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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201222253 審決 商標
不服201222573 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X3742
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X3742
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X3742
管理番号 1276370 
審判番号 無効2012-890024 
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-02-28 
確定日 2013-06-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5378262号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成24年8月22日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成24年(行ケ)第10334号平成25年1月31日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第5378262号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5378262号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年7月30日に登録出願され、第37類「建築物・土木構造物の工事監理」及び第42類「建築物・土木構造物の設計,建築物・土木構造物の耐震性調査及び診断,電子計算機のプログラムの設計及び開発」を指定役務として、同年11月18日に登録査定、同年12月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下の1ないし4のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第4849984号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BEAMS」の欧文字を横書きしてなり、平成16年10月4日に登録出願、第37類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年3月25日に設定登録されたものである。
2 登録第4166104号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BEAMS」の欧文字を横書きしてなり、平成8年10月4日に登録出願、第42類に属する別掲3に記載のとおりの役務を指定役務として、同10年7月10日に設定登録されたものである。
3 登録第4849985号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ビームス」の片仮名を横書きしてなり、平成16年10月4日に登録出願、第37類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年3月25日に設定登録されたものである。
4 登録第4166103号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ビームス」の片仮名を横書きしてなり、平成8年10月4日に登録出願、第42類に属する別掲3に記載のとおりの役務を指定役務として、同10年7月10日に設定登録されたものである。
以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の構成
(1)本件商標は、欧文字の大文字「B」を一筆書き風にて筆書体風に右斜め方向に書してなるとともに、この「B」の文字下辺にそって欧文字小文字で「eams」と一筆書き風、筆書体風に横書きしてなり、かつ欧文字「B」左辺にこの文字「B」の鏡像らしき図形を配してなるものである。
(2)被請求人のホームページについて
甲第6号証の「御挨拶」によれば、被請求人は本件商標の構成について、一筆書き風欧文字の大文字「B」の部分(以下「一筆B」という。)を「筆記調の文字に合わせた『B』の部分に特徴的なデザインをまとわせ・・・(略)」とし、一筆Bが欧文字「B」を表す構成であることを自認し、また、その事実はホームページを通じて容易に取引者・需要者も認識できるものである。
さらに、甲第7号証の「会社概要」によれば、被請求人の社名について、和文名称は、「株式会社ビームス・デザイン・コンサルタント」であり、英文名称は、「Beams Design Consultant Co.,ltd」であることが認められ、また、甲第8号証の「採用情報」によれば、「(中略)さらなる飛躍のために、Beamsの新戦力を募集致します。」「(中略)キヤリアをBeamsで活かしてみませんか?」などの記述があり、これらより、自社名の一部や略称である「ビームス」及び「Beams」部分を自社のロゴとしてデザイン化している事実を推認できるものである。
