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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03 審判 査定不服 外観類似 登録しない X03 審判 査定不服 観念類似 登録しない X03 |
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管理番号 | 1281389 |
審判番号 | 不服2012-23668 |
総通号数 | 168 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-11-29 |
確定日 | 2013-10-08 |
事件の表示 | 商願2011- 86427拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第3類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成23年12月1日に登録出願され、その後、指定商品については、平成24年7月12日付け手続補正書により、第3類「死海産の天然ミネラル成分を有してなるスキンケア用化粧品(薬剤に含まれるものを除く。),死海産の天然ミネラル成分を含むネイルケア用化粧品,死海産の天然ミネラル成分を含むアフターシェービング用化粧品」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定は、「本願商標は、次の(1)及び(2)の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。 (1)登録第1366051号商標(以下「引用商標1」という。) 引用商標1は、「SECRET」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年4月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和53年12月22日に設定登録、その後、平成22年1月13日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (2)登録第1366052号商標(以下「引用商標2」という。) 引用商標2は、「シークレット」の片仮名を横書きしてなり、昭和48年4月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和53年12月22日に設定登録、その後、平成22年1月13日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標との類否について ア 本願商標は、別掲のとおり、上段に大きく「SEACRET」(2文字目及び3文字目の「E」及び「A」はややデザイン化されている。以下同じ。)及び下段に小さく「MINERALS FROM THE DEAD SEA」の欧文字を書してなるものであり、その構成上、上段と下段とが視覚上分離して観察されるものである。 そして、本願商標の構成中、上段の「SEACRET」の文字部分は、大きく顕著に表されているものであるから、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。 これに対して、下段の「MINERALS FROM THE DEAD SEA」の文字部分は、「死海からのミネラル」といった意味合いを認識させ、本願の指定商品との関係では、商品の品質又は原材料を表示したものと認識されるものとみるのが相当であるから、該文字部分は、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえる。 そうとすれば、本願商標は、その構成中「SEACRET」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。 そして、「SEACRET」の文字(語)は、既成の語ではなく造語と認められるものであり、その構成文字に相応して「シークレット」と称呼されるものであるが、該称呼に相当する日本語は、「秘密」を意味する「シークレット」のみである。 してみれば、本願商標の構成中「SEACRET」の文字部分は、「シークレット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものの、該称呼に相当する日本語が「秘密」を意味する「シークレット」のみであることから、「シークレット(秘密)」の意味合いを想起させる場合も有り得るものである。 イ 一方、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「SECRET」の欧文字を横書きしてあるものであり、また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「シークレット」の片仮名を横書きしてなるものであり、それぞれ「シークレット」の称呼を生じ、「シークレット(秘密)」の観念を生じるものである。 ウ そこで、本願商標の構成中「SEACRET」の文字部分と引用商標1とを比較すると、外観においては、両者は、語頭の「SE」及び語尾の「CRET」の文字を共通にし、異なるところは中間における「A」の文字の有無及び一部の文字がややデザイン化されているか否かの差にすぎず、商標の構成文字の一部をデザイン化することが一般に行われている取引の実情を考慮すれば、両者は、近似した印象を与えるものである。 次に、称呼においては、両者は、「シークレット」の称呼を共通にするものであり、また、観念においては、前者からは特定の観念を生じないものの、「シークレット(秘密)」の意味合いを想起させる場合もあることから、両者は、観念(意味合い)を共通にする場合も有り得るものである。 してみれば、本願商標の構成中「SEACRET」の文字部分と引用商標1との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、外観において近似し、「シークレット」の称呼を共通にし、「シークレット(秘密)」の観念(意味合い)を共通にする場合もある両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 エ また、本願商標の構成中「SEACRET」の文字部分と引用商標2とを比較すると、外観においては、両者は、欧文字と片仮名という文字の種類を異にするため、相違するものであるが、称呼においては、両者は、「シークレット」の称呼を共通にするものであり、また、観念においては、前者からは特定の観念を生じないものの、「シークレット(秘密)」の意味合いを想起させる場合もあることから、両者は、観念(意味合い)を共通にする場合も有り得るものである。 してみれば、本願商標の構成中「SEACRET」の文字部分と引用商標2との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、商標の構成文字を片仮名及びローマ字の間で相互に変更することが一般に行われている取引の実情を考慮すれば、外観においては相違するものの、「シークレット」の称呼を共通にし、「シークレット(秘密)」の観念(意味合い)を共通にする場合もある両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 オ そして、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中「化粧品」の範ちゅうに含まれるものである。 カ さらに、本願商標と引用商標とが商品の出所につき誤認混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。 キ したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は、「海の秘密」又は「死海から採取された秘密のミネラル」の観念を生じる旨主張しているが、本願商標から直ちにこのような観念を生じるとはいい難く、請求人の主張は採用できない。 イ 請求人は、本願の指定商品は、肌・身体に直接用いるものであるから、商品選択における需要者の注意力はかなり高い旨主張している。 しかしながら、当該指定商品は、日常的に購入される商品であり、その需要者は、特別な専門的知識を有しない一般の消費者であることからすると、商品選択の際に払われる需要者の注意力は、さほど高いものではないとみるのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。 ウ 請求人は、本願の指定商品と同一又は類似の商品を指定した商標について調べたところ、「シークレット」及び「SECRET」の文字を含む登録商標は、200件以上も併存して登録されていることから、該語は強い識別力を発揮する語ではない旨主張している。 しかしながら、これらが併存して登録されていることのみをもって、「シークレット」又は「SECRET」の文字が化粧品との関係で自他商品の識別力が無いとはいえず、他に該語が自他商品の識別力が無いとの事情は見いだせないものである。そして、本願商標は、前記(1)のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。 (3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審理終結日 | 2013-05-09 |
結審通知日 | 2013-05-13 |
審決日 | 2013-05-24 |
出願番号 | 商願2011-86427(T2011-86427) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X03)
T 1 8・ 262- Z (X03) T 1 8・ 263- Z (X03) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 津金 純子 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
山田 啓之 前山 るり子 |
商標の称呼 | シークレットミネラルズフロムザデッドシー、シークレット、ミネラルズフロムザデッドシー |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 魚路 将央 |
代理人 | 小暮 君平 |
代理人 | 工藤 莞司 |