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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1271290 
異議申立番号 異議2012-900256 
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-09-03 
確定日 2013-03-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5497684号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5497684号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5497684号商標(以下「本件商標」という。)は、「スマートオペーク」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年12月22日に登録出願され、第25類「洋服,寝巻き類,下着,靴下,草履類,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成24年5月1日に登録査定、同年6月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として第1号証ないし第65号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の沿革・事業内容・規模
申立人は、1959年1月に設立され、婦人・紳士・子供服等の企画販売を事業内容とし、資本金180億10百万円、従業員数2234名の、神戸市中央区に本社を置く法人である(第3号証)。
イ 申立人の事業形態・店舗展開・広告・WEBサイト小売り販売
申立人は、小売事業を展開しており、「OPAQUE」及び「オペーク」をブランド名とする店舗は、「オペーク ギンザ」(中央区銀座)が1998年10月、「オペーク ナゴヤ」(中央区栄)が2001年3月、「オペーク 丸の内」(丸の内マイプラザ)が2004年9月、「オペーク オオサカ」(阪神百貨店)が2005年3月、「オペーク キョウト」(コトクロス阪急河原町)が2007年10月及び「オペーク 広島」(福屋八丁堀本店)が2008年10月にオープンしている(第4号証の2)。
わずか14年ではあるが、日本の主要都市に大型店舗を効率よく配置し、女性誌等広告媒体への広告、新聞広告、WEB利用の自社広告、WEBオンライン誌等への掲載広告、インターネットムービーを利用した宣伝手法、テレビ等各種媒体を利用した宣伝、また、店舗販売のみならずWEBサイトでの小売り販売による全国の消費者への販売等を通じ、女性用被服、女性用履物、女性用化粧品等を扱う店舗名、小売店名として「オペーク」(以下「引用商標」という。)は、需要者間、特にキャリア女性、20代から40代の女性の間に広く認識されるに至っているものである(第5号証ないし第41号証)。
なお、「OPAQUE」の商標は、より使用頻度が高いため周知商標に至っている。
(2)申立の根拠
引用商標は、役務「被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について周知商標である。
本件商標「スマートオペーク」は、「スマート」と他人の引用商標とを結合させたものである。
商標審査基準の商標法第4条第1項第10号についての記載によっても「本号でいう『需要者の間に広く認識された』他人の未登録商標と他の文字とを結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上のつながりがあるものを含め、原則としてその未登録商標と類似するものとする。」とされている。
そして、本件商標の「スマート」(smart)は「おしゃれな、洗練された」を、「オペーク」(opaqeu)は「不透明なもの、不透明体」等を意味し、全体として「おしゃれな不透明なもの」程度の意味合いを有するが、既成語ではなく、著しく異なった外観、称呼、観念も生じないことは明らかであるため、本件商標は、引用商標と類似するものである。
また、被服・履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供と本件商標に係る指定商品とは、役務と商品であっても、相互に類似するものと推定し、審査上もクロスサーチをすることを原則としている。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似の商標であり、また、その指定商品中の「洋服、寝巻き類、下着、靴下、草履類」は、申立人の業務に係る「被服・履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

3 当審の判断
(1)「オペーク(「OPAQUE」を含む。)」の周知性について
申立人の提出した証拠によれば、次の事実が認められる。
ア 「オペーク」の店舗について
申立人は、キャリア女性に向けた、日常のラグジュアリーを提案する(小売)店舗として、1998年10月に「オペークギンザ」を出店し、2001年3月に「オペークナゴヤ」(ただし、「OPAQUE 2011 Spring&SummerCollection」のSHOPLISTにはない(第28号証の6)。)、2004年9月に「オペーク 丸の内」、2005年3月に「オペーク オオサカ」、2007年10月に「オペーク キョウト」及び2008年10月に「オペーク 広島」を出店し、「オペーク」「OPAQUE」と称するファッションライフスタイルストア(セレクトショップ)を展開している(第4号証の2)。
イ 広告宣伝等の状況について
(ア)雑誌
雑誌「SPUR[シュプール]」(2008年11月号)において、「OPAQUE」全店で、9/25(木)に10周年記念キャンペーンをスタートする旨の広告が掲載され、「美人百花」(2008年11月号)、「ファッション販売」(2008年12月号、2009年2月号及び4月号)、「ファッション週刊誌WWDジャパン」(2008年11月10日発行及び2009年1月25日発行)、「AneCan」(2009年1月号)、「美的 BITEKI」(2009年3月1日発行)、「Oggi」(2009年4月号)にも、同様の広告が掲載された(第5号証ないし第7号証及び第11号証ないし第17号証)。