そして、本件商標について、左側に青色の輪郭線を有する図形を配し、これに密着させるように右側に青色の輪郭線と同色、同程度の太さをもって「eams」の欧文字を筆記体にて表した構成よりなると解される場合、これに接する取引者・需要者は、我が国における英語の普及水準に鑑みるに、そこから自然に浮かび上がる「Beams」の欧文字を看取するものと解される。
そうすると、本件商標は「ビームス」あるいは「Beams」ロゴと取引者・需要者に認識されるのが社会通念上自然であり、本件商標からは、「ビームス」の称呼が生じる。
(3)本件商標に付与されるウィーン分類コードと過去の登録例について
本件商標にはウィーン分類コード「5.3.11(その他の葉)」、「5.3.13(様式された葉)」、「5.3.15(二枚から四枚までの葉)」、「27.3.11(植物を表す文字又は数字)」、「27.5.1.2(特殊な書体で表現された文字「B、b」)」及び「27.5.21(一文字)」が付与されている(甲1の1)。そして、本件商標のように、文字からなる商標がその一部又は全部を図案化するなどして特徴を持たせることが盛んに行われている今日の商取引の実情(甲9)に照らせば、本件商標の一筆Bについては、これに接する取引者・需要者に欧文字「B」を表したものと容易に認識・理解されるものと見るのが自然である(甲10の1ないし3)。
(4)小括
以上より、本件商標からは「ビームス」の自然的称呼が生じることは明らかである。
なお、仮に、本件商標について「植物の葉の特徴を思わせる左右対称の如きの形状+欧文字『eams』のロゴ」と解される余地があったとしても、図形部分に続く欧文字部分「eams」や、欧文字を図案化するなどが盛んに行われる今日の商取引事情、被請求人のホームページにある記載などの事情に鑑みるに、かえって、これを「欧文字の『B』をデザイン化したBeamsロゴだ」と、本件商標に接する取引者・需要者に認識・理解・想起・連想されるものと解するのが自然である。
そして、特許庁発行の商標公報には「ビームス」の称呼が記載されている(甲1の1)。
2 本件商標と引用商標との類否
(1)本件商標と引用商標1及び2との類否
本件商標は「ビームス」の称呼を生じ、引用商標1及び2は欧文字で「BEAMS」と横書きしてなり、「ビームス」の称呼を生ずるから、両者は、共に「ビームス」の称呼を生じ、称呼において類似の商標である。
外観において、本件商標と引用商標1及び2とは、その構成に含まれる欧文字の文字列が「BEAMS」である点で同一であり、外観上の差違は欧文字の「B」部分がデザイン化されているか否か、欧文字「EAMS」部分が小文字「eams」であるか大文字「EAMS」であるか、商標が彩色されているか否かという点の差異でしかない。
そうすると、称呼において「ビームス」との同一称呼が生じており、取引者・需要者が本件商標と引用商標1及び2とを時・場所を異にして観察した場合に、その同一または類似の称呼による印象・記憶・連想を覆す程に、外観が著しく異なるとまでいえないものであるから、本件商標と引用商標1及び2とは、外観において類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標1及び2の指定役務は、第37類(37A02)又は第42類(42N01、42P02、42Q02)において同一又は類似のものである。
(2)本件商標と引用商標3及び4との類否
本件商標は「ビームス」の称呼を生じ、引用商標3及び4は、片仮名で「ビームス」と横書きしてなり、「ビームス」の称呼を生ずるから、両者は、共に「ビームス」の称呼を生じ、称呼において類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標3及び4の指定役務は、第37類(37A02)又は第42類(42N01、42P02、42Q02)において同一又は類似のものである。
(3)称呼「イームス」と称呼「ビームス」との類否
仮に、本件商標からは「イームス」との称呼が生ずるとしても、「イームス」と「ビームス」の両称呼は、共に4音からなる称呼であって、その差異は、語頭の音「イ(i)」と「ビ(bi)」の一音のみであり、この一音は母音「i」を共にしているため、その差異は子音「b」の有無にすぎない。 そして、語頭の一音「イ(i)」と「ビ(bi)」の差異で類似とされ、拒絶査定を受けた商標登録出願例が存在する。
したがって、仮に、本件商標が「イームス」と称呼される場合であっても、本件商標と引用商標とは類似するものである。
3 結語
以上のように、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定役務についても同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とされるべきものである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べた。
1 被請求人のホームページについて
自社名の一部や略称である「ビームス」及び「Beams」部分を自社のロゴとしてデザイン化している事実を推認できるか否かはともかく仮に推認できるとしても、本件商標の称呼をこれに拘束させる理由はない。
