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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09354142
審判 全部申立て  登録を維持 X09354142
審判 全部申立て  登録を維持 X09354142
管理番号 1255334 
異議申立番号 異議2011-900327 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-09-12 
確定日 2012-04-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5416862号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5416862号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5416862号商標(以下「本件商標」という。)は、「ツイートデコ」の片仮名と「tweetdeco」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、平成22年12月8日に登録出願、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年5月9日に登録査定され、同年6月10日に設定登録されたものである。
その後、本件商標に係る商標権については、平成23年12月15日に放棄による本商標権の抹消登録の申請がされ、その登録の抹消がされているものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証(枝番を含む。)を提出した。
1 引用商標
申立人の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりである。
なお、これらを一括していうときは、以下、単に「引用商標」という。
(1)登録第5188811号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TWITTER」の文字を標準文字で表してなり、平成19年10月26日に登録出願(優先権主張:アメリカ合衆国、2007年4月26日)、第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5327291号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TWEET」の文字を標準文字で表してなり、平成21年6月11日に登録出願(優先権主張:アメリカ合衆国、2009年4月16日)、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同22年6月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5332541号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ツイート」の文字を標準文字で表してなり、平成21年7月16日に登録出願、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同22年6月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第5278420号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ついったー」の文字を標準文字で表してなり、平成21年6月9日に登録出願、第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ツイート」(tweet)及び「デコ」(deco)の結合商標と認められる。
そして、前段の「ツイート」及び「tweet」の部分は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者に広く認識されているものであり、後段の「デコ」(deco)の部分は、「デコレーション」(decoration)の略語であって、「飾り付け」、「装飾」を意味する英語として日本人に親しまれているものであるから、本件商標に接する需要者は、広く知られている略語の部分よりも、申立人の業務を表象するものとして周知・著名である前段の「ツイート」及び「tweet」の部分に着目する。
そうすると、本件商標の識別力が生じる部分は前段の「ツイート」及び「tweet」の部分であるから、本件商標は、引用商標2(TWEET)及び引用商標3(ツイート)と称呼において類似するものである。
また、「ツイート内容を簡単にデコレーションして投稿、表示する環境を実現できます」との説明が本件商標権者のウェブサイトに掲載されている(甲第25号証)ことからすると、申立人の運用するソーシャルネットワーク「TWITTER」(ツイッター)への投稿をする際に、メッセージを装飾するという観念が生じるといえるから、本件商標と引用商標1ないし3とは、観念上においても相紛らわしい類似の商標である。
3 商標法第4条第1項第15号について
本件商標の登録出願時及び登録時において、引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られていたものである。
本件商標は、引用商標2と実質的に同一の「tweet」及び引用商標3と同一の「ツイート」を含むものであって、その指定商品及び指定役務は、引用商標2又は3と共通するもの又は密接な関連性を有するものである。また、引用商標1「TWITTER」は、ミニブログ、コミュニティサイトの提供、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)といった申立人の業務を表象するものとして日本国内で広く知られており、引用商標2ないし4も、上記「TWITTER」と極めて密接に関連する申立人の業務を表象するものとして広く知られている。
したがって、本件商標は、これがその指定商品及び指定役務に使用された場合、申立人の提供する役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性
(1)「Twitter(ツイッター)」商標及び引用商標1について
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、平成18年(2006年)3月からインターネット上で「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスをウェブサイト「Twitter」を介して提供していること(甲第6号証)、上記サービスは、140文字以内の短いメッセージの投稿、閲覧、返答が可能なもので、ブログと電子メールの中間的な位置付けがされるユニークなものであること(甲第7号証)、我が国では、上記サービスが同18年7月16日に開始されて以来、上記ウェブサイトの登録ユーザー数は増加の一途をたどり、同22年1月には500万人を超えたこと(甲第8号証及び甲第10号証)、同22年1月頃には、上記ウェブサイトは、一般人のみならず、総理大臣、芸能人、政治家、評論家等に幅広く利用され、新聞、雑誌等のマスコミでも注目されるようになり、その認知度は70.2%に達し、上記ウェブサイト及び上記サービスは、「Twitter」又は「ツイッター」の表記でインターネットや雑誌等のメディアに紹介されていること(甲第9号証及び甲第10号証)、その後も「Twitter(ツイッター)」に関し、雑誌、テレビ番組等の特集、関連書籍の出版等がされていること(甲第11号証ないし甲第22号証)が認められる。
以上によれば、申立人の上記ウェブサイト及び上記サービスは、その開始以来短期間で急速に需要者間に浸透し、それと共に「Twitter(ツイッター)」は、申立人の業務に係る役務を表示する商標として、本件商標の登録出願時には既に取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。
