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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W16
審判 全部申立て  登録を維持 W16
審判 全部申立て  登録を維持 W16
管理番号 1284367 
異議申立番号 異議2013-900183 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-06-10 
確定日 2014-01-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5563429号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5563429号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5563429号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年5月30日に登録出願、第16類「紙類,紙を主原料に使用した緩衝材,紙製包装用容器,文房具類,印刷物,発泡紙製の飲食料品包装用箱」を指定商品として、同25年2月14日に登録査定、同年3月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標について引用する商標登録は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4569130号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成11年10月13日に登録出願、第16類「紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,荷札,印刷物,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,装飾塗工用ブラシ」を指定商品として、同14年5月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第5329594号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成22年1月15日に登録出願、第16類「印刷用インテル,活字,マーキング用孔開型板,紙製のぼり,紙製旗,文房具類」を指定商品として、同年6月11日に設定登録されたものである。
なお、上記引用各商標をまとめて以下「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は、「ECO」及び「エコ」の文字(語)を含むものであるところ、これらの語については、「ecology」(生態学)に由来し、「環境、生態(学)」を意味する語であるとし、「リサイクルに適した商品、もしくは環境への負荷の軽い商品の意を表したもの程度に理解するにすぎず、商品の出所表示として機能しない」ものと判断した審決があり(甲7)、以後、当該文字について同様の判断を示した審決は枚挙に暇がない(甲8ないし甲10)。
そして、本件商標についてみると、その図形中には、「ARO」及び「ECO」の文字が二段に配されており、「ECO」の文字部分が自他商品識別標識としての機能を発揮しないことからすれば、「ARO」の文字部分は、単独で自他商品識別標識としての機能を発揮し得ることが明らかである。
そうとすれば、本件商標は、引用商標における「aro」とは、大文字小文字の差異のみを有する同一構成文字よりなる「ARO」の文字を要部として含み、引用商標と同一の「アロ」の称呼を生ずるものであるから、互いに相紛れるおそれの高い類似の商標である。
また、本件商標の「アローエコ」の文字部分からは、自他商品識別標識としての機能を発揮しない「エコ」の文字を除いた「アロー」の文字に相応して「アロー」の称呼を生じ、引用商標は、「aro」の文字部分から「アロ」の称呼を生ずる。両称呼は、長音(ー)の有無のみが相違するものであるところ、当該長音は、前音「ロ」に伴うものであって、当該「ロ」の母音[o]に吸収されて、微かに余韻が残っているかの如く感じられる程度にすぎないから、本件商標と引用商標とは、各商標より生ずる称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が互いに近似し、自他彼此聴き誤るおそれがある類似の商標である。
(2)指定商品の類否
引用商標は、本件商標と同一又は類似の関係にある指定商品を含むものである。
(3)具体的取引実情
引用商標は、申立人製品を示す商標として、世界の多数の国において使用されている実績があり(食品及び非食品600アイテム超、甲17)、当該取引事情に基づけば、本件商標に接した取引者・需要者等をして、申立人の製造・販売に係る製品であるかの如き観念ないし印象を想起せしめる本件商標は、申立人の製品を表示するものとして使用される引用商標と、取引者に与える印象、記憶、連想等において、自他彼此相紛らしい類似の商標である。
(4)むすび
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、その内側に「ARO」と「ECO」の欧文字を白抜きで二段に配した緑色と青色の一葉状の図形とその下方の灰色図形及びそれら図形の右横に「アローエコ」の片仮名を大きく表してなるところ、構成中の「ECO」及び「エコ」の文字は、「(エコロジーの略)環境に配慮すること。『生態』『環境』『環境保護』を意味する接頭語。『?生活』」を意味する「エコ(eco)」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の語であるのに対し、他の構成文字「ARO」及び「アロー」は、ともに辞書類に載録された成語とは認められないものであって、特定の観念を生ずるものではない。
そして、図形内の欧文字部分及び構成右側の片仮名部分は、それぞれ同書、同大、等間隔でまとまりよく表されており、また、構成右側の片仮名「アローエコ」は、図形内の欧文字「ARO」及び「ECO」の読みを表したものと認められ、該「アローエコ」の称呼も長音を含む5音であって、無理なく一連に称呼され得る比較的短い音であることからすると、本件商標構成中の欧文字部分及び片仮名部分は、一体のものとして看取されるというのが自然である。
そうすると、本件商標は、欧文字「ARO」及び「ECO」並びに「アローエコ」の文字に相応した「アローエコ」のみの称呼を生ずるというのが相当である。
したがって、本件商標は、全体として特定の観念を生ずるものでなく、「アローエコ」の称呼を生ずるものと認められる。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、図形内に配された「aro」の文字部分に相応した「アロ」または「エイアアルオオ」の称呼を生ずるものであり、上記文字は、辞書類に載録された成語とは認められないものであって、特定の観念を生ずるものではない。また、図形部分から特定の称呼及び観念が生ずるとする特段の事情も見いだせない。
そうすると、引用商標は、「アロ」または「エイアアルオオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標との類否について検討すると、両者は、外観において顕著な差異を有するものであり、称呼においても、本件商標から生ずる「アローエコ」の称呼と引用商標から生ずる「アロ」又は「エイアアルオオ」の称呼は、その構成音数及び構成音において顕著な差異を有し、十分聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標は、いずれも観念を生ずるものではないから、観念において類似するものとはいえず、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)申立人の主張について
申立人は、本件商標構成中の「エコ」及び「ECO」の文字部分は、「リサイクルに適した商品若しくは環境への負荷の軽い商品の意を表したもの」程度に理解されるにすぎず、自他商品識別標識としての機能を発揮しない(甲7ないし甲10)から、本件商標は、上記文字を除いた「ARO」及び「アロー」の文字部分に相応して「アロ」又は「アロー」の称呼を生ずる旨主張する。
しかしながら、「エコ」及び「ECO」の文字が、「エコロジー(ecology)」の略で環境に配慮することを意味し、「リサイクルに適した商品若しくは環境への負荷の軽い商品の意を表したもの」などの意味合いで、自他商品識別標識としての機能を発揮しない場合があるとしても、本件商標においては、欧文字部分「ARO」と「ECO」は、一葉状の図形内に同じ書体、同じ大きさで上下に近接してまとまりよく配され、また、片仮名「アローエコ」も、同書、同大、等間隔で横一連にまとまりよく表わされていること、及び片仮名部分が欧文字部分の読みを表したといえるものであることからすると、これら欧文字及び片仮名の各文字部分は、それぞれ一体のものとして看取されるというのが自然であり、「エコ」又は「ECO」の文字が上記意味合いを有することをもって、これらの文字を捨象して「ARO」または「アロー」の文字部分のみに着目することはないというべきであるから、この点に関する申立人の主張は採用できない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)(色彩については原本参照のこと。)



別掲2(引用商標) (色彩については原本参照のこと。)



異議決定日 2014-01-16 
出願番号 商願2012-43069(T2012-43069) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W16)
T 1 651・ 262- Y (W16)
T 1 651・ 263- Y (W16)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 淳小出 浩子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
村上 照美
登録日 2013-03-08 
登録番号 商標登録第5563429号(T5563429) 
権利者 矢崎総業株式会社
商標の称呼 アローエコ、アロー、アロ、エイアアルオオ、エコ、イイシイオオ 
代理人 大房 孝次 
代理人 谷山 尚史 

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