また、ファッション販売(2010年12月号)に、2010年9月16日から12月27日のキャンペーンの広告が掲載された(第27号証)。
(イ)新聞
2008年10月9日付け中国新聞において、「オペーク広島」のオープンについての広告が、被服、靴等の商品の紹介とともに掲載され(第10号証)、2009年2月16日付け東京新聞において、「暮らしを見つめて」の見出しのもと、2009年春のファッション情報記事に「オペークギンザ」が紹介された(第18号証)。
(ウ)ウェブサイト
申立人は、ウェブサイトを開設し広告をおこなっている(第22号証及び第58号証)ほか、2008年9月25日から同年10月24日に、ウェブマガジン「ELLE ON LINE」上に「10周年記念キャンペーン」等の広告(第8号証)が行われ、本件商標の登録出願後の2011年12月26日に「Oggi.TV」のウェブサイトにおいて「オペークの年末年始セール情報」が掲載された(第34号証)。
(エ)パンフレット
2009年春・夏用パンフレット、2009年秋・冬用リーフレット、2011年春・夏用パンフレット、2011年秋・冬用リーフレット、2011年4月22日から5月8日のキャンペーン用リーフレット、2011年秋・冬用パンフレット、同じく2011年秋・冬用パンフレット及び2010年9月16日からのキャンペーン用パンフレット(01?03)が作成され(第19号証、第20号証、第24号証ないし第26号証、第28号証及び第30号証ないし第33号証)、本件商標の登録出願後の2012年春・夏用リーフレット、2012年2月23日からのキャンペーン用リーフレット、2012年4月のスペシャル企画用リーフレットを作成した(第35号証ないし第37号証)。
(オ)その他
2002年11月1日にオペークギンザのリニューアルオープンを記念して行われた、タレントによる「こだわりファッション・セレクト術」と題するトークショウが開催された(第39号証)。
ウ 以上によれば、申立人は、引用商標を被服・靴等の小売の業務について使用するものであるが、申立人が展開する店舗は全国でも6店舗(既に閉店しているオペークナゴヤを含む。)にすぎず、最初に開店した「オペークギンザ」でも開店から約14年であり、「オペークオオサカ」が約4年、「オペーク広島」が約3年を経たにすぎないこと、また、宣伝・広告についても、「オペークギンザ」のオープンから10周年を記念したキャンペーンの実施時期(2008年9月25日から2009年3月22日)頃には比較的多くの広告を行ったことは認められるが、それ以前の宣伝・広告等の状況を示す証拠の提出はなく、その後の宣伝・広告については、季節毎のファッション情報やキャンペーン情報を掲載したパンフレット及びウェブサイトによる広告が行われたこと等が認められるが、パンフレット等についてはその配布方法、配布数量などの配布状況が明らかでなく、ウェブサイトについてはそのアクセス数も不明である。
そうとすれば、提出された各号証によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時(平成23年12月22日)及び登録査定時(平成24年5月1日)において、申立人の業務に係る役務「被服・履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていた商標と認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、上記1のとおり、「スマートオペーク」の文字を同書・同大にまとまりよく表してなるものであり、これより生ずる「スマートオペーク」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。そして、本件商標のかかる構成にあっては、殊更「スマート」の文字部分と「オペーク」の文字部分とに分離して観察しなければならない特段の事情は見当たらないものであるから、全体をもって不可分一体のものとして認識し把握されるというのが自然である。
してみれば、本件商標は、全体として、既成の親しまれた観念を有しない一種の造語として認識し理解され、「スマートオペーク」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「オペーク」の文字からなるところ、これより「オペーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標と引用商標は、その外観において「オペーク」の文字を共通にするが、語頭において「スマート」の文字の有無という顕著な差異を有するから十分区別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
また、本件商標から生ずる称呼「スマートオペーク」と引用商標から生ずる「オペーク」の称呼において、両者は、語頭において「スマート」の音の有無という顕著な差異を有するから、十分聴別することができるものであり、観念において、いずれも特定の観念を生じないから、両者を比較することができないものである。
そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。
そして、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていた商標と認めることはできないことは上記(1)のとおりである。
したがって、本件商標は、引用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできないものであり、また、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-03-08 
出願番号 商願2011-92503(T2011-92503) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩本 和雄 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 堀内 仁子
梶原 良子
登録日 2012-06-01 
登録番号 商標登録第5497684号(T5497684) 
権利者 グンゼ株式会社
商標の称呼 スマートオペーク 
代理人 高橋 俊一 
代理人 岩崎 幸邦 
代理人 三好 秀和 

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