被請求人のホームページの記載がどのようなものであれ、それは被請求人が記載したものであり、取引者・需要者が本件商標の称呼をどう特定するかは取引者・需要者の判断に委ねられるべきである。
とりわけ、本件商標に係る需要者にあっても請求人同様に、被請求人のホームページに容易にアクセスが可能であるかのごとき前提の下、その内容から取引者・需要者が本件商標の称呼をホームページを通じて容易に認識できるものであるとするのは全く認めることができない。
そうすると、本件商標に接する需要者は、「eams」の欧文字を見たとしても「Beams」の欧文字を必ず想起するものではなく、むしろ我が国における英語の普及水準からすると「Ceams」「Deams」「Geams」等種々の欧文字を自由に想起し得るものと考えられる。
また、簡易迅速を旨とする商取引の実情からは、本件商標から「ビームス」あるいは「Beams」ロゴを認識するよりむしろ、簡易迅速を旨とするがゆえ明らかな欧文字で表されている「eams」から「イームス」あるいは「eams」ロゴを認識するのが社会通念上自然であると解される。
2 本件商標に付与されるウィーン分類コードと過去の登録例について
ウィーン分類コードは参考情報であり、これがどのように付されていようと本件商標を見た取引者・需要者が本件商標の全体を観察して生じる称呼を一律に拘束するものではない。
甲第9号証(無効2009-890086)の審決は、「ハート型図形の輪郭線が両脇の欧文字と同じ色、同じ太さで描かれていることに加え、文字からなる商標がその一部又は全部を図案化するなどして特徴を持たせることが盛んに行われている今日の商取引の実情に照らせば」と認定しているのであり、本件と事案が全く異なるものである。
請求人は、甲第10号証の1ないし3として過去の登録例を挙げているが、本件商標と全く事案が異なり、甲第10号証の1ないし3は本件商標の図形部分から欧文字「B」を認識させる何の証拠にもなっていない。
3 小括について
「欧文字を図案化するなどが盛んに行われる今日の商取引事情」があるにしても、その図案からどのような文字が「認識・理解・想起・連想」されるかはその図案化の程度にかかるものであり、本件商標の図形部分が欧文字を図案化するなどが盛んに行われる今日の商取引事情から欧文字「B」をデザイン化したものとするのはかなり無理がある。
また、被請求人のホームページにある記載については、これより取引者・需要者が本件商標から「ビームス」との称呼を生じさせる証拠となり得ない。
そして、甲第1号証の称呼欄は参考情報であり、本件商標の称呼がこれに一律に拘束されるものではない。
4 本件商標と引用商標との類否について
本件商標から「ビームス」との称呼が生じるとする請求人の主張は理由がない。
本件商標は、左側に青色の輪郭線を有する図形を配し、これに密着させるように右側に青色の輪郭線と同色、同程度の太さをもって「eams」の欧文字を筆記体にて表した構成よりなり、これより本件商標全体が青色で彩色されたまとまりある一体的な印象を与える。
また、本件商標中の図形部分はその輪郭内の4か所のうち3か所を若草色に配してなるとともに植物の葉の特徴を思わせる左右対称の如き形状を有しているので、これに接する取引者・需要者が一見して植物の葉を想起させる。
仮に、図形部分が欧文字の「B」を表す構成であるとしても、極端に同文字を変更、図案化したものであってこれに接する取引者・需要者が一見して直ちに欧文字「B」を表すとは認識できない。
そこで、本件商標と引用商標とを外観について比較すると、本件商標は全体が青色で彩色されたまとまりある一体的な印象を与えるものであり、「BEAMS」又は「ビームス」と書した引用商標とは、構成上顕著な差異を有し、外観において相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標は、「eams」の文字に相応して「イームス」の称呼が生じ、商標全体から特定の観念が生じるものではなく、引用商標は、「BEAMS」又は「ビームス」の文字を書してなることから、その構成文字に相応して「ビームス」の称呼が生じ、「梁、光線」の観念を生ずる。
そして、本件商標と引用商標との称呼及び観念について比較するに、本件商標から生ずる「イームス」と引用商標から生ずる「ビームス」とは、両者は第2音ないし第4音を共通にするがいずれも短い4音構成からなり、称呼の識別上重要な位置を占める語頭において「イ」と「ビ」の音の差異を有し、十分に識別でき、また、本件商標と引用商標とは観念においても相紛れるおそれはなく類似するものではない。
したがって、本件商標と引用商標は外観、称呼及び観念のいずれの点からも相紛れるおそれがない非類似の商標である。
5 称呼「イームス」と称呼「ビームス」との類否について
本件商標から生ずる「イームス」と、引用商標から生ずる「ビームス」とは、第2音ないし第4音を共通にするが、いずれも短い4音構成からなり、称呼の識別上重要な位置を占める語頭において「イ」と「ビ」の音の差異を有し、十分に識別できるものであるから、類似しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標は、引用商標に類似せず、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

第5 当審の判断
1 本件商標について
