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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W07
管理番号 1286597 
審判番号 不服2013-16112 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-08-21 
確定日 2014-03-20 
事件の表示 商願2012-28104拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SGピン」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金型用中子ピン,金型用鋳抜きピン,金型用コアピン,金型用押し出しピン,鋳造金型用中子ピン,鋳造金型用鋳抜きピン,鋳造金型用コアピン,鋳造金型用押し出しピン,射出成型金型用中子ピン,射出成型金型用鋳抜きピン,射出成型金型用コアピン,射出成型金型用押し出しピン」を指定商品として、平成24年4月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、「本願商標は、『SGピン』の文字を標準文字で表してなるところ、その指定商品との関係において、アルファベットの『SG』は商品の種別、型式、規格を表示する記号・符号の一類型として取引上普通に使用されるものであって、『ピン』は商品ピンを表記したものである。そうすると、これを本願の指定商品について使用した場合、『「SG」という記号が付されたピン(棒状又は筒状の部品)』であると認識させるにすぎないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「SGピン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ピン」の文字が、本願指定商品の一般名称といえるものであるから、本願商標は、「SG」の文字と「ピン」の文字からなるものと容易に理解されるものである。
そして、「SG」は、欧文字2文字であり、それのみでは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章といわざるを得ないものであって、かつ、本願指定商品に係る金型用部品の分野においては、欧文字2文字が商品の型式等を表す記号、符号として普通に使用されていることが、例えば、以下のインターネットウェブサイト情報より、うかがい知ることができる。なお、下線は、審判の合議体で加えた。
(1)2013年度版 ダイカスト周辺機器カタログ アーレスティテクノサービスのウェブサイトにおいて、「CP α/Alpha Pin(Long-life Pin)/αピン(長寿命中子ピン)の見出しの下、規格表の欄に、型式として「CP」の記載があり、追加工の欄に、追加工コードとして「CT」、「NO」及び「MK」の記載がある(http://www.ahresty-tec.jp/2013catalog/japan/#page=111)。
(2)株式会社ダイナモのウェブサイトにおいて、「鋳抜きピン」の見出しの下、コーティングの欄に、種類として「TD」の記載がある(http://www.dynamo.co.jp/j/product/index.html)。
(3)パンチ工業株式会社のウェブサイトにおいて、「SKD窒化 ダイカスト用ストレートエジェクタピン」の見出しの下、追加工の欄に、Codeとして「KC」、「HC」、「TC」、「NC」及び「MC」の記載がある(http://www.punch-web.net/catalog_data/PLASTIC_2007/_SWF_Window.html?pagecode=566)。
(4)MiSUMi-VONAのウェブサイトにおいて、「ボス用コアピン -ガス逃げ穴付タイプ-」の見出しの下、カタログのタブの軸径(D)固定タイプ及び軸径(P)0.01mm指定タイプの欄に、型式/Shapeとして「SS」、「SG」、「CS」、「CG」及び「RG」の記載がある(http://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110200042970/)。
(5)CHAMPION INDUSTRIAL CO.,LTDのウェブサイト(http://www.champ-j.com/modules/product/index.php?content_id=7)において、プラスチック金型標準部品(カタログ商品)の見出しの下、コアピンの欄に、PDFファイル「追加工概要」として掲載されている商品カタログの229頁(http://www.champ-j.com/modules/product/index.php?content_id=7)には、「コアピン追加工」の見出しの下、コード/CODEとして「SC」、「WC」及び「RC」の記載がある。
(6)日本デイトンプログレス株式会社のウェブサイト(http://www.dayton.co.jp/Catalogs.htm)に掲載されている商品カタログ「DAYTON Press Die Components Catalog 2013」(http://www.dayton.co.jp/catalog2013/_SWF_Window.html?mode=1062)において、その16頁及び17頁に「センターノックジェクトールパンチ」の見出しの下、商品のタイプとして「SJ」の記載があり、標準変更の欄に、刃先変更として「XP」、「XW」、「XR」及び「XC」、全長変更として「XL」及び「LL」、ツバ部変更として「XT」及び「XH」、シャンク変更として「XD」、ジェクトール変更として「XK」及び「XJ」の記載がある。
(7)日本金型産業株式会社のウェブサイト(http://www.jtdtky.co.jp/products/index.html)の取扱商品の項に、「金型組込み部品」の見出しの下、「アンダーカット処理部品」の「コラプシブルコア・ミニコア PROGRESSIVE」の欄に掲載されている商品パンフレット(http://www.jtdtky.co.jp/pdf/products/PROGRESSIVE_CollapsibleCoreMiniCore.pdf)において、「コラプシブルコア & ミニコア MiniCore@【RTシリーズ】」の記載がある。
以上よりすれば、本願商標の構成中「SG」の欧文字は、商品の型式等を表す記号・符号を表示する一類型であると認識され、また、「ピン」の片仮名は、本願指定商品の一般名称といえるものであることから、本願商標「SGピン」をその指定商品に使用する場合には、「型式がSGであるピン」程の意味合いを理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるというべきであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、請求人(出願人)は、本願商標の構成文字は、全て同書、同大、等間隔で表され、全体として視覚的にまとまりよく一体的に表現されており、また、全体の構成文字から生じる「エスジーピン」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであるから、このような構成からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を商品の型式等を表示する記号、符号として使用される2文字の欧文字「SG」と本願の指定商品を表記した「ピン」との組み合わせとして認識するというよりは、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるのが自然である旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、本願指定商品に係る金型用部品の分野においては、欧文字の2文字は、商品の型式等を表す記号、符号を表示する一類型として使用されていることから、本願商標は、「SG」及び「ピン」の文字からなるものと容易に理解され、「型式がSGであるピン」程の意味合いを有するものであり、自他商品の識別標識としての機能は果たし得ないものである。よって、請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は、「SG」は、請求人である「株式会社スグロ鉄工」の英語表記「SUGURO」のうち2つのアルファベットを組み合わせて示した略称であるところ、「SGピン」から「スグロ鉄工が製造したピン」との意味合いを想起することも十分に考えられる旨主張している。
しかしながら、本願商標の「SG」の文字部分が、取引者、需要者をして「株式会社スグロ鉄工」の略称として理解、認識するとは限らないものであり、また、当審において職権により調査しても、本願の指定商品を取り扱う業界において、「SG」又は「SGピン」の文字が、「株式会社スグロ鉄工」又は「スグロ鉄工が製造したピン」を表わすものとして、取引者、需要者において一般に広く知られている事実を発見することができず、請求人からこれを立証する証拠の提出もないものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
さらに、請求人は、過去の審決例(登録例)を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例は、いずれも本願商標とは構成を異にし、その指定商品も本願の指定商品と相違するものであり、かつ、本件の審決時に職権により調査した取引の実情は上記のとおりであるから、この点についての請求人の主張も採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-01-16 
結審通知日 2014-01-21 
審決日 2014-02-06 
出願番号 商願2012-28104(T2012-28104) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 下山 月菜矢澤 一幸堀内 真一 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 根岸 克弘
手塚 義明
商標の称呼 エスジイピン、エスジイ 
代理人 藤田 考晴 
代理人 川上 美紀 
代理人 上田 邦生 

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