なお、引用商標1「TWITTER」は、その綴りを全て大文字により表してなるが、「Twitter」商標と同様に申立人の上記サービスを認識させるものとみて差し支えないものといえる。
(2)引用商標2ないし4について
ア 引用商標2「TWEET」及び引用商標3「ツイート」については、申立人の提出に係る証拠よりすると、わずかに前出雑誌(甲第10号証)の41頁に「ツイッター用語集」を見出しとする表に「【Tweet(ツイート=つぶやき)】/ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。字数は140字以内に制限されている。」との記載、及び「Twitterが、ウェブサイトで『Tweet』という単語を使い始めた」(甲第23号証)、「ツイートボタンでリンクを簡単に共有しよう」(甲第24号証)が認められる程度である。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標2及び3が、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものということはできない。
その他、本件商標の登録出願時において、引用商標2及び3が、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていことを認めるに足る証拠はない。
そして、引用商標2及び3と「Twitter(ツイッター)」とは、構成文字が相違し、互いに別異のものとして認識し理解されるものというべきであるから、「Twitter(ツイッター)」が取引者・需要者の間に広く認識されているとしても、そのことのみで、引用商標2及び3も取引者・需要者の間に広く認識されているということはできない。
イ 引用商標4「ついったー」については、前出ウェブページ(甲第6号証及び甲第7号証)に記載があるのみであり、取引者・需要者の間に広く認識されていると認めるに足る事実を見いだすことはできない。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ツイートデコ」の片仮名と「tweetdeco」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ツイートデコ」の称呼のみを生じるものであって、特定の意味を有しない造語というのが相当である。
(2)引用商標1ないし3について
引用商標1は、前記第2の1(1)のとおり、「TWITTER」の文字を標準文字で表してなるから、その構成文字に相応して「ツイッター」の称呼を生じるものである。そして、引用商標1は、上記1(1)のとおり、「Twitter」商標を認識させ「140文字以内の『ツイート』(tweet)と称される短文を投稿できる情報サービス」の意味を有するといえる。
引用商標2は、前記第2の1(2)のとおり、「TWEET」の文字を標準文字で表してなり、また、引用商標3は、前記第2の1(3)のとおり、「ツイート」の文字を標準文字で表してなるから、それぞれ、その構成文字に相応して「ツイート」の称呼が生じるものである。そして、「tweet」の語は、「(小鳥の)さえずり」の意味を有する英語ではあるものの、一般に使用される単語でもなく、また、上記1(2)アのとおり、引用商標2及び3が、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものということはできないことからすれば、引用商標2及び3は、これらから特定の観念が生じるとはいえないとするのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1ないし3との類否について
本件商標は、上記(1)のとおり、「ツイートデコ」の称呼を生ずるものといえるのに対し、引用商標1ないし3は、上記(2)のとおり、「ツイッター」又は「ツイート」の称呼が生ずるものである。
しかして、本願商標から生ずる「ツイートデコ」の称呼と、引用商標1ないし3から生ずる「ツイッター」又は「ツイート」の称呼とは、構成音数が相違するばかりでなく、構成各音の相違により、それぞれ一連に称呼するときは、全体の音感、音調が著しく相違し、互いに紛れることなく容易に区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標1ないし3とは、前記第1及び前記第2の1(1)ないし(3)のとおりの構成態様よりなるものであるから、両者は、外観上判然と区別し得るものである。また、本件商標は、上記(1)のとおり、観念を有しないものであるから、引用商標1ないし3と観念において紛れるおそれはない。
その他、本件商標と引用商標1ないし3とを類似とすべき事由は見いだせない。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであるから、本件商標がたとえその指定役務中に引用商標1ないし3の指定役務と抵触するものを含んでいるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)上記1(1)のとおり、「Twitter(ツイッター)」がインターネット上での「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と称するサービスにおいて使用されている商標であって、本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る当該サービス(役務)を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、「ツイートデコ」の片仮名と「tweetdeco」の欧文字からなる本件商標と、上記「Twitter」商標とは、明らかな差異があり、上記2(3)において本件商標と引用商標1との類否について認定、判断したと同様に、両者は、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、その他に両者が紛れ得るとする点は見いだせないから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに当該インターネット上でのメッセージサービスに使用される「Twitter(ツイッター)」商標又は引用商標1を連想・想起し、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(2)また、引用商標2ないし4が、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたということができないことは、上記1(2)の認定のとおりである。
さらに、引用商標2ないし4と本件商標とは、その構成文字が著しく相違し、互いに別異のものとして認識し理解されるものというべきである。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標2ないし4を連想・想起させるものとは認められず、その商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-03-30 
出願番号 商願2010-99258(T2010-99258) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X09354142)
T 1 651・ 262- Y (X09354142)
T 1 651・ 271- Y (X09354142)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2011-06-10 
登録番号 商標登録第5416862号(T5416862) 
権利者 株式会社アイフリーク
商標の称呼 ツイートデコ 
代理人 瀧澤 文 
代理人 大森 規雄 
代理人 小林 浩 
代理人 鈴木 康仁 

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