(1)本件商標は、片方を尖らせた楕円様の青色の輪郭線を左右に2つずつバランスよく組み合わせ、その内の3つに若草色を施した構成からなる図形部分(以下、「本件図形部分」という。)の右側に接着して、本件図形部分の下半分を占める高さで、「eams」との欧文字を青色の筆記体で横書きして配置した構成からなるものである。
(2)本件商標のうち、本件図形部分は、それ自体に着目した場合、これが文字であるとは直ちにいえず、例えば単に植物の葉を図案化したものとみることも可能である。
したがって、このように本件図形部分を植物の葉等の何らかの物体を図案化したものと把握した場合、本件商標からは、文字部分に対応する「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じるほか、当該文字部分に対応する英語又は日本語は、直ちに想起し難いから、特定の観念が生じないとみる余地も、ないではない。
しかしながら、英語では固有名詞を書き表す際などに頭文字のみを大文字で書く場合があることは、我が国でも周知であるところ、本件商標の文字部分は、いずれも欧文字の小文字で書かれており、本件図形部分の下半分を占める高さで本件図形部分に接着して配置されている。しかも、本件図形部分は、文字部分と接着する右側部分が、主に片方をとがらせた2つの楕円様の青色の輪郭線で構成され、その左側部分よりも大きく描かれ、かつ、左側部分とはわずかに離れて配置されているばかりか、本件図形部分の輪郭線及び文字部分は、いずれも同じ青色で構成されている。
以上のような本件図形部分と文字部分(「eams」)との配置関係や本件図形部分の構成及び配色に照らすと、本件図形部分は、当該文字部分と一連一体となって、「Beams」という「梁」又は「光線」を意味するものとして我が国でも周知の英単語を書き表すために、欧文字の大文字である「B」を筆記体ふうに図案化したものであるとみることができる。
したがって、このように本件図形部分を欧文字の大文字である「B」を図案化したものと把握した場合、本件商標からは、「ビームス」との称呼が生じるほか、その英語の意味に従い、「梁」又は「光線」との観念が想起されるというべきである。
(3)以上によれば、本件商標からは、「イームス」又は「イーエーエムエス」との称呼が生じ、特定の観念が生じないとみる余地もあるが、同時に、「ビームス」との称呼が生じ、「梁」又は「光線」との観念が想起されるものと認められる。
2 引用商標について
引用商標は、前記第2の1ないし4に記載のとおりのものであるところ、これらからは、いずれも「ビームス」との称呼が生じ、「梁」又は「光線」との観念が想起されることが明らかである。
3 本件商標と引用商標との類否判断について
(1)以上を基に本件商標と引用商標との類否を検討すると、まず、本件商標と引用商標3及び4とでは、外観を異にすることが明らかであり、本件商標と引用商標1及び2とでは、いずれも欧文字で「Beams」又は「BEAMS」と記載されている点で共通するものの、文字の大小、その書体及び図案化の程度がいずれも異なっていることから、外観がかなりの程度異なるということができる。
他方で、本件商標と引用商標とでは、いずれも「ビームス」との称呼が生じ、「梁」又は「光線」との観念が想起されることで一致している。
(2)引用商標の指定役務は、別掲2及び3に記載のとおりであるところ、これらのうち、引用商標1及び3に関する別掲2に記載の第37類「建築工事に関する助言」は、本件商標の指定役務である第37類「建築物・土木構造物の工事監理」と、同一又は類似のものである。
また、引用商標2及び4に関する別掲3に記載の第42類「建築物の設計」及び「測量」は、本件商標の指定役務である第42類「建築物・土木構造物の設計」と、別掲3に記載の第42類「建築又は都市計画に関する研究」及び「土木に関する試験又は研究」は、本件商標の指定役務である第42類「建築物・土木構造物の耐震性調査及び診断」と、別掲3に記載の第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」は、本件商標の指定役務である第42類「電子計算機のプログラムの設計及び開発」と、いずれも同一又は類似のものである。
(3)以上のとおり、本件商標の指定役務は、いずれも引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるが、被請求人の主張によっても、これらの役務に係る取引に当たり、取引者、需要者が本件商標及び引用商標から出所の異同を識別できる実情があるとは認められない。
4 被請求人の主張について
被請求人は、本件図形部分に接する取引者、需要者が一見して直ちに欧文字「B」を表すとは認識できるものではないと主張する。
しかしながら、前記1のとおり、本件図形部分と文字部分(「eams」)との配置関係や本件図形部分の構成及び配色に照らすと、本件図形部分は、当該文字部分と一連一体となって、「Beams」という英単語を書き表すために、欧文字の大文字である「B」を図案化したものであるとみることもできるのであって、これに反する被請求人の上記主張は、採用できない。
5 小括
