から(離れて、はずれて)」等の意味、形容詞としての「(中心から)離れた」等の意味、名詞としての「離れていること」等の意味を有する英語として一般に慣れ親しまれているものと認識され得るから、上記多種多様な観念を生ずるものといえる。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲3のとおりの構成からなるものであって、その構成中の「O」の文字がオレンジ色で表されていることを除けば、引用商標1と同一の構成からなるものといえるから、これよりは、引用商標1と同様に、「オフ」及び「オオエフエフ」の称呼並びに上記多種多様な観念を生ずるものといえる。
ウ 引用商標3
引用商標3は、前記第2の3のとおり、「OFF」の文字と「オフ」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中、下段に位置する「オフ」の文字は、上段に位置する「OFF」の文字の読みを片仮名表記したものと看取、理解されるものであり、同じく、上段に位置する「OFF」の文字は、引用商標1における場合と同様に、一般に慣れ親しまれている英語と認識され得るから、これより、「オフ」の称呼及び上記多種多様な観念を生ずるものといえる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)において述べたとおりの構成からなるものであって、「ハダ」及び「肌」の各文字の有無という顕著な差異があることから、外観上、容易に区別し得るものである。
また、本件商標は「オフハダ」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は「オフ」及び「オオエフエフ」の称呼を生ずるものであって、両称呼は、音の構成及び数を明らかに異にするものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはない。
さらに、本件商標は特定の観念を生ずることのないものであるのに対し、引用商標は多種多様な観念を生ずるものであるから、観念上、両商標が類似するということはできない。
(4)小括
上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、請求人は、本件商標と引用商標とをそれぞれ同一又は類似する商品に使用したときに、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべき取引の実情についての主張、立証をしていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反してされたものではないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本件商標


2 引用商標1(登録第5398926号商標)


3 引用商標2(登録第5405750号商標)


(色彩については、原本参照のこと。)

審理終結日 2014-04-17 
結審通知日 2014-04-22 
審決日 2014-05-07 
出願番号 商願2011-51605(T2011-51605) 
審決分類 T 1 11・ 261- Y (X03)
T 1 11・ 263- Y (X03)
T 1 11・ 4- Y (X03)
T 1 11・ 262- Y (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加園 英明 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
田中 敬規
登録日 2012-01-20 
登録番号 商標登録第5465285号(T5465285) 
商標の称呼 オフハダ 
代理人 岩堀 邦男 
代理人 矢野 寿一郎 

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