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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 118
管理番号 1258345 
審判番号 取消2011-300225 
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-02-28 
確定日 2012-06-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第1635680号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1635680号商標(以下「本件商標」という。)は、「ムトウランドセルともだち」の文字を横書きしてなり、昭和55年9月22日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年11月25日に設定登録、平成15年12月10日に指定商品を第18類「ランドセル」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しない。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用事実
本件商標は、次のとおり、その指定商品である「ランドセル」について、商標権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されている。
ア 乙第1号証の1は、商標権者の2008年11月12日のホームページのプリントアウトであり、商標権者はそのホームページで示す商品一覧を掲載して注文を受け、ランドセルの販売を行っている。そして、同ホームページの1/5ページに本件商標を構成する「ムトウランドセル」「ともだち」の文字が、商標権者が販売するランドセルの商品識別標識として使用されている。
イ 乙第1号証の2は、乙第1号証の1が商標権者のホームページのプリントアウトであることを証明する書面であり、乙第4号証は、商標権者の名称が株式会社ムトウから株式会社スクロールに変更されたことを証明する会社登記簿謄本である。
ウ 乙第2号証は、乙第1号証の1のホームページを介したランドセルの注文を管理するためのコンピューターのアウトプットであり、2009年(平成21年)2月14日、1月20日、2月2日に、赤色の「ムトウランドセルともだち」の注文を受けていることが示されている。また、乙第3号証は、注文を管理するために各商品の商品コード等を設定する申込番号設定確認票である。
エ そして、本件商標は「ムトウランドセルともだち」であり、使用されている商標は「ムトウランドセル」と「ともだち」が物理的に離れた状態で使用されているが、このような使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用である。このことは、乙第5号証の先審決例からも裏付けられる。
(2)結語
以上のように、本件商標は、商標権者により本件審判請求の登録前3年以内に日本国内においてその指定商品について使用されている。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の証拠によれば次の事実を認めることができる。
ア 被請求人は、平成19年4月1日に本店を「静岡県浜松市佐藤二丁目24番1号」から「浜松市中区佐藤二丁目24番1号」に、また、平成21年10月1日に商号を「株式会社ムトウ」から「株式会社スクロール」に変更した(乙第4号証)。
イ 乙第1号証の1は、「ムトウのランドセル」と題するウェブページのプリントアウトであるが、その表題、各ページの左下のURL及び右下の「2008/11/12」の記載から、当該ウェブページは、商標権者が少なくとも2008年(平成20年)11月12日に提供したものと認められる。
そして、その1/5ページの上部には「ムトウランドセルホームページ」「カタログショッピングのムトウがお届けする/ムトウランドセル」及び「500万人のおともだちに愛用されたムトウランドセル。(「ムトウランドセル」の文字は太字で表されている。)」の表示(以下、これらをまとめて「ムトウランドセル表示」という。)があり、中段には「ともだち」の表示(以下「ともだち表示」という。)及びランドセルの写真とともに「税込価格18,900円」などの記載がある。
ウ 乙第2号証の品名「トモダチ」及び税込単価「18900」の記載と乙第1号証の1の「ともだち」の表示及び「税込価格18,900円」の記載が一致すると認められるから、商標権者は、平成21年1月及び2月に乙第1号証の1のランドセルを販売したとみることができる。
(2)判断
ア 商標権者は、商品「ランドセル」に関する広告を内容とする情報にムトウランドセル表示及びともだち表示(以下、両表示を合わせて「使用商標」という。)を付して、少なくとも2008年(平成20年)11月12日に自己のウェブページで電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)ものと認められる。
また、商標権者は当該ウェブページで広告した商品「ランドセル」を、平成21年1月及び2月に販売したとみることができる。(上記(1))
イ 上記アの平成20年11月12日は、本件審判の請求の登録(登録日は平成23年3月23日。)前3年以内である。
ウ 本件商標は、「ムトウランドセルともだち」の文字からなり、構成文字の種類が異なる(片仮名と平仮名)ことから容易に「ムトウランドセル」と「ともだち」の文字を結合してなるものと認識させるものである。
そして、使用商標は、「ムトウランドセル」と「ともだち」の文字が物理的に離れているものの、両文字が同一のページ(画面)に表示されていること、登録商標の使用態様の変更は一般に行われていること、及び本件商標が「ムトウランドセル」と「ともだち」の文字を結合してなるものと容易に認識させるものであることなどを合わせ考慮すれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。
エ 商品「ランドセル」は、本件審判の請求に係る指定商品である。
オ そうとすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品「ランドセル」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したというべきである。
(3)請求人は、上記3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品第18類「ランドセル」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品第18類「ランドセル」について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-01-12 
結審通知日 2012-01-16 
審決日 2012-02-01 
出願番号 商願昭55-77593 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (118)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
大島 康浩
登録日 1983-11-25 
登録番号 商標登録第1635680号(T1635680) 
商標の称呼 ムトーランドセルトモダチ、ムトーランドセル、トモダチ 
代理人 稲岡 耕作 
代理人 川崎 実夫 
代理人 國分 孝悦 
代理人 竹原 懋 

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