以上のとおり、引用商標は、いずれも本件商標の商標登録出願日前に商標登録出願がされた請求人の登録商標であるところ、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念が一致し、指定役務も同一又は類似するものであって、当該指定役務に係る取引に当たり、取引者、需要者が本件商標及び引用商標から出所の異同を識別できる実情があるとは認められないから、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、引用商標の指定役務又はこれに類似する役務について使用するものであるというべきである。
6 総括
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)

(色彩については、原本を参照されたい。)

別掲2(引用商標1及び3の指定役務)
第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,船舶の建造,船舶の修理又は整備,航空機の修理又は整備,自転車の修理,自動車の修理又は整備,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,映画機械器具の修理又は保守,光学機械器具の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,荷役機械器具の修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,鉄砲の修理又は保守,印刷用又は製本用の機械器具の修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,漁業用機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,靴製造機械の修理又は保守,工業用炉の修理又は保守,鉱山機械器具の修理又は保守,ゴム製品製造機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,繊維機械器具の修理又は保守,たばこ製造機械の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,農業用機械器具の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,包装用機械器具の修理又は保守,ミシンの修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,ガソリンステーション用装置の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用加熱調理機械器具の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,動力付床洗浄機の修理又は保守,遊園地用機械器具の修理又は保守,美容院用又は理髪店用の機械器具の修理又は保守,水質汚濁防止装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,潜水用機械器具の修理又は保守,原子力発電プラントの修理又は保守,化学プラントの修理又は保守,家具の修理,傘の修理,楽器の修理又は保守,金庫の修理又は保守,靴の修理,時計の修理又は保守,はさみ研ぎ及びほうちょう研ぎ,錠前の取付け又は修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,看板の修理又は保守,かばん類又は袋物の修理,身飾品の修理,おもちゃ又は人形の修理,運動用具の修理,ビリヤード用具の修理,遊戯用器具の修理,浴槽類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理,釣り具の修理,眼鏡の修理,毛皮製品の手入れ又は修理,洗濯,被服のプレス,被服の修理,布団綿の打直し,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),医療用機械器具の殺菌・滅菌,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与,洗車機の貸与,電気洗濯機の貸与,衣類乾燥機の貸与,衣類脱水機の貸与,家庭用ルームクーラーの貸与,鉱山機械器具の貸与,暖冷房装置の貸与」

別掲3(引用商標2及び4の指定役務)
第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,栄養の指導,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」


審理終結日 2013-04-12 
結審通知日 2013-04-17 
審決日 2013-05-01 
出願番号 商願2010-63946(T2010-63946) 
審決分類 T 1 11・ 263- Z (X3742)
T 1 11・ 262- Z (X3742)
T 1 11・ 261- Z (X3742)
最終処分 成立  
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
大森 健司
登録日 2010-12-24 
登録番号 商標登録第5378262号(T5378262) 
商標の称呼 ビームス、イームス、イイエイエムエス 
代理人 杉本 明子 
代理人 平野 泰弘 
代理人 和田 